建設業関連

舗装工事業の年間維持コスト|建設業許可更新・経審・CCUS費用の試算

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結論から言えば、舗装工事業を続けるうえで毎年(または定期的に)発生する「維持コスト」は、建設業許可の更新費用だけではありません。許可の維持に伴う各種届出、公共工事に入るための経営事項審査(経審)、建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用料、社会保険料など、複数の固定的な支出を見込んでおく必要があります。行政書士法人Treeは、建設業許可の新規取得・業種追加・更新や、決算変更届・経審申請などの書類作成・提出代行を職域とする行政書士事務所です。本記事では、舗装工事業を営む事業者が「年間でいくら維持費がかかるのか」を試算する際の押さえどころを、法定費用を中心に整理します。なお、税額計算や決算書の作成そのものは税理士、契約紛争は弁護士の職域となるため、必要に応じて各士業と連携してご案内します。

舗装工事業という業種の位置づけ

舗装工事業は、建設業法別表第一に定める29業種の一つで、道路などの地盤面をアスファルト・コンクリート・砂利・砕石などで舗装する工事(アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事など)を指します。1件の請負代金が500万円(税込・材料費込み)以上の舗装工事を請け負うには、建設業法第3条第1項に基づく「舗装工事業」の許可が必要です。

注意したいのは、舗装工事業が土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・造園工事業とともに「指定建設業」(7業種)に位置づけられている点です。指定建設業では、特定建設業許可を取る場合の特定営業所技術者等の要件が一般より厳しく、原則として国家資格者(技術士・1級施工管理技士等)等に限られます。維持コストを考えるうえでも、「だれを営業所技術者等・常勤役員等として確保し続けるか」という人的要件の維持が前提になります。

許可の維持にかかる法定費用(5年サイクル)

建設業許可の有効期間は、許可日から5年間です(建設業法第3条第3項)。期間満了後も営業を続けるには更新が必要で、知事許可の場合は有効期間満了日のおおむね30日前までに更新申請を済ませる運用です(都道府県により受付開始時期は異なります)。知事許可の法定手数料は次のとおりです(都道府県の収入証紙等で納付。金額は全国共通)。

  • 新規許可(知事):9万円
  • 更新(知事):5万円
  • 業種追加(知事):5万円

5年ごとの更新が確実に発生するため、単純に均すと許可維持の法定手数料だけで年あたり約1万円の固定費となります。許可業種を増やす(例:舗装に加えて土木一式や「とび・土工」を追加する)場合は、追加時に5万円ずつ上乗せされ、以後の更新も同時更新できるよう許可日を揃えておくと管理がしやすくなります。なお、書類作成や提出を当事務所にご依頼いただく場合の報酬は、この法定手数料(実費)とは別になります。

毎年必ず発生する「決算変更届」

建設業許可業者は、事業年度終了後4か月以内に、許可行政庁へ「決算変更届(事業年度終了報告)」を提出する義務があります(建設業法第11条)。これは5年に一度の更新とは別で、毎年必ず発生する手続きです。届出そのものに法定手数料はかかりませんが、工事経歴書・財務諸表(建設業法様式への組み替え)・直前3年の工事施工金額などを作成する事務負担が毎期発生します。

この決算変更届を毎年きちんと提出していないと、更新申請の受付が止まったり、後述する経審を受けられなかったりするため、「未提出年度の積み残し」が維持コストを膨らませる典型例になります。直近の決算が確定したら速やかに着手するのが、結果として最も安くつく進め方です。

公共工事に入るなら——経営事項審査(経審)の費用

舗装工事は道路の新設・補修など公共発注の比率が高い分野です。国・地方公共団体等が発注する公共工事を元請として直接請け負うには、経営事項審査(経審)を受け、入札参加資格を得ておく必要があります。経審の結果通知(総合評定値)の有効期間は、審査基準日(通常は直前事業年度の決算日)から1年7か月です。公共工事を切れ目なく受注し続けるには、実務上は毎年の受審が前提になります。

経審にかかる法定手数料の主な内訳は次のとおりです。

項目 金額の目安
経営規模等評価申請 8,100円+1業種につき2,300円
総合評定値請求 400円+1業種につき200円
経営規模等評価申請+総合評定値請求を同時に行う場合 8,500円+1業種につき2,500円
経営状況分析(登録分析機関へ) 機関ごとに設定(おおむね1万円前後)

たとえば舗装工事業1業種のみで経営規模等評価申請と総合評定値請求を同時に行う場合、8,500円+2,500円=11,000円が許可行政庁へ納める手数料の目安で、これに経営状況分析機関へ支払う分析料が加わります。複数業種で受審するほど加算額が増えるため、入札で実際に使う業種に絞る判断も維持コスト最適化の一つです。経営状況分析は国土交通大臣の登録を受けた分析機関に申し込む仕組みで、料金は機関により異なります。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用料

公共工事や元請の現場では、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録・運用が事実上の前提になりつつあります。CCUSは一般財団法人建設業振興基金が国土交通省と連携して運営する仕組みで、料金は税込で次のように設定されています(いずれも執筆時点の公表額)。

