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契約書の印紙税|収入印紙が必要な契約と金額一覧

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「この契約書に収入印紙は必要?金額はいくら?」——契約書を作成するたびに悩む方は多いのではないでしょうか。印紙税は契約書の種類と記載金額によって税額が変わるため、判断に迷いやすい税金の一つです。貼り忘れや金額の誤りがあると、本来の税額の3倍にあたる過怠税を課されるリスクもあります。

契約書の印紙税は、印紙税法で定められた20種類の「課税文書」に該当する場合にのみ発生します。代表的なものとして、不動産売買契約書(第1号文書)は記載金額1万円以上で200円から、請負契約書(第2号文書)は記載金額1万円以上で200円から、継続的取引基本契約書(第7号文書)は一律4,000円です。なお、電子契約で締結した場合は印紙税がかかりません。

この記事では、契約書に必要な印紙税の金額を文書の種類ごとに一覧表で整理し、収入印紙の貼り方・消印の方法から、貼り忘れた場合のペナルティ、電子契約による印紙税の節約方法まで網羅的に解説します。

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印紙税とは?契約書にかかる税金の基本

印紙税の仕組みと課税対象

印紙税は、印紙税法に基づいて、契約書や領収書などの「課税文書」を作成した際に課される国税です。文書の作成者が所定の金額の収入印紙を貼り付け、消印を行うことで納税が完了します。

課税文書に該当するかどうかは、国税庁の基準に基づき、以下の3つの要件をすべて満たすかどうかで判断されます。

  1. 印紙税法で定めた20種類の課税事項のいずれかが記載されている
  2. 当事者間で課税事項を証明する目的で作成された文書である
  3. 印紙税法第5条に規定する非課税文書に該当しない

判断の際に注意すべきは、文書の名称や表題ではなく記載内容の実質で課税文書に該当するかが決まる点です。たとえば「覚書」「念書」「合意書」というタイトルであっても、内容が請負契約に関するものであれば第2号文書として課税対象になります。

印紙税の納付方法(収入印紙の貼り付けと消印)

印紙税の納付は、原則として課税文書に収入印紙を貼り付け、消印(けしいん)を押すことで行います。消印とは、印紙が再使用されるのを防ぐために、文書と印紙にまたがって印章または署名を施すことです。

国税庁の見解によれば、消印に使用する印章は実印や契約印に限らず、日付印やゴム印でも構いません。また、署名(サイン)による消印も認められています。契約書の当事者のうち一方が消印を行えば有効で、全員が消印する必要はありません。

収入印紙の貼り付け位置について法律上の定めはありませんが、契約書の場合は表紙の左上余白に貼付するのが一般的です。印紙は郵便局、法務局、コンビニエンスストア(少額のもの)などで購入できます。

契約書の種類別・印紙税額の一覧表

印紙税法では課税文書を第1号から第20号まで分類しています。契約書に関係する主要な文書番号と税額を以下にまとめます。

第1号文書:不動産売買・金銭消費貸借契約書などの印紙税

不動産の譲渡契約書、地上権・土地賃借権の設定または譲渡契約書、消費貸借契約書、運送契約書が該当します。国税庁「印紙税額の一覧表(その1)」に基づく税額は以下のとおりです。

記載金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上〜10万円以下 200円
10万円を超え〜50万円以下 400円
50万円を超え〜100万円以下 1,000円
100万円を超え〜500万円以下 2,000円
500万円を超え〜1,000万円以下 10,000円
1,000万円を超え〜5,000万円以下 20,000円
5,000万円を超え〜1億円以下 60,000円
1億円を超え〜5億円以下 100,000円
5億円を超え〜10億円以下 200,000円
10億円を超え〜50億円以下 400,000円
50億円を超えるもの 600,000円
金額の記載がないもの 200円

なお、不動産の譲渡に関する契約書については、2014年4月1日から2027年3月31日までの間に作成されるもので記載金額が10万円を超える場合に軽減税率が適用されます。たとえば記載金額1,000万円を超え5,000万円以下の場合、通常20,000円のところ10,000円に軽減されます。

