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解体工事業の登録と建設業許可の違い|どちらが必要かを行政書士が解説

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解体工事を請け負うには、「解体工事業の登録」か「建設業許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれか)」のどちらかが必要ですが、「自社にはどちらが必要なのか」と迷う事業者は少なくないのではないでしょうか。両者は根拠法令・適用範囲・要件がそれぞれ異なり、選択を誤ると無許可・無登録での営業に該当するリスクがあります。登録を受けずに解体工事業を営業した場合、建設リサイクル法第48条により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。本記事では、解体工事業の登録と建設業許可の違いを要件・手続き・費用の面から整理し、自社がどちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。

「500万円基準の判定が不安」「建築一式・土木一式の許可で足りるのか分からない」「複数の都道府県で解体工事を行う予定がある」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。解体工事業登録・建設業許可申請の両方に対応する専門家が、必要な手続きを整理してご案内します。相談は何度でも無料・全国対応です。

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解体工事業の登録と建設業許可の違い【比較表】

解体工事を適法に請け負うための制度は2つあり、根拠法令が異なります。解体工事業の登録は建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)に基づく制度であり、建設業許可は建設業法に基づく制度です。

比較項目 解体工事業の登録 建設業許可(解体工事業)
根拠法令 建設リサイクル法第21条 建設業法第3条
請負金額の制限 500万円未満の解体工事のみ 金額の制限なし
対象工事 解体工事のみ 許可を受けた業種の工事全般
申請先 工事を施工する都道府県知事 営業所の所在地に応じて知事または大臣
登録・許可の有効期間 5年(更新可) 5年(更新可)
技術管理者の要件 実務経験または指定資格 専任技術者としての資格・経験
経営管理体制の要件 なし 常勤役員等(経営業務の管理責任者)が必要
財産的基礎の要件 なし 500万円以上の自己資本等
登録・申請手数料 新規33,000円程度/更新26,000円程度(都道府県により異なる) 知事許可:新規9万円/大臣許可:新規15万円

最も大きな違いは請負金額の制限です。解体工事業の登録では500万円以上の解体工事を請け負うことができません。500万円以上の解体工事を受注する場合は、建設業許可が必要となります。

解体工事業の登録制度の概要

登録が必要なケース

建設業許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれか)を持たない事業者が、請負金額500万円未満の解体工事を請け負う場合に、解体工事業の登録が必要です。建設リサイクル法に基づく登録制度であり、解体工事に伴う建設資材の分別解体やリサイクルを促進する目的で設けられています。

登録の要件

解体工事業の登録に必要な主な要件は以下のとおりです。

  • 技術管理者の配置: 解体工事の施工に関する技術上の管理をつかさどる者を選任する必要があります。要件は、一定の資格保有者(例:土木施工管理技士、建築施工管理技士、建設機械施工技士、建築士、解体工事施工技士等)または所定の実務経験者です。実務経験年数は学歴や講習受講の有無により異なり、8年だけでなく2年・4年・7年などの区分もあります
  • 欠格要件に該当しないこと: 登録を取り消されてから2年を経過しない者、暴力団員等は登録を受けられません

建設業許可と異なり、経営業務の管理責任者や財産的基礎(500万円要件)は不要です。このため、建設業許可の取得が難しい事業者にとって、登録はハードルの低い選択肢となります。

登録手続きの流れ

登録は工事を行う都道府県ごとに申請します。東京都と埼玉県の両方で解体工事を行う場合は、それぞれの都県知事に登録申請を行う必要があります。登録は都道府県の環境部門や建設業担当課が窓口となっている場合が多いですが、自治体により異なるため事前に確認してください。

解体工事業の登録が不要なケース

解体工事業の登録が必要なのは、「解体工事」に該当する工事を請け負う場合です。次のような工事は解体工事には該当しないため、登録は不要です。

  • 建物を解体せずにそのまま移動させる曳家(ひきや)工事
  • 建物の取り壊しを目的としない壁・床の部分的な開口(リフォームの付帯工事
  • 電気工事・管工事・内装仕上工事として行われる設備の撤去・交換

ただし、建物の一部取り壊し(屋根版の全部交換など)は解体工事に該当するため、登録が必要です。判断が難しいケースは都道府県窓口または専門家にご相談ください。

建設業許可(解体工事業)の概要

建設業許可が必要なケース

請負金額500万円以上の解体工事を請け負う場合は、建設業許可が必要です。解体工事業は平成28年(2016年)6月1日の建設業法改正により、29業種目として新設されました。それまでは「とび・土工工事業」の中に含まれていた解体工事が、独立した業種として分離されたものです。

