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内容証明郵便
2025/04/10
アビリオ債権回収株式会社からの請求書が来た場合の時効援用ってどうやるの? そもそも時効援用とは何ですか? 時効援用とは、一定期間債権者が権利を行使しない場合に、債務者が消滅時効を主張し、法的に債務を消滅させる手続きです。分かりやすく言うと、お金を返さない期間が一定の長さを超えた場合、法律上その返済義務をなくすことができる手続きです。 次の項目で時効援用の成立について説明しますが、仮に成立要件を満たしていても、相手に事項を援用する意思表示を行わなければ、時効は成立しません。時効援用が成立しない限り、債権会社から請求が続いたり、訴訟提起されたりするため、時効が成立している場合は「時効援用」を使って正式に支払い義務がないことを通知することが大切です。 この通知は、内容証明郵便などで送ることで法的な効力を持ちます。ただし、時効の進行中に一部を支払ったり、支払いを承諾したりすると、時効がリセットされる場合があるため、時効援用をする際は、事前に状況をよく確認することが必要です。 時効援用の流れ ①支払いを催促する書類が届く ②時効援用の要件を満たしているか確認 ③時効援用の意思表示(文書作成、内容証明郵便により送付) ④時効援用の結果について相手方から連絡がくる 時効援用の成立要件 1.消滅時効の期間を経過していること 最終返済日から消滅時効の期間が経過している場合、この要件を満たします。 民法第166条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。 上記のうち、貸金については 一「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。」 二「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。」 という要件が重要となります。 つまり、権利行使できることを知った時を基準に5年間が経過したか、権利行使できる時を基準に10年が経過したことのいずれかがあれば、原則として時効の援用ができる状態にあるといえます。 ※注意点 上記の民法の規定は、いわゆる改正後の新民法の規定(平成29年法律第44号による改正後の民法)です。 新民法が適用されるのは2020年4月1日以降に成立した法律関係についてのみです。 (例:契約日が2020年5月1日のもの) そのため、債権の発生した時点が2020年4月1日より前(=2020年3月31日以前)の場合には、改正前の旧民法の規定が適用されることとなります。 (例:契約日が2015年4月30日のもの) 旧民法第167条 1 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。 2 債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。 また、同様に、いわゆる商事債権についても、債権の発生した時点が2020年4月1日より前(=2020年3月31日以前)の場合には、改正前の旧商法(平成29年法律第45号による改正前の商法第522条)の規定が適用されることとなります。 旧商法第522条 商行為によって生じた債権は、この法律に特段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。 したがって、簡単に整理すると以下のような関係になります。 ・契約日が2020年3月31日以前の場合の債権⇒旧民法又は旧商法の適用あり ・契約日が2020年4月1日以降の場合の債権⇒新民法の適用あり 本稿執筆時点(2025年1月)では、時効援用をご検討される多くの方については旧民法又は旧商法に従い判断することとなるかと存じます。 具体的に時効援用できるか否かの判断は、専門家にご相談されることをおすすめいたします。 2.時効が更新(中断)されていない 消滅時効の進行は、法定事項により更新されている可能性があります。 返済をしなかった時点で相手方から裁判を起こされていた。 「少しだけ返済を待ってください。」「〇月〇日までには支払います。」などと発言していた場合には、「時効の更新」(権利の承認・債務の承認、民法第152条第1項)があったとみなされ、まだ消滅時効を援用できる状態となっておらず、時効援用の意思表示をしたとしても、未だ返還する義務が残っているということが多いです。 相手方からの支払いの催告の連絡に対して一部だけ支払っていた(最終返済日を確認していれば問題はありませんが、契約日で期間を算定している場合は特に気を付けましょう)。 そのため、もしも仮に民法又は旧商法上の時効期間が経過していたとしても、最終的に時効が援用できるかどうかの判断は、一度専門家に相談されることをおすすめいたします。 3.時効援用の意思表示 時効援用の要件を満たしている場合であっても、時効援用の意思表示を債権者に対して行わなければ、支払義務は消滅しません。 民法第145条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 時効が完成している場合は、債権者であるれいわクレジットに対して、時効援用の意思表示を行いましょう。 本記事を参考にして、ご自身の債務が時効援用できる可能性が高いことを判断できたとしても、項目2で挙げたような事実がある場合には、時効の援用が失敗してしまうケースもありますので、専門家に相談することをおすすめします。 アビリオ債権回収株式会社とは  アビリオ債権回収株式会社は、平成22年4月1日に、三洋信販債権回収株式会社と、プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)の子会社であるパル債権回収株式会社が合併してできた債権回収会社になります。 そのためプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)から債権譲渡を受けた債権について請求されていることが多いですが、別の会社から譲り受けた債権について請求されていることもあります。 債権譲渡とは? 債権譲渡とは元の貸付を行っていた会社が未回収の債権を第三者に移転する手続きの事です。 アビリオ債権回収の元の債権会社 プロミス三井住友銀行アットローン三洋信販(ポケットバンク)三井住友カード       など これらの企業やブランドのクレジットカードやローンを過去に利用していた場合、れいわクレジット管理株式会社に債権が譲渡されていることがあり、れいわクレジット管理株式会社から下記のような請求が届くことがあります。(下記請求書はあくまで一例です) 書面が公式の体裁を備えているか 支払口座が企業名義であるか 過去の利用検索に関連した債務であるか 実際にアビリオ債権回収会社から届く通知書には次のようなものがあります アビリオ債権会社から通知書が届いた場合に、時効援用を行う際には、これらに対して記載されている債務(ご契約内容等)に時効援用を行います。または、自身で信用情報機関に開示請求を行い、その載っている情報に対して時効援用手続きを行います。まず、先述した成立要件に関して確認を行います。    いずれの場合にも「ご返済前に弊社担当者までご連絡ください」と書いてある場合がありますが、まずは消滅時効の主張ができるかどうか確認することが重要です。引田法律事務所に対し、連絡を行ってしまうと債務の承認にあたる行為とみなされることがあります。そのためまずは連絡を行わずに、次の事を確認しましょう。 時効の成立要件として、上記の3つの点を確認します。 1.最後の返済日から5年以上経過しているか まず、5年以上経過しているか確認する方法については、通知書などの書面に詳しい契約内容の表示があれば、その中に「返済期日」「約定の支払期日」という項目があるかを確認しましょう。その日付が5年以上前であれば消滅期間経過の可能性があります。 返済期日が5年以上前であった場合には時効の援用が可能かもしれません。消滅時効の主張が可能な場合には利息や損害金だけではなく、元本についても支払う必要がありません。ただし、債権者に次の段落で解説する債務承認行為を行った場合は、一度完成した時効でも更新され、支払義務が復活します。そのため、時効援用の意思表示を行う以外は、債権者に安易に連絡を取るのはやめましょう。 遅延損害金とは? 借金の返済などを滞納した場合にかかる損害賠償金の一種。借金の返済期日までに返済しなかった場合、その翌日から発生し、完済するまで発生し続けるのが一般的です。 2.債務の承認にあたる行為をしていないか 次に、債務の承認にあたる行為を行っていないか確認しましょう。債務の承認にあたる行為は示談書にサインをしたり、分割返済の約束をしたり、一部弁済をしたりすることです。もし、債務者が時効制度を知らずに、これら行為を行った場合は、債務を承認したことになり、時効の援用ができなくなるのでその点必ずご確認ください。 承認行為を行うと時効が更新(中断)され、時効が更新した場合にはそれまでの時効の期間がリセットされます。 電話で返済に関する話をしたり、利息や損害金の一部免除をお願いしただけであっても、原則的には債務の承認に該当します。 なお、時効が完成した後に時効援用の意思表示をするまでの期間も承認行為を行えば、同様に時効は更新されるため、くれぐれもご注意ください。 3.債権者に裁判を起こされていないか 最後に、裁判の有無については、請求書の文書またはご自身の記憶に基づいて判断しましょう。 まず、請求書に以下のような文言がある場合は、絶対とは言えませんがまだ裁判は起こされていないと推測できます。 次に、実際に裁判を起こされた場合には裁判所から訴状や支払督促が届きます。これらの文書は「特別送達」という郵便で送られてきます。特別送達ではポストなどに投函されずに郵便職員が直接手渡しで封筒を渡すことになっています。そのため裁判を起こされているかどうかわからない場合にはその点を確認しましょう。 裁判が起こされている場合、消滅時効は5年から10年に延長されます。よって、訴状等が届いている場合は、判決確定日から10年経過しなければ、時効は完成しないため、ご留意ください。反対に10年経過している場合は、時効援用が可能です。 また裁判を行われている場合に、時効の援用を行う場合には答弁書に時効を援用する旨を記載して裁判所と引田法律事務所の両方に提出します。債権者が時効を認める場合には、裁判は取り下げられることが多いです。また取り下げられた場合は、証拠を残すための内容証明郵便でも時効の援用をします。 裁判が行われておらず、上記の3点すべてを確認し、該当している場合には、時効の援用が可能です。 訪問・電話について  引田法律事務所は、債権の回収に関しての訪問を別会社に委託している場合がございます。そのため、引田法律事務所から訪問を委託された日本インヴェスティゲーションという探偵業者やオリファサービス債権回収が訪問してくることや、電話をしてくることがあります。その際に返済の話をしてしまうと債務承認になる可能性があるのでご注意ください。 日本インヴェスティゲーションやオリファサービス債権回収が家に来た場合(訪問に来た場合)は、なるべく債務承認にあたる行為を取らないように訪問に応じないことが重要です。 不在の場合は「ご連絡のお願い」といった書類がポストに投函されていますが、絶対に自分から電話をかけないようにしましょう。 債務名義について  時効の援用は5年経過で可能と先述しましたが、時効の要件が10年になる場合がございます。時効が10年に延長する債務名義には次のようなものがあります。 確定判決仮執行宣言付支払督促和解調書、調停調書(和解に代わる決定) また、判決以外にも裁判上で分割払いの和解をした場合や、自分から特定調停の申し立てをした場合にも時効が10年に延長され、その後に返済をしている場合は最後の返済からさらに10年となります。判決と似たようなものに支払督促というものもあります。 上記の仮執行宣言付支払督促を取られている場合にも時効が延長しますが、5年以上滞納してから支払督促を起こされているケースであれば、今からでも時効の援用ができる可能性があります。 