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建設業許可とは?取得要件・申請手続き・費用を完全ガイド【2026年最新】

更新: 約21分で読めます

「建設業許可って何?」「自分の会社は許可が必要なのか?」「どうやって取ればいいのか分からない…」——建設業を営む事業者の方から、このようなご相談を数多くいただきます。

建設業許可とは、500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)の工事を請け負う場合に必要となる許可です。無許可で該当工事を請け負うと、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。建設業法に基づく29業種のいずれかに該当する工事を行う場合、許可の取得が求められます。

この記事では、建設業許可申請の実績豊富な行政書士法人Treeが、建設業許可の29業種の一覧・5つの許可要件・取得の流れを初めての方にも分かりやすく解説します。

結論:建設業許可の取得には、経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎の3要件が特に重要です。以下で具体的に見ていきましょう。

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建設業許可とは?制度の基本を解説

建設業許可の定義

建設業許可とは、建設業法(昭和24年法律第100号)に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負う事業者に対して、国土交通大臣または都道府県知事が与える許可です。

建設業法第3条では、建設業を営もうとする者は29の業種ごとに許可を受けなければならないと定めています。ただし、軽微な建設工事のみを請け負う場合は許可が不要です。

許可が必要な工事・不要な工事

許可が必要かどうかは、請負金額と工事の種類で判断します。

工事の種類 許可が必要な基準 許可が不要(軽微な工事)
建築一式工事 1,500万円以上 かつ 延べ面積150㎡以上の木造住宅 1,500万円未満の工事、または延べ面積150㎡未満の木造住宅
建築一式工事以外 500万円以上 500万円未満

※ 請負金額には消費税・材料費を含みます。

なぜ建設業許可が重要なのか

建設業許可は、単に法令遵守のためだけではなく、事業拡大においても大きな意味を持ちます。

  • 大型工事の受注:500万円以上の工事を請け負えるようになる
  • 元請・ゼネコンからの信頼:許可業者であることが下請け選定の条件になることが多い
  • 公共工事への参入:公共工事の入札参加には建設業許可が必須
  • 金融機関の融資:許可取得が融資審査でプラス評価になる

詳しくは国土交通省の公式サイトをご確認ください。

知事許可と大臣許可の違い

建設業許可には、知事許可大臣許可の2種類があります。

区分 知事許可 大臣許可
営業所の所在地 1つの都道府県内のみ 2つ以上の都道府県
申請先 都道府県知事 国土交通大臣(地方整備局経由)
工事可能エリア 全国(営業所所在地に限らない) 全国

よくある誤解ですが、知事許可でも全国で工事を施工できます。知事許可・大臣許可の区別は、あくまで「営業所の所在地」で決まります。

一般建設業許可と特定建設業許可の違い

さらに、許可は一般建設業許可特定建設業許可に分かれます。

区分 一般建設業許可 特定建設業許可
下請への発注金額 5,000万円未満(建築一式は8,000万円未満) 5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)
対象 主に下請業者・小規模元請 大規模元請業者
財産要件 自己資本500万円以上等 資本金2,000万円以上等(より厳格)