【重要】「とび・土工工事業」の経過措置は終了しています

法改正に伴い、とび・土工工事業の建設業許可で解体工事を請け負える経過措置が設けられていましたが、令和元年(2019年)5月31日をもって終了しました。2019年6月1日以降は、とび・土工工事業の許可のみでは解体工事を請け負うことができません。現在とび・土工工事業の許可しかお持ちでない場合は、解体工事業の登録または建設業許可(解体工事業)の取得が必要です。

なお、土木工事業(土木一式)や建築工事業(建築一式)の許可を持つ事業者は、総合的な企画・指導・調整のもとに行う土木工作物や建築物の解体については、それぞれ土木一式工事・建築一式工事として請け負うことができます。一方で、専門工事として行う解体工事は「解体工事業」に該当するため、工事内容に応じて解体工事業の許可が必要になる点に注意が必要です。

許可の要件

建設業許可(解体工事業)の取得には、建設業法が定める以下の5つの要件すべてを満たす必要があります。

  • 常勤役員等(経営業務の管理責任者): 建設業の経営経験5年以上等
  • 専任技術者: 1級土木施工管理技士、1級建築施工管理技士、技術士(建設部門)等の資格保有者、または解体工事の実務経験10年以上の者
  • 財産的基礎: 自己資本500万円以上等
  • 誠実性: 請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがないこと
  • 欠格要件に非該当: 一定の刑罰を受けていないこと等

建設業許可の5つの要件の詳細は「建設業許可の5つの要件」で解説しています。

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どちらを選ぶべき?判断基準

解体工事業の登録と建設業許可のどちらを取得すべきかは、主に受注する工事の金額規模事業の方向性で判断します。

判断基準 解体工事業の登録 建設業許可
請負金額が500万円未満のみ 適している 取得可能だが過剰な場合も
500万円以上の工事も受注したい 対応不可 必須
元請から建設業許可を求められている 要件を満たさない 必須
経営管理責任者の確保が困難 適している(要件なし) 取得困難
将来的に事業を拡大したい 当面の選択肢として有効 中長期的に推奨

実務上、元請業者から下請業者に対して「建設業許可を持っていること」を受注条件とされるケースが増えています。500万円未満の工事のみであっても、取引先との関係を考慮して建設業許可を取得する事業者は珍しくありません。

まずは解体工事業の登録を取得し、事業規模の拡大に合わせて建設業許可にステップアップするという段階的な方法も有効です。登録と許可を同時に保有することに制限はありませんが、建設業許可を取得すれば登録は不要となるため、許可取得後は登録を更新しない事業者が多いです。

よくある質問

Q. 解体工事業の登録と建設業許可を両方持つことはできますか?

両方を保有することは可能です。ただし、建設業許可(土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれか)を持っている場合は、解体工事業の登録がなくても解体工事を請け負えます。建設業許可を取得済みであれば、登録を更新せずに許可のみで営業するのが一般的です。

Q. 解体工事業の登録は全国で有効ですか?

登録は都道府県ごとです。解体工事を施工する都道府県ごとに登録が必要となり、複数の都道府県で工事を行う場合は、それぞれの都道府県知事に登録申請を行います。この点が、営業所の所在地で一括管理される建設業許可と大きく異なる点です。

Q. 500万円の基準は税込・税抜のどちらですか?

建設業法における請負金額の基準は消費税込みの金額です。また、注文者が材料を提供する場合は、その市場価格や運送費も請負代金に加えて判断します(建設業法施行令第1条の2)。見積り段階から税込金額と支給材の扱いを含めて確認するよう注意してください。

まとめ

解体工事業の登録と建設業許可の違いを改めて整理します。

  • 500万円未満の解体工事のみ → 解体工事業の登録で対応可能
  • 500万円以上の解体工事 → 建設業許可が必須
  • 登録は都道府県ごと、建設業許可は営業所の所在地で管轄が決まる
  • 建設業許可は経営管理体制・財産的基礎の要件があり、登録よりハードルが高い
  • 元請から許可を求められるケースもあるため、中長期的には建設業許可の取得を検討すべき

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※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。
※ 2026年4月時点の建設業法・建設リサイクル法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省 建設業に関する登録制度でご確認ください。

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