時効の援用を行う際には上記の注意点をよく確認しましょう。 債務名義(さいむめいぎ)とは? 裁判の判決や仮執行宣言付支払督促を意味します。つまり「債務名義がある=過去に裁判されている」ということです。 本人が死亡している場合は?  債務者本人はすでに死亡している場合であっても、支払いの催告は届きます。債務は相続により、法定相続分の割合に応じて、各相続人に相続されます。 裁判所に対して、相続放棄の申立をしている特別な事情がない限り、相続人も時効の援用を行わなければ、支払義務を負います。 よって、前述の時効援用の要件を満たして、時効が完成している場合は、相続人として債権者であるアコムに時効援用の意思表示を行う必要があります。 保証人として時効援用を行う場合 債務者本人ではなく、保証人に対しても支払いの催告は届きます。保証人も民法により、時効援用を行う権利があります。 民法第145条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 主債務の消滅時効について時効援用を行うことで、主債務は消滅します。保証債務の付随性の性質により、主債務が消滅すれば、保証債務も消滅し、保証人は支払義務を負わないこととなります。連帯保証人であっても、同様の効果が生じます。 信用情報機関について 時効援用をすると、今後二度とローンが組めない、クレジットカードが作れないと思われがちですが、そんなことはありません。 時効の援用をおこなうことで信用情報に悪影響があると誤解されている方が少なくありませんが、そもそもCIC、JICCといった信用情報機関に登録しているのは、現に貸金業を営んでいる会社のみであり、アビリオ債権回収会社は既存の貸付金の回収業務しかおこなっていないため貸金業者ではありません。 よって、アビリオ債権回収株式会社は、信用情報機関に加盟していないため信用情報に遅延情報などは記載されておりません。 そのため、時効の援用をおこなっても、信用情報にいわゆるブラックリストと言われるような事故情報が新たに掲載されることは一切ありませんので、その点はご安心ください。 時効援用の結果通知 時効の援用を行った後に、主にこの3種類の理由で債権者側から連絡が来ることがあります。 時効援用の失敗時効援用の成功時効援用の確認 時効援用の結果について郵便物による通知の場合もあれば、債権者側からの結果の通知を電話で行う可能性もあります。特に電話での連絡の場合は、債務承認行為を行わないように、債務については触れずご対応ください。 最後に 本記事で解説したものは、あくまでも時効援用できるかどうかの判断材料の一つです。 時効の援用ができるかどうかの判断は、個人の様々な事情によって異なります。 自身の発言不用意な発言によって時効の援用が難しくなってしまうケースも多くございます。 上記のようなリスクを回避するためにも、もし時効の援用をご検討されている場合には、ぜひ一度弊所まで、お気軽にご相談ください。 弊所にて時効援用手続きをするお勧めポイント 全国どこでも対応が可能時効援用手続き1件9,800円(税抜)にて対応が可能LINEやメール、電話にて依頼ができるため来所が不要相談料金が一切掛からない経験豊富なため安心して依頼ができる修正料金などの追加費用の発生なし成果報酬などの費用発生なし
相続関連
2025/04/08
相続登記の義務化に伴う手続きと必要書類について解説します。 1.相続登記とは  相続登記とは、不動産の名義を亡くなった人から相続する人の名義に変更する手続きのことです。(正確には「相続による所有権移転登記」といいます。)登記申請手続に必要な書類も多く、不慣れな手続きでもあるため、一般的には専門家に依頼されることが多いです。 2.相続登記申請手続の流れ  申請手続は、不動産がある管轄の法務局で行います。必要書類を用意し、登記申請書とともに法務局に提出します。  主な流れは下記のとおりです。 遺言書の有無を確認する。 遺言書の有無によって今後の流れが大きく変わりますので、まずは遺言の有無を確認しましょう。 今回は遺言書が存在しない前提で手続きの流れを記載しております。 相続人を確定する。 被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本を収集し、法定相続人を確定します。 相続財産の調査を行う。 不動産を含む相続財産の調査を行います。このときに消極財産(借金等)も含めて調査を行うことが重要です。 遺産分割協議を行う。 相続人全員で話し合い、誰が不動産を引継ぐか決めます。 (※相続人が1人の場合は、遺産分割協議は不要です。遺言書があり、その中で不動産を取得する人が指定されている場合も、遺産分割協議は不要となります。) 登記申請 不動産を引継ぐ人が、遺産分割協議書や戸籍謄本などの必要書類を持って法務局に申請します。 ※遺言書があった場合は、遺言によって不動産の所有権を取得した相続人が取得を知った日から3年以内に遺言の内容を踏まえた登記の申請を行います。  不動産の相続登記申請手続で一般的な手続方法は、遺産分割協議をして相続登記をする方法です。遺産分割協議とは、相続人全員で、被相続人(亡くなった人)の財産について「誰が」「どの財産を」「どれだけ」受け取るか話し合うことです。具体的には、不動産の場合、「不動産の名義を誰にするか(誰が不動産を取得するのか)」を話し合って決めます。 そして話し合った内容を書面(遺産分割協議書)にして、相続人全員が署名をして実印を押印します。 遺産分割協議では、不動産以外のすべての相続財産について取り決めることが一般的です。 3年以内に遺産分割協議が成立しない場合 ⇒3年以内に法定相続分での相続登記の申請を行います。(あるいは3年以内に相続人申告登記を行う。) ⇒その後に遺産分割協議が成立した場合には、遺産分割協議成立日から3年以内に、その内容を踏まえた相続登記の申請を行います。(その後に遺産分割が成立しなければ、それ以上の登記申請は義務付けられない。) 相続放棄をした相続人がいる場合 ⇒その者は、初めから相続人とならなかったものとみなされるため、他の相続人は、その者を除いた上で算定される法定相続分に応じて権利を取得することになります。他の相続人は、当該相続放棄を知った日から3年以内に相続放棄後の割合による相続登記の申請を行います。  なお、令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。また、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象となります。不動産を相続したら、お早めに登記の申請をしましょう。次の章では、具体的な相続登記手続きについて、揃えるべき必要書類を解説します。 相続登記を正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。遺産分割が成立した日から3年以内に相続登記をしない場合も同様です。 法定相続分による相続の場合 法定相続分による相続登記とは、不動産の権利を相続人の法定相続割合通りに分ける方法です。 (上記参考画像:夫が亡くなり相続人が妻及び子2人の場合は、妻が2分の1、子Aが4分の1、子Bが4分の1の権利を引き継ぐこととなります。)  この場合、遺産分割協議書が不要なので、遺産分割協議書を作成することなく相続登記を申請できるのでメリットに思われるかもしれませんが、デメリットは不動産が共有名義になってしまうことです。 不動産が共有状態ということは、例えば売却したいとき、共有者全員で手続きをする必要があります。(仮にひとりでも反対があれば売却できない。)手続きの容易さから、その場しのぎの対応で手続きを進めてしまうと後になって困ってしまうこともあるため、しっかり検討して適切な方法で手続きを行いましょう。 共有登記の場合、各共有者が合意しなければ不動産をすべて売却することはできません。共有部分のみを売却するといった方法もございますが、相場よりも非常に安い金額になったり、買い手がつかないといった問題も考えられます。 3.相続登記申請手続に必要な書類 法定相続分の登記申請における必要書類 登記申請書下記よりダウンロードが可能です。登記申請書 戸籍謄本亡くなった方の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍を含む)と、相続人全員の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降に発行がされたもの)が必要です。 ※令和6年3月1日から、戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)が施行され、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになりました。 住民票(戸籍の除附票でも可) 亡くなった方の住民票(除票ともいう。)と、不動産を取得する相続人全員の住民票が必要です。 固定資産税納税通知書相続登記する不動産の評価額を証明するために必要になります。その評価額に基づいて、登録免許税の金額が決まります。 固定資産税納税通知書は、毎年5月頃に、役所や市税事務所等から不動産の所有者に送られます。①原則、再発行ができません紛失等で手元にない場合は、下記の「固定資産評価証明書」等を取得して代用しましょう。②相続登記では、該当年度のもののみ利用可能です ※亡くなられた年度のものではありません。 例えば、令和6年9月に申請する場合は、令和6年の5月頃に届く固定資産税納税通知書を提出することになります。(※年度の区切りは3月31日であるため、令和5年2月に申請をする場合は令和6年5月頃に届く令和6年度の通知書を使う。)③納税通知書がなくても【固定資産評価証明書】で代用可不動産所在地を管轄する役所(または市税事務所)で発行できます。納税通知書と同様に、不動産の評価額が記載されています。 相続関係説明図亡くなった方及び相続人の続柄を図に表したものです。(※必ず添付しなければならない書面ではありませんが、添付することによって、戸籍謄本の原本還付請求が簡単になります。)いわゆる家系図に似た書類で、故人と相続権を有する人だけを記載することで、相続関係が一目でわかります。相続関係説明図には下記を記載する必要があります。①亡くなった人の情報 氏名、住所、生年月日、本籍地、登記簿記載住所②相続人全員の情報  氏名、住所、生年月日 収入印紙相続登記にかかる税金(登録免許税)の納付で利用します。郵便局や法務局で入手することができます。 対象の不動産の固定資産税評価額 × 0.4% = 登録免許税(※100円未満は切り捨て) 登録免許税印紙納付台紙収入印紙を貼付するための用紙です。 遺産分割協議があった場合の登記申請における必要書類 登記申請書下記よりダウンロードが可能です。登記申請書 遺産分割協議書遺産分割協議書には相続人全員が署名し、実印の押印したものが必要となります。遺産分割協議書は、相続人の間で、被相続人(亡くなった方)の財産をどのように分けるかを協議・話し合い(遺産の分割)を行い、遺産分割協議書として書面を作成します。この遺産分割協議は法定相続人全員で行う必要があり、ひとりでも欠けた状態で行った場合には無効となります。そして不動産の権利帰属についても必ず明記されている必要があります。 戸籍謄本亡くなった方の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍を含む)と、相続人全員の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降に発行がされたもの)が必要です。 ※令和6年3月1日から、戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)が施行され、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍証明書・除籍証明書を請求できるようになりました。 住民票(戸籍の除附票でも可) 亡くなった方の住民票(除票ともいう。)