入管・ビザ関連

高度専門職ビザとは?ポイント計算・優遇措置・申請方法を行政書士が解説

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結論から言えば、高度専門職ビザは「学歴」「職歴」「年収」「年齢」などの項目を合算して70ポイント以上を獲得すれば取得できる在留資格です。通常の就労ビザにはない7つの優遇措置が用意されており、最短1年での永住申請や配偶者の就労許可など、外国人材にとって大きなメリットがあります。

ただし、ポイントの計算方法は3つの活動類型(学術研究・専門技術・経営管理)ごとに異なり、年収の最低基準や職務内容の適合性など見落としやすい要件も少なくありません。近年はJ-Skip(特別高度人材制度)との違いで迷う方も増えているため、本記事では、高度専門職ビザのポイント制度の仕組みから優遇措置の全容、申請の流れまでを体系的に整理しています。

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高度専門職ビザとは|制度の概要と3つの活動類型

高度専門職ビザとは、日本が積極的に受け入れるべき「高度外国人材」に対して、出入国在留管理上の優遇措置を付与するために設けられた在留資格です。2012年5月に「特定活動(高度人材)」として導入され、2015年4月の入管法改正で独立した在留資格「高度専門職」として再編されました。

この制度では、外国人の学歴・職歴・年収・年齢などの項目をポイント化し、合計が70ポイント以上に達した場合に「高度外国人材」として認定されます。認定を受けると、通常の就労ビザでは得られない複合的な活動許可や在留期間「5年」の付与など、7つの優遇措置が適用されます。

高度専門職1号の3つの活動類型

高度専門職1号は、行う活動の内容に応じて次の3つに区分されます。それぞれポイント計算表が異なるため、自分がどの類型に該当するかを正確に把握することが申請の第一歩です。

区分 活動内容 該当する典型的な職種
イ(高度学術研究活動) 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う研究、研究の指導または教育 大学教授、研究者、ポスドク
ロ(高度専門・技術活動) 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う自然科学または人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務 ITエンジニア、機械設計者、マーケティング専門職
ハ(高度経営・管理活動) 本邦の公私の機関において事業の経営を行いまたは当該事業の管理に従事する活動 企業経営者、取締役、事業部長

なお、「技術・人文知識・国際業務」ビザで就労中の方が高度専門職1号ロに変更するケースが実務上は最も多く見られます。ただし、外国の文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする「国際業務」型の職務は高度専門職1号ロの対象外となることがあります。一方で、人文科学分野の専門知識を要する内容であれば個別判断となるため、職務内容の適合性を事前に確認する必要があります。

技術・人文知識・国際業務ビザの要件との違いを把握しておくと、変更申請をスムーズに進めやすくなります。

高度専門職2号とは|1号との違い

高度専門職2号は、高度専門職1号の在留資格で3年以上活動した方が移行できる上位の在留資格です。1号と比較して、以下の点で大幅な優遇を受けられます。

比較項目 高度専門職1号 高度専門職2号
在留期間 5年 無期限
活動範囲 指定された1つの類型(イ・ロ・ハ)+ 付随活動 ほぼ全ての就労活動が可能
所属機関の指定 あり(転職時は在留資格変更が必要) なし(転職時も変更不要)
移行要件 ポイント70点以上 1号で3年以上活動 + 素行善良 + 国益適合

高度専門職2号は在留期間が無期限であるため永住権と似ていますが、あくまで就労を前提とした在留資格です。離職して長期間無職の状態が続くと在留資格の取消し対象になり得る点は永住権との大きな違いです。

ポイント制度の仕組み|ポイント計算表の見方

高度専門職ビザのポイントは、活動類型(イ・ロ・ハ)ごとに異なる計算表で算出します。ここでは最も申請数の多い高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)を中心に、各項目の配点を整理します。

学歴のポイント

学歴 ポイント
博士号(博士の学位を有する者) 30点
経営管理に関する専門職学位(MBA・MOT) 25点
修士号(修士の学位を有する者) 20点
大学を卒業しまたはこれと同等以上の教育を受けた者 10点
複数の分野で博士・修士の学位を有する場合 +5点(ボーナス)

