離婚関連

離婚届の書き方と提出方法|記入例付きで行政書士が解説

約16分で読めます

「離婚届の書き方がわからない」「記入ミスで受理されなかったらどうしよう」——離婚届はほとんどの方にとって初めて書く書類です。記入欄は十数項目あり、親権者の指定や本籍の選択など、後から簡単には変更できない重要な項目も含まれています。

この記事では、離婚届の各欄の書き方を記入例付きで順番に解説し、必要書類や提出先・提出方法までまとめています。2026年4月施行の民法改正(共同親権の導入・財産分与請求期間の延長)による変更点にも触れていますので、これから離婚届を提出する方はぜひ最後までお読みください。

「離婚届だけでなく協議書も必要?」と迷ったら

離婚届の提出だけでは、養育費や財産分与の取り決めは法的に保護されません。行政書士法人Treeでは、離婚協議書・公正証書の作成を19,800円〜で承っています。相談は何度でも無料です。

▶ 行政書士法人Treeに相談してみる

離婚届の概要|入手方法・用紙サイズ・使用する筆記具

離婚届は、夫婦が離婚の意思を市区町村に届け出るための戸籍届出書類です。協議離婚の場合は、この届出が受理された時点で離婚が法律上成立します。調停離婚・裁判離婚の場合は、調停成立日や判決確定日に離婚が成立し、届出は報告的届出という位置づけになります。

離婚届の入手方法

離婚届の用紙は、全国どの市区町村の役所(市役所・区役所・町村役場)の戸籍課窓口で無料で入手できます。届出先と異なる自治体の用紙でも問題ありません。また、法務省のウェブサイトからPDFをダウンロードして印刷することも可能です。用紙サイズはA3で、印刷する場合もA3サイズで出力してください。

使用する筆記具と訂正方法

記入には黒のボールペンまたはインクペンを使用します。鉛筆・消せるボールペン(フリクション等)は不可です。書き間違えた場合は、誤った箇所に二重線を引き、近くの余白に正しい内容を書き直します。修正液・修正テープは使用できません。なお、2021年9月以降は押印義務が廃止されており、訂正印も不要(任意)とされています。

離婚届の書き方|記入欄ごとにステップ形式で解説

Step 1: 届出日と届出先

用紙上部の日付欄には、記入した日ではなく、実際に役所へ提出する日を記入します。郵送の場合は、役所に届いた日が届出日になるため、日付を空欄にしておき、届出日が確定してから記入するのも一つの方法です。「長殿」の前には、提出先の市区町村名(例: 「新宿区」)を記入します。

Step 2: 氏名・生年月日

夫・妻それぞれの氏名と生年月日を記入します。氏名は戸籍に記載されている漢字を正確に使ってください。離婚後に旧姓に戻る予定であっても、ここでは婚姻中の姓(現在の戸籍上の姓)を記載します。生年月日の元号は略さず「昭和」「平成」「令和」のように記入します。

Step 3: 住所と本籍

住所は住民票の記載どおりに、本籍は戸籍謄本に記載されている地番まで正確に記入します。離婚届の提出と同時に転居届を出す場合は、新しい住所を記載しても構いませんが、別途住民異動届の手続きが必要です。

Step 4: 父母の氏名・続き柄

夫・妻それぞれの実父母の氏名を記入します。父母が亡くなっている場合でも記入が必要です。続き柄は「長男」「二女」のように戸籍の記載に合わせてください。養父母がいる場合は、養父母の欄にも記入します。

Step 5: 離婚の種別

該当する離婚の種別にチェックを入れます。協議離婚・調停離婚・審判離婚・和解離婚・認諾離婚・判決離婚の中から選択します。調停・裁判離婚の場合は、成立日・確定日の記入も必要です。

Step 6: 婚姻前の氏にもどる者の本籍

婚姻により姓を変更した側(多くの場合は妻)について、離婚後の本籍を選択します。選択肢は以下の2つです。

  • もとの戸籍にもどる: 婚姻前の戸籍(実家の戸籍)に戻る場合。ただし、実家の戸籍が既に除籍されている場合はこの選択はできません
  • 新しい戸籍をつくる: 新しい本籍地を定めて自分を筆頭者とする戸籍を作る場合。婚姻中の姓を引き続き使いたい方は、別途「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出するとともに、この欄で新しい戸籍を選択します

Step 7: 未成年の子の氏名(親権者の指定)

未成年の子がいる場合は、親権者を父母どちらにするか決めたうえで、該当する欄に子の氏名を記入します。この欄が空欄のままでは離婚届は受理されません。子の氏名は婚姻中の姓で記載してください。

なお、親権者を定めても子の戸籍や姓が自動的に変わるわけではありません。子の姓を変更する場合は、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可を得てから「入籍届」を提出する必要があります。

Step 8: 同居の期間・別居する前の住所

同居を始めた年月(結婚式を挙げた時期または同居を開始した時期のいずれか早い方)を記入します。別居している場合は、別居する前に一緒に住んでいた住所も記入します。別居していない場合はこの欄は空欄で構いません。