  • 事業者登録料(5年ごと):資本金の額に応じた段階制。資本金500万円未満は6,000円、500万円以上1,000万円未満は12,000円など(資本金が大きいほど高くなります)。一人親方は無料。
  • 管理者ID利用料:1IDにつき年額11,400円(一人親方は年額2,400円)。毎年支払いが必要。
  • 現場利用料:就業履歴の登録1回(1タッチ)あたり10円。

事業者登録料は5年ごとですが、管理者ID利用料は毎年発生するため、年間の固定費として最低でも1ID分(11,400円)は見込んでおくのが安全です。技能者を多く抱える舗装業では、現場利用料(タッチ課金)も施工量に比例して積み上がるため、「現場数×就業者数」で概算しておくと予算化しやすくなります。支払い忘れによる管理者IDの失効に注意してください。

人的要件の維持と財産的基礎

許可を維持するには、常勤役員等(旧『経営業務の管理責任者』)と各営業所の営業所技術者等(旧『専任技術者』)を常時置き続ける必要があります。これらの担当者が退職・死亡などで欠けた場合は変更届が必要で、後任を確保できなければ許可そのものを失う(廃業届)リスクがあります。直接の「費用」ではありませんが、要件人材の確保・社会保険加入の維持は、維持コストを考えるうえで最も重要な土台です。

あわせて、一般建設業許可では財産的基礎等の要件として、(1)自己資本(直前決算の純資産合計)が500万円以上、(2)500万円以上の資金を調達する能力がある(金融機関の残高証明書等)、または(3)許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して建設業を営業した実績があることが求められます(特定建設業ではさらに厳しい基準があります)。更新時点でどの基準で確認されるかは、決算内容を整えるうえでも意識しておきたいポイントです。決算書の数値づくり・税務処理は税理士の職域となるため、必要に応じて連携してご案内します。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeは、舗装工事業を含む建設業許可の新規取得・業種追加・更新、毎年の決算変更届、経営事項審査の申請書類、CCUS事業者登録の代行など、書類作成・提出代行を職域として承ります。許可手数料(実費)とは別に、当事務所の報酬は次のとおりです(いずれも税込・登録免許税・証紙代等の実費は別途)。

  • 建設業許可(知事・新規):110,000円
  • 業種追加:55,000円
  • 更新:55,000円

「いつ・何が・いくら発生するのか」を年間カレンダーに落とし込み、更新・決算変更届・経審の期限を取りこぼさない形でご支援します。詳しくは建設業許可サポートのご案内ページをご覧ください。ご相談は何度でも無料です。

建設業許可の取得・更新でお困りではありませんか。行政書士法人Treeでは、要件の確認から申請書類の作成・提出代行、決算変更届や各種変更届まで対応します。ご相談は何度でも無料です。

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まとめ

舗装工事業の年間維持コストは、(1)5年ごとの許可更新(知事5万円)、(2)毎年の決算変更届、(3)公共工事に入るなら経審(経営規模等評価申請+総合評定値請求を同時に行う場合は8,500円+業種数×2,500円+分析料)、(4)CCUS利用料(管理者ID年11,400円ほか)、(5)社会保険料や要件人材の確保、という複数の要素で構成されます。指定建設業である舗装工事業は営業所技術者等(令和6年12月13日施行の改正建設業法により旧『専任技術者』から名称変更)の要件も重く、人的要件の維持が前提です。期限管理を仕組み化し、未提出の積み残しを作らないことが、結果として維持コストを最小化する近道になります。

舗装工事業の維持コストに関するよくある質問

Q:許可を維持するために毎年必ず行政庁へ出す手続きは何ですか。

A:毎年必ず発生するのは「決算変更届(事業年度終了報告)」です。事業年度終了後4か月以内に許可行政庁へ提出する義務があり(建設業法第11条)、未提出だと更新や経審の受付に支障が出ます。許可更新は5年に一度です。

Q:経審を受けないと舗装工事はできないのですか。

A:いいえ。経審は国・地方公共団体等が発注する公共工事を元請として直接請け負う場合に必要な手続きです。民間工事のみを請け負うのであれば、経審を受けずに建設業許可だけで営業できます。公共工事に入る予定があるかどうかで判断します。

Q:経審の結果はどのくらいの期間有効ですか。

A:総合評定値の通知は、審査基準日(通常は直前決算日)から1年7か月有効です。公共工事を継続して受注するには、この有効期間が切れないよう、実務上は毎年経審を受け直すのが一般的です。

Q:CCUSの費用で毎年かかるものはどれですか。

A:管理者ID利用料(1IDあたり年額11,400円・税込、一人親方は2,400円)が毎年発生します。事業者登録料(資本金別・税込)は5年ごと、現場利用料は就業履歴1タッチあたり10円(税込)で施工量に応じて発生します。

Q:許可業種を舗装だけにするか、土木一式なども追加すべきか迷っています。

A:業種を追加すると取得時(知事5万円)と維持の手間が増える一方、受注できる工事の幅は広がります。経審も、経営規模等評価申請と総合評定値請求を同時に行う場合は受審業種ごとに加算額(2,500円)がかかるため、実際に入札・受注で使う業種に絞るのがコスト面では合理的です。事業計画に合わせて要件と費用を整理しますので、お気軽にご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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