次の3つの世界大学ランキング(QS・THE・上海交通大学のARWU)のうち2つ以上で300位以内にランクインしている外国の大学、または3つのランキングのいずれか1つにランクされている本邦の大学(順位不問)、文部科学省のスーパーグローバル大学創成支援事業の対象大学、またはイノベーティブ・アジア事業のパートナー大学を卒業している場合は、さらに10点が加算されます。

職歴のポイント

従事した期間 ポイント
10年以上 20点
7年以上10年未満 15点
5年以上7年未満 10点
3年以上5年未満 5点

職歴は日本国外での経験も含めることができますが、現在の活動と関連性のある業務に従事していた期間に限られます。転職が多い場合でも、同一分野であれば通算が可能です。

年収のポイント(高度専門職1号ロの場合)

年収 ポイント
1,000万円以上 40点
900万円以上1,000万円未満 35点
800万円以上900万円未満 30点
700万円以上800万円未満 25点
600万円以上700万円未満 20点
500万円以上600万円未満 15点
400万円以上500万円未満 10点
300万円以上400万円未満 0点

※ 上記の年収ポイントは高度専門職1号ロ・ハの場合、年齢区分(30歳未満/30〜34歳/35〜39歳/40歳以上)によって異なります。年齢が上がると低い年収帯ではポイントが付与されない場合があります。正確なポイントは出入国在留管理庁のポイント計算表でご確認ください。

重要な注意点として、高度専門職1号ロ・ハでは年収が300万円未満の場合、ポイントがいくら高くても申請が認められません。また、年収に含められるのは基本給や固定的手当、賞与であり、通勤手当・扶養手当・超過勤務手当(残業代)は算入対象外です。

年齢のポイント

年齢 ポイント
30歳未満 15点
30歳以上35歳未満 10点
35歳以上40歳未満 5点
40歳以上 0点

年齢は、在留資格認定証明書交付申請の場合は入国予定日時点、在留資格変更許可申請の場合は申請時点で判定されます。

主なボーナスポイント

上記の基本項目に加え、以下のような加算ポイントがあります。活動類型(イ・ロ・ハ)によって対象項目が異なるため、計算の際は出入国在留管理庁が公開している高度専門職のポイント計算表で正確に確認してください。

加算項目 ポイント 備考
日本語能力試験N1合格またはBJTビジネス日本語能力テスト480点以上 15点 「日本の大学卒業(10点)」との重複加算可能
日本語能力試験N2合格またはBJTビジネス日本語能力テスト400点以上 10点 N1の15点とは重複不可
従事する業務に関連する日本の国家資格(2つ以上) 10点 1つの場合は5点
イノベーション促進支援措置を受けている機関に所属 10点 試験研究費等税額控除の適用企業など
中小企業のイノベーション促進に関する試験研究費等の措置を受けている 10点 上記と重複不可
研究実績(特許発明、学術論文掲載など) 各項目15〜25点 主にイ(学術研究活動)向け

高度専門職の別ルート|特別高度人材制度(J-Skip)との違い

2023年4月から、ポイント制によらずに高度専門職を取得できるJ-Skip(特別高度人材制度)が導入されました。J-Skipはポイント計算を行わず、学歴または職歴と年収の要件のみで判定される独立ルートで、要件を満たす場合は「特別高度人材」としてポイント制の高度専門職よりも拡充された優遇措置を受けられます。

活動類型 要件(いずれかを満たすこと)
高度学術研究活動(1号イ)
高度専門・技術活動(1号ロ)
修士号以上取得 かつ 年収2,000万円以上
または 従事業務に係る実務経験10年以上 かつ 年収2,000万円以上
高度経営・管理活動(1号ハ) 事業の経営・管理に係る実務経験5年以上 かつ 年収4,000万円以上

ポイント制の70点に届かない場合でも、上記の年収・学歴・職歴要件を満たせばJ-Skipルートを検討できます。詳細は出入国在留管理庁の特別高度人材制度(J-Skip)のページをご確認ください。

