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2025年1月、外国人起業家向けの「スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)」が一本化・全国展開され、これまで一部の地域に限られていた制度が大きく変わりました。同じ時期に、移行先となる経営管理ビザの要件も段階的に厳格化が進んでおり、2026年現在はスタートアップビザを正しく活用できるかどうかが、外国人起業家の在留戦略において重要な分岐点となっています。
本記事では、スタートアップビザの制度概要・申請の流れ・経営管理ビザとの違い・移行時の注意点を、申請取次行政書士の視点から実務的に整理します。起業準備中の外国人の方や、外国人の起業を支援する立場の方の参考になれば幸いです。
「どの実施団体を選べばよいか分からない」「自分の事業計画で確認書が取れそうか知りたい」「将来の経営管理ビザ移行まで見据えて進めたい」——そのような場合は、行政書士法人Treeにご相談ください。申請取次行政書士が、実施団体選定から計画書作成、在留戦略までご提案します。相談は何度でも無料・全国対応です。
目次
目次
スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)とは
スタートアップビザの正式名称は「外国人起業活動促進事業」といい、経済産業省が推進する制度です。外国人起業家が通常の経営管理ビザの取得要件を満たす前の「起業準備段階」において、在留資格「特定活動(第44号)」として最長2年間日本に滞在し、会社設立・事業所確保・資本金調達などの準備活動を行えるように設計されています。
日本の産業の国際競争力強化と、国際的な経済活動の拠点形成を目的として創設されました。従来は国家戦略特区のスキームと経済産業省のスキームに分かれて運用されていましたが、2025年1月1日に両制度が一本化され、全国の地方公共団体が経済産業大臣の認定を受けて参加できる体制に移行しています。
在留資格の位置づけ
スタートアップビザは、入管法上の在留資格「特定活動」の告示第44号として規定されます。「特定活動」にはさまざまな種類がありますが、44号は外国人起業家専用の類型です。
在留期間は個別の許可内容によりますが、現行制度では最長2年間の起業準備活動が可能です。この期間内に起業準備活動計画に沿った準備を完了させ、在留資格「経営・管理」(経営管理ビザ)への変更申請を行うことが最終的な目標となります。
在留資格の種類一覧|就労・身分・留学ビザの違いと選び方も参照すると、特定活動ビザ全体における44号の位置づけがより明確に理解できます。
制度を利用できる「実施団体」について
スタートアップビザを利用するには、経済産業大臣が認定した「外国人起業促進実施団体」を通じて確認証明書(起業準備活動確認書)を取得する必要があります。実施団体は主に地方公共団体ですが、2023年10月からは経済産業大臣が認定したベンチャーキャピタルやアクセラレーターも実施団体として参加できるようになりました。
東京都、横浜市、大阪市、福岡市、沖縄県など複数の自治体が実施団体として参加しています。最新の参加団体一覧は経済産業省の公式ページでご確認ください。
経営管理ビザとの違い【比較表】
スタートアップビザを検討する方が最も気にするのが、「最初から経営管理ビザを取得すればよいのでは?」という疑問です。両者は目的・要件・在留期間の面で根本的に異なります。
| 比較項目 | スタートアップビザ (特定活動44号) |
経営管理ビザ (在留資格「経営・管理」) |
|---|---|---|
| 目的 | 起業準備活動 | 実際の事業経営・管理 |
| 会社設立 | 不要(準備中でも可) | 原則として設立済みが必要 |
| 事業所の確保 | 準備中で可(期間内に確保が必要) | 申請時点で確保済みが必要 |
| 資本金・投下資金 | 申請時不要(1年以内に3,000万円以上の見込み) | 3,000万円以上(2025年10月16日施行の新基準) |
| 常勤職員の雇用 | 申請時不要(1年以内に1名以上の見込み) | 日本人等の常勤職員1名以上(新基準) |
| 経歴要件 | 経営・管理の実務経験1年以上、または修士・博士・専門職学位 | 経営・管理関連の修士・博士・専門職学位、または3年以上の実務経験(新基準) |
| 日本語能力 | 明示的な要件なし | 申請者または常勤職員のいずれかがB2相当以上(JLPT N2以上・BJT400点以上・日本の大学卒業等も可)(新基準) |
| 在留期間 | 6か月単位、最長2年 | 1年・3年・5年 |
| 審査機関 | 実施団体(自治体等)+出入国在留管理局 | 出入国在留管理局 |
| 配偶者の在留 | 特定活動45号(就労不可・資格外活動許可要) | 家族滞在(就労は資格外活動許可要) |
特に注目すべき点は、2025年10月16日の法改正により、経営管理ビザの要件が大幅に厳格化されていることです。改正後は資本金3,000万円以上・常勤職員の雇用・日本語能力の証明などが原則として必要となりました。スタートアップビザは「これらの要件を整備するための準備期間」として機能します。
経営管理ビザの詳細な要件については、経営管理ビザ完全ガイドで解説していますので、あわせてご確認ください。
スタートアップビザの取得要件
スタートアップビザを取得するには、出入国在留管理局への申請の前に、実施団体が発行する「起業準備活動確認書」を取得する必要があります。確認書を得るためには、実施団体の審査基準を満たした起業準備活動計画書を提出しなければなりません。
申請者本人の経歴要件
以下のいずれかを満たすことが必要です。
- 事業の経営または管理について1年以上の実務経験を有すること