第2号文書:請負契約書の印紙税

工事請負契約書、物品加工注文請書、広告契約書、プロフェッショナルの役務提供契約書などが該当します。

記載金額 印紙税額
1万円未満 非課税
1万円以上〜100万円以下 200円
100万円を超え〜200万円以下 400円
200万円を超え〜300万円以下 1,000円
300万円を超え〜500万円以下 2,000円
500万円を超え〜1,000万円以下 10,000円
1,000万円を超え〜5,000万円以下 20,000円
5,000万円を超え〜1億円以下 60,000円
1億円を超え〜5億円以下 100,000円
5億円を超え〜10億円以下 200,000円
10億円を超え〜50億円以下 400,000円
50億円を超えるもの 600,000円
金額の記載がないもの 200円

建設工事の請負契約書についても、2014年4月1日から2027年3月31日までの間に作成され、記載金額が100万円を超えるものに軽減税率が適用されます。

第7号文書:継続的取引基本契約書の印紙税

売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託基本契約書などの継続的取引の基本となる契約書が該当します。これらは金額に関係なく一律4,000円の印紙税がかかります。ただし、契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めがないものは除かれます。

その他の主な課税文書と税額

契約書以外にも印紙税がかかる文書があります。国税庁「印紙税額の一覧表(その2)」を含め、主要なものを整理します。

文書番号 文書の種類 印紙税額
第5号 合併契約書・吸収分割契約書もしくは新設分割計画書 40,000円
第7号 継続的取引基本契約書 4,000円
第12号 信託契約書 200円
第13号 債務保証契約書 200円
第17号(1) 売上代金の受取書(領収書)5万円以上 200円〜200,000円
第17号(2) 売上代金以外の受取書(5万円以上) 200円

なお、第13号の債務保証契約書のうち、身元保証ニ関スル法律に基づく身元保証契約書は非課税とされています。

印紙税がかからない契約書はどれ?非課税・不課税の判断基準

すべての契約書に印紙税がかかるわけではありません。印紙税法上の「課税文書」に該当しない契約書は、印紙を貼る必要がありません。具体的には以下のケースが非課税・不課税となります。

印紙税法で非課税とされるもの

  • 記載金額が1万円未満の第1号・第2号文書(消費貸借・請負等)
  • 記載金額が5万円未満の第17号文書(領収書)
  • 国・地方公共団体が作成する文書
  • 営業に関しない受取書(個人間の取引の領収書等)

そもそも課税文書に該当しない(不課税の)契約書

印紙税法の20種類の課税文書に該当しない契約書は、金額の多寡にかかわらず印紙税がかかりません。たとえば以下の契約書は不課税です。

  • 委任契約書(準委任を含む):委任は請負とは異なり、成果物の完成義務がない契約類型です。コンサルティング契約書や顧問契約書は、内容が委任型であれば不課税となります
  • 秘密保持契約書(NDA):秘密保持義務のみを定める契約書は、20種類のいずれにも該当しません
  • 雇用契約書:雇用契約は請負でも委任でもなく、第1号〜第20号のいずれにも該当しないため不課税です
  • 使用貸借契約書:無償での貸し借りは課税文書に該当しません
  • 贈与契約書:無償の財産移転であり、課税文書には該当しません

ここで混乱しやすいのが業務委託契約書の扱いです。「業務委託」という名称自体は民法に規定がなく、その内容によって「請負」か「委任・準委任」かに分類されます。請負に該当すれば第2号文書として課税対象になり、委任・準委任であれば不課税です。契約書の内容を実質的に判断する必要があるため、迷った場合は専門家に確認するのが確実です。

業務委託契約書の詳細については「業務委託契約書の書き方|ひな形付きで注意点を行政書士が解説」で詳しく解説しています。

収入印紙を貼り忘れるとどうなる?過怠税のペナルティ

課税文書に収入印紙を貼り忘れた場合、税務調査等で発覚すると過怠税(かたいぜい)というペナルティが課されます。「知らなかった」「うっかり忘れた」では済まされず、法人税の損金や所得税の必要経費にも算入できないため、注意が必要です。

過怠税の3つのパターン

国税庁「印紙税を納めなかったとき」によれば、過怠税は以下の3パターンで計算されます。

ケース 過怠税の金額 備考
税務調査等で発覚 本来の印紙税額の3倍 本来の税額+その2倍の合計
自主的に申出 本来の印紙税額の1.1倍 調査を予知せず自主申告した場合
消印をしなかった場合 消印されていない印紙の額面金額 印紙を貼ったが消印を忘れた場合