初めて許可を取得する場合、多くの事業者は一般建設業許可から始めます。

建設業の29業種一覧

建設業許可は、以下の29業種ごとに取得する必要があります。自社の工事内容がどの業種に該当するかを正確に把握することが、申請の第一歩です。

2つの一式工事

番号 業種名 略号 工事の内容例
1 土木一式工事 道路・橋梁・ダムなどの総合的な土木工事
2 建築一式工事 新築・増改築などの総合的な建築工事

27の専門工事

番号 業種名 略号 工事の内容例
3 大工工事 木材の加工・取付け、木造建築物の組立て
4 左官工事 壁塗り、モルタル仕上げ、吹付け工事
5 とび・土工・コンクリート工事 足場組立て、杭打ち、コンクリート打設
6 石工事 石材の加工・積み方、石張り工事
7 屋根工事 屋根ふき工事(瓦・スレート・金属薄板等)
8 電気工事 発電・送配電設備、照明設備等の設置
9 管工事 冷暖房・給排水・ガス管等の配管工事
10 タイル・れんが・ブロック工事 タイル張り、れんが積み、コンクリートブロック積み
11 鋼構造物工事 鉄骨の加工・組立て、鉄塔・橋梁等の工事
12 鉄筋工事 鉄筋の加工・組立て・配筋
13 舗装工事 道路等のアスファルト・コンクリート舗装
14 しゅんせつ工事 しゅ 河川・港湾等の底面の土砂をさらう工事
15 板金工事 建築物の内外装に金属薄板を加工して取り付ける工事
16 ガラス工事 ガラスの加工・取付け工事
17 塗装工事 塗料・塗材による塗装工事
18 防水工事 アスファルト・モルタル・シーリング等による防水工事
19 内装仕上工事 インテリア工事、天井・壁・床仕上げ工事
20 機械器具設置工事 プラント設備、運搬機器等の組立て設置
21 熱絶縁工事 保温・保冷・断熱工事
22 電気通信工事 電気通信回線設備、データ通信設備等の設置
23 造園工事 植栽、公園・庭園の築造、緑化工事
24 さく井工事 井戸の掘削、揚水設備の設置
25 建具工事 ドア・窓・シャッター等の取付け工事
26 水道施設工事 上水道・下水道の施設工事
27 消防施設工事 スプリンクラー・消火設備等の設置
28 清掃施設工事 ごみ処理施設・し尿処理施設の設置
29 解体工事 建築物・工作物の解体工事

※ 解体工事業は2016年6月に新設された29番目の業種です。自社で行う工事内容を確認し、該当する業種の許可を申請しましょう。複数の業種を同時に申請することも可能です。

建設業許可の5つの要件

建設業許可を取得するには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると許可は下りません。

要件 概要 主なポイント
1. 経営業務の管理責任者 建設業の経営経験がある常勤役員等を配置 建設業で5年以上の経営経験(役員・個人事業主等)
2. 専任技術者 許可業種に応じた技術者を営業所ごとに配置 国家資格・実務経験10年以上等
3. 財産的基礎 一定の財産を有すること 自己資本500万円以上 または 500万円以上の資金調達能力
4. 誠実性 請負契約に関して不正・不誠実な行為をしないこと 法人・役員・個人事業主が暴力団員等でないこと
5. 欠格要件に該当しないこと 法令で定める欠格事由に該当しないこと 破産者で復権していない、刑の執行後5年未経過等

要件1:経営業務の管理責任者(経管)

法人の場合は常勤の役員、個人事業の場合は事業主本人が、建設業の経営業務について一定の経験を有している必要があります。

具体的には、以下のいずれかに該当する経験が求められます。

  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験
  • 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者としての経験
  • 建設業に関し6年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあった者(経営業務を補佐した経験)

2020年10月の建設業法改正により、要件が緩和され、「建設業」に限らず他業種での経営経験と組み合わせることも一定の条件で可能となりました。

要件2:専任技術者(専技)

許可を受ける業種ごとに、営業所に常勤する専任技術者を配置しなければなりません。専任技術者になれるのは、以下のいずれかに該当する方です。

  • 国家資格を保有している方(例:1級建築施工管理技士、2級土木施工管理技士など)
  • 許可を受けようとする業種の実務経験が10年以上ある方
  • 指定学科を卒業し、一定期間(大卒3年・高卒5年)の実務経験がある方

なお、特定建設業許可の場合は1級の国家資格または指導監督的実務経験2年以上が求められ、要件がより厳格になります。

要件3:財産的基礎・金銭的信用

一般建設業許可の場合、以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 自己資本(純資産合計)が500万円以上
  • 500万円以上の資金調達能力がある(金融機関の残高証明書等で証明)
  • 許可申請直前の過去5年間に許可を受けて継続して営業した実績がある

