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告訴状の書き方ガイド|構成・記載例・提出方法を徹底解説【2026年最新】

更新: 約18分で読めます

「告訴状を出したいけど、どう書けばいいのか分からない」「警察に持っていったら受理されなかった」「テンプレートや記載例を見ながら自分で作成したい」

告訴状の作成は、法的な知識と正確な事実の記載が求められる書類です。書き方が不十分だと、警察や検察に受理してもらえないケースも少なくありません。

この記事では、告訴状・被害届の作成実績のある行政書士法人Treeが、告訴状の構成・書き方・記載例・提出先まで、初めての方にも分かりやすく解説します。

結論:告訴状は「告訴の趣旨」「告訴事実」「告訴に至る経緯」「立証資料」の4つの柱で構成し、犯罪事実を具体的かつ正確に記載することが受理のポイントです。

なお、行政書士は告訴状の「書類作成」を代行できますが、刑事弁護や示談交渉は弁護士の専門分野です。本記事では書類作成の観点から解説いたします。

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告訴状とは?基本を理解する

告訴状の定義と法的根拠

告訴状とは、犯罪の被害者やその法定代理人が、捜査機関(警察・検察)に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示を書面にしたものです。

告訴の権利は、刑事訴訟法第230条に規定されており、「犯罪により害を被った者は、告訴をすることができる」と定められています。

告訴は口頭でも可能ですが(刑事訴訟法第241条)、実務上は書面(告訴状)で行うのが一般的です。書面のほうが事実関係を正確に伝えられ、受理後の捜査もスムーズに進みます。

告訴状と被害届の違い

告訴状と被害届は混同されがちですが、法的な効果が大きく異なります。

比較項目 告訴状 被害届
法的根拠 刑事訴訟法第230条 犯罪捜査規範第61条
処罰意思 犯人の処罰を求める 被害事実の届出のみ
捜査の開始 受理後、捜査が開始される 捜査開始は任意
親告罪の要件 告訴が公訴提起の要件 告訴の代替にならない
処分通知 処分結果の通知あり(刑訴法第260条) 通知義務なし
提出先 警察署・検察庁 警察署

特に親告罪(名誉毀損罪、侮辱罪、器物損壊罪など)の場合、告訴がなければ検察官が起訴できないため、告訴状の提出が不可欠です。

告訴できる人(告訴権者)

告訴ができるのは、以下の方です(刑事訴訟法第230条〜第234条)。

  • 被害者本人
  • 被害者の法定代理人(未成年者の親権者など)
  • 被害者が死亡した場合:配偶者、直系親族、兄弟姉妹(被害者の明示した意思に反する場合を除く)
  • 親告罪で被害者の法定代理人が被疑者等の場合:被害者の親族

告訴の期間制限

親告罪の場合、犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければなりません(刑事訴訟法第235条)。非親告罪には告訴期間の制限はありませんが、公訴時効の問題がありますので、早めの対応が重要です。なお、かつて親告罪とされていた強制わいせつ罪等の性犯罪は、2017年の刑法改正により非親告罪となっています。

告訴状の構成要素と書き方

告訴状には法律で定められた書式はありませんが、実務上、受理されやすい構成があります。以下の構成要素を押さえて作成しましょう。

告訴状の構成一覧

構成要素 記載内容
表題 「告訴状」と記載
宛先 提出先の警察署長または検察官宛
告訴人の情報 住所・氏名・生年月日・電話番号・職業
被告訴人の情報 住所・氏名(不明の場合は特徴等)
告訴の趣旨 処罰を求める意思と罪名の明示
告訴事実 犯罪事実の具体的記載(5W1H)
告訴に至る経緯 事件の背景と時系列の説明
立証資料(証拠) 証拠書類・写真等の一覧
日付・署名・押印 作成日、告訴人の署名押印

各構成要素の詳しい書き方

1. 表題・宛先

表題は中央に大きく「告訴状」と記載します。宛先は提出先に応じて「○○警察署長 殿」または「○○地方検察庁 検察官 殿」と書きます。

2. 告訴人・被告訴人の情報

告訴人(自分)の情報は、住所・氏名・生年月日・電話番号・職業を記載します。被告訴人(加害者)については、分かる範囲で住所・氏名を記載します。氏名が不明な場合は、「不詳」とした上で、身体的特徴や推定年齢など特定に資する情報を記載します。

