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「自分に何かあったとき、誰が気づいてくれるだろう…」——身寄りのない方にとって、日常生活の安否確認は切実な問題です。厚生労働省の調査によれば、65歳以上の一人暮らし高齢者は年々増加しており、孤独死への不安を感じている方も少なくありません。こうした不安に備える手段の一つが見守り契約です。見守り契約は、信頼できる第三者と定期的な連絡・訪問を約束し、体調の変化や判断能力の低下にいち早く気づいてもらうための契約です。この記事では、見守り契約の仕組み・定める内容・費用の目安・他の終活契約との関係を解説します。
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目次
見守り契約とは
見守り契約の目的と内容
見守り契約とは、委任者(本人)が受任者(行政書士・弁護士・NPO法人等の第三者)に対し、定期的な連絡や訪問を通じて安否確認を行うことを委託する契約です。民法上の(準)委任契約(民法第656条・第643条以下)に基づいて締結されます。
見守り契約には法律上の定型的な書式はなく、当事者間の合意によって内容を自由に設定できます。一般的には月に1〜2回の電話連絡や、数か月に1回の訪問面談を行い、本人の健康状態・生活状況・判断能力の変化を確認します。何か異変があれば、あらかじめ決めておいた連絡先への通知や、医療機関・福祉サービスへの橋渡しを行います。
見守り契約は単独で利用することもできますが、多くの場合は任意後見契約とセットで締結されます。任意後見契約は判断能力が低下して初めて効力が発生するため、契約締結から効力発生までの「空白期間」をカバーする役割を見守り契約が担うのです。
見守り契約が必要な人
見守り契約は、特に以下のような方に有用な備えとなります。
- 一人暮らしで身近に頼れる家族・親族がいない方
- 家族はいるが遠方に住んでおり日常的な安否確認が難しい方
- 任意後見契約を締結済みだが、効力発生前の見守りが必要な方
- 将来の認知症や判断能力低下に早い段階で気づいてほしい方
- 体調の急変時に速やかに対応してくれる窓口を確保しておきたい方
おひとりさまの場合、判断能力の低下が始まっても周囲が気づかず、悪質商法の被害に遭ったり、必要な介護サービスを受けられなかったりするケースが起こり得ます。見守り契約を結んでおくことで、早期発見・早期対応の仕組みを確保できます。
安否確認サービスとの違い
自治体や民間企業が提供する「安否確認サービス」(センサー型の見守り、配食時の安否確認など)と見守り契約は、目的が異なります。安否確認サービスは主に生存確認・緊急通報に特化しており、日常的な生活状況の変化や判断能力の低下を丁寧に確認するものではありません。
一方、見守り契約では受任者が直接本人と面談や電話でコミュニケーションを取るため、会話の受け答えや生活の変化から判断能力の低下を察知しやすい点が大きな特徴です。任意後見契約の受任者と見守り契約の受任者を同一にしておけば、判断能力の低下が見られた時点でスムーズに任意後見監督人の選任申立てに移行できます。
見守り契約で定める内容
定期的な訪問・連絡の頻度
見守り契約では、訪問や連絡の頻度を具体的に定めます。一般的な目安としては、電話連絡は月1〜2回、訪問面談は2〜3か月に1回程度が多く採用されています。ただし、これはあくまで標準的なパターンであり、本人の健康状態や生活環境、予算に応じて柔軟に調整することが可能です。
体調に不安がある方は電話頻度を週1回にする、近隣に住んでいる場合は月1回の訪問を取り入れるなど、個別の事情に合わせて設計できるのが見守り契約の利点です。
緊急時の対応方法
定期連絡の際に異変を感じた場合や、連絡が取れない場合の対応手順もあらかじめ契約で定めておきます。具体的には、以下のような事項を取り決めるのが一般的です。
- 連絡がつかない場合の緊急連絡先(近隣の知人・管理会社・かかりつけ医等)
- 緊急時の駆けつけ訪問の可否と範囲
- 救急車の手配や医療機関への連絡
- 任意後見監督人選任の申立てを検討すべき状況の基準
緊急連絡先を複数設定しておくと、万一の際にも対応が途切れにくくなります。
健康状態・生活状況の確認事項
見守りの際に具体的に確認する事項をあらかじめリスト化しておくと、受任者による確認の質が安定します。以下のような項目を確認事項として契約書に盛り込むケースが多いです。
| 確認カテゴリ | 主な確認事項 |
|---|---|
| 健康状態 | 体調の変化・通院状況・服薬管理・食事の状況 |
| 判断能力 | 会話の受け答え・日付や場所の認識・金銭管理の状況 |
| 生活環境 | 自宅の清掃状況・郵便物の滞留・近隣とのトラブル |
| 経済状況 | 公共料金の支払い状況・不審な契約や購入がないか |
| 精神状態 | 不安や孤独感の有無・外出頻度の変化 |
| 緊急連絡先 | 連絡先情報の変更有無・かかりつけ医の変更有無 |
これらの確認事項は、判断能力の低下を早期に発見するための重要な指標になります。特に「以前と比べて会話のやり取りがかみ合わなくなった」「同じ話を繰り返す」といった変化は、任意後見への移行を検討すべきサインです。受任者は見守りの結果を記録し、経年の変化を追跡できるようにしておくことが望ましいでしょう。
見守り契約と他の終活契約の関係
任意後見契約との関係(判断能力低下前の見守りから任意後見への移行)
見守り契約と任意後見契約は、いわば「前後の関係」にあります。任意後見契約は判断能力が低下して初めて効力が発生するため、元気なうちに契約を結んでも、実際に必要になるまでの間は何も機能しません。この空白期間に本人の状態を定期的に確認し、任意後見の発動タイミングを見極めるのが見守り契約の大きな役割です。
見守り契約の受任者と任意後見契約の受任者を同一人物にしておくことが実務上推奨されます。普段から本人と定期的にコミュニケーションを取っている受任者であれば、判断能力の微妙な変化にも気づきやすく、必要なタイミングで家庭裁判所への任意後見監督人選任の申立てを行うことができるからです。