特定建設業許可の場合は、以下のすべてを満たす必要があります。

  • 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
  • 流動比率が75%以上
  • 資本金が2,000万円以上
  • 自己資本が4,000万円以上

要件4:誠実性

法人・その役員等・個人事業主・支配人が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないことが求められます。具体的には、建築士法や宅地建物取引業法等で不正行為により免許取消処分を受け、その後5年を経過しない者などが該当します。

要件5:欠格要件に該当しないこと

以下のような欠格要件に該当する場合、許可を受けることができません。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 建設業許可を取り消されてから5年を経過しない者
  • 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 建設業法等の特定の法律に違反して罰金刑に処せられ、5年を経過しない者
  • 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者

詳しくはe-Gov法令検索で建設業法の条文をご確認いただけます。

建設業許可取得の流れ【6ステップ】

建設業許可の取得は、以下の6つのステップで進めます。

Step 1:許可要件の確認

まず、自社が上記の5つの許可要件を満たしているかを確認します。特に経営業務の管理責任者専任技術者の要件は、証明書類の準備に時間がかかることが多いため、早めに確認しましょう。

Step 2:申請区分の決定

以下の3つの区分を決定します。

  • 業種:29業種のうち、どの業種の許可を取得するか
  • 知事許可 or 大臣許可:営業所が1つの都道府県内か、複数の都道府県にまたがるか
  • 一般 or 特定:下請への発注金額に応じて決定

Step 3:必要書類の収集・作成

建設業許可申請に必要な書類は非常に多岐にわたります。主な書類は以下の通りです。

  • 建設業許可申請書(様式第1号)
  • 経営業務の管理責任者の経歴書・確認資料
  • 専任技術者の資格証明書・実務経験証明書
  • 財務諸表(法人)/ 収支計算書(個人)
  • 工事経歴書
  • 使用人数の届出
  • 営業所の写真・賃貸借契約書
  • 登記事項証明書(法人)/ 身分証明書・登記されていないことの証明書
  • 社会保険加入を証する書類

Step 4:申請書類の提出

知事許可の場合は都道府県庁の建設業許可担当窓口へ、大臣許可の場合は地方整備局へ申請書類を提出します。窓口での事前審査がある自治体も多いため、予約が必要な場合があります。

Step 5:審査

提出された書類に基づいて審査が行われます。審査期間の目安は以下の通りです。

申請区分 審査期間の目安
知事許可 約30日〜45日程度(都道府県により異なる)
大臣許可 約90日〜120日程度

審査中に補正(書類の訂正・追加)を求められることもあります。

Step 6:許可通知書の受領

審査が完了し、要件を満たしていると認められると、許可通知書が交付されます。許可の有効期間は5年間です。期間満了後も引き続き建設業を営む場合は、有効期間満了日の30日前までに更新申請を行う必要があります。

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建設業許可の費用・期間の目安

申請手数料(法定費用)

申請の種類 知事許可 大臣許可
新規申請 9万円(収入証紙) 15万円(登録免許税)
更新申請 5万円 5万円
業種追加 5万円 5万円

行政書士に依頼する場合の費用目安

行政書士への報酬は事務所によって異なりますが、当事務所(行政書士法人Tree)の料金は以下の通りです。

取得までの期間の目安

書類の準備開始から許可取得までの期間は、おおむね2〜4か月程度です。内訳の目安は以下の通りです。

  • 要件確認・書類準備:2〜6週間
  • 申請・審査:1〜3か月(知事許可の場合)

実務経験の証明に時間がかかる場合や、書類の補正が必要な場合はさらに長引くことがあります。

注意点・よくある失敗

失敗例1:経管・専技の要件を満たせない

最も多い失敗は、経営業務の管理責任者や専任技術者の要件を証明できないケースです。「経験は十分にあるが、証明する書類がない」というご相談を多くいただきます。過去の工事実績を証明するには、契約書・注文書・請求書等の書類が必要です。日頃から書類を保管しておくことが重要です。