Step 9: 世帯の仕事と夫妻の職業

「世帯の仕事」は6つの選択肢から該当するものにチェックを入れます。「夫妻の職業」は国勢調査の年(5年ごと)にのみ記入が求められる欄です。国勢調査の年以外は空欄で構いません。

Step 10: 届出人の署名

夫婦それぞれが自分自身で署名します。協議離婚では、この署名が離婚意思の確認を兼ねるため、代筆は原則として認められません。押印は2021年9月以降任意となっていますが、押印しても問題ありません。

Step 11: 証人(協議離婚のみ)

協議離婚の場合は、18歳以上の証人2名の署名が必要です(2022年4月の成年年齢引下げにより20歳から18歳に変更)。証人は親族・友人・知人など誰でも構いません。証人欄には氏名・生年月日・住所・本籍を記入してもらいます。調停離婚・裁判離婚では証人は不要です。

証人が見つからない場合は、行政書士法人Treeで証人2名分の代行サービス(郵送料込み・税込5,000円)をご利用いただけます。離婚届の郵送対応も行っておりますので、来所不要で手続きを完了できます。

Step 12: 面会交流・養育費の取り決め

未成年の子がいる場合、面会交流と養育費について「取り決めをしている」「まだ決めていない」のいずれかにチェックします。この欄はあくまで参考情報であり、チェック内容が法的効力を持つわけではありません。ただし、養育費や面会交流の取り決めは離婚協議書や公正証書にまとめておくことを強くおすすめします。

養育費の取り決めについて詳しくは「養育費を確実に受け取るための離婚協議書の書き方」をご覧ください。

Step 13: 連絡先

届出の内容に不備があった場合に役所から連絡できる電話番号を記入します。日中に連絡がつきやすい番号を記載してください。

離婚届だけでは養育費・財産分与を守れません

離婚届の記入項目は戸籍上の届出にすぎず、養育費や財産分与などの取り決め内容に法的効力を持たせるには、離婚協議書や公正証書の作成が必要です。行政書士法人Treeでは、離婚協議書作成の専門家がサポートいたします。

  • ✔ 養育費・財産分与・面会交流の条件を書面化
  • ✔ 公正証書にすれば強制執行が可能
  • ✔ 公証役場との調整もおまかせ
  • ✔ 相談は何度でも無料

▶ まずはお気軽にお問い合わせください

離婚届の提出に必要な書類

離婚届を提出する際に必要な書類は、離婚の種別によって異なります。以下の表で確認してください。

必要書類 協議離婚 調停・裁判離婚
離婚届(A3用紙) 必要 必要
届出人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等) 必要 必要
戸籍謄本(全部事項証明書) 原則不要(2024年3月の戸籍法改正により広域交付制度開始。ただし一部例外あり) 事前に届出先の窓口へ確認
調停調書の謄本 不要 調停離婚の場合に必要
審判書の謄本+確定証明書 不要 審判離婚の場合に必要
判決書の謄本+確定証明書 不要 裁判離婚の場合に必要
証人2名の署名 離婚届内に記入 不要

2024年3月1日の戸籍法改正により、本籍地以外の市区町村へ届け出る場合でも戸籍謄本の添付が不要になる広域交付制度がスタートしています。ただし、届出先の自治体により運用が異なるケースがあるため、事前に届出先の窓口に確認することをおすすめします。

離婚届の提出先と提出方法

提出先

離婚届の提出先は、夫婦の本籍地・住所地・所在地のいずれかの市区町村です。里帰り先や一時的な滞在地(所在地)でも提出できます。

提出方法

  • 窓口持参: 戸籍課の窓口に直接持参します。記入漏れや誤りがあればその場で指摘してもらえるため、最も確実な方法です。多くの自治体では休日・夜間窓口(守衛室等)でも受付をしており、後日審査のうえ受理される仕組みです
  • 郵送: 届出先の市区町村に郵送で提出することも可能です。届出日は役所に届いた日になります。不備があると返送されるため、書留での郵送が安心です
  • 代理人による提出: 届出人(夫または妻)以外の第三者に届出書を預けて提出してもらうことも認められています。ただし、届出人本人の署名が必要です

提出期限

協議離婚には提出期限がありませんが、調停離婚・裁判離婚の場合は成立日(確定日)から10日以内に届け出なければなりません。期限を過ぎると届出自体が無効になるわけではありませんが、正当な理由なく届出期間を経過した場合、過料(5万円以下)が科される可能性があります。

2026年4月施行の民法改正|離婚届に関わる主な変更点

2026年4月1日に施行される改正民法では、離婚後の子の養育に関するルールが大きく変わります。離婚届を提出する方に直接関係する主な変更点は以下のとおりです。

共同親権の導入

これまで離婚後の親権者は父母のどちらか一方(単独親権)に限られていましたが、改正後は父母双方を親権者とする「共同親権」を選択できるようになります。協議で決まらない場合は、家庭裁判所が子の利益を考慮して判断します。なお、DVや虐待がある場合は単独親権とされます。