たとえば、本来2万円の収入印紙を貼るべきところを貼り忘れ、税務調査で発覚した場合の過怠税は6万円(2万円 × 3倍)となります。仮に事前に自主申告すれば2万2,000円(2万円 × 1.1倍)で済みますが、いずれにしても過怠税は全額損金不算入です。

なお、印紙を貼り忘れたことで契約自体が無効になるわけではありません。印紙の有無は契約の効力に影響しませんが、税法上の義務を果たしていないという問題は残ります。

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電子契約なら印紙税は不要?その法的根拠

近年、電子契約の導入が急速に進んでいますが、電子契約で締結した場合は印紙税がかかりません。これは、印紙税が「文書(紙)」に対して課される税金であり、電子データは課税文書に該当しないためです。

国税庁・政府の公式見解

国税庁は、「注文請書をPDF化して電子メールで送信した場合には、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しない」との見解を示しています。

また、2005年の第162回国会における政府答弁書でも、「文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなる」と明確に述べられており、電子契約に印紙税がかからないことは政府の統一見解として確立しています。

つまり、印紙税法における課税文書の「作成」とは、紙などの用紙に課税事項を記載し、物理的に交付・行使することを指すため、電子データの送受信はこの「作成」にあたらないという論理です。

電子契約で印紙税を節約できる金額の目安

たとえば建設業の事業者が年間50件の工事請負契約(記載金額500万円〜1,000万円)を締結している場合、各契約に1万円の収入印紙が必要となり、年間で50万円の印紙税コストが発生します。電子契約に切り替えればこの費用がゼロになります。継続的取引基本契約書(第7号文書・一律4,000円)についても同様です。

ただし注意が必要なのは、電子データで契約を締結した後に紙に印刷して署名・押印を改めて行い、書面として交付した場合には新たに課税文書を作成したとみなされる点です。電子契約のメリットを生かすには、締結から保管まで一貫して電子データで行う必要があります。

契約書の作成時に印紙税を含むリスクを減らすには、契約書のリーガルチェックを受けることも有効です。課税文書の該当性や金額の判断が正しいかどうかを専門家に確認できます。

印紙税で間違えやすい5つのポイント

印紙税の実務では、判断を誤りやすいケースがいくつか存在します。以下の5点は特に注意が必要です。

1. 契約書のタイトルではなく「内容」で課税文書が決まる

前述のとおり、課税文書に該当するかは文書の名称ではなく記載内容の実質で判断されます。「覚書」「合意書」「確認書」であっても、内容が請負契約や不動産譲渡に関するものであれば課税対象です。反対に、「請負契約書」というタイトルでも内容が委任であれば不課税になります。

2. 消費税の表記方法で印紙税額が変わる場合がある

記載金額に消費税額が含まれているかどうかで印紙税額が変わることがあります。消費税額が契約書上で明確に区分記載されている場合(例:「本体価格100万円、消費税10万円、合計110万円」)、印紙税の記載金額は消費税を除いた本体価格で判定されます。一方、「110万円(税込)」のように消費税額が分離されていない場合は、110万円が記載金額として扱われます。

3. 契約書を2通作成した場合は各1通ずつ印紙が必要

契約書を当事者の人数分(通常2通)作成する場合、それぞれの通に収入印紙を貼る必要があります。1通にのみ貼ればよいというわけではありません。印紙代を折半する場合もあれば、一方が負担する場合もありますが、税法上はどちらが負担するかは問いません。

4. 変更契約書・覚書にも印紙税がかかることがある

既存の契約書の内容を変更する覚書や変更契約書も、変更内容が課税事項に該当すれば課税文書として扱われる場合があります。変更後の契約金額が増額となるか減額となるか、また変更される事項が印紙税法上の「重要な事項」に該当するかによって課税関係が異なるため、変更契約書を作成する際は個別に確認が必要です。