- 経営管理に関する分野または申請事業に必要な技術・知識に係る分野において、博士・修士・専門職学位を保有していること
事業計画の要件
起業準備活動計画には、以下の見込みが示されている必要があります。
- 資本金・投下資金:在留期間(1年)以内に事業に供される財産の総額が3,000万円以上となる見込みがあること
- 常勤職員:在留期間(1年)以内に1名以上の常勤職員が従事する見込みがあること
- 事業分野:日本の産業競争力強化に適切な分野であること
生活基盤に関する要件
- 在留期間(1年間)の滞在に必要な住居が確保されていること
- 同期間の生活費として十分な資金(または証明)があること
確認書取得後に実施団体が行う管理
スタートアップビザの特徴として、確認書取得後も実施団体が月1回以上の頻度で進捗確認を実施する点があります。計画が予定どおり進んでいない場合は確認書が取り消される可能性があるため、単なる滞在目的での利用はできません。実際の起業準備活動を継続的に行っていることが前提となります。
申請から経営管理ビザ移行までの流れ
スタートアップビザの申請は、通常の就労ビザとは手続きの構造が異なります。実施団体(自治体等)と出入国在留管理局の両方を経由するため、スケジュールに余裕をもって準備することが重要です。
Step 1: 実施団体の選定と事前相談
まず、申請を受け付けている実施団体を選定します。各実施団体によって対象業種・支援内容・審査基準が異なるため、自分の事業計画に合った団体を選ぶことが重要です。多くの実施団体が事前相談を受け付けているため、計画書提出前に相談することをお勧めします。
Step 2: 起業準備活動計画書の作成・提出
実施団体に対して起業準備活動計画書を提出します。計画書には、事業の概要・目標・資金計画・実施スケジュールなどを具体的に記載します。計画の実現可能性・具体性が審査で重視されます。形式的に数字を並べるだけでなく、なぜその事業を日本で行うのか、資金をどのように調達するのかの道筋が審査官に伝わる内容にすることが重要です。
Step 3: 実施団体による審査・確認書の取得
実施団体が計画書を審査し、要件を満たすと判断された場合に「起業準備活動確認書」が発行されます。審査には約1〜2か月を要することが多いため、来日予定から逆算してスケジュールを立ててください。
Step 4: 出入国在留管理局への申請
確認書を取得したら、出入国在留管理局に在留資格「特定活動(第44号)」の認定証明書交付申請(新規入国の場合)または在留資格変更許可申請(既に日本在住の場合)を行います。申請から許可まで通常1〜3か月程度かかります。
Step 5: 在留期間中の起業準備活動
許可取得後、計画書に沿って会社設立・事業所確保・資本金調達・人材採用などの準備を進めます。実施団体との月次報告・面談が義務付けられているため、定期的な連絡を怠らないようにしてください。
Step 6: 経営管理ビザへの変更申請
起業準備が整い、経営管理ビザの要件(資本金3,000万円以上・常勤職員の確保・事業所の確保等)を満たした段階で、在留資格変更許可申請を行います。スタートアップビザの在留期限が切れる前に申請することが必要です。
なお、2025年10月15日以前に確認証明書の交付を受けて特定活動44号で在留している方からの変更申請については、経過措置として改正前の許可基準が適用される場合があります。具体的な経過措置の適用については出入国在留管理庁の公式情報またはお近くの出入国在留管理局でご確認ください。
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実務上の注意点とよくある誤解
「最長2年あるから余裕」という誤解
スタートアップビザの在留期間は最長2年ですが、6か月ごとの更新が必要であり、更新のたびに実施団体が進捗を確認します。計画に沿った進捗が認められない場合は更新が認められない場合があります。また、経営管理ビザへの変更申請には審査に1〜3か月かかるため、実質的な準備期間は2年よりも短くなります。余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
実施団体の審査基準を甘く見てしまう
実施団体の審査は、計画書の形式的な充足だけでなく、事業の実現可能性・申請者の経歴・資金調達の具体性などが総合的に判断されます。漠然とした計画書では確認書が取得できないケースがあります。業種によっては専門家のサポートを受けながら計画書を作成することが有効です。
2025年10月16日施行:経営管理ビザの要件が大幅厳格化
2025年10月16日施行の改正により、経営管理ビザには資本金3,000万円以上、日本人等の常勤職員1名以上の雇用、申請者または常勤職員による日本語能力B2相当(JLPT N2等)の証明、専門家(中小企業診断士・公認会計士・税理士)による事業計画確認などが新たに求められるようになりました。スタートアップビザで来日する際は、これらの新基準を念頭に置いて準備計画を立てる必要があります。
ただし、2025年10月15日以前に確認証明書を取得して特定活動44号で在留している方からの変更申請については経過措置があります。適用関係については個別に確認することをお勧めします。
配偶者は就労できないことへの対応
スタートアップビザ(特定活動44号)で在留中の申請者の配偶者には、特定活動45号が付与されますが、就労活動は認められていません。配偶者が日本で働く場合は、別途、資格外活動許可の取得が必要です。家族の生活設計についても事前に確認しておいてください。
事業所は自宅兼用が原則認められない
経営管理ビザの要件として、自宅を事業所と兼用することは原則として認められません。スタートアップビザの段階から、将来の経営管理ビザ取得を見据えて独立した事業所の確保を計画に組み込んでおくことが重要です。
よくある質問
Q1. スタートアップビザは日本国外からでも申請できますか?
