相続関連

遺言書の種類と選び方|自筆証書・公正証書・秘密証書の違い

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遺言書には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれ作成方法・費用・法的な確実性が異なります。どの方式を選ぶかによって、遺言が無効になるリスクや相続人の手間が大きく変わるため、特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。この記事では、3種類の遺言書の違いを比較表で整理し、ケース別の選び方まで解説します。

「遺言書を作りたいが、どの方式が自分に合っているかわからない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。ご状況に合わせて最適な方式をご提案します。相談は何度でも無料です。

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遺言書3種類の比較表

比較項目 自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
作成方法 遺言者が全文を自書(財産目録はPC可) 公証人が遺言者の口述を筆記 遺言者が作成した遺言書を封印して公証人に提出
証人 不要 2人以上必要 2人以上必要
公証役場の関与 なし(法務局保管は任意) 必須 必須
費用 ほぼ無料(法務局保管は3,900円) 数万円〜(財産額による) 13,000円(公証人手数料)
検認 必要(法務局保管の場合は不要) 不要 必要
無効リスク 形式不備で無効になりやすい 極めて低い やや高い
内容の秘密性 高い(本人のみ知る) 公証人・証人が内容を知る 最も高い(内容は本人のみ)
紛失・改ざんリスク あり(法務局保管なら軽減) なし(原本は公証役場に保管) あり

自筆証書遺言の特徴

作成方法

自筆証書遺言は、遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自書し、押印して作成します(民法第968条第1項)。2019年の法改正により、財産目録についてはパソコンでの作成や通帳のコピーの添付が認められるようになりました(同条第2項)。ただし、財産目録の各ページに署名押印が必要です。

法務局の自筆証書遺言書保管制度

2020年7月に開始された保管制度を利用すると、法務局が遺言書の原本を保管してくれるため、紛失や改ざんのリスクが大幅に軽減されます。保管手数料は3,900円です。保管制度を利用した場合、相続発生後の家庭裁判所での検認手続きが不要になるのも大きなメリットです。

保管制度の詳細は「自筆証書遺言書保管制度の申請書の書き方」で解説しています。

メリットとデメリット

  • メリット:費用がほぼかからない、自宅で手軽に作成できる、内容を誰にも知られずに作れる
  • デメリット:形式不備で無効になるリスクがある、自宅保管の場合は紛失・改ざんの恐れがある、検認手続きが必要(法務局保管を除く)

公正証書遺言の特徴

作成方法

公正証書遺言は、遺言者が公証役場で公証人に遺言内容を口述し、公証人がこれを筆記して作成します(民法第969条)。作成時には証人2人以上の立会いが必要です。

費用の目安

公正証書遺言の作成には、遺言で処分する財産の価額に応じた公証人手数料がかかります。

財産の価額 公証人手数料
50万円以下 3,000円
50万円超〜100万円以下 5,000円
100万円超〜200万円以下 7,000円
200万円超〜500万円以下 13,000円
500万円超〜1,000万円以下 20,000円
1,000万円超〜3,000万円以下 26,000円
3,000万円超〜5,000万円以下 33,000円
5,000万円超〜1億円以下 49,000円

上記は相続人・受遺者ごとに計算し、合算します。また、財産の総額が1億円以下の場合は13,000円の遺言加算が加わります(2025年10月の手数料令改定により11,000円から引き上げ)。証人の手配を公証役場に依頼する場合、証人1人あたり約6,000〜15,000円の日当がかかることもあります。

メリットとデメリット

  • メリット:公証人が作成するため無効になるリスクが極めて低い、原本が公証役場に保管されるため紛失・改ざんの心配がない、検認が不要
  • デメリット:費用がかかる、証人2人の手配が必要、内容が公証人・証人に知られる

秘密証書遺言の特徴

作成方法

秘密証書遺言は、遺言者が作成・署名押印した遺言書を封筒に入れて封印し、証人2人以上の前で公証人に提出する方式です(民法第970条)。遺言の内容は公証人にも証人にも知られません。

メリットとデメリット

  • メリット:内容の秘密性が最も高い、パソコンや代筆でも作成可能
  • デメリット:実務上はほとんど利用されていない、公証役場は「遺言の存在」を証明するだけで内容の正確性は保証しない、検認が必要、内容に不備があれば無効になる可能性がある

秘密証書遺言は利用件数が極めて少なく(年間100件程度)、実務上は自筆証書遺言か公正証書遺言のいずれかを選ぶのが一般的です。

遺言書の作成をお考えの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。ご状況に合わせた方式の選定から、文案の作成、公証役場との調整まで対応します。相談は何度でも無料です。

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どの遺言書を選ぶべき?ケース別の判断基準

ケース おすすめの方式 理由
費用をかけずに作りたい 自筆証書遺言(+法務局保管) 保管手数料3,900円のみで、検認も不要になる
確実に有効な遺言を残したい 公正証書遺言 公証人が作成するため形式不備のリスクがない
財産が多い・相続人間でトラブルが予想される 公正証書遺言 法的な確実性が最も高く、紛争予防に有効
遺言の内容を誰にも知られたくない 秘密証書遺言 内容は本人のみが知る形で公証役場に提出。公証人・証人にも内容は非公開
高齢で将来の認知機能低下が心配 公正証書遺言 公証人が遺言能力を確認するため、後日の「遺言無効」主張に対する有力な反証となる
身体が不自由で自書が難しい 公正証書遺言 口述で作成可能、公証人の出張も依頼できる

よくある質問

Q. 遺言書は何歳から作れますか?

15歳以上であれば遺言をすることができます(民法第961条)。ただし、遺言能力(自分の行為の結果を理解できる意思能力)が必要です。

Q. 一度作った遺言書は撤回できますか?

はい。遺言者はいつでも遺言の全部または一部を撤回できます(民法第1022条)。新しい遺言書を作成するか、遺言書を物理的に破棄することで撤回が可能です。前の遺言と抵触する新しい遺言を作成した場合、抵触する部分については新しい遺言が優先されます。

Q. 遺言書の「検認」とは何ですか?

検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在と内容を確認する手続きです(民法第1004条)。検認は遺言の有効・無効を判断するものではなく、偽造・変造を防止するための手続きです。公正証書遺言と法務局保管の自筆証書遺言は検認が不要です。

Q. 行政書士に遺言書の作成を依頼できますか?

はい。行政書士は遺言書の文案作成(原案の起草)を業務として行うことができます。公正証書遺言の場合は、文案作成のほか公証役場との事前協議や証人の手配、必要書類の収集までサポートします。

まとめ

  • 遺言書は自筆証書・公正証書・秘密証書の3種類がある
  • 公正証書遺言が最も確実で、検認不要・紛失リスクもない
  • 自筆証書遺言は手軽だが、法務局保管制度の利用がおすすめ
  • 秘密証書遺言は実務上ほとんど利用されていない
  • 相続人間のトラブル防止には公正証書遺言が最適

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※ 2026年3月時点の民法・相続税法に基づく一般的な解説です。税額の計算は税理士、訴訟については弁護士にご相談ください。

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