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「登録支援機関って何をしてくれるの?」「届出の方法がわからない」「費用はどのくらいかかる?」──特定技能外国人の受入れを検討する企業の方から、こうしたご相談をいただくことが非常に多くなっています。
この記事では、登録支援機関の定義・役割・届出手続き・義務的支援10項目・費用相場まで、入管業務専門の行政書士がゼロから徹底解説します。
結論からいえば、登録支援機関とは、特定技能1号の外国人が日本で安定して働けるよう、法律で定められた10項目の支援を代行する専門機関です。自社で支援体制を整えることが難しい企業にとって、登録支援機関への委託は事実上の必須選択肢といえます。
初めて外国人を雇用する企業の担当者の方、これから登録支援機関の届出を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次
登録支援機関とは?基本を解説
登録支援機関の定義
登録支援機関とは、出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の23に基づき、出入国在留管理庁長官の登録を受けた個人または団体のことです。
具体的には、特定技能1号の外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)から委託を受けて、「1号特定技能外国人支援計画」に定められた支援を実施する役割を担います。
登録された機関は「登録支援機関登録簿」に記載され、出入国在留管理庁のホームページで一般に公開されています。
なぜ登録支援機関が必要なのか
特定技能制度では、受入れ企業は外国人の職業生活・日常生活・社会生活にわたる支援計画を作成し、実行する義務があります。しかし、実際には以下の理由から自社だけで支援体制を整えることが難しいケースが大半です。
- 多言語対応の負担:支援は外国人が十分に理解できる言語で行う必要がある
- 専門知識の不足:入管法令・労働法令に精通した担当者の確保が困難
- 人員不足:支援責任者・支援担当者の選任や定期面談の実施に人的リソースが必要
登録支援機関に支援計画の全部を委託すると、受入れ企業が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされるため(入管法第19条の22第2項)、中小企業にとっては極めて実務的な選択肢です。
2026年2月時点で、全国の登録支援機関は11,158件に達しており、制度開始以降、登録数は右肩上がりで増え続けています。
関連する法律・制度
| 法令・制度 | 内容 |
|---|---|
| 出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の23〜第19条の35 | 登録支援機関の登録・届出・取消し等に関する規定 |
| 特定技能基準省令(平成31年法務省令第5号) | 支援計画の基準、義務的支援の詳細を規定 |
| 1号特定技能外国人支援に関する運用要領 | 義務的支援10項目の実施方法を具体的に解説 |
| 特定技能制度(2019年4月施行) | 深刻な人手不足に対応し、即戦力の外国人材を受け入れる制度。現在16分野が対象 |
なお、在留資格の種類や基本的な仕組みについては、別記事で詳しく解説しています。
登録支援機関が行う義務的支援10項目
登録支援機関(または受入れ企業)が必ず実施しなければならない支援は、以下の10項目です。
| No. | 支援項目 | 概要 | 実施タイミング |
|---|---|---|---|
| 1 | 事前ガイダンスの提供 | 業務内容・報酬・労働条件・入国手続き等を説明。対面またはテレビ電話で3時間以上実施 | 入国前 |
| 2 | 出入国する際の送迎 | 入国時の空港から住居等への送迎、帰国時の空港への見送り(保安検査場前まで同行) | 入国時・帰国時 |
| 3 | 住居確保・生活に必要な契約支援 | 賃貸契約の補助、銀行口座開設、携帯電話契約、ライフライン契約の支援。居室は1人あたり7.5㎡以上 | 入国前〜入国直後 |
| 4 | 生活オリエンテーション | 交通ルール、医療機関の利用、ゴミ出しルール、防災・防犯情報等を8時間以上で実施 | 入国直後 |
| 5 | 公的手続等への同行 | 住民登録、マイナンバーカード申請、国民健康保険・年金の加入手続き等に同行 | 入国直後〜就労中 |
| 6 | 日本語学習の機会の提供 | 日本語教室・教材・オンライン講座等の情報提供および学習機会の確保 | 就労中(継続) |