金額の変更を伴わない条件変更の覚書は、変更する事項が印紙税法上の「重要な事項」に該当するかどうかで扱いが異なります。

  • 重要な事項に該当しない変更:課税文書に該当しないため非課税
  • 第1号・第2号文書の重要な事項を変更(例:請負契約の工期や納入場所の変更):記載金額のない第1号・第2号文書として200円
  • 第7号文書の重要な事項を変更(例:継続的取引基本契約の契約期間や対象商品の変更):第7号文書として4,000円

何が「重要な事項」にあたるかは文書の種類ごとに印紙税法基本通達別表第2で定められているため、変更覚書を作成する際は事前に確認すると安心です。

5. 領収書(第17号文書)の5万円基準

受取書(領収書)は第17号文書に分類され、記載金額5万円以上で課税対象となります。5万円未満であれば非課税です。この5万円の判定においても、消費税額が明確に区分記載されていれば税抜金額で判定します。また、営業に関しない個人が発行する領収書は金額にかかわらず非課税です。

よくある質問

Q. 業務委託契約書に印紙税はかかりますか?

業務委託契約書の印紙税は、契約の内容が「請負」か「委任・準委任」かによって異なります。成果物の完成を目的とする請負型であれば第2号文書として課税対象になりますが、事務処理やコンサルティングなどの委任・準委任型であれば課税文書に該当せず印紙税はかかりません。また、継続的取引の基本となる契約であれば第7号文書(4,000円)に該当する場合もあります。契約書の実質的な内容で判定されるため、文書タイトルだけでは判断できない点に注意が必要です。

Q. 印紙税の軽減措置はいつまで適用されますか?

不動産の譲渡に関する契約書(第1号文書の一部)と建設工事の請負に関する契約書(第2号文書の一部)には、現在軽減措置が適用されています。適用期間は2027年(令和9年)3月31日までに作成される文書が対象です。軽減措置の適用を受けるには、記載金額が不動産譲渡の場合は10万円超、建設工事請負の場合は100万円超である必要があります。

Q. 収入印紙を間違えて貼った場合はどうすればよいですか?

所定の金額より多い額の収入印紙を貼ってしまった場合や、非課税文書に誤って貼ってしまった場合は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」を提出することで還付を受けることができます。ただし、一度消印した収入印紙を剥がして別の文書に転用することはできません。

Q. 契約書のコピー(写し)にも印紙は必要ですか?

原本のコピー(単なる複写)には通常、印紙税はかかりません。ただし、コピーに「原本と相違ない」旨の記載をして署名・押印を行うと、新たな課税文書の作成とみなされ、印紙税が発生する場合があります。契約書の写しを作成する際には、証明文言を付けるかどうかを慎重に判断してください。

Q. 海外の企業との契約書にも日本の印紙税はかかりますか?

印紙税は、課税文書が日本国内で作成された場合に課税されます。海外で作成された契約書には日本の印紙税は課されません。ただし、海外企業との契約であっても、日本国内で契約書を作成(署名・押印)した場合は課税対象となります。2通作成して日本と海外でそれぞれ1通ずつ保管する場合、日本国内で作成された通にのみ印紙税がかかります。

まとめ

契約書の印紙税は、文書の種類と記載金額によって税額が大きく異なります。この記事のポイントを整理すると、以下のとおりです。

  • 印紙税がかかるのは印紙税法が定める20種類の課税文書に該当する場合のみ
  • 不動産売買契約書(第1号文書)と請負契約書(第2号文書)は記載金額に応じた段階的な税額
  • 継続的取引基本契約書(第7号文書)は一律4,000円
  • 委任契約書・NDA・雇用契約書など課税文書に該当しない契約書は印紙税不要
  • 電子契約で締結すれば印紙税はかからない(政府の統一見解)
  • 貼り忘れると本来の税額の最大3倍の過怠税が課される
  • 不動産譲渡契約書・建設工事請負契約書には2027年3月31日まで軽減措置あり

印紙税の要否判断は契約書の実質的な内容に基づくため、自社で判断が難しい場合は税務署や税理士に相談するのが確実です。また、電子契約の導入により印紙税コストを削減できる可能性もあります。

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※ 2026年3月時点の印紙税法に基づく解説です。印紙税額や軽減措置の適用期間は法改正により変更される場合があります。最新情報は国税庁の印紙税ページでご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断は税務署や税理士にご相談ください。

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