と、不動産を取得する相続人全員の住民票が必要です。 固定資産税納税通知書相続登記する不動産の評価額を証明するために必要になります。その評価額に基づいて、登録免許税の金額が決まります。 固定資産税納税通知書は、毎年5月頃に、役所や市税事務所等から不動産の所有者に送られます。①原則、再発行ができません紛失等で手元にない場合は、下記の「固定資産評価証明書」等を取得して代用しましょう。②相続登記では、該当年度のもののみ利用可能です ※亡くなられた年度のものではありません。 例えば、令和6年9月に申請する場合は、令和6年の5月頃に届く固定資産税納税通知書を提出することになります。(※年度の区切りは3月31日であるため、令和5年2月に申請をする場合は令和6年5月頃に届く令和6年度の通知書を使う。)③納税通知書がなくても【固定資産評価証明書】で代用可不動産所在地を管轄する役所(または市税事務所)で発行できます。納税通知書と同様に、不動産の評価額が記載されています。 印鑑証明書遺産分割協議書に押印している印鑑が実印であることを証明するために必要になります。遺産分割協議書に押印した相続人全員分の印鑑証明書が必要です。 相続関係説明図亡くなった方及び相続人の続柄を図に表したものです。(※必ず添付しなければならない書面ではありませんが、添付することによって、戸籍謄本の原本還付請求が簡単になります。)いわゆる家系図に似た書類で、故人と相続権を有する人だけを記載することで、相続関係が一目でわかります。相続関係説明図には下記を記載する必要があります。①亡くなった人の情報 氏名、住所、生年月日、本籍地、登記簿記載住所②相続人全員の情報  氏名、住所、生年月日 収入印紙相続登記にかかる税金(登録免許税)の納付で利用します。郵便局や法務局で入手することができます。 対象の不動産の固定資産税評価額 × 0.4% = 登録免許税(※100円未満は切り捨て) 登録免許税印紙納付台紙収入印紙を貼付するための用紙です。 遺言書があった場合の登記申請における必要書類  遺言により不動産を取得する人が決まっている場合は、遺産分割協議は不要となります。遺言による相続登記は、法定相続分による登記申請や、遺産分割協議があった場合の登記申請に比べて、必要な戸籍謄本が少なくて済むのが特徴です。  遺言による登記の場合には、①「遺言の効力が発生したこと(遺言者が死亡したこと)」と、②「不動産を取得する人が相続人であること」の2点を証明する戸籍謄本を添付すれば足りるとされています。そのため、被相続人については出生から死亡までのすべての戸籍謄本を揃える必要はなく、相続人についても不動産を取得しない相続人については添付する必要はありません。 登記申請書下記よりダウンロードが可能です。登記申請書 遺言書自筆証書遺言で法務局に保管をしていない場合は、相続登記を申請する前に家庭裁判所で検認という手続きが必要になります。※検認とは、遺言書の内容を明確にして偽造変造を防止するために家庭裁判所において相続人の立ち会いのもとで遺言書を開封する手続きです。なお、公正証書遺言と法務局における遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言の場合には検認手続きは不要となります。 戸籍謄本亡くなった方の戸籍謄本(除籍謄本)と、相続人の戸籍謄本(被相続人の死亡日以降に発行がされたもの)が必要です。①被相続人についての死亡の記載のある戸籍謄本②不動産を取得する相続人の現在戸籍謄本 ※不動産の取得者が相続人以外の場合(遺贈の場合)は不要です。 住民票(戸籍の除附票でも可) 亡くなった方の住民票(除票ともいう。)と、不動産を取得する相続人全員の住民票が必要です。 固定資産税納税通知書相続登記する不動産の評価額を証明するために必要になります。その評価額に基づいて、登録免許税の金額が決まります。 固定資産税納税通知書は、毎年5月頃に、役所や市税事務所等から不動産の所有者に送られます。①原則、再発行ができません紛失等で手元にない場合は、下記の「固定資産評価証明書」等を取得して代用しましょう。②相続登記では、該当年度のもののみ利用可能です ※亡くなられた年度のものではありません。 例えば、令和6年9月に申請する場合は、令和6年の5月頃に届く固定資産税納税通知書を提出することになります。(※年度の区切りは3月31日であるため、令和5年2月に申請をする場合は令和6年5月頃に届く令和6年度の通知書を使う。)③納税通知書がなくても【固定資産評価証明書】で代用可不動産所在地を管轄する役所(または市税事務所)で発行できます。納税通知書と同様に、不動産の評価額が記載されています。 相続関係説明図亡くなった方及び相続人の続柄を図に表したものです。(※必ず添付しなければならない書面ではありませんが、添付することによって、戸籍謄本の原本還付請求が簡単になります。)いわゆる家系図に似た書類で、故人と相続権を有する人だけを記載することで、相続関係が一目でわかります。相続関係説明図には下記を記載する必要があります。①亡くなった人の情報 氏名、住所、生年月日、本籍地、登記簿記載住所②相続人全員の情報  氏名、住所、生年月日 収入印紙相続登記にかかる税金(登録免許税)の納付で利用します。郵便局や法務局で入手することができます。 対象の不動産の固定資産税評価額 × 0.4% = 登録免許税(※100円未満は切り捨て) 登録免許税印紙納付台紙収入印紙を貼付するための用紙です。 追加書類が必要なケースについて 上記には一般的な【法定相続分における登記申請】【遺産分割協議があった場合の登記申請】【遺言書があった場合の登記申請】について、それぞれのパターンに応じて必要な添付書面を解説いたしました。しかし、下記のようなケースでは、追加書類が発生する場合もあります。 相続人の中に、下記に該当する人がいる場合 未成年の相続人 相続放棄した相続人 認知症の相続人 所在不明の相続人 外国籍の相続人 相続登記前に亡くなった相続人 その他、被相続人が外国籍の場合や、遺産分割の調停調書がある場合なども追加で書類が必要になります。このようなケースは一般的な書類のみでは対応ができないケースがございますので、詳しくは司法書士事務所等にご相談頂ければと思います。 4.遺言執行者とは  遺言執行者とは、遺言に書かれた内容を実現する人のことです。  たとえば、遺言で「○○に不動産を相続させる」と書いても、法務局へ登記の申請をしなければ名義はそのままの状態です。預貯金や株式などの財産についても同様です。そのため、遺言執行者を定め、すべて手続きをしてもらうことで確実に遺言書の内容を実現できます。  遺言執行者は、遺言の中で遺言執行者を指定することができますし、遺言において「遺言執行者を指定すべき人」を定めておくことも可能ですし、遺言にて遺言執行者として選任されている方は復任権(民法1016条)に基づいて遺言執行業務を任せることもできます。法律の専門的知識を有しており、公平・中立に職務を行うことが期待できる弊所行政書士法人Treeを遺言執行者に指定することもでき、弊所では司法書士法人、税理士法人、弁護士法人等と連携して相続に関するお手続きを進めることが可能です。 遺言執行者を定めるメリット ①相続手続きが円滑になる 遺言執行者を定めておくと、他の相続人の同意を得ることなく、遺言執行者が単独で手続きをすべて行えるので、相続手続きがスムーズに進みます。近年の相続法改正によって、遺言執行者が単独で登記申請手続をできる旨が明記されました(民法1014条2項)。 また、相続人が自分で不動産登記の申請や銀行の手続き等をする必要がなくなるので、相続人の方の負担軽減にもつながります。 ②相続人が勝手に財産を処分できなくなる 遺言執行者を定めておくと、相続人は遺言書の内容に反することができなくなります。たとえ遺言書に書かれた内容が気に入らなくても、財産を勝手に処分することはできません。もし、一部の相続人が遺言書の内容に反して財産を処分した場合はその行為の無効となります。(善意の第三者には対抗できない。) ③子の認知や相続人の廃除ができる 遺言事項には、遺言執行者にしかできないことがあります。たとえば、子の認知や相続人の廃除をする場合には、必ず遺言執行者の選任が必要です。 ④遺贈の登記手続きがスムーズに進む 遺贈とは、遺言により遺言者の財産を他人に贈与することです。遺贈を受ける他人を受遺者(じゅいしゃ)といいます。相続人のみならず、相続人以外の人も受遺者にすることができます。ただし、通常、相続人に対しては上記の「相続させる旨の遺言」がなされるため、遺贈は相続人以外を対象にすることがほとんどです。(例:被相続人の相続人が息子1人のみ場合は、相続人はその息子となりますが、被相続人が孫(息子の子)1人に対してのみ、一切の財産を渡したい場合は、孫に対して遺贈をすることになり、孫は受遺者に該当します。)遺言執行者がいない場合は相続人が登記手続をすることになりますが、たとえば相続財産を相続することができなかった相続人が受遺者の為に相続登記を円滑に行うとは限りません。この場合に、遺言執行者がいるのであれば、遺言執行者が、被相続人の意思に沿った遺言書の内容を実現することができます。なお、被相続人名義の不動産について遺贈がなされた場合、遺言執行者が指定されているのであれば、遺言執行者のみが登記申請手続を行うことができます(民法1012条2項)。 また、登記申請手続に必要な印鑑証明書は、受遺者を遺言執行者に指定することで、遺言執行者である受遺者の印鑑証明書だけで登記申請手続が可能となり、実質的に受遺者単独での遺贈の登記申請を行えるメリットがあります。  相続法が改正される前、遺言執行者の法的地位は「相続人の代理人とみなす」とする規定があるのみで(旧民法1015条)、必ずしもその法的地位が明確ではありませんでした。そのため、遺言者の意思と相続人の利益が対立する場合に遺言執行者と相続人との間でトラブルが生じるなどの不都合がありました。こうしたことを踏まえて、下記のような規定が設けられ、遺言執行者の法的地位や一般的な権限が明確化されました。 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(民法1012条1項)。遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる(同条2項)。 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない(民法1013条1項)。前項の規定に違反してした行為は、無効とする(同条2項本文) 前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金又は貯金の払戻しの請求及びその預金又は貯金にかかる契約の解約の申入れをすることができる。ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る(民法1014条3項)。 遺言執行者は法的義務を負う役職なので、メリットも多々ありますが注意しなければならない点もございます。遺言執行者については下記記事にて詳しく解説しておりますので、よろしければ下記記事をご参照ください。 5.最後に 弊所で対応可能なサポート ①生前対策サポート 相続トラブルを回避するために生前対策として生前贈与といった方法が考えられます。生前贈与とは、被相続人が死亡する前に、自分の財産を他人に分け与える行為で、将来の相続対策として利用されています。弊所では、後々の相続トラブルを防止するため贈与の事実を書面に残す「贈与契約書」を作成するサポートをしています。 ②遺言書サポート 相続人間での争いを防止するためには、遺言書の作成が効果的です。遺言書には、遺言者本人が本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印する「自筆証書遺言」と、遺言者本人が公証役場に出向き、証人2人以上の立ち会いのもとで遺言の内容を話し、公証人が筆記する「公正証書遺言」がございます。弊所では、何度でも無料でご相談が可能となっておりますので、ご不明点などを全て解決した上で、ご依頼者様のご要望に叶った確実な遺言書の作成をサポート致します。 ③遺言執行者サポート 遺言執行者は遺言書の内容を実現するための業務を行う人物であり、相続や法律に関する専門的な知識や経験が必要になることも多いです。弊所行政書士法人Treeを遺言執行者として指定し、すべての相続手続を弊所のほうで進めることも可能です。弊所では司法書士法人、税理士法人、弁護士法人、不動産会社等と連携し、相続に関する様々なサポートが可能でございます。 相続登記手続きは行政書士では職務上、関与することができません。そのため相続登記のみをご依頼希望の場合は、司法書士が専門家になりますので、司法書士にご依頼いただくことをお勧めいたします。