| 7 | 相談・苦情への対応 | 職業生活・日常生活・社会生活に関する相談に、外国人が理解できる言語で対応 | 就労中(随時) |
| 8 | 日本人との交流促進 | 地域の交流イベント・自治会活動・地域行事への参加を案内・補助 | 就労中(継続) |
| 9 | 転職支援 | 受入れ企業の都合による雇用契約解除時に、転職先情報の提供・ハローワークへの案内・推薦状作成等を実施 | 非自発的離職時 |
| 10 | 定期的な面談・行政機関への通報 | 外国人本人およびその上司等と3か月に1回以上面談。法令違反を認知した場合は関係行政機関に通報 | 就労中(定期) |
上記10項目はすべて支援計画に記載する義務があり、実施を怠った場合は登録支援機関の登録取消しや、受入れ企業への改善命令の対象となります。
義務的支援と任意的支援の違い
| 比較項目 | 義務的支援 | 任意的支援 |
|---|---|---|
| 法的義務 | 必ず実施しなければならない | 実施は任意 |
| 支援計画への記載 | 10項目すべて記載必須 | 任意で追加可能 |
| 不履行の場合 | 登録取消し・改善命令の対象 | 計画に未記載なら不問 |
| 費用負担 | 外国人本人に負担させることは不可 | 内容による |
注意点:任意的支援であっても、支援計画に記載した場合はその内容も実施義務が生じます。記載する際は実行可能な内容に限定しましょう。
登録支援機関の登録要件
登録できる主体
登録支援機関は法人・個人を問わず登録可能です。行政書士法人、社労士法人、人材紹介会社、監理団体、一般企業など幅広い主体が登録しています。
登録の積極要件
以下のいずれか1つを満たす必要があります。
| 区分 | 要件 |
|---|---|
| ア | 過去2年以内に中長期在留者(就労資格)の受入れ実績がある |
| イ | 過去2年以内に報酬を得て外国人に関する相談業務に従事した経験がある(士業等) |
| ウ | 支援担当者が過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した経験がある |
| エ | 上記と同程度に支援業務を適正に実施できると認められる |
加えて、支援責任者と1名以上の支援担当者の選任が必要です。また、外国人が十分に理解できる言語での支援体制の整備も求められます。
主な登録拒否事由
以下に該当する場合は登録が拒否されます(入管法第19条の26)。
- 5年以内に禁錮以上の刑、または入管法・労働関係法令による罰金刑を受けた者
- 登録を取り消されてから5年を経過しない者
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 過去1年以内に行方不明者を発生させた者
- 支援に要する費用を外国人本人に負担させる者
登録支援機関の届出手続きの流れ
登録支援機関として登録されるまでの手順は、以下の5ステップです。
Step 1:登録要件の確認
前述の積極要件(ア〜エ)のいずれかを満たしているか、登録拒否事由に該当しないかを確認します。
Step 2:申請書類の作成
出入国在留管理庁のホームページから申請書類をダウンロードし、記入します。主な必要書類は以下のとおりです。
- 登録支援機関登録申請書(別記第29号の15様式)
- 登録支援機関の概要書
- 誓約書
- 支援責任者・支援担当者の就任承諾書、誓約書、履歴書
- 支援委託手数料に係る説明書
- (法人)登記事項証明書、定款、役員の住民票
- 手数料納付書(28,400円分の収入印紙を貼付)
Step 3:地方出入国在留管理局へ提出
本店または主たる事務所の所在地を管轄する地方出入国在留管理局に提出します。窓口提出のほか、郵送(書留またはレターパックプラス)も可能です。
Step 4:審査(約2か月)
審査期間はおおむね2か月です。支援業務の開始予定日から逆算し、余裕をもって申請しましょう。
Step 5:登録通知の受領・業務開始
審査を通過すると登録通知書が郵送されます。登録の有効期間は5年間で、更新時の手数料は11,100円です。
登録支援機関の費用・期間の目安
届出にかかる費用
| 区分 | 手数料 | 審査期間 |
|---|---|---|
| 新規登録 | 28,400円 | 約2か月 |
| 更新登録(5年ごと) | 11,100円 | 約2か月 |
委託費用の相場
受入れ企業が登録支援機関に支援業務を委託する場合の費用相場は以下のとおりです。
| 費目 | 金額(1人あたり) |
