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「養育費を毎月払うと約束してくれたのに、半年で支払いが止まってしまった——」。こうした不安を抱える方は少なくありません。離婚時の取り決めを口約束や簡単な書面だけで済ませてしまうと、後から相手が約束を守らなくなったときに打つ手が限られてしまいます。養育費や財産分与の取り決めを確実に守らせるための手段が、離婚公正証書です。この記事では、離婚公正証書の作り方を5つのステップで解説するとともに、費用の目安や記載すべき項目を整理します。
「公正証書を作りたいけれど、何から始めればよいかわからない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。離婚協議書作成の専門家が、養育費や財産分与の条件整理から公証役場との調整までサポートいたします。相談は何度でも無料・全国対応です。
目次
離婚公正証書とは?離婚協議書との違い
離婚公正証書とは、離婚時の取り決め(養育費・財産分与・慰謝料・面会交流など)を、公証役場の公証人が作成する公文書のことです。私人間で作成する離婚協議書とは、法的な効力に大きな違いがあります。
公正証書の法的効力(強制執行認諾条項)
公正証書の最大の特徴は、「強制執行認諾条項(強制執行認諾文言)」を付けられる点にあります。この条項は「債務者が支払いを怠った場合、直ちに強制執行に服する」という趣旨の文言で、公正証書にこの条項が記載されていれば、裁判を起こさずに相手の給与や預金口座を差し押さえることができます(民事執行法第22条第5号)。
養育費の不払いは深刻な問題です。厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」によると、養育費を「現在も受けている」と回答した母子世帯は約28%にとどまっています。公正証書を作成しておくことで、万が一不払いが生じた場合にも迅速に法的措置を取ることが可能になります。
離婚協議書だけでは不十分な理由
離婚協議書は夫婦間の合意内容を記録した文書ですが、あくまで私文書です。相手が約束を破った場合、協議書だけでは強制執行ができません。養育費の支払いを求めるためには、改めて家庭裁判所に調停や訴訟を申し立てる必要があり、時間も費用もかかります。
一方、強制執行認諾条項付きの公正証書があれば、相手が支払いを怠った時点ですぐに強制執行の手続きに移ることができます。特に養育費のように長期間にわたる支払いが予定される場合、公正証書の作成は将来のリスクに備えるうえで非常に重要です。
離婚の種類や手続き全体の流れについては「離婚の種類と手続きガイド」で詳しく解説しています。
離婚公正証書の作り方|5つのステップ
Step 1: 離婚条件の話し合い(養育費・財産分与・慰謝料・面会交流)
公正証書を作成する前提として、まず夫婦間で離婚条件を話し合い、合意する必要があります。主な取り決め事項は以下の通りです。
- 親権者の指定(未成年の子がいる場合は必須)
- 養育費の金額・支払方法・支払期間
- 財産分与の内容(不動産・預貯金・車・保険など)
- 慰謝料の有無・金額・支払方法
- 面会交流の頻度・方法
- 年金分割の按分割合
養育費の金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」を参考にすると、双方が納得しやすくなります。
Step 2: 離婚協議書の作成
話し合いで合意した内容を離婚協議書として文書化します。この段階で条件を明確にしておくと、公証役場での手続きがスムーズに進みます。あいまいな表現(「適当な額を払う」「子どもが望めば会わせる」など)は避け、金額・日付・条件を具体的に記載することが大切です。
離婚協議書の作成に不安がある場合は、行政書士に依頼すると法的に必要な条項を漏れなく盛り込むことができます。
Step 3: 公証役場への申し込み
離婚協議書の内容が固まったら、最寄りの公証役場に連絡して公正証書の作成を申し込みます。日本公証人連合会のホームページから全国の公証役場の所在地・連絡先を確認できます。
申し込み時に必要なものは、おおむね以下の通りです。
- 離婚協議書(または取り決め内容のメモ)
- 夫婦双方の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
- 夫婦双方の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)と実印
- 戸籍謄本(婚姻関係を確認するため)
- 不動産の財産分与がある場合は登記事項証明書・固定資産評価証明書
- 年金分割を記載する場合は年金分割のための情報通知書
Step 4: 公証人との打ち合わせ
公証人が離婚協議書の内容を確認し、公正証書の原案(文案)を作成します。公証人は法律の専門家として、条項の法的な有効性を確認しながら文案を仕上げます。内容に問題があれば修正の提案を受けることもあります。
