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結論から言えば、正しい手順で時効援用を行ったにもかかわらず再び請求が届いた場合、その多くは債権者側の事務処理の遅れや行き違いであり、改めて支払義務が発生したわけではありません。ただし、時効援用が法的に成立していなかったケースや、別の債権に基づく請求の可能性もあるため、放置せずに内容を確認することが重要です。
「時効援用したはずなのにまた請求が来て不安」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。内容証明作成の専門家が、再請求の原因を整理し適切な対応をご提案します。相談は何度でも無料です。
目次
時効援用後にまた請求が来る主な原因
時効援用の内容証明郵便を送付したのに再び催告書や請求書が届く場合、いくつかの原因が考えられます。焦って支払いに応じたり、安易に電話したりする前に、まず原因を特定しましょう。
原因1:債権者側の事務処理が追いついていない
最も多いのが、内容証明郵便は届いているものの、債権者の社内処理(請求停止の登録・データ更新)が完了する前に、すでに発送予定だった催告書が届いてしまうパターンです。大手消費者金融や信販会社では、催告書の発送が自動化されており、時効援用の通知を受領してからシステム上の請求停止が反映されるまで数週間かかることがあります。この場合、追加の対応は通常不要で、しばらく待てば請求は止まります。
原因2:債権が別の会社に譲渡されていた
債権譲渡が行われている場合、元の債権者に時効援用の通知を送っても、譲受先のサービサー(債権回収会社)には効果が及びません。この場合は、現在の債権者(サービサー)に対して改めて時効援用の内容証明郵便を送付する必要があります。催告書の差出人名が時効援用通知の送付先と異なっていないか確認してください。
原因3:時効が法的に成立していなかった
時効の完成要件を満たしていなかったケースもあります。代表的な例としては以下があります。
- 時効期間の起算点を誤認しており、実はまだ5年が経過していなかった
- 知らないうちに時効の更新事由が発生していた(確定判決・支払督促の確定など)。特に、過去に債権者から裁判を起こされて判決が確定していた場合、民法169条により時効期間は判決確定時から10年に延長されるため、「最終返済から5年経過」だけでは時効が完成していないケースがある
- 過去に1円でも返済したり、電話で支払いの意思を伝えたりして債務承認が成立していた
内容証明郵便を送付しても、時効の完成要件を満たしていなければ法的な効力は生じないため、債権者は通常どおり請求を続けてきます。
原因4:別の契約に基づく請求だった
同一の債権者との間に複数の契約(クレジットカードのショッピング枠・キャッシング枠、別の借入契約など)がある場合、時効援用した契約とは別の契約に基づく請求が届くことがあります。催告書に記載された契約番号や債権の内容を確認し、時効援用済みの債権と同一かどうかを照合してください。
再請求が届いたときの正しい対処法
まず催告書の内容を確認する
届いた書類に記載された「差出人」「契約番号」「請求金額」「債権の内容」を確認してください。時効援用済みの債権と同一であれば事務処理の遅れの可能性が高く、異なる債権であれば別途対応が必要です。
債権者に安易に連絡しない
再請求に動揺して債権者に電話をかけ、「払います」「少し待ってください」と伝えてしまうと、万が一時効援用が不完全だった場合に民法上の債務承認と評価されるリスクがあります。不明な点がある場合は、まず専門家に相談するのが安全です。なお、仮に時効援用が有効に成立していたとしても、その後に「支払います」「少し待ってください」などと伝えてしまうと、最高裁の判例(昭和41年4月20日)上、信義則に基づき時効の援用権を失うリスクがある点にも注意が必要です。
時効援用が有効だった場合は再度通知を送付する
債権譲渡によって請求元が変わっている場合は、新たな債権者に対して改めて内容証明郵便で時効援用の通知を送付します。また、同一の債権者が時効援用の通知を受領したにもかかわらず請求を継続している場合にも、再度通知を送付し、すでに時効援用済みである旨を明確にする方法が有効です。
時効援用後の再請求、一人で判断せずご相談ください
行政書士法人Treeでは、時効援用後に再び届いた請求への対応もサポートしています。
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裁判所から訴状・支払督促が届いた場合の対応
時効援用後であっても、債権者が訴訟を提起してくるケースがあります。裁判所からの書類は、催告書とは異なり、放置すると法的に不利な結果が確定してしまうため、必ず期限内に対応してください。
訴状が届いた場合
訴状が届いた場合は、指定された期日までに答弁書を提出する必要があります。答弁書には「被告は、原告の請求に係る債権について消滅時効を援用する」旨を記載します。すでに内容証明郵便で時効援用済みであっても、裁判上改めて時効援用を主張しなければ、裁判所は時効を考慮せず判決を下す可能性があります。
支払督促が届いた場合
支払督促が届いた場合は、受領から2週間以内に督促異議申立書を簡易裁判所に提出してください。異議申立てを行えば通常訴訟に移行するため、そこで時効援用を主張します。2週間を過ぎると支払督促が確定し、強制執行(給与差押え・預金差押えなど)が可能になってしまいます。
放置した場合のリスク
裁判所からの書類を放置すると、債権者の請求がそのまま認められる判決(欠席判決)が出ます。判決が確定すると、勤務先への給与差押えや銀行口座の差押えといった強制執行が行われるリスクがあります。さらに、確定判決を得た債権の時効期間は10年に延長されるため(民法169条)、長期間にわたって強制執行の可能性が残り続けます。
よくある質問
Q. 時効援用が成功したかどうかはどうやって確認できますか?
時効援用の内容証明郵便を送付した後、請求が停止されれば援用は成功したと考えられます。より確実に確認するには、CICやJICCの信用情報を開示し、該当債権の登録状況が「完了」や削除に変わっているか確認する方法があります。信用情報の開示はCICであればオンライン(スマートフォン)から、JICCはアプリから申請可能です。債権者から「時効援用を受領した」旨の回答書が届く場合もありますが、回答がないケースも珍しくありません。
Q. 時効援用後に届いた請求を無視しても大丈夫ですか?
同一の債権について正しく時効援用が成立している場合、事務処理の遅れによる催告書は無視しても法的に問題ありません。ただし、裁判所からの書類(訴状・支払督促)が届いた場合は絶対に無視せず、期限内に対応する必要があります。裁判所からの書類は、たとえ時効援用済みであっても、答弁書で時効援用の事実を主張しなければ不利な判決が出る可能性があります。
裁判所から書類が届いている方へ:答弁書の提出には期限があります。対応が遅れると不利な判決が確定する可能性があるため、お早めにご相談ください。
Q. 債権回収会社から請求が来た場合も時効援用できますか?
はい、債権が債権回収会社(サービサー)に譲渡されていても、最終返済日からの時効期間が経過していれば時効援用は可能です。債権譲渡自体は時効の更新事由ではありません。譲受先のサービサーに対して内容証明郵便で時効援用の通知を送付してください。詳しくは「債権回収会社からの請求完全ガイド|対処法と時効援用」で解説しています。
まとめ
時効援用後に再び請求が届いても、すぐに支払いに応じる必要はありません。まずは催告書の差出人・契約番号・債権内容を確認し、原因を特定することが先決です。事務処理の遅れであれば待つだけで済みますが、債権譲渡や別契約の請求であれば追加の対応が必要になります。判断に迷ったら、専門家に相談するのが最も確実です。
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※ 2026年4月時点の民法・民事訴訟法等の法令に基づく解説です。個別の債務状況により対応が異なります。具体的な時効成否の判断は専門家にご相談ください。