3. 告訴の趣旨

「被告訴人の下記所為は、刑法第○○条(罪名)に該当すると思料されるので、厳重に処罰されたく告訴いたします。」のように記載します。適用される罪名と条文を明記することが重要です。

4. 告訴事実(最も重要)

告訴事実は、告訴状の最も重要な部分です。以下の5W1Hを具体的に記載します。

  • いつ(When):犯罪行為が行われた日時
  • どこで(Where):犯罪行為が行われた場所
  • 誰が(Who):被告訴人
  • 誰に対して:被害者
  • 何を(What):具体的な犯罪行為の内容
  • どのように(How):犯行の態様・手段

漠然とした記載ではなく、「令和○年○月○日午後○時頃、東京都○○区○○町○丁目○番地所在の○○において…」のように、できる限り具体的に記載します。

5. 告訴に至る経緯

犯罪事実に至るまでの背景や経緯を時系列で記載します。被告訴人との関係性、事件発生前の状況、被害に気づいた経緯などを分かりやすく説明します。

6. 立証資料(証拠)

告訴事実を裏付ける証拠があれば、一覧にして記載し、写しを添付します。主な証拠の例は以下のとおりです。

  • 写真・動画(日時が分かるもの)
  • メール・SNSのスクリーンショット
  • 診断書(傷害事件の場合)
  • 契約書・領収書(詐欺事件の場合)
  • 防犯カメラの映像
  • 目撃者の陳述書

告訴状の記載例(詐欺罪のケース)

以下は、詐欺罪を例とした告訴状の記載例です。実際の案件では、事実関係に応じて適宜修正してください。

告 訴 状

○○警察署長 殿

告訴人
 住 所 東京都○○市○○町一丁目2番3号
 氏 名 ○○ ○○(印)
 生年月日 昭和○○年○月○日
 電話番号 ○○○-○○○○-○○○○
 職 業 会社員

被告訴人
 住 所 東京都○○区○○町四丁目5番6号
 氏 名 △△ △△
 電話番号 ○○○-○○○○-○○○○
 職 業 不詳

第1 告訴の趣旨
 被告訴人の下記所為は、刑法第246条第1項(詐欺罪)に該当すると思料されるので、捜査の上、厳重に処罰されたく告訴いたします。

第2 告訴事実
 被告訴人は、令和○年○月○日頃、東京都○○市○○町所在の告訴人自宅において、告訴人に対し、真実は代金を支払う意思も能力もないにもかかわらず、「○○の商品を仕入れて転売すれば確実に利益が出る。100万円を投資してくれれば、3か月後に150万円にして返す」などと虚偽の事実を申し向け、告訴人をしてその旨誤信させ、よって、同月○日、告訴人名義の○○銀行○○支店の普通預金口座から被告訴人名義の口座へ金100万円を振込送金させ、もって人を欺いて財物を交付させたものである。

第3 告訴に至る経緯
 告訴人は、令和○年○月頃、SNS(Instagram)上で被告訴人のアカウント「○○○○」を通じて知り合った。被告訴人のプロフィールには「年商○億円の投資家」「○○ファンド代表」等の肩書が記載されており、高級車や海外旅行の写真が多数投稿されていた。
 被告訴人は、令和○年○月○日頃からダイレクトメッセージにて告訴人に接触し、「自分が運用する投資案件に参加すれば、3か月で元本の1.5倍は確実に返せる」「今なら特別枠で参加できる」「すでに○○名が参加して全員利益を得ている」などと、複数回にわたり投資への参加を勧誘した。
 告訴人は、これらの説明を信じ、令和○年○月○日、告訴人名義の○○銀行○○支店普通預金口座から、被告訴人が指定した○○銀行○○支店の普通預金口座(口座名義:○○○○)に金100万円を振込送金した。
 しかし、約束の3か月後である令和○年○月になっても配当金の支払いはなく、告訴人が被告訴人に連絡を試みたところ、同月○日頃を境にSNSアカウントは削除され、電話番号(○○○-○○○○-○○○○)も不通となり、一切の連絡が取れなくなった。
 不審に思った告訴人がインターネット上で調査したところ、被告訴人と同一と思われる人物から同様の手口で金銭を詐取されたとする被害報告が、SNS上に少なくとも○件確認された。この時点で告訴人は、被告訴人が当初から投資の実態がないにもかかわらず、投資名目で金銭を詐取する意図であったと確信するに至った。
 以上の経緯から、被告訴人の行為は刑法第246条第1項の詐欺罪に該当すると思料し、本告訴に及んだ次第である。