高度専門職ビザの7つの優遇措置

高度専門職ビザの最大の魅力は、通常の就労ビザでは受けられない7つの出入国在留管理上の優遇措置です。それぞれの内容を具体的に見ていきましょう。

1. 複合的な在留活動の許容

通常の在留資格では、許可された1つの活動しか行えません。たとえば「技術・人文知識・国際業務」ビザで就労している方が事業を経営するには、別途「経営・管理」への変更が必要です。しかし高度専門職1号では、主たる活動に関連する事業経営など複合的な活動が認められます。具体例として、IT企業で働きながら自身の専門知識を活かした会社を経営するといったケースが考えられます。

2. 在留期間「5年」の付与

高度専門職1号では、法律上の最長期間である5年の在留期間が一律に付与されます。通常の就労ビザでは初回の更新では1年や3年の在留期間となるケースも多い中で、これは大きなメリットです。なお、高度専門職2号に移行した場合は在留期間が無期限になります。

3. 永住許可要件の緩和

通常、永住許可の申請には原則として10年以上の在留歴が求められます。しかし高度専門職ビザでは以下のとおり大幅に緩和されます。

ポイント 必要な在留期間
70点以上 3年
80点以上 1年

80ポイント以上を獲得できれば、わずか1年の在留で永住許可を申請できます。これは日本の永住権取得における最短ルートであり、高度専門職ビザが「永住への近道」と呼ばれる理由です。永住許可の要件全体については「永住許可の要件と申請方法」で詳しく解説しています。

4. 配偶者の就労

通常、就労ビザ保持者の配偶者が「家族滞在」で在留する場合、就労するには資格外活動許可が必要であり、週28時間の制限があります。高度専門職ビザの保持者の配偶者は、高度外国人材本人と同居し、日本人と同等額以上の報酬を受けるなどの要件を満たせば、学歴・職歴の要件を満たさなくても、「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「興行」に該当する活動をフルタイムで行うことが可能です。

5. 一定の条件下での親の帯同

通常、就労ビザでは親を日本に呼び寄せることはできません。しかし高度専門職ビザの保持者は、以下の条件を満たす場合に限り、本人または配偶者の親の帯同が認められます。

  • 高度外国人材の世帯年収が800万円以上
  • 高度外国人材と同居すること
  • 帯同目的が本人またはその配偶者の7歳未満の子の養育、または妊娠中の本人もしくは配偶者の介助

6. 一定の条件下での家事使用人の帯同

高度外国人材は、以下の条件を満たす場合に外国人の家事使用人を帯同することが認められています。

  • 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上
  • 家事使用人に月額20万円以上の報酬を支払うこと
  • 帯同できるのは1名まで

なお、入国帯同型(本国から連れてくる場合)と家庭事情型(13歳未満の子がいるまたは配偶者が病気の場合)で要件の一部が異なります。

7. 入国・在留手続の優先処理

高度外国人材に対しては、入国・在留審査が優先的に処理されます。在留資格認定証明書交付申請は10日以内、在留資格変更・在留期間更新許可申請は5日以内が処理の目安とされており、通常の就労ビザの審査が1〜3か月程度かかることと比較すると非常にスピーディです。ただし、必要書類が不足している場合や申請内容に疑義がある場合、研究実績ポイントの個別申出がある場合などは、この目安を超えることがあります。

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高度専門職ビザの申請手続きの流れ

高度専門職ビザの申請は、現在の状況(海外在住か日本在住か)によってルートが分かれます。以下では代表的な2つのケースに分けて手順を説明します。

Step 1: ポイント計算と該当性の確認

まず、出入国在留管理庁が公開しているポイント計算表を使い、自分の合計ポイントが70点以上になるかを確認します。活動類型(イ・ロ・ハ)の選択を誤るとポイント計算自体がやり直しになるため、自分が行う活動がどの類型に該当するかの判断が非常に重要です。

Step 2: ポイント立証資料の収集

ポイント計算で70点以上になることが確認できたら、各ポイント項目を立証するための資料を集めます。主な立証資料は以下のとおりです。

ポイント項目 主な立証資料
学歴 卒業証明書・学位記(外国の大学の場合は日本語訳も)
職歴 在職証明書(期間・職務内容の記載があるもの)
年収 雇用契約書・辞令・源泉徴収票
年齢 パスポートの写し
日本語能力 JLPT合格証書・BJTスコアレポート
研究実績 特許証・学術論文の掲載証明