入管手続き
2025/04/08
短期滞在ビザの査証申請書(ビザ申請書)の書き方について解説します。 「短期滞在ビザ」とは、観光、親族訪問、又は短期商用(会議や研修等)を目的として、日本に90日以内滞在するための在留資格です。 現在、71の国・地域がビザ免除措置の対象となっており、これらの国・地域の国籍を持つ外国人は、短期滞在(通常90日以内)の目的で日本に入国する際、ビザ申請は不要です。​一方、ビザ免除措置の対象外の国・地域の方は、事前に各国・地域の日本大使館や総領事館で短期滞在ビザを申請する必要があります。 本記事では短期滞在ビザの申請にあたって必要となる書類の一つである「査証申請書」の書き方について解説します。 査証申請書(ビザ申請書)とは? 査証申請書(ビザ申請書)とは、「短期滞在」在留資格の申請を行う際に、代理申請機関や日本大使館・総領事館に提出する書類の一つです。申請書には、来日する外国人の個人情報、滞在先、犯罪歴の有無、訪日の理由などの記入が求められます。 この申請書は各提出先に備え付けられていますが、事前にビザ申請書を取得したい場合は、外務省のウェブサイトからダウンロードできます。 申請書を事前にダウンロードしたい方は、外務省のウェブサイトをご確認ください。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/index.html ワンポイント 日本の外務省および各国の在外公館(日本大使館や総領事館)では、短期滞在ビザの申請書は原則として英語または日本語で記入することが推奨されています。しかしながら、一部の日本大使館・総領事館では、中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・スペイン語・ポルトガル語で記入するもの可能です。 各項目の書き方・注意事項を紹介 短期滞在ビザの査証申請書は全部で2ページとなります。日本語訳を入れて簡単に説明していきます。 (1) パスポートから本人の個人情報を転記 ※出生地に関する情報がパスポートに記載されていない場合があります。​その際は、出生証明書や身分証明書など、他の公式書類を参照して正確な情報を確認し、申請書に記入してください。​申請書の内容と他の提出書類の情報が一致しないと、審査に影響を及ぼす可能性がありますので、すべての書類で情報を統一することが重要です。なお、国民登録番号がない場合、「N/A」とご記入ください。 ※国民登録番号は、韓国、台湾、フィリピン、インドネシアなど、一部の国で付与されている個人識別番号を指します。 (2) 来日の目的、滞在予定など ​※査証申請書に記載する「渡航目的」は、招へい理由書など他の提出書類と一致させることが重要です。​これらの書類間で内容が一致しない場合、審査に影響を及ぼす可能性があります。​そのため、すべての書類で情報を統一し、整合性を保つよう注意しましょう。  ※⑬の航空会社と便名の記載箇所は、航空会社のみの記載でもかまいません。 (3) 滞在先の情報 ※この箇所では入国後の宿泊先が問われています。ホテルに宿泊するか、個人宅に宿泊するかによって記載方法が若干異なりますので、注意してください。 ホテルに宿泊   →   ホテルの名称と住所・電話番号 個人宅に宿泊   →   個人の氏名と住所・電話番号 ※ビザ申請人が以前に日本への渡航歴がある場合は、前回の渡航日と滞在日数を記入してください。記入例 : January 6th - March 30th 2019, 3 Months  (4) 申請人の現地での住所、勤務先に関する情報 ※申請書の内容は、招へい理由書など他の提出書類と完全に一致させる必要があります。​情報の不一致は審査に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に確認しながら記入してください。 また、ビザ申請人が既婚者の場合は配偶者の職業、ビザ申請人が未成年の場合は両親の職業をこちらに記入してください。該当しない方は「N/A」と記入してください。 (5) 身元保証人・招へい人の個人情報 ここでは身元保証人の情報を入力します。招へい人と身元保証人を兼任している場合は、“Name(氏名)”の欄に「same as above」と入力します。その他の記入は不要です。 (6)犯罪歴 ※申請書には、過去の犯罪歴について正確に記入してください。​例え軽微な違反であっても、虚偽の申告や未申告が発覚した場合、ビザの不許可や将来的な入国禁止など、重大な結果を招く可能性があります。 犯罪歴がある場合、審査が厳格になることがあります。​しかし、正直に申告し、反省の意を示すことで、許可が下りる可能性もあります。​過去の違反歴がある場合でも、最も重要なのは全てを正直に申告することです。 犯罪歴に関する詳細を求められる場合があります。​その際は、判決謄本や裁判記録などの関連書類を提出し、必要に応じて反省文(誓約書)を添付することで、審査官に誠意を示すことができます。 ​正確かつ誠実な申告が、ビザ取得の可能性を高める鍵となります。  最後に 短期滞在ビザの査証申請書(ビザ申請書)は一見簡単に見えますが、正確に記入するには時間と注意が必要です。 記入や作成に不安がある場合、行政書士や弁護士などの専門家に依頼することで、必要書類の作成が円滑に進み、申請手続きがスムーズに行えます。 弊所にて短期滞在ビザサポートのご依頼をお勧めする理由 短期滞在ビザの申請において、一度不許可となると、原則として6か月間は同一目的での再申請が受理されません。 ​そのため、初回の申請時から書類作成や準備を慎重に行うことが非常に重要です。​ 弊所では、短期滞在ビザに必要な書類の作成や必要書類の確認など、包括的なサポートを提供しております。​また、お客様の状況に応じて、日本での滞在サポートなど、多岐にわたるサービスもご用意しております。​ご不明な点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 各国のサポートを対応している。全国各地で対応ができる。料金が一律対応でリーズナブル(33000円~)相談料が一切かからない。経験豊富なためお客様のご希望に沿った提案ができる。不許可の場合は全額保証付きLINE、ZOOM、メール、電話、対面などお客様のご要望に合わせて柔軟に対応ができる。
内容証明郵便
2025/02/19
アコムの時効援用手続きってどうやるの?支払の催促が来た場合の対応 そもそも時効援用とは何ですか? 時効援用とは、一定期間債権者が権利を行使しない場合に、債務者が消滅時効を主張し、法的に債務を消滅させる手続きです。分かりやすく言うと、お金を返さない期間が一定の長さを超えた場合、法律上その返済義務をなくすことができる手続きです。 次の項目で時効援用の成立について説明しますが、仮に成立要件を満たしていても、相手に時効を援用する意思表示を行わなければ、時効は成立しません。時効援用が成立しない限り、債権会社から請求が続いたり、訴訟提起されたりするため、時効が成立している場合は「時効援用」を使って正式に支払い義務がないことを通知することが大切です。 この通知は、内容証明郵便などで送ることで法的な効力を持ちます。ただし、時効の進行中に一部を支払ったり、支払いを承諾したりすると、時効がリセットされる場合があるため、時効援用をする際は、事前に状況をよく確認することが必要です。 時効援用の流れ ①支払いを催促する書類が届く ②時効援用の要件を満たしているか確認 ③時効援用の意思表示(文書作成、内容証明郵便により送付) ④時効援用の結果について相手方から連絡がくる 時効援用の成立要件 1.消滅時効の期間を経過していること 最終返済日から消滅時効の期間が経過している場合、この要件を満たします。 民法第166条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。 上記のうち、貸金については 一「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。」 二「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。」 という要件が重要となります。 つまり、権利行使できることを知った時を基準に5年間が経過したか、権利行使できる時を基準に10年が経過したことのいずれかがあれば、原則として時効の援用ができる状態にあるといえます。 ※注意点 上記の民法の規定は、いわゆる改正後の新民法の規定(平成29年法律第44号による改正後の民法)です。 新民法が適用されるのは2020年4月1日以降に成立した法律関係についてのみです。 (例:契約日が2020年5月1日のもの) そのため、債権の発生した時点が2020年4月1日より前(=2020年3月31日以前)の場合には、改正前の旧民法の規定が適用されることとなります。 (例:契約日が2015年4月30日のもの) 旧民法第167条 1 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。 2 債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。 また、同様に、いわゆる商事債権についても、債権の発生した時点が2020年4月1日より前(=2020年3月31日以前)の場合には、改正前の旧商法(平成29年法律第45号による改正前の商法第522条)の規定が適用されることとなります。 旧商法第522条 商行為によって生じた債権は、この法律に特段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。 したがって、簡単に整理すると以下のような関係になります。 ・契約日が2020年3月31日以前の場合の債権⇒旧民法又は旧商法の適用あり ・契約日が2020年4月1日以降の場合の債権⇒新民法の適用あり 本稿執筆時点(2024年12月)では、時効援用をご検討される多くの方については旧民法又は旧商法に従い判断することとなるかと存じます。 具体的に時効援用できるか否かの判断は、専門家にご相談されることをおすすめいたします。 2.時効が更新(中断)されていない 消滅時効の進行は、法定事項により更新されている可能性があります。 返済をしなかった時点で相手方から裁判を起こされていた。 「少しだけ返済を待ってください。」「〇月〇日までには支払います。」などと発言していたその場合には、「時効の更新」(権利の承認・債務の承認、民法第152条第1項)があったとみなされ、まだ消滅時効を援用できる状態となっておらず、時効援用の意思表示をしたとしても、未だ返還する義務が残っているということが多いです。 相手方からの支払いの催告の連絡に対して一部だけ支払っていた(最終返済日を確認していれば問題はありませんが、契約日で期間を算定している場合は特に気を付けましょう)。 そのため、もしも仮に民法又は旧商法上の時効期間が経過していたとしても、最終的に時効が援用できるかどうかの判断は、一度専門家に相談されることをおすすめいたします。 3.時効援用の意思表示 時効援用の要件を満たしている場合であっても、時効援用の意思表示を債権者に対して行わなければ、支払義務は消滅しません。 民法第145条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 時効が完成している場合は、債権者であるアコムに対して、時効援用の意思表示を行いましょう。 