第4 立証資料
 1 振込明細書の写し 1通
 2 被告訴人とのSNSメッセージのスクリーンショット 一式
 3 被告訴人の名刺の写し 1通

 令和○年○月○日

          告訴人 ○○ ○○ ㊞

上記はあくまで一例です。罪名や事実関係によって記載内容は大きく変わります。正確な告訴状を作成するには、法的知識に基づいた記載が必要です。

告訴状作成から提出までの流れ

Step 1:事実関係の整理

まず、犯罪事実を時系列で整理します。日時・場所・行為内容を具体的にメモし、関連する証拠を収集・保全します。記憶が曖昧な部分は、メールやSNSの履歴などの客観的資料で確認しましょう。

Step 2:該当する罪名の確認

被害内容がどの犯罪に該当するかを確認します。詐欺罪(刑法246条)、窃盗罪(刑法235条)、傷害罪(刑法204条)、名誉毀損罪(刑法230条)など、適用される条文を特定します。罪名の特定が難しい場合は、専門家に相談することをおすすめします。

Step 3:告訴状の作成

前述の構成要素に沿って、告訴状を作成します。A4用紙に横書きで記載するのが一般的です。手書きでもワープロでも構いませんが、ワープロのほうが読みやすく、受理されやすい傾向があります。

Step 4:証拠資料の準備

告訴事実を裏付ける証拠を整理し、原本は手元に保管したまま、写し(コピー)を告訴状に添付します。証拠には番号を付け、告訴状の「立証資料」欄と対応させます。

Step 5:提出先の選定と提出

告訴状の提出先は、犯罪地を管轄する警察署または検察庁です。一般的には最寄りの警察署に提出しますが、経済犯罪や知能犯など複雑な事案は検察庁への提出も選択肢です。

提出時は、告訴状と証拠資料の写しを2部用意し(提出用と控え用)、控えに受理印をもらいましょう。

Step 6:受理後の対応

告訴が受理されると、捜査機関は捜査を開始します。捜査の過程で、追加の事情聴取や補充資料の提出を求められることがあります。検察官は、公訴を提起し又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人に通知しなければなりません(刑事訴訟法第260条)。

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告訴状の提出先と受理のポイント

提出先の選び方

提出先 適しているケース 特徴
警察署 暴行・傷害・窃盗・器物損壊など一般的な犯罪 身近で相談しやすい。事件発生地の管轄署に提出
検察庁 詐欺・横領・背任など知能犯罪、複雑な事案 法律の専門家が直接判断。告訴状の記載精度が重要

受理されないケースと対策

告訴状を提出しても、必ず受理されるとは限りません。よくある受理されない理由と対策を紹介します。

  • 犯罪事実の記載が曖昧:5W1Hを具体的に記載する。日時や場所はできるだけ特定する
  • 該当する罪名が不明確:刑法の条文を確認し、適切な罪名を記載する
  • 証拠が不十分:客観的な証拠(書類・画像・メッセージ等)を可能な限り収集する
  • 民事上のトラブルと判断される:単なる金銭トラブルではなく、欺罔行為など犯罪行為の要素を明確に記載する
  • 告訴期間の経過:親告罪の場合、犯人を知ってから6か月以内に提出する

なお、警察には告訴を受理する義務があります(犯罪捜査規範第63条)。正当な理由なく受理を拒否された場合は、公安委員会への苦情申立てや検察庁への直接提出も検討できます。

告訴状作成を行政書士に依頼するメリット

行政書士が対応できる範囲

行政書士は、行政書士法第1条の2に基づき、「権利義務又は事実証明に関する書類の作成」を業として行うことができます。告訴状は事実証明に関する書類にあたるため、行政書士が作成を代行できます。