死後事務委任契約との関係
見守り契約は本人が元気に暮らしている期間のサポートを担い、死後事務委任契約は本人が亡くなった後の事務処理(葬儀の手配・行政への届出・各種契約の解約・遺品整理等)を担います。どちらも本人の生活と死後の手続きを支える契約であり、両者をセットで締結しておくことで、生前から死後まで途切れのない支援体制を築けます。
特におひとりさまの場合、亡くなった後に手続きをしてくれる人がいないことが大きな不安材料です。死後事務委任契約を結んでおけば、受任者が責任を持って葬儀から届出、契約解約まで対応するため、「自分の死後に誰にも迷惑をかけたくない」という方の安心感につながります。
おひとりさまの終活3点セット(見守り+任意後見+死後事務)
身寄りのない方が将来に備えるために用意しておきたい契約として、「見守り契約」「任意後見契約」「死後事務委任契約」の3つをまとめて終活3点セットと呼ぶことがあります。この3つを組み合わせることで、人生の各段階におけるリスクに切れ目なく対応できます。
| 契約の種類 | カバーする期間 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 見守り契約 | 元気な今〜判断能力低下まで | 定期的な安否確認・生活状況の把握・異変の早期発見 |
| 任意後見契約 | 判断能力低下〜死亡まで | 財産管理・身上監護(施設入所手続き・介護契約等)の代理 |
| 死後事務委任契約 | 死亡後 | 葬儀手配・届出・契約解約・遺品整理等の死後事務 |
この3つの契約の受任者を同じ専門家(行政書士等)にまとめておくと、本人の情報が一貫して引き継がれるため、各段階での対応がスムーズになります。おひとりさまの終活全体を体系的に把握したい方は、「おひとりさま終活の完全ガイド」もあわせてご覧ください。
「何から始めればいいかわからない」方も安心してご相談ください
行政書士法人Treeでは、見守り契約・任意後見契約・死後事務委任契約をまとめてサポートしています。
- ✔ 3つの契約をセットで設計・作成できる
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見守り契約の費用の目安
見守り契約の費用は、訪問・連絡の頻度や受任者の種類(個人の専門家・法人・NPO等)によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 契約書作成費用(初期費用) | 数万円程度 |
| 月額の見守り報酬(電話連絡月1〜2回の場合) | 月額3,000〜10,000円程度 |
| 訪問1回あたりの費用(訪問を含む場合) | 5,000〜10,000円程度 |
| 公正証書にする場合の公証役場費用 | 20,000円前後〜(基本手数料13,000円+収入印紙2,600円+登記嘱託手数料1,600円+正本・謄本代等。任意後見契約と併せる場合は別途手数料が加算) |
見守り契約は法律上、私文書(当事者間の署名・押印)での締結も有効ですが、任意後見契約とセットで公正証書にまとめるケースが多くあります。公正証書にすることで契約内容の証拠力が高まり、後日の紛争を防止できるメリットがあります。
費用を抑えたい場合は、訪問頻度を減らして電話連絡を中心にするプランや、任意後見契約・死後事務委任契約とセットで契約することで割引が受けられるケースもあるため、複数の事務所に相談して比較検討するとよいでしょう。
よくある質問
Q. 見守り契約は公正証書で作成しなければなりませんか?
法律上の義務はありません。見守り契約は民法上の委任契約であり、当事者間の合意があれば私文書でも有効です。ただし、任意後見契約(公正証書が法律上必須)とあわせて一つの公正証書にまとめて作成することが実務上は一般的です。公正証書にしておけば契約内容の証拠力が高くなり、後々のトラブル防止にもつながります。
Q. 見守り契約だけでも締結できますか?
はい、見守り契約のみの締結も可能です。ただし、見守り契約はあくまで安否確認と生活状況の把握を目的としたものであり、判断能力が低下した場合の財産管理や身上監護の代理権は含まれません。将来の判断能力低下に備える場合は、任意後見契約をあわせて締結することが推奨されます。
Q. 見守り契約の受任者は誰に頼めますか?
特別な資格は不要で、信頼できる人であれば誰でも受任者になれます。ただし、定期的な連絡・訪問を継続的に行う必要があるため、個人の友人・知人よりも、行政書士・弁護士等の専門家やNPO法人に依頼するケースが多いです。任意後見契約の受任者と同一にしておくと、判断能力低下時の移行がスムーズです。
Q. 見守り契約はいつ解除できますか?
見守り契約は委任契約ですので、いつでも解除が可能です(民法第651条)。本人から受任者に書面で通知すれば契約は終了します。ただし、相手方にとって不利な時期に解除した場合は損害賠償義務が生じることがあるため(同条第2項)、契約書に解除の手続き・通知方法・精算方法を明記しておくことが望ましいでしょう。
まとめ
- 見守り契約は、信頼できる第三者と定期的な連絡・訪問を約束し、安否確認と生活状況の変化を早期に発見するための委任契約
- 任意後見契約の効力発生前の空白期間をカバーする役割があり、任意後見契約とセットで締結するのが実務上の定石
- おひとりさまは「見守り+任意後見+死後事務委任」の終活3点セットで生前から死後まで切れ目なく備えることが安心につながる
見守り契約・任意後見契約は行政書士法人Treeにお任せください
| サービス | 料金 |
|---|---|
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※ 2026年3月時点の民法に基づく一般的な解説です。個別の状況に応じた契約内容については専門家にご相談ください。