|---|---|
| 月額委託費 | 月2万〜3万円(平均約28,000円) |
| 初期費用(事務手数料・事前ガイダンス等) | 2万〜5万円 |
| 年間コスト(月額×12か月) | 24万〜36万円 |
月額3万円を超える場合は、通訳派遣やトラブル対応などのオプションが含まれているケースが多いです。なお、月額3万円以下の機関が全体の約90%を占めています。
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自社支援と委託の比較
| 比較項目 | 自社支援 | 登録支援機関に委託 |
|---|---|---|
| 月額コスト | 担当者の人件費 | 2万〜3万円/人 |
| 専門知識 | 自社で法令知識・多言語対応が必要 | 専門機関が対応 |
| 法令遵守リスク | 高い(知識不足時) | 低い |
| 支援体制の基準 | 自社で要件を満たす必要あり | 全部委託で基準充足とみなされる |
登録支援機関に関する注意点・よくある失敗
届出期限の見落とし
登録事項の変更届や支援業務の休止・廃止届は、事由発生から14日以内に提出する義務があります。郵送の場合は消印ではなく管理局への到着日が基準となるため、余裕をもった対応が必要です。届出の不履行は登録取消しの対象です。
定期届出の制度変更(2025年4月〜)
2025年4月の制度改正により、定期届出の頻度が四半期ごと(年4回)から年1回に変更されました。届出期間は翌年度の4月1日〜5月31日です。届出書類も「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」に一体化されています。
支援の再委託は禁止
登録支援機関が受託した支援業務を、さらに第三者に再委託することはできません。これに違反すると登録取消しの対象となります。
支援費用の外国人負担は禁止
義務的支援に要する費用を直接・間接に外国人本人に負担させることは法令で禁止されています。これは登録拒否事由にも該当するため、費用設計の段階から注意が必要です。
2027年の要件厳格化に備える
2027年4月施行予定の改正法により、支援責任者の常勤化・講習修了の義務化、支援担当者の1人あたり50人以下の人数制限など、登録要件が大幅に厳格化されます。早めの体制整備を検討しましょう。
登録支援機関に関するよくある質問
Q1:登録支援機関は個人でも登録できますか?
はい、法人・個人を問わず登録可能です。ただし、過去2年以内の外国人受入れ実績や相談業務経験など、所定の要件を満たす必要があります。
Q2:登録支援機関の登録にはどのくらいの期間がかかりますか?
審査期間はおおむね2か月です。支援業務の開始予定日から逆算して、余裕をもって申請することをおすすめします。
Q3:義務的支援を怠るとどうなりますか?
登録支援機関は登録の取消し(入管法第19条の32)の対象となり、取消し後5年間は再登録できません。受入れ企業も改善命令や受入れ停止の対象となるほか、悪質な場合は不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。
Q4:登録支援機関への委託費用は外国人本人に負担させられますか?
いいえ、義務的支援に要する費用を外国人本人に負担させることは法令で禁止されています。支援にかかる費用はすべて受入れ企業が負担する必要があります。
Q5:特定技能2号の外国人にも登録支援機関の支援は必要ですか?
特定技能2号には支援計画の作成義務がないため、登録支援機関による支援は不要です。登録支援機関の支援対象は特定技能1号の外国人に限られます。
まとめ
登録支援機関について、要点を整理します。
- 登録支援機関は、入管法に基づき出入国在留管理庁長官の登録を受けた、特定技能1号外国人の支援を行う専門機関
- 義務的支援10項目(事前ガイダンスから定期面談まで)を確実に実施する必要がある
- 委託費用の相場は月額2万〜3万円/人(行政書士法人Treeなら月額9,800円(税抜))。登録手数料は新規28,400円、更新11,100円
2027年の要件厳格化を見据え、早めの体制構築が重要です。特定技能外国人の受入れや登録支援機関の届出について、ご不明な点があればお気軽にご相談ください。
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※ 本記事は2026年3月時点の法令・制度に基づいて執筆しています。
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