打ち合わせは1〜2回程度で済むのが一般的ですが、条件が複雑な場合はやり取りが増えることもあります。行政書士に依頼している場合は、この打ち合わせも代行してもらえるため、手間を大幅に減らせます。
Step 5: 公正証書の作成・署名
文案が確定したら、公証役場で夫婦双方が公証人の面前で内容を確認し、署名・押印を行います。これにより公正証書が完成します。原本は公証役場に20年間保管され、当事者には正本と謄本が交付されます。
なお、やむを得ない事情により一方が公証役場に出向けない場合は、代理人を立てることも可能です。ただし、代理人には公正証書の作成に関する委任状(実印による押印+印鑑登録証明書)が必要です。
離婚公正証書に記載すべき項目一覧
公正証書に盛り込む内容は、離婚後のトラブルを防ぐために重要です。以下の項目を漏れなく記載しましょう。
| 記載項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 離婚の合意 | 双方が協議離婚することに合意した旨 |
| 親権者の指定 | 未成年の子の親権者を父母のどちらにするか |
| 養育費 | 金額・支払日・振込先・支払終期(例: 子が満20歳に達する日の属する月まで) |
| 養育費の変更条件 | 事情変更(失職・再婚・進学等)があった場合の協議条項 |
| 財産分与 | 不動産・預貯金・車両・保険解約返戻金等の分配方法 |
| 慰謝料 | 金額・支払方法(一括 or 分割)・支払期限 |
| 面会交流 | 頻度(月1回等)・場所・連絡方法・宿泊の可否 |
| 年金分割 | 合意分割の按分割合(上限0.5) |
| 通知義務 | 住所・勤務先が変更になった場合の通知義務 |
| 清算条項 | 本公正証書に定めるもののほか、互いに債権債務がないことの確認 |
| 強制執行認諾条項 | 金銭債務の支払いを怠った場合に直ちに強制執行に服する旨 |
見落としがちなのが「養育費の変更条件」と「通知義務」です。子どもの進学や再婚など将来の事情変更に備えた条項を入れておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。また、相手が転居や転職をした場合に連絡先を通知する義務を定めておかないと、いざ強制執行をしようとしても相手の所在や勤務先がわからず手続きが進まないケースがあります。
慰謝料の相場や請求方法については「離婚の慰謝料相場と請求方法」で詳しく解説しています。
条件の整理から公正証書の作成までサポートします
行政書士法人Treeでは、離婚協議書作成の専門家が離婚公正証書の作成を支援いたします。
- ✔ 養育費・財産分与の条項を漏れなく作成
- ✔ 公証役場との調整を代行
- ✔ 強制執行力のある公正証書で将来の不払いリスクを軽減
- ✔ 相談は何度でも無料・全国対応
離婚公正証書の費用
公証役場の手数料(目的の価額別テーブル)
公正証書の作成手数料は、目的の価額(養育費の総額や財産分与の額など)に応じて法令で定められています(日本公証人連合会のホームページでも確認できます)。
| 目的の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 200万円以下 | 7,000円 |
| 500万円以下 | 13,000円 |
| 1,000万円以下 | 20,000円 |
| 3,000万円以下 | 26,000円 |
| 5,000万円以下 | 33,000円 |
| 1億円以下 | 49,000円 |
離婚公正証書の場合、慰謝料と財産分与は合算して手数料を算定し、養育費は別個に手数料を算定します。たとえば養育費の総額が500万円(手数料13,000円)で、財産分与が1,000万円(手数料20,000円)の場合、合計で33,000円の手数料がかかります。このほか、正本・謄本の交付手数料(1枚300円)が必要です。※上記手数料は2025年10月改定後の金額です。
行政書士に依頼した場合の費用
離婚公正証書の作成を行政書士に依頼する場合は、上記の公証役場手数料に加えて、行政書士への報酬が必要になります。行政書士は離婚協議書のドラフト作成・条件の整理・公証役場との事前調整を代行するため、法的に不備のない書面をスムーズに仕上げることができます。
行政書士法人Treeでは、以下の料金で離婚関連書類の作成に対応しています。
| サービス | 料金 |
|---|---|
| 離婚協議書作成 | 19,800円〜(税込) |
| 離婚公正証書作成 | 29,800円〜(税込) |
公正証書作成の報酬には、離婚協議書の原案作成・公証役場との文案調整・必要書類のご案内が含まれます。「自分で公証役場に行くのは不安」「条件をうまく整理できない」という方は、専門家に依頼することで手間とリスクを軽減できます。