本記事を参考にして、ご自身の債務が時効援用できる可能性が高いことを判断できたとしても、項目2.で挙げたような事実がある場合には、時効の援用が失敗してしまうケースもありますので、専門家に相談することをおすすめします。 信用情報は各機関同士で共有されている 例えば、アコムの場合にはCIC・JICC両方の信用機関に加盟しています。そのため、支払を滞納したままにしているといわゆるブラックリストと呼ばれる事故情報がそれぞれに掲載されます。この事故情報は延滞をしている間はずっと載り続け、その間は基本的に新たに融資を受けたり、カードを作ったりすることができなくなる可能性がございます。 また、消滅時効が成立した場合の事故情報の取り扱いですが、JICCはすぐにファイルごと抹消されますが、CICは事故情報が消えるまで5年かかるのが原則です。信用情報会社によって上記のような特徴はあるものの、これから借り入れやクレジットカードの審査を考えているのであれば、時効援用手続きは早急に行ったほうが望ましいと言えます。 時効援用を実際に行うには 今回はアコムに対しての時効援用を例に解説をしていきます 期限の利益とは? 借金などの債務を負った人が、期限が到来するまでは返済をしなくてもよいという権利(利益)のこと。 アコムから届く通知書には次のようなものがあります。 一括返済のお願い訴訟等申立予告通知返済計画のご提案法的手続きの予告書催告書お取り扱い部署の変更のお知らせ アコムに対して時効援用を行う場合には前記の書面が届いた後に、これらに対して記載されている債務に時効援用を行います。または、自身で信用情報機関に開示請求を行い、その載っている情報に対して時効援用手続きを行います。今回は前者のパターンで確認をしていきましょう。まず、先述した成立要件に関して確認を行います。      いずれの場合にも「ご返済前に弊社担当者までご連絡ください」等と書いてありますが、まずは消滅時効の主張ができるかどうか確認することが重要です。アコムに対し、連絡を行ってしまうと債務の承認にあたる行為とみなされることがあります。そのためまずは連絡を行わずに、次の事を確認しましょう。 最後の返済日から5年以上経過しているか債務の承認にあたる行為をしていないかアコムから裁判を起こされていないか 時効の成立要件として、上記の3つの点を確認します。 1.最後の返済日から5年以上経過しているか まず、5年以上経過しているか確認する方法については、アコムの催告書などの書面に詳しい契約内容の表示があれば、その中に「返済期日」「約定の支払期日」という項目があるかを確認しましょう。その日付が5年以上前であれば消滅期間経過の可能性があります。 返済期日が5年以上前であった場合には時効の援用が可能かもしれません。消滅時効の主張が可能な場合には利息や損害金だけではなく、元本についても支払う必要がありません。ただし、債権者に次の段落で解説する債務承認行為を行った場合は、一度完成した時効でも更新され、支払義務が復活します。そのため、時効援用の意思表示を行う以外は、債権者に安易に連絡を取るのはやめましょう。 遅延損害金とは? 借金の返済などを滞納した場合にかかる損害賠償金の一種。借金の返済期日までに返済しなかった場合、その翌日から発生し、完済するまで発生し続けるのが一般的です。 2.債務の承認にあたる行為をしていないか 次に、債務の承認にあたる行為を行っていないか確認しましょう。債務の承認にあたる行為は示談書にサインをしたり、分割返済の約束をしたり、一部弁済をしたりすることです。もし、債務者が時効制度を知らずに、これら行為を行った場合は、債務を承認したことになり、時効の援用ができなくなるのでその点必ずご確認ください。 承認行為を行うと時効が中断(更新)され、時効が更新した場合にはそれまでの時効の期間がリセットされます。 電話で返済に関する話をしたり、利息や損害金の一部免除をお願いしただけであっても、原則的には債務の承認に該当します。 なお、時効が完成した後に時効援用の意思表示をするまでの期間も承認行為を行えば、同様に時効は更新されるため、くれぐれもご注意ください。 3.アコムから裁判を起こされていないか 最後に、裁判の有無については、請求書の文書またはご自身の記憶に基づいて判断しましょう。 まず、請求書に以下のような文言がある場合は、絶対とは言えませんがまだ裁判は起こされていないと推測できます。 もし、ご返済がない場合には、裁判所に法的手続きを申し立てた後、給与差押等の強制執行をすることがあります。   引用元:アコム株式会社の『一括返済のお願い』 次に、実際に裁判を起こされた場合には裁判所から訴状や支払督促が届きます。これらの文書は「特別送達」という郵便で送られてきます。特別送達ではポストなどに投函されずに郵便職員が直接手渡しで封筒を渡すことになっています。そのため裁判を起こされているかどうかわからない場合にはその点を確認しましょう。 裁判が起こされている場合、消滅時効は5年から10年に延長されます。よって、訴状等が届いている場合は、判決確定日から10年経過しなければ、時効は完成しないため、ご留意ください。反対に10年経過している場合は、時効援用が可能です。 裁判が起こされている場合には書面に次のような文章が入っています。 裁判所を通じた法的手続きにより債務金額が確定しましたが、いまだにご返済がありません。 つきましては、下記の残債務を〇年〇月〇日までに一括してご返済をお願い申し上げます。 もし、ご返済がない場合には、裁判所に給与差押等の強制執行の申し立てを行うこととなります。 引用元:アコム株式会社の『ご返済のお願い』 また裁判を行われている場合に、時効の援用を行う場合には答弁書に時効を援用する旨を記載して裁判所とアコム、両方に提出します。債権者が時効を認める場合には、裁判は取り下げられることが多いです。また取り下げられた場合は、証拠を残すための内容証明郵便でも時効の援用をします。 裁判が行われておらず、上記の3点すべてを確認し、該当している場合には、時効の援用が可能です。 訪問・電話ついて アコムから支払い督促を目的とする書面に代わる、訪問や電話がある場合もございますが、なるべく債務承認にあたる行為を取らないように対応することが重要です。 不在の場合は「ご連絡のお願い」といった書類がポストに投函されていますが、時効援用を検討しているのであれば不用意に自分から電話をかけないようにしましょう。 債務名義について 時効の援用は5年経過で可能と先述しましたが、時効の要件が10年になる場合がございます。時効が10年に延長する債務名義には次のようなものがあります。 確定判決仮執行宣言付支払督促和解調書、調停調書(和解に代わる決定) また、判決以外にも裁判上で分割払いの和解をした場合や、自分から特定調停の申し立てをした場合にも時効が10年に延長され、その後に返済をしている場合は最後の返済からさらに10年となります。判決と似たようなものに支払督促というものもあります。 時効の援用を行う際には上記の注意点をよく確認しましょう。 債務名義(さいむめいぎ)とは? 裁判の判決や仮執行宣言付支払督促を意味します。つまり「債務名義がある=過去に裁判されている」ということです。 本人が死亡している場合 債務者本人はすでに死亡している場合であっても、支払いの催告は届きます。債務は相続により、法定相続分の割合に応じて、各相続人に相続されます。 裁判所に対して、相続放棄の申立をしている特別な事情がない限り、相続人も時効の援用を行わなければ、支払義務を負います。 よって、前述の時効援用の要件を満たして、時効が完成している場合は、相続人として債権者であるアコムに時効援用の意思表示を行う必要があります。 保証人として時効援用を行う場合 債務者本人ではなく、保証人に対しても支払いの催告は届きます。保証人も民法により、時効援用を行う権利があります。 民法第145条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 主債務の消滅時効について時効援用を行うことで、主債務は消滅します。保証債務の付随性の性質により、主債務が消滅すれば、保証債務も消滅し、保証人は支払義務を負わないこととなります。連帯保証人であっても、同様の効果が生じます。 時効援用の結果通知 時効の援用を行った後に、主にこの3種類の理由で債権者側から連絡が来ることがあります。 時効援用の失敗時効援用の成功時効援用の確認 時効援用の結果について郵便物による通知の場合もあれば、債権者側からの結果の通知を電話で行う可能性もあります。特に電話での連絡の場合は、債務承認行為を行わないように、債務については触れずご対応ください。 最後に 本記事で解説したものは、あくまでも時効援用できるかどうかの判断材料の一つです。 時効の援用ができるかどうかの判断は、個人の様々な事情によって異なります。 自身の発言不用意な発言によって時効の援用が難しくなってしまうケースも多くございます。 上記のようなリスクを回避するためにも、もし時効の援用をご検討されている場合には、ぜひ一度弊所まで、お気軽にご相談ください。 弊所にて時効援用手続きをするお勧めポイント 全国どこでも対応が可能時効援用手続き1件9,800円(税抜)にて対応が可能LINEやメール、電話にて依頼ができるため来所が不要相談料金が一切掛からない経験豊富なため安心して依頼ができる修正料金などの追加費用の発生なし成果報酬などの費用発生なし
内容証明郵便
2025/02/07
れいわクレジットに対して時効援用ってどうやるの? そもそも時効援用とは何ですか? 時効援用とは、一定期間債権者が権利を行使しない場合に、債務者が消滅時効を主張し、法的に債務を消滅させる手続きです。分かりやすく言うと、お金を返さない期間が一定の長さを超えた場合、法律上その返済義務をなくすことができる手続きです。 次の項目で時効援用の成立について説明しますが、仮に成立要件を満たしていても、相手に時効を援用する意思表示を行わなければ、時効は成立しません。時効援用が成立しない限り、債権会社から請求が続いたり、訴訟提起されたりするため、時効が成立している場合は「時効援用」を使って正式に支払い義務がないことを通知することが大切です。 この通知は、内容証明郵便などで送ることで法的な効力を持ちます。ただし、時効の進行中に一部を支払ったり、支払いを承諾したりすると、時効がリセットされる場合があるため、時効援用をする際は、事前に状況をよく確認することが必要です。 時効援用の流れ ①支払いを催促する書類が届く ②時効援用の要件を満たしているか確認 ③時効援用の意思表示(文書作成、内容証明郵便により送付) ④時効援用の結果について相手方から連絡がくる 時効援用の成立要件 1.消滅時効の期間を経過していること 最終返済日から消滅時効の期間が経過している場合、この要件を満たします。 民法第166条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。 上記のうち、貸金については 一「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。」 二「権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。」 という要件が重要となります。 つまり、権利行使できることを知った時を基準に5年間が経過したか、権利行使できる時を基準に10年が経過したことのいずれかがあれば、原則として時効の援用ができる状態にあるといえます。 ※注意点 上記の民法の規定は、いわゆる改正後の新民法の規定(平成29年法律第44号による改正後の民法)です。 新民法が適用されるのは2020年4月1日以降に成立した法律関係についてのみです。 (例:契約日が2020年5月1日のもの) そのため、債権の発生した時点が2020年4月1日より前(=2020年3月31日以前)の場合には、改正前の旧民法の規定が適用されることとなります。 (例:契約日が2015年4月30日のもの) 旧民法第167条 1 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。 2 債権又は所有権以外の財産権は、20年間行使しないときは、消滅する。 また、同様に、いわゆる商事債権についても、債権の発生した時点が2020年4月1日より前(=2020年3月31日以前)の場合には、改正前の旧商法(平成29年法律第45号による改正前の商法第522条)の規定が適用されることとなります。 旧商法第522条 商行為によって生じた債権は、この法律に特段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。 したがって、簡単に整理すると以下のような関係になります。 ・契約日が2020年3月31日以前の場合の債権⇒旧民法又は旧商法の適用あり ・契約日が2020年4月1日以降の場合の債権⇒新民法の適用あり 本稿執筆時点(2025年1月)では、時効援用をご検討される多くの方については旧民法又は旧商法に従い判断することとなるかと存じます。 具体的に時効援用できるか否かの判断は、専門家にご相談されることをおすすめいたします。 2.時効が更新(中断)されていない 消滅時効の進行は、法定事項により更新されている可能性があります。 返済をしなかった時点で相手方から裁判を起こされていた。 「少しだけ返済を待ってください。」「〇月〇日までには支払います。」などと発言していた場合には、「時効の更新」(権利の承認・債務の承認、民法第152条第1項)があったとみなされ、まだ消滅時効を援用できる状態となっておらず、時効援用の意思表示をしたとしても、未だ返還する義務が残っているということが多いです。 相手方からの支払いの催告の連絡に対して一部だけ支払っていた(最終返済日を確認していれば問題はありませんが、契約日で期間を算定している場合は特に気を付けましょう)。 そのため、もしも仮に民法又は旧商法上の時効期間が経過していたとしても、最終的に時効が援用できるかどうかの判断は、一度専門家に相談されることをおすすめいたします。 3.時効援用の意思表示 時効援用の要件を満たしている場合であっても、時効援用の意思表示を債権者に対して行わなければ、支払義務は消滅しません。 民法第145条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 時効が完成している場合は、債権者であるれいわクレジットに対して、時効援用の意思表示を行いましょう。 本記事を参考にして、ご自身の債務が時効援用できる可能性が高いことを判断できたとしても、項目2.で挙げたような事実がある場合には、時効の援用が失敗してしまうケースもありますので、専門家に相談することをおすすめします。 れいわクレジットとは  そもそもれいわクレジット管理会社とは、主に債権回収業務を行う企業になります。2011年10月に「MUニコス・クレジット株式会社」として設立され、2019年10月に現社名へと変更しています。そのため、過去に上記関連会社のクレジットカードを利用していた方が、同社から連絡を受けるケースが多く見られます。 ※れいわクレジット管理株式会社は、三菱UFJニコスから承継した債権の回収を行っていますが、現在は同社および三菱UFJフィナンシャルグループとの資本関係はありません。 れいわクレジット管理会社は、主に三菱UFJニコスやディーシーカードからの債権を引き継いでいます。そのため、請求内容が過去にこれらの会社から借入や利用があったケースに基づいている可能性があります。もし記憶にない場合には、過去の契約履歴を確認したり、公式の窓口に問い合わせを行うことで確認が可能です。 債権譲渡とは? 債権譲渡とは元の貸付を行っていた会社が未回収の債権を第三者に移転する手続きの事です。 れいわクレジット管理会社の元の債権者 日本信販株式会社(NICOSカード)株式会社ディーシーカード(DCカード)UFJカード株式会社(UFJカード)ミリオンカードサービス株式会社(ミリオンカード)ダイヤモンドクレジット株式会社三和カードサービス株式会社フィナンシャルワンカード株式会社協同クレジットサービス株式会社 これらの企業やブランドのクレジットカードやローンを過去に利用していた場合、れいわクレジット管理株式会社に債権が譲渡されていることがあり、れいわクレジット管理株式会社から下記のような請求が届くことがあります。(下記請求書はあくまで一例です) 実際にれいわクレジットから届く通知書には次のようなものがあります 残高証明書債権回収のご通知支払のお願い最終通告債権譲渡通知書法的手続きの予告通知分割払いの提案書未払い残高のご案内 れいわクレジットに対して時効援用を行う場合には前記の書面が届いた後に、これらに対して記載されている債務に時効援用を行います。または、自身で信用情報機関に開示請求を行い、その載っている情報に対して時効援用手続きを行います。今回は前者のパターンで確認をしていきましょう。まず、先述した成立要件に関して確認を行います。      いずれの場合にも「ご返済前に弊社担当者までご連絡ください」と書いてある場合がありますが、まずは消滅時効の主張ができるかどうか確認することが重要です。れいわクレジットに対し、連絡を行ってしまうと債務の承認にあたる行為とみなされることがあります。そのためまずは連絡を行わずに、次の事を確認しましょう。 最後の返済日から5年以上経過しているか債務の承認にあたる行為をしていないかれいわクレジットから裁判を起こされていないか 時効の成立要件として、上記の3つの点を確認します。 1.最後の返済日から5年以上経過しているか まず、5年以上経過しているか確認する方法については、催告書などの書面に詳しい契約内容の表示があれば、その中に「返済期日」「約定の支払期日」という項目があるかを確認しましょう。その日付が5年以上前であれば消滅期間経過の可能性があります。 返済期日が5年以上前であった場合には時効の援用が可能かもしれません。消滅時効の主張が可能な場合には利息や損害金だけではなく、元本についても支払う必要がありません。ただし、債権者に次の段落で解説する債務承認行為を行った場合は、一度完成した時効でも更新され、支払義務が復活します。そのため、時効援用の意思表示を行う以外は、債権者に安易に連絡を取るのはやめましょう。 遅延損害金とは? 借金の返済などを滞納した場合にかかる損害賠償金の一種。借金の返済期日までに返済しなかった場合、その翌日から発生し、完済するまで発生し続けるのが一般的です。 2.債務の承認にあたる行為をしていないか 次に、債務の承認にあたる行為を行っていないか確認しましょう。債務の承認にあたる行為は示談書にサインをしたり、分割返済の約束をしたり、一部弁済をしたりすることです。もし、債務者が時効制度を知らずに、これら行為を行った場合は、債務を承認したことになり、時効の援用ができなくなるのでその点必ずご確認ください。 承認行為を行うと時効が更新(中断)され、時効が更新した場合にはそれまでの時効の期間がリセットされます。 電話で返済に関する話をしたり、利息や損害金の一部免除をお願いしただけであっても、原則的には債務の承認に該当します。 なお、時効が完成した後に時効援用の意思表示をするまでの期間も承認行為を行えば、同様に時効は更新されるため、くれぐれもご注意ください。 3.れいわクレジットから裁判を起こされていないか 最後に、裁判の有無については、請求書の文書またはご自身の記憶に基づいて判断しましょう。 まず、請求書に以下のような文言がある場合は、絶対とは言えませんがまだ裁判は起こされていないと推測できます。 次に、実際に裁判を起こされた場合には裁判所から訴状や支払督促が届きます。これらの文書は「特別送達」という郵便で送られてきます。特別送達ではポストなどに投函されずに郵便職員が直接手渡しで封筒を渡すことになっています。そのため裁判を起こされているかどうかわからない場合にはその点を確認しましょう。 裁判が起こされている場合、消滅時効は5年から10年に延長されます。よって、訴状等が届いている場合は、判決確定日から10年経過しなければ、時効は完成しないため、ご留意ください。反対に10年経過している場合は、時効援用が可能です。 また裁判を行われている場合に、時効の援用を行う場合には答弁書に時効を援用する旨を記載して裁判所とれいわクレジット管理に両方に提出します。債権者が時効を認める場合には、裁判は取り下げられることが多いです。また取り下げられた場合は、証拠を残すための内容証明郵便でも時効の援用をします。 裁判が行われておらず、上記の3点すべてを確認し、該当している場合には、時効の援用が可能です。 訪問・電話について れいわクレジットは、債権の回収に関しての訪問を別会社に委託している場合がございます。そのため、れいわクレジットから訪問調査を委託された日本インヴェスティゲーションという探偵業者やトラスト弁護士法人が訪問してくることや、電話をしてくることがあります。その際に返済の話をしてしまうと債務承認になる可能性があるのでご注意ください。 日本インヴェスティゲーションやトラスト弁護士法人が家に来た場合(訪問に来た場合)は、なるべく債務承認にあたる行為を取らないように訪問に応じないことが重要です。 不在の場合は「ご連絡のお願い」といった書類がポストに投函されていますが、時効援用を検討しているのであれば不用意に自分から電話をかけないようにしましょう。 債務名義について 時効の援用は5年経過で可能と先述しましたが、時効の要件が10年になる場合がございます。時効が10年に延長する債務名義には次のようなものがあります。 確定判決仮執行宣言付支払督促和解調書、調停調書(和解に代わる決定) また、判決以外にも裁判上で分割払いの和解をした場合や、自分から特定調停の申し立てをした場合にも時効が10年に延長され、その後に返済をしている場合は最後の返済からさらに10年となります。判決と似たようなものに支払督促というものもあります。 最近ではれいわクレジット管理に社名変更した令和4年以降に裁判を起こされて債務名義を取得されているケースが少しずつ増えてきています。その場合は「債務名義確定通知」というタイトルの請求書が届くことがあります。 時効の援用を行う際には上記の注意点をよく確認しましょう。 債務名義(さいむめいぎ)とは? 裁判の判決や仮執行宣言付支払督促を意味します。つまり「債務名義がある=過去に裁判されている」ということです。 本人が死亡している場合 債務者本人はすでに死亡している場合であっても、支払いの催告は届きます。債務は相続により、法定相続分の割合に応じて、各相続人に相続されます。 裁判所に対して、相続放棄の申立をしている特別な事情がない限り、法定相続人も時効の援用を行わなければ、支払義務を負います。 よって、前述の時効援用の要件を満たして、時効が完成している場合は、相続人として債権者であるアコムに時効援用の意思表示を行う必要があります。 保証人として時効援用を行う場合 債務者本人ではなく、保証人に対しても支払いの催告は届きます。保証人も民法により、時効援用を行う権利があります。 民法第145条 時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。 主債務の消滅時効について時効援用を行うことで、主債務は消滅します。保証債務の付随性の性質により、主債務が消滅すれば、保証債務も消滅し、保証人は支払義務を負わないこととなります。連帯保証人であっても、同様の効果が生じます。 信用情報機関について 時効援用をすると、今後二度とローンが組めない、クレジットカードが作れないと思われがちですが、そんなことはありません。 時効の援用をおこなうことで信用情報に悪影響があると誤解されている方が少なくありませんが、そもそもCIC、JICCといった信用情報機関に登録しているのは、現に貸金業を営んでいる会社のみであり、れいわクレジット管理は既存の貸付金の回収業務しかおこなっていないため貸金業者ではありません。 そのため、時効の援用をおこなっても、信用情報にいわゆるブラックリストと言われるような事故情報が新たに掲載されることは一切ありませんので、その点はご安心ください。 時効援用の結果通知 時効の援用を行った後に、主にこの3種類の理由で債権者側から連絡が来ることがあります。 時効援用の失敗時効援用の成功時効援用の確認 時効援用の結果について郵便物による通知の場合もあれば、債権者側からの結果の通知を電話で行う可能性もあります。特に電話での連絡の場合は、債務承認行為を行わないように、債務については触れずご対応ください。 最後に 本記事で解説したものは、あくまでも時効援用できるかどうかの判断材料の一つです。 時効の援用ができるかどうかの判断は、個人の様々な事情によって異なります。 自身の発言不用意な発言によって時効の援用が難しくなってしまうケースも多くございます。 上記のようなリスクを回避するためにも、もし時効の援用をご検討されている場合には、ぜひ一度弊所まで、お気軽にご相談ください。 弊所にて時効援用手続きをするお勧めポイント 全国どこでも対応が可能時効援用手続き1件9,800円(税抜)にて対応が可能LINEやメール、電話にて依頼ができるため来所が不要相談料金が一切掛からない経験豊富なため安心して依頼ができる修正料金などの追加費用の発生なし成果報酬などの費用発生なし