離婚届の親権者欄の書式も、この改正に合わせて変更される予定です。2026年4月1日以降に届出を行う方は、届出用紙が最新のものかご確認ください。

法定養育費制度の創設

養育費の取り決めをしていない場合でも、離婚後に一定額の養育費(法定養育費)を請求できる制度が新設されます。また、養育費の不払いに対しては、他の債権に優先して弁済を受けられる「先取特権」が付与される仕組みも導入されます。

財産分与の請求期間の延長

離婚後に財産分与を請求できる期間が、従来の2年から5年に延長されます。この変更は2026年4月1日以降に離婚した場合に適用され、それ以前に離婚した場合は従来どおり2年です。

これらの改正について詳しくは、裁判所の「離婚と子どもをめぐる新しいルールについて」および「財産分与請求調停」のページをご確認ください。

離婚届を書くときの注意点

親権者を空欄にすると受理されない

未成年の子がいる場合、親権者欄が空欄のままでは離婚届は受理されません。親権者の決定は離婚後に変更するハードルが高いため、安易に決めず、養育費や面会交流の条件とあわせて慎重に話し合うことが大切です。

勝手に提出される「離婚届の不受理申出」

配偶者が無断で離婚届を提出するおそれがある場合は、事前に市区町村の窓口で「離婚届の不受理申出」を提出しておくことで、本人が窓口に出向かない限り届出が受理されなくなります。不受理申出に有効期限はなく、取り下げるまで効力が続きます。

離婚届の提出だけでは養育費・財産分与は保護されない

離婚届の「面会交流」「養育費」欄は参考情報にすぎません。養育費の支払いや財産分与の内容を法的に保全するためには、離婚協議書を作成し、さらに公正証書にしておくことが重要です。公正証書があれば、養育費の不払い時に裁判を経ずに強制執行(給与差押え等)が可能になります。

年金分割の手続きについては「離婚時の年金分割制度|手続きの流れと請求期限」もあわせてお読みください。

よくある質問

Q. 離婚届はどこでもらえますか?

全国どの市区町村の役所(戸籍課窓口)でも無料でもらえます。届出先と異なる自治体の用紙でも使用可能です。法務省のウェブサイトからPDF版をダウンロードしてA3で印刷する方法もあります。

Q. 離婚届の証人は誰に頼めばいいですか?

協議離婚では18歳以上の証人2名の署名が必要です。親族・友人・知人・職場の同僚など、18歳以上であれば誰でも証人になれます。証人が見つからない場合は、行政書士法人Treeの証人代行サービス(2名分・郵送料込み・税込5,000円)もご利用いただけます。なお、調停離婚・裁判離婚では証人は不要です。

Q. 離婚届を書き間違えたらどうすればいいですか?

間違えた箇所に二重線を引き、その近くの余白に正しい内容を書き直してください。修正液・修正テープは使用できません。訂正印は現在は任意ですが、心配な方は押印しておくとよいでしょう。大幅な間違いがある場合は、新しい用紙に書き直すのが確実です。

Q. 2026年4月以降の離婚届は何が変わりますか?

共同親権制度の導入に伴い、離婚届の親権者欄の書式が変更される予定です。従来は単独親権(父または母の一方)のみでしたが、父母双方を親権者とする共同親権も選択できるようになります。また、財産分与の請求期間が2年から5年に延長されるなど、離婚後の子の養育に関するルールが大きく見直されます。

まとめ

離婚届の記入項目は多いものの、一つひとつ確認しながら進めれば難しいものではありません。特に重要なのは、親権者欄を空欄にしないこと戸籍どおりの正確な情報を記入すること、そして離婚届とは別に養育費や財産分与の取り決めを書面化しておくことです。

2026年4月の民法改正では共同親権や法定養育費など、離婚の手続きに大きな影響を与える制度変更が予定されています。最新の制度に沿った対応が必要な場合は、専門家へのご相談をおすすめします。

離婚協議書・公正証書の作成もお任せください

サービス 料金(税込)
離婚協議書作成 19,800円〜
離婚公正証書作成 29,800円〜
  • ✔ 養育費・財産分与・面会交流の条件を法的に有効な書面に
  • ✔ 公証役場との事前調整から当日の同行までトータルサポート
  • ✔ 相談は何度でも無料

離婚届の提出前に、お子さまの将来を守る協議書を整えておきませんか。まずはお気軽にご相談ください。

▶ 無料相談の予約はこちら

※ 2026年3月時点の民法・家事事件手続法に基づく解説です。2026年4月1日施行の改正民法により、共同親権の導入・財産分与請求期間の延長など重要な制度変更が予定されています。個別の事案では弁護士への相談もご検討ください。



行政書士法人Tree