よくある質問
Q. 離婚公正証書は離婚届の提出前に作成すべきですか?
原則として、離婚届の提出前に公正証書を作成するのが望ましいです。離婚届の提出後でも作成は可能ですが、離婚が成立してしまうと相手方が交渉に応じなくなるケースがあります。協議がまとまっている段階で公正証書を作成しておくことをおすすめします。
Q. 公正証書を作成するのにどのくらいの期間がかかりますか?
夫婦間で離婚条件の合意ができている場合、公証役場への申し込みから完成までおおむね1〜3週間程度です。ただし、公証役場の混雑状況や条件の複雑さによっては前後することがあります。
Q. 相手が公証役場に来てくれない場合はどうすればよいですか?
相手方が出向けない場合は、代理人を立てることで対応できます。代理人には、本人からの委任状(実印押印+印鑑登録証明書)が必要です。なお、夫婦の一方が他方の代理人を兼ねることはできません。
Q. 公正証書を作った後に内容を変更できますか?
双方が合意すれば、改めて新しい公正証書を作成して内容を変更することは可能です。合意が得られない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てることで変更を求めることもできます。特に養育費は、双方の収入変動や子どもの進学など「事情の変更」があれば増減が認められることがあります。
Q. 養育費の取り決めだけでも公正証書にできますか?
可能です。養育費だけ、財産分与だけなど、特定の項目のみを公正証書にすることもできます。ただし、離婚時の取り決め事項はまとめて1通の公正証書にしたほうが、手数料が節約でき、内容の一貫性も保てるため一般的です。
Q. 離婚公正証書と調停調書の違いは何ですか?
いずれも強制執行力がある点では共通していますが、公正証書は夫婦の合意に基づいて公証役場で作成するもの、調停調書は家庭裁判所の調停手続きを経て作成されるものです。協議離婚で話し合いがまとまる場合は公正証書、話し合いがまとまらない場合は調停を利用するのが一般的な使い分けです。協議離婚と調停離婚の違いについては「協議離婚と調停離婚の違い」で解説しています。
まとめ
離婚公正証書は、養育費や財産分与の取り決めを法的に確実なものにするための重要な書類です。強制執行認諾条項を付けることで、相手が支払いを怠った場合にも裁判なしで差押え等の法的措置を取ることができます。
- 離婚協議書だけでは強制執行力がないため、公正証書の作成を検討すべき
- 作成の流れは「条件の話し合い→協議書作成→公証役場への申込→打合せ→署名」の5ステップ
- 公証役場の手数料は目的の価額に応じて決まり、項目ごとに算定される
- 養育費の変更条件・通知義務・清算条項など、見落としがちな項目も忘れずに記載する
離婚公正証書の作成はプロにお任せください
| サービス | 料金 |
|---|---|
| 離婚協議書作成 | 19,800円〜(税込) |
| 離婚公正証書作成 | 29,800円〜(税込) |
- ✔ 養育費・財産分与の条項を漏れなく作成
- ✔ 公証役場との調整を代行
- ✔ 強制執行力のある公正証書で将来の不払いリスクを軽減
- ✔ 相談は何度でも無料・全国対応
まずはお気軽にお問い合わせください。現在の状況をヒアリングし、最適な進め方をご提案いたします。
※ 2026年3月時点の民法・家事事件手続法に基づく解説です。個別の事案では弁護士への相談もご検討ください。


