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告訴状が受理されない5つの理由と対策|警察に受理させるコツ

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「告訴状を警察に持っていったのに、受理してもらえなかった」――こうした相談は少なくありません。刑事訴訟法上、警察には告訴を受理する義務がありますが、実務では様々な理由で受理を渋られるケースがあります。結論として、告訴状が受理されないのは記載内容・証拠・告訴権者の要件に問題があることがほとんどです。

この記事では、告訴状作成の専門家である行政書士が、受理されない5つの理由と具体的な対策を解説します。

「告訴状を出したいけれど、受理されるか不安…」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。告訴状の記載内容や証拠の整理について、専門家がアドバイスいたします。相談は何度でも無料です。

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告訴とは?刑事訴訟法の基本を押さえる

まず、告訴の法的な位置づけを確認しておきましょう。告訴とは、犯罪の被害者等が捜査機関に対して犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示です。

刑事訴訟法では、以下の条文が告訴に関する基本規定となっています。

条文 内容
第230条 犯罪により害を被った者は告訴をすることができる(告訴権者の規定)
第231条 被害者の法定代理人は独立して告訴できる。被害者が死亡したときは、配偶者・直系親族・兄弟姉妹が告訴できる
第242条 司法警察員は告訴・告発を受けたときは、速やかに書類および証拠物を検察官に送付しなければならない

第242条は警察の送付義務を定めたものですが、これは告訴を受理した後の規定です。加えて、犯罪捜査規範第63条1項は「司法警察員たる警察官は、告訴、告発または自首をする者があったときは、管轄区域内の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない」と明記しています。つまり、法令上、警察は要件を満たした告訴状を拒否できないのが原則です。

しかし実務上は、告訴状の内容に不備があった場合などに、受理を保留されたり補正を求められたりすることがあります。

告訴状が受理されない5つの理由

警察が告訴状の受理を渋る背景には、主に以下の5つの理由があります。一つずつ確認していきましょう。

理由1: 犯罪事実の記載が不明確

告訴状に記載すべき「犯罪事実」は、いつ・どこで・誰が・何をしたのかを具体的に特定する必要があります。「詐欺に遭った」「お金を騙し取られた」といった抽象的な記載だけでは、どの犯罪構成要件に該当するのかが判然とせず、受理されにくくなります。

犯罪事実の記載では、日時・場所・行為者・行為の態様・結果(被害内容)を5W1Hで整理することが重要です。

理由2: 証拠が不十分

告訴状自体には証拠を添付する法的義務はありません。しかし実務上、警察は「捜査の端緒」として一定の裏付けを求めてきます。証拠が全くない状態では、犯罪の嫌疑が認められないとして受理を保留されることがあります。

よくある誤解として「証拠は警察が集めるものだから不要」と考える方がいますが、告訴状を受理してもらうには、被害を裏付ける最低限の資料(契約書・メールのやり取り・振込明細など)を揃えておくことが実務上は欠かせません。

理由3: 告訴権者に該当しない

刑事訴訟法第230条により、告訴できるのは原則として「犯罪により害を被った者」、つまり被害者本人です。第231条では法定代理人や、被害者が死亡した場合の一定の親族にも告訴権が認められていますが、友人・知人・勤務先の同僚などは原則として告訴権者に当たりません。

告訴権者でない人が告訴状を提出しても、形式要件を欠くため受理されません。なお、告訴権のない第三者は「告発」(刑事訴訟法第239条1項)を行うことが可能です。

理由4: 親告罪の告訴期間を過ぎている

名誉毀損罪・侮辱罪・器物損壊罪などの親告罪では、刑事訴訟法第235条により、犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければなりません。この期間を過ぎると告訴権が消滅するため、告訴状は受理されません。

「犯人を知った日」とは、犯人が誰であるかを確定的に認識した日を指します。犯行があった日ではない点に注意が必要です。親告罪に該当する犯罪を告訴する場合、早めの対応が求められます。

理由5: 民事上の紛争と判断される

金銭トラブルや契約上の紛争について告訴状を持ち込んだ場合、警察から「これは民事の問題ですので…」と言われてしまうケースがあります。いわゆる「民事不介入」の原則です。

たとえば、単なる貸金の返済がないだけの場合は、刑事上の詐欺罪には当たらないことが多く、民事上の債務不履行として処理されるべき問題です。ただし、最初から返済するつもりがなかった場合(詐欺の故意がある場合)は刑事事件になり得ます。告訴状では、相手方に犯罪の故意があったことを具体的に記載して、単なる民事紛争ではないことを明確にする必要があります。