はい、申請できます。日本国外に居住している外国人の場合、実施団体に計画書を提出して確認書を取得した後、在留資格認定証明書の交付申請を行い、日本大使館・領事館でビザの発給を受けて入国するという流れになります。すでに日本に在留している場合(学生ビザ・就労ビザ等)は、在留資格変更許可申請で切り替えることも可能です。「現在の在留資格のままで起業の準備を進めたいが、どの時点でスタートアップビザに切り替えるべきか」というタイミングの判断も、行政書士法人Treeにご相談いただけます(相談無料)。
Q2. スタートアップビザの期間中にアルバイトや副業はできますか?
起業準備活動計画に基づく活動に付随して生じる報酬は認められますが、関係のないアルバイトや副業は原則として認められません。起業準備活動と無関係な就労活動を行った場合、在留資格の取り消しリスクがあります。不明な点は出入国在留管理局または申請取次行政書士に事前に確認することをお勧めします。
Q3. 経営管理ビザへの移行は必ず成功するのですか?また移行できなかった場合はどうなりますか?
スタートアップビザを取得しても、経営管理ビザへの移行が自動的に保証されるわけではありません。移行には、資本金・事業所確保・常勤職員の雇用・日本語能力証明など、経営管理ビザの要件を実際に充足していることが必要です。公表されている実施団体ごとの実績を見ると、経営管理ビザへ移行している例は相当数ありますが、準備不足や計画の遅れにより移行できないケースも存在します。
Q4. 実施団体(自治体等)はどこを選べばよいですか?
実施団体は事業の業種・支援内容・サポート体制が異なります。東京都・大阪市・福岡市・横浜市など複数の自治体が参加しており、VC・アクセラレーターも実施団体になっています。自分の事業分野に強みを持つ団体、または希望する地域で事業を展開する予定の団体を選ぶことが一般的です。最新の参加団体リストは経済産業省の公式ページでご確認ください。
Q5. 行政書士に依頼するメリットは何ですか?
スタートアップビザの申請では、実施団体の審査に通過するための事業計画書の作成と、出入国在留管理局への申請手続きという2つのプロセスが必要です。計画書の内容が不十分だと確認書が取得できず、申請書類に不備があると審査が長引くリスクがあります。申請取次行政書士に依頼すると、計画書の内容確認・申請書類の作成・入管への取次申請(本人出頭不要)まで一括でサポートを受けられます。特に経営管理ビザへの移行を見据えた中長期的な在留戦略の立案においても、専門家のアドバイスが有効です。
まとめ
スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業・特定活動44号)は、経営管理ビザの取得要件を整備するための準備期間として機能する在留資格です。2025年1月に全国展開・制度一本化が実現し、より多くの外国人起業家が利用できるようになりました。
制度活用にあたっての要点を整理すると、以下のとおりです。
- 在留資格は「特定活動(第44号)」。在留期間は6か月単位、最長2年
- 経産大臣認定の実施団体(自治体等)から「起業準備活動確認書」を取得することが申請の前提
- 申請時点では会社設立・事業所確保・資本金が不要だが、在留期間内に経営管理ビザの要件を整える計画が必須
- 2025年10月16日施行の改正で経営管理ビザの要件が厳格化されており、資本金3,000万円以上等の新基準を念頭に置いた準備が必要
- 実施団体による月次の進捗確認があり、計画の遂行状況が継続的に管理される
在留戦略の全体像については、経営管理ビザ完全ガイドや在留資格の種類一覧もご参照ください。
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| サービス | 料金(税抜) |
|---|---|
| 在留資格認定・変更申請代行 | 50,000円〜 |
| 在留期間更新申請代行 | 25,000円〜 |
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※ 本記事の内容は2026年4月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料・様式は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。