なお、70点以上になることを確認できる資料があれば足りるため、該当する全ての項目について立証資料を提出する必要はありません。

Step 3: 申請書類の作成・提出

在留資格認定証明書交付申請(海外からの新規入国の場合)または在留資格変更許可申請(日本国内で別の在留資格から変更する場合)の書類を作成し、管轄の地方出入国在留管理局に提出します。主な提出書類は次のとおりです。

  • 在留資格認定証明書交付申請書 または 在留資格変更許可申請書
  • 写真(縦4cm×横3cm)1枚
  • ポイント計算表(活動の区分に応じたもの)
  • ポイントの各項目に関する立証資料
  • 雇用契約書または採用内定通知書の写し
  • 所属機関の登記事項証明書・決算書類
  • 申請人の履歴書

在留資格変更許可申請の際は、許可時に手数料が必要です(窓口申請:収入印紙6,000円、オンライン申請:収入印紙5,500円)。在留資格認定証明書交付申請には手数料はかかりません。在留資格変更と在留期間更新の違いについても確認しておくと手続きの全体像が掴みやすくなります。

Step 4: 審査・結果通知

高度専門職ビザの場合、優先処理の対象となるため審査期間は通常よりも短く、在留資格認定証明書交付申請は10日以内、在留資格変更許可申請は5日以内が目安です。ただし、書類の不備や追加資料の要求があった場合はこの限りではありません。

Step 5: 在留カードの受領・入国

許可が下りたら、在留カードを受け取ります。在留資格変更の場合は管轄の出入国在留管理局で直接交付され、新規入国の場合は認定証明書を本国の日本大使館・領事館に持参してビザ(査証)を取得し、入国時に空港で在留カードを受け取ります。

よくある質問(FAQ)

Q. 高度専門職ビザのポイントが70点に届きません。何か方法はありますか?

日本語能力試験(JLPT)のN2合格で10点、N1合格で15点が加算されるため、日本語能力の証明がポイント不足を補う有効な手段です。また、従事する業務に関連する日本の国家資格を取得すれば5〜10点の加算が得られます。所属機関がイノベーション促進支援措置の対象企業であれば10点の加算もあります。

Q. 技術・人文知識・国際業務ビザから高度専門職に変更できますか?

はい、在留資格変更許可申請を行うことで変更可能です。ただし、通訳・翻訳業務など「国際業務」に分類される職務に従事している場合は高度専門職の対象にならないケースがあるため注意が必要です。自然科学や人文科学の専門的知識・技術を活用する業務であることが求められます。

Q. 転職した場合、高度専門職ビザはどうなりますか?

高度専門職1号は所属機関が指定されているため、転職する場合は「在留資格変更許可申請」が必要です。同じ高度専門職1号であっても、所属機関が変わる場合は変更手続きが求められます。一方、高度専門職2号は所属機関の指定がないため、転職時の変更手続きは不要です。

Q. 高度専門職ビザで永住権を取得した後、ポイントが70点を下回っても問題ありませんか?

永住許可は一度取得すれば独立した在留資格として継続します。高度専門職ビザの在留中に永住許可を取得した場合、その後にポイントが下がっても永住権は維持されます。ただし、永住権の取消し事由(正当な理由なく日本に住所を有しない場合など)に該当しないよう注意が必要です。

Q. 高度専門職1号から2号への移行は自動ですか?

自動ではありません。高度専門職1号で3年以上活動した後に、在留資格変更許可申請を行う必要があります。審査では、ポイント70点以上を維持していることのほか、素行が善良であること、在留が日本国の利益に合致していることなどが確認されます。

まとめ

高度専門職ビザは、学歴・職歴・年収・年齢などのポイント合計が70点以上であれば取得でき、7つの優遇措置が受けられる魅力的な在留資格です。特に80ポイント以上であれば最短1年で永住申請が可能となるため、長期的に日本で活躍したい外国人材にとって積極的に検討すべき選択肢といえます。

一方で、活動類型の選択や年収要件、職務内容の適合性など、申請にあたって見落としがちなポイントも少なくありません。ポイント計算や立証資料の準備は専門家に相談することで、より確実な申請が可能になります。

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※ 本記事の内容は2026年4月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料・様式は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。

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