相続関連
2024/11/19
遺言執行者の法的義務と選び方やその役割|相続を円滑に進めるためのポイント 遺言執行者とは 具体的には、遺言の内容を実現するため、遺言のうち不動産や金融機関等の相続手続きを進める際に、その手続きを行う人物のことです。相続手続きに関する何らかの行為が必要なものを担う役割を負います。 遺言執行者は権限や義務が曖昧な状態でしたが、令和元年に相続法が改正され、遺言執行者の権限が明文化されたことにより、単独で相続登記や遺贈登記を行えるようになりました。 ポイント 遺言執行者とは、簡単に言うと遺言書に書いてある内容の手続きを実現するための役職を指します。 ただ、法的義務を負う役職のため遺言執行者に選任されている方やこれから遺言執行者として指定する場合は、十分に注意が必要です。 遺言執行者はなぜ定めたほうがよいのか 一般的な遺言書では、遺言執行者を定めたほうがよいとされており、遺言作成実務においても殆どのケースで遺言執行者を定めます。 遺言書があったとしても、遺産の種類によっては、相続人全員の同意や協力が必要になります。遠方に住んでいる相続人や、親族関係の良くない相続人がいると、手続きは非常に難航し、スムーズに遺言の内容を実現できないことがあります。 遺言執行者であれば、各相続人の承諾や協力なしで手続きを進めることができるため、特に理由がなければ遺言内容の実現及び円滑に相続手続きを進める遺言執行者を遺言書に定めておくことを推奨いたします。 また、相続財産が不動産の場合、遺言執行者が単独で登記申請を行うことができるので、相続人全員と受遺者で協力して相続登記を行う必要がなく、登記申請時にトラブルが発生しにくいのもメリットです。 注意事項 多くの遺言書では特定の相続人の割合を少なくする遺言であることが多いです。このような場合、法定相続割合よりも受け取る財産を減らされている相続人は、相続の手続きについて非協力的なケースが多いです。 遺言執行者を定めておけば遺言執行者が各相続人の承諾なしに手続きを進めることができますが、遺言執行者が存在しない場合は、裁判所に対して遺言執行者選任の申し立て又は各相続人の協力を得なければならない場合があり、手続きのハードルがあがります。 そのため遺言書を作成する場合は、多くのケースで遺言執行者を指定した遺言書が作成されます。 遺言執行者の法律上の義務 遺言執行者として就任した者は、民法の定めるところにより、下記の法的義務を負います。 遺言執行者に就任したら、直ちに任務を開始する(民法第1007条1項)遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知する(民法第1007条2項)遅滞なく、相続財産の目録を作成し、相続人に交付する(民法第1011条1項)遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない(民法第1011条2項)遺言書の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する(民法第1012条1項)遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる(民法第1012条2項)第644条から第647条まで及び第650条の規定は、遺言執行者について準用する(民法第1012条3項)【参考】・受任者の注意義務(民法第644条)・受任者による報告(民法第645条)・受任者による受取物の引渡し等(民法第646条)・受任者の金銭の消費についての責任(民法第647条)・受任者による費用等の償還請求等(民法第648条) 民法第1007条1項について 民法第1007条1項 遺言執行者は,就職後直ちに,その旨及び遺言の内容をすべて相続人に通知しなければならないものとする。 上記のように定められており、遺言執行者として就任した場合は各相続人に対し、通知義務を負っております。各相続人に対しての通知義務を負うわけですから、遺言執行者はまずは法定相続人を確定しなければなりません。 そのため遺言執行者の権限に基づいて、遺言者の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本等を取得し、必要に応じて法定相続人の住所地を把握するために戸籍の附票や住民票などを取得する必要があります。 戸籍謄本等の取得によって法定相続人の人数、住所地などが判明しましたら遺言執行者の就任通知を送付しましょう。 民法第1007条2項について 民法第1007条2項 遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。 民法1007条2項では、遺言書の内容を通知する義務が定められております。そのため下記パターンの対応が求められます。 ① 公正証書遺言の場合:公正証書の正本があれば、その写しを添付し、通知しましょう。 ② 自筆証書遺言(自宅保管の場合):遺言書の開封前に必ず裁判所に対して検認手続を行う必要があります。検認が完了しましたら遺言書の写しを通知しましょう。 ③ 自筆証書遺言(法務局保管の場合):②と異なり、裁判所の検認手続が不要となります。遺言書情報証明書を法務局に請求し、取得できましたら写しを通知しましょう。 ④ 秘密証書遺言の場合:遺言書の開封前に必ず裁判所に対して検認手続を行う必要があります。検認が完了しましたら遺言書の写しを通知しましょう。 民法第1011条1項及び2項について 民法第1011条1項 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない 民法第1011条2項 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。 民法第1011条1項及び2項は、遺言執行者に財産目録の作成義務を負わせている条項になります。この条項に基づいて遺言執行者は、遺言者が死亡時点の財産について調査を行い、適切に財産目録を作成する義務を負います。 財産調査に関する方法は様々な方法がございますが、包括遺贈の場合は積極財産(プラスの財産)だけでなく、消極財産(マイナスの財産)の調査を行うことも重要となります。 適切な方法に基づいて財産の調査が完了しましたら、相続財産の目録を作成し、相続人に交付しましょう。 民法第1012条1項について 民法第1012条1項 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。 2018年改正によって改正後は、これに「遺言の内容を実現するため」という文言が追加され、遺言執行者の任務が遺言の実現にあることが明確化されました。 民法第1012条2項について 民法第1012条2項 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。 2018年改正によって改正後は、新たに第1012条第2項が追加されました。これにより、遺言執行者がいる場合、遺贈の履行は遺言執行者のみが行うことが明確になりました。 ただ、裏を返せば遺言執行者として就任した場合は、遺言の内容を実現するために遺言執行者がその手続に関する一切の義務を負うことになります。 民法第1012条3項について 民法第1012条2項 第644条、第645条から第647条まで及び第650条の規定は、遺言執行者について準用する。 遺言執行者の注意義務(民法第644条準用)遺言執行者は、委託(民法第1006条)の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、遺贈の履行を処理する義務を負う。 遺言執行者による報告(民法第645条準用)遺言執行者は、相続人及び包括受遺者(以下、相続人等)の請求があるときは、いつでも遺贈に関する委託事務の処理の状況を報告し、遺贈の履行が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。 民法第645条では、「委任者の請求があるときは」とあるが、遺言執行者の場合、委託者は死亡しているので、利害関係者である「相続人及び包括受遺者」が報告の相手方になる。ただし、個々の相続人等の請求に応じる必要があるかは、全ての相続人等に対して平等に対応を要するという観点からは検討を要する。 遺言執行者による受取物の引渡し等(民法第646条準用) 遺言執行者は、遺贈に関する委託事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を相続人等に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。 遺言執行者は、相続人等のために自己の名で取得した権利を相続人等に移転しなければならない。 遺言執行者の金銭の消費についての責任(民法第647条準用)遺言執行者は、相続人等に引き渡すべき金額又はその利益のために用いるべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。 遺言執行者による費用等の償還請求等(民法第650条準用) 遺言執行者は、遺贈に関する委託事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、相続人等に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。 遺言執行者は、遺贈に関する委託事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、相続人等に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、相続人等に対し、相当の担保を供させることができる。 遺言執行者は、遺贈に関する委託事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、相続人等に対し、その賠償を請求することができる。 引用元WIKIBOOKS 注意事項 遺言書の内容を実現するために遺言執行者を指定することは非常に重要です。しかし、遺言執行者は多岐にわたる法的責任を負う役職であり、その職務を遂行するには専門的な知識と経験が求められます。たとえこれらの手続きに精通した専門家が対応した場合であっても、諸々の手続きを進めるには数ヶ月から半年程度の期間を要することがあります。 また、令和元年の相続法改正により、遺言執行者は第三者に任務を代行させること(復任権)が可能となりました(民法第1016条)。これにより、すでに遺言執行者として指定されている方が、専門家に遺言執行業務を委ねることができるようになりました。ただし、復任権を行使した場合でも、遺言執行者自身がその任務に関する責任を負うと規定されていますので、慎重な判断が求められます。 そのため、遺言執行者を選任する際には、慎重に検討したうえで、遺言執行業務を担う予定の方に事前に了承を得ることが大切です。