告訴状を受理してもらうための5つの対策

では、上記の理由を踏まえて、告訴状を受理してもらうためにどのような対策をとるべきかを整理します。

対策1: 犯罪事実を5W1Hで具体的に記載する

告訴状の核となる犯罪事実の記載は、日時・場所・加害者・行為の態様・被害結果を具体的に書きます。該当する罪名(刑法の条文番号)を明示し、犯罪構成要件に沿って事実を整理すると、警察側も判断しやすくなります。

対策2: 手持ちの証拠を可能な限り添付する

法的には添付義務はなくても、告訴状と一緒に証拠資料を提出することで受理の可能性は大きく高まります。メール・LINE等のやり取り、契約書、領収書、写真、録音データなど、入手できる証拠は整理して添付しましょう。証拠の一覧表を作成し、各証拠が何を立証するのかを簡潔にまとめておくと、警察の理解を得やすくなります。

対策3: 事前に警察署へ相談する

いきなり告訴状を提出するのではなく、まず警察署の相談窓口や告訴・告発センター(設置されている場合)で事前相談を行うことをおすすめします。事前相談により、告訴状の記載で足りない部分や必要な証拠について事前にアドバイスを受けられます。また、担当者との信頼関係を築くことにもつながります。

対策4: 告訴期間・公訴時効を事前に確認する

親告罪であれば告訴期間(犯人を知った日から6か月)を確認し、非親告罪であっても公訴時効が完成していないかを確認しましょう。期限が迫っている場合は、その旨を告訴状に記載することで、警察の対応が早まる場合もあります。

対策5: 専門家に告訴状の作成を依頼する

告訴状の記載内容は、法的な知識に基づいた正確さが求められます。犯罪構成要件に沿った事実の記載や、適用条文の選定は専門家の判断が不可欠な場面も多いものです。行政書士は権利義務に関する書類の作成を業として行うことができ(行政書士法第1条の2)、告訴状の作成も業務範囲に含まれます。

告訴状の書き方の全体像については、告訴状の書き方ガイドで詳しく解説しています。

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よくある質問

Q. 告訴状と被害届の違いは何ですか?

被害届は犯罪被害の事実を届け出るもので、犯人の処罰を求める意思表示は含まれません。一方、告訴は犯罪事実の申告に加えて「犯人の処罰を求める」意思表示を含む点が大きな違いです。告訴が受理されると、警察は書類と証拠物を検察に送付する義務が生じます(刑事訴訟法第242条)。

Q. 警察に告訴状の受理を拒否された場合はどうすればよいですか?

まずは拒否の理由を具体的に確認し、指摘された不備を修正して再提出しましょう。警察署で受理されない場合は、検察庁に直接告訴状を提出する方法もあります。検察庁にも告訴・告発を受け付ける窓口があります。また、各都道府県の公安委員会に対する苦情申出(警察法第79条)も一つの選択肢です。

Q. 行政書士に告訴状の作成を依頼するメリットは何ですか?

行政書士は法律文書の作成に精通しており、犯罪構成要件に沿った正確な犯罪事実の記載が可能です。自分で作成した告訴状では犯罪事実の特定が不十分で受理されないケースでも、専門家が法的に整理し直すことで受理率を高めることが期待できます。また、添付証拠の整理や証拠説明書の作成もサポートしてもらえます。

Q. 告訴にかかる費用はいくらですか?

告訴状の提出自体に手数料はかかりません。ただし、行政書士や弁護士に告訴状の作成を依頼する場合は、別途報酬が発生します。費用は事案の複雑さや証拠の量によって異なりますので、まずは無料相談で見積もりを依頼されることをおすすめします。

まとめ

告訴状が受理されない主な理由は、犯罪事実の記載が不明確・証拠不十分・告訴権者でない・告訴期間の超過・民事紛争と判断されるの5つです。いずれも事前の準備と対策で回避できるものばかりですので、告訴を検討している方は本記事の内容を参考に準備を進めてください。

なお、刑事訴訟法第242条により警察には告訴受理後の送付義務がありますが、受理の段階で実務上ハードルがあるのが現実です。受理されやすい告訴状を作成するには、法的な知識に基づく正確な記載が重要になります。

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※ 2026年3月時点の刑事訴訟法に基づく解説です。告訴・告発の受理判断は捜査機関の裁量による部分があります。具体的な事案は弁護士にもご相談ください。

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