ただし、以下の点にご注意ください。

  • 行政書士ができること:告訴状の書類作成、証拠資料の整理
  • 弁護士の専門分野:刑事弁護、告訴状提出後の示談交渉、被害者の代理人としての活動、刑事裁判での弁護活動

書類作成のみを依頼したい場合は行政書士、刑事弁護や示談交渉まで含めた包括的な対応が必要な場合は弁護士への依頼が適切です。

行政書士に依頼する3つのメリット

  • 受理されやすい告訴状の作成:実務経験に基づき、受理されやすい書式・記載方法で作成します
  • 法的な整理のサポート:犯罪事実の整理や適用される罪名の確認をお手伝いします
  • 弁護士より費用を抑えられる:書類作成に特化しているため、比較的リーズナブルに対応可能です

注意点・よくある失敗

告訴状作成でよくある失敗

  • 感情的な記述が多い:「許せない」「ひどい」などの感情表現は極力避け、客観的事実を淡々と記載する
  • 事実と意見を混同している:「~に違いない」「おそらく~だろう」ではなく、確認できた事実のみを記載する
  • 罪名を間違えている:類似する犯罪類型(窃盗と横領、詐欺と恐喝など)を正確に区別する
  • 証拠の原本を添付してしまう:原本は手元に保管し、写し(コピー)を添付する

なお、書類作成に関する内容で不明な点がある場合は、契約書の効力や書き方の解説記事も参考になります。法的文書に共通する作成のポイントを紹介しています。

よくある質問

Q. 告訴状の書き方にテンプレートや決まった書式はありますか?

A. 法律で定められた書式はありません。ただし、実務上は「告訴の趣旨」「告訴事実」「告訴に至る経緯」「立証資料」の4部構成が一般的です。これらの要素を漏れなく記載することが受理のポイントです。

Q. 告訴状は自分で作成できますか?

A. 自分で作成することは可能です。ただし、犯罪事実の記載が不十分だと受理されないことがあります。法的知識に不安がある場合は、行政書士や弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 告訴状を警察に提出したら必ず受理されますか?

A. 警察には告訴を受理する義務がありますが(犯罪捜査規範第63条)、記載内容が不十分な場合は補正を求められることがあります。犯罪事実を5W1Hで具体的に記載し、証拠資料を添付することで、スムーズな受理につながります。

Q. 告訴状の提出先は警察署と検察庁のどちらがいいですか?

A. 一般的な犯罪(暴行・傷害・窃盗など)は犯罪地を管轄する警察署、知能犯罪(詐欺・横領など)や複雑な事案は検察庁への提出が適しています。迷う場合は、まず警察署に相談するのが一般的です。

Q. 告訴状の作成費用はいくらくらいかかりますか?

A. 当事務所の告訴状作成費用は34,800円〜(税抜)です。相談は何度でも無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

Q. 被害届を出した後でも告訴状を提出できますか?

A. はい、被害届を提出した後でも告訴状を提出できます。被害届は被害事実の届出にすぎず、処罰意思の表明である告訴とは別の手続きです。特に親告罪の場合は、告訴がなければ起訴できないため、別途告訴状の提出が必要です。

Q. 親告罪の告訴期間(6か月)を過ぎてしまったらどうなりますか?

A. 親告罪の告訴期間(犯人を知った日から6か月)を過ぎると、原則として告訴ができなくなり、検察官は公訴を提起できません。なお、非親告罪であれば告訴期間の制限はありませんが、犯罪自体に公訴時効がありますので、いずれにしても早めの対応が重要です。期限が迫っている場合は、早急に専門家にご相談ください。

告訴状の作成は行政書士法人Treeにお任せください

サービス内容 料金(税抜)
告訴状作成 34,800円〜
  • ✔ 事実関係の整理から書類作成まで一括対応
  • ✔ 受理されやすい書式・記載方法で作成
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まずはお気軽にお問い合わせください。事実関係の整理から罪名の確認までサポートいたします。

電話でのご相談: 042-404-2927(日曜を除く 9:00〜17:00)

※ 本記事は一般的な法律情報の提供を目的としたものであり、個別の法的助言を行うものではありません。具体的な事案については、弁護士や行政書士等の専門家にご相談ください。法令や制度は改正されることがありますので、最新の情報は公式機関のウェブサイト等でご確認ください。

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