このような配慮を行うことで、将来的なトラブルを未然に防ぐことが可能となるでしょう。 遺言執行者は損害賠償責任を負うことはあるのか 遺言執行の交付・通知義務を怠ったことに関する判例がございます。(東京地方裁判所平成19年12月3日判決) この判例では、遺言執行者が通知義務を怠ったとして損害賠償責任を認めております。 事件の概要 被相続人には配偶者や子、親がいないため、法定相続人は弟、甥、姪の3人となります。しかし、被相続人は生前に遺言書を作成しており、全財産(不動産を含む)を換価して特定の宗教法人に遺贈する旨を記載していました。また、遺言書では特定の人物を遺言執行者に指定していました。 被相続人の死後、遺言執行者は遺産の不動産について法定相続人名義で相続登記を行い、その後、第三者に売却しました。しかし、遺言執行者から法定相続人への連絡や説明は一切なく、相続人らが調査したところ、自分たち名義で登記されていたことを知りました。買主を通じて遺言執行者に連絡を試みましたが、遺言内容や執行状況の具体的な説明は得られませんでした。 これを受け、法定相続人らは、以下の点で遺言執行者の対応に問題があると主張し、損害賠償を求める訴訟を提起しました。 相続財産目録の交付がなかったこと 遺言執行者就任の通知がなかったこと 不動産処分時に事前連絡がなかったこと 一方、遺言執行者(被告)は以下のように反論しました。 法定相続人ら(弟、甥、姪)は遺留分を持たないため、相続財産目録の交付がなくても損害は発生しない。 遺言執行において相続人の関与は予定されておらず、事前通知の必要性もない。 このように、遺言執行の相続人への対応が争点となっています。 東京地方裁判所の判断 東京地方裁判所は、遺言執行者に課される義務や相続人への対応について以下のように判断しました。 まず、相続財産目録の交付について、民法1011条1項には「遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成し、相続人に交付しなければならない」と規定されています。この規定は、相続人が遺留分を有するか否かを問わず適用されるため、たとえ遺留分を持たない相続人であっても、遺言執行者には目録を交付する義務があると判断しました。 また、遺言執行の状況や結果についても、遺留分の有無に関係なく、遺言執行者には善管注意義務があるため、相続人に対して適宜説明や報告を行う必要があるとしました。ただし、遺言執行の各行為に先立って常に通知を行う義務があるわけではなく、通知や説明の内容やタイミングは、迅速で適正な遺言執行を行うために必要か否か、あるいはその行為によって相続人に不利益が生じる可能性があるかなどを考慮し、個別具体的に判断すべきであるとしています。 次に、遺言執行者がその就任を相続人に通知する必要性については、当時の民法にはそのような義務を定めた規定がなかったため、一般的には通知を行う必要はないとしました。ただし、現在の民法ではこの点が改正され、就任通知が義務化されています。 さらに、不動産を処分する際の相続人への事前通知についても、一般的には通知を行う義務はないとしつつも、特定の状況では通知が必要であるとしました。具体的には、不動産の相続登記が一時的に相続人名義となることで、相続人が遺言の存在を知らずに自分が財産を相続したものと思い込む可能性や、譲渡所得税や固定資産税などが課されるリスクがあることを考慮すると、遺言執行者には善管注意義務として事前通知を行う責任があると認定しました。 以上の判断を通じて、裁判所は遺言執行者が相続人に対して適切な説明や報告を行うことで、相続人の権利を保護しつつ、遺言の適正な執行を確保する必要性を強調しました。 判例のポイント整理 上記判例では、遺言執行者の通知義務を認めております。本件事案については、遺言執行者はこれらの義務に違反したとして、相続人から遺言執行者への損害賠償責任が認められました。 上記判例において認められた損害賠償の金額は、以下のとおりです。 ・弁護士費用 40万円 ・調査費用 5万円 ・慰謝料として相続人一人につき10万円(合計30万円) この判例が示すように、遺言執行者にはその職務上、さまざまな法的義務が課されており、それは遺言執行者が専門家であるか否かに関わらず一律に適用されるものです。この点を十分に認識した上で、適切に遺言執行業務を遂行する必要があります。 遺言執行者が行う相続手続きの流れ 遺言執行者として就任するか検討する 遺言書で遺言執行者に指定された者が実際に就職するかどうかは自由なので、就任の要否を検討します。この時点で民法1016条の復任権に基づいて専門家に執行を任せるという選択肢もあります。 戸籍謄本等の収集をする 相続人らに通知するために、被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本、戸籍の附票などの取り付けを行います。 相続人らに通知をする STEP.2にて相続人が確定し、相続人らの住所が判明しましたら民法第1007条1項及び2項の通知を行います。民法の条項は別れていますが、通常このタイミングで合わせて通知を行うケースが多いです。 法律上は通知方法についてまでは言及されておりませんが、書面にて通知することが一般的です。配達証明付きの内容証明郵便や書留郵便による通知を検討しましょう。 法定情報一覧図の作成を検討する 今後の手続きにおいて毎回のように被相続人の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本が求められます。名義変更や解約などの手続きが多いとその度に出生から死亡に至るまでの戸籍謄本を提出しなければならず、手続きに非常に時間を要します。 そのためこの段階で法務局に対し、法定情報一覧図の作成を検討しましょう。 相続財産の調査 民法第1011条1項及び第2項、遺言の実現のために相続財産の調査を行います。必要に応じて市区町村に名寄帳を取り寄せたり、各金融機関に残高証明書を請求したり、消極財産などは信用情報機関へ開示請求などを行います。 財産目録の交付 相続財産の調査が終わりましたら、財産目録を作成し、相続人らにこれを交付しましょう。 法律上は交付方法についてまでは言及されておりませんが、書面にて通知することが一般的です。配達証明付きの内容証明郵便や書留郵便による通知を検討しましょう。 遺言内容を実現するための手続き 遺言の内容に基づいて、その内容を実現するための手続きを行いましょう。遺言で指定されている受遺者のために必要に応じて名義変更手続き、解約、換価などの手続を行う必要があります。 完了通知 STEP.7の手続きが完了しましたら各相続人に対し、遺言執行が完了した旨の通知を行いましょう。 以上で遺言執行者の手続きが完了となります。 遺言執行者に関するよくある質問 弊所の遺言執行者サービス内容についてお客様からいただくよくある質問についてまとめさせていただきました。 遺言書を作成するときに遺言執行者を定めなくてもいいですか?あまり推奨はされておりませんが、遺言執行者なしの遺言書も法的には有効となります。ただし、前述記載のように遺言執行者がない遺言の場合、手続きにおいて各相続人の協力が求められるケースがあり、相続人の協力が得られない場合は手続きが滞る可能性が考えられます。その場合は、裁判所に対して遺言執行者選任の申し立てを行う必要があり、遺言手続きがより煩雑なものとなる可能性があります。そのため遺言執行者は定めることを推奨しております。 遺言執行者に専門家を選任するメリットは何ですか?専門家を遺言執行者に選任することで、相続に関する複雑な手続きが適切かつ迅速に進められます。また、第三者である専門家が遺言執行者として各相続人に通知を行うため、相続人間のトラブルを防ぐ効果も期待できます。遺言執行者は多岐にわたる法的責任を負う役職であり、その職務を遂行するには専門的な知識と経験が求められますので、専門家を指定される方が多いです。 すでに遺言執行者として指定されているのですが、専門家に任せることはできますか?令和元年の相続法改正により、遺言執行者は第三者に任務を代行させること(復任権)が可能となりました(民法第1016条)。これによってすでに遺言執行者に指定されていたとしても第三者に職務を委任することが可能です。 遺言執行者になれない人はいますか?未成年者及び破産者は、遺言執行者になれません(民法第1009条)。なお、この未成年又は破産者に該当するかどうかは、遺言書作成時ではなく、あくまで遺言者の死亡時(遺言の効力発生時)となります。 弁護士、行政書士、司法書士のどの専門家を遺言執行者に選ぶべきですか?遺言執行者という役職は、遺言内容を実現するための役職であることから役割自体に違いは特にありませんが、専門家ごとに得意分野が異なる点には留意が必要です。また、遺言執行サービスの料金やサポート内容は事務所によって大きく異なります。そのため、料金体系や提供されるサポートの内容を比較検討した上で、最適な専門家を選ぶことをお勧めします。一般的に、弁護士のサービスは行政書士や司法書士に比べて高額に設定されることが多い傾向があります。当事務所では、弁護士、司法書士、税理士と連携し、ワンストップで遺言執行に関する手続きをサポートしています。各専門家の得意分野を活かしたサービス提供が可能なため、スムーズで確実な手続きを実現いたします。 遺言執行者が先に亡くなったらどうしたらいいの?専門家に依頼すると決めていても法人以外の個人に依頼をしてしまうと、遺言執行者が先に他界するといったケースが稀にございます。その場合は遺言執行者が不在となるため注意が必要です。一般的には遺言執行者は、個人よりも法人に依頼したほうが安定性はあると言えますが、法人であっても倒産などの可能性は0ではありません。それらに備えるのであれば、予備的遺言執行者の選任まで含めて検討すれば万全かと思います。 遺言執行者を変更したい場合はどうすればいいですか?遺言者が生存している場合であれば、新しい遺言書を作成し、執行者を変更する旨を明記してください。以前の遺言書を撤回していただければ遺言執行者を新たに指定することが可能です。 相続人で疎遠な人がいるので通知しなくてもいいですか?疎遠であれば通知しなくてもよいという条文の規定はございません。そのため遺言執行者として就任した場合は、被相続人の戸籍謄本、戸籍の附票、住民票などを辿っていただき、現所在地を調査したうえで通知する義務を負います。 行政書士法人Treeに依頼した場合の金額を教えてください。弊所の遺言執行費用は、生前には報酬は一切頂いておりません。遺言執行者として実際に就任したときに相続財産より報酬を頂戴しております。基本的な費用は相続財産が2000万円以下の場合は、基本報酬が18万円となります。相続財産が2000万円を超える場合は、相続財産の0.9%が基本報酬となります。 最後に 弊所にて相続手続きのご相談をお勧めする理由 遺言書に遺言執行者を定めておくことで、遺言者の意思に基づいた遺言内容の実現が可能となり、相続手続きを円滑に進めることができます。遺言執行者を指定する場合、遺言書の作成段階から専門家に依頼するのが一般的ですが、当事務所ではお客様にとって身近で相談しやすい存在を目指しています。 そのため、遺言書作成のサポートを29,800円でご提供しております。リーズナブルな価格設定ながら、弁護士、司法書士、税理士など各分野の専門家と連携し、質の高いサービスを実現しています。遺言書の作成や相続手続きに関して不明点がある場合、また遺言執行者の選任を検討されている場合には、専門家への相談をお勧めします。 さらに、相続発生後に相続人間でトラブルが発生する可能性がある場合は、事前に専門家に相談し、利害関係を調整した遺言書を作成することでトラブルを未然に防ぐことができます。このような場合、遺言執行についても専門家に依頼することで、よりスムーズな手続きが期待できます。 困ったときには、ぜひお気軽に当事務所へご相談ください。お客様のニーズに合わせた丁寧なサポートをお約束いたします。

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