失敗例2:社会保険未加入

2020年10月以降、適切な社会保険への加入が建設業許可の要件となりました。健康保険・厚生年金保険・雇用保険に未加入の場合、許可申請は受理されません。

失敗例3:更新期限の失念

建設業許可の有効期間は5年間です。更新申請は有効期間満了日の30日前までに行う必要があります。期限を過ぎると許可は失効し、新規申請をやり直さなければなりません。また、毎事業年度終了後4か月以内に決算変更届(事業年度終了届)を提出する義務があることも見落とされがちです。

建設業と外国人雇用

建設業界では深刻な人手不足が続いており、外国人技能者の活用が進んでいます。建設分野は特定技能制度の対象分野の一つであり、外国人労働者を受け入れる際には在留資格や届出の手続きが必要です。

また、特定技能「建設」で外国人を受け入れる場合は、JAC(建設技能人材機構)への加入が必要となるなど、独自のルールがあります。

さらに、工事の請負にあたっては工事請負契約書の適切な作成も欠かせません。建設業法第19条では、工事内容・請負代金・工期等を記載した書面の交付が義務付けられています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 建設業許可がないと工事はできませんか?

軽微な工事(建築一式工事で1,500万円未満の工事または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事、その他の工事で500万円未満)のみを請け負う場合は、許可がなくても工事を行えます。ただし、それを超える工事を無許可で請け負うと罰則の対象となります。

Q2. 建設業許可の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?

書類準備から許可取得まで、おおむね2〜4か月程度です。知事許可の審査期間は約30〜45日、大臣許可は約90〜120日が目安ですが、自治体や申請内容により異なります。

Q3. 個人事業主でも建設業許可は取れますか?

取得できます。個人事業主の場合、事業主本人が経営業務の管理責任者と専任技術者を兼ねることも可能です。ただし、個人で取得した許可は法人成り(法人化)しても引き継げないため、法人化を予定している場合はタイミングに注意が必要です。

Q4. 建設業許可は何業種まで取得できますか?

29業種すべてを同時に取得することも可能です。ただし、業種ごとに専任技術者の要件を満たす必要があるため、現実的には自社の業務内容に必要な業種を選んで申請するのが一般的です。

Q5. 建設業許可の更新を忘れたらどうなりますか?

有効期間(5年)を過ぎると許可は自動的に失効します。失効すると新規申請をやり直す必要があり、手数料も新規申請と同額(知事許可9万円、大臣許可15万円)がかかります。更新は期間満了日の30日前までに申請してください。

Q6. 建設業許可の申請は自分でもできますか?

法的にはご自身で申請することも可能です。ただし、必要書類が非常に多く、経管・専技の要件証明には専門的な判断が求められるため、行政書士に依頼する事業者が多いのが実情です。不備による補正で時間がかかるリスクも考慮すると、専門家への依頼をおすすめします。

Q7. 決算変更届(事業年度終了届)とは何ですか?

建設業許可を受けた事業者は、毎事業年度終了後4か月以内に、決算報告書や工事経歴書等を記載した決算変更届を提出する義務があります。この届出を怠ると、更新申請が受理されなくなる可能性があるため、毎年忘れずに提出しましょう。

Q8. 建設業で外国人を雇用する場合、追加の手続きは必要ですか?

はい。外国人を雇用する場合は、外国人雇用状況の届出(ハローワークへの届出)が全事業主に義務付けられています。また、特定技能「建設」で受け入れる場合は、JACへの加入や建設キャリアアップシステムへの登録など、建設業独自の要件があります。

まとめ

建設業許可について、この記事のポイントを整理します。

  • 建設業許可は、500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を請け負う場合に必要
  • 29業種ごとに許可を取得し、5つの要件(経管・専技・財産的基礎・誠実性・欠格要件)をすべて満たす必要がある
  • 許可の有効期間は5年で、更新申請は満了日の30日前までに行う

建設業許可の取得は、事業の信頼性を高め、受注機会を拡大するための重要なステップです。要件の確認や書類の準備に不安がある方は、ぜひ専門家にご相談ください。

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