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永住許可の要件と申請方法|10年在留要件の例外を解説

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「日本に長く住んでいるから永住権を取りたいけれど、自分が要件を満たしているのか分からない」「10年住んでいないと申請できないの?」――永住許可の申請を検討しながらも、複雑な要件を前に一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。

永住許可が認められるには、原則として10年以上の継続在留に加え、素行善良・独立生計・国益適合の3要件を満たす必要があります。ただし、日本人の配偶者や高度専門職など、在留期間が大幅に短縮される特例ルートが複数用意されています。

本記事では、出入国在留管理庁の永住許可ガイドライン(令和8年2月24日改訂)に基づき、永住許可の3つの要件・10年在留の例外・必要書類・申請の流れを整理します。

「永住許可の要件を満たしているか確認したい」「申請書類の準備を手伝ってほしい」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。相談は何度でも無料・全国対応です。

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永住許可が認められるための3つの要件とは?

永住許可を受けるには、入管法第22条に基づき、以下の3つの要件を全て満たす必要があります。なお、日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子の場合は、要件1(素行善良)と要件2(独立生計)は適用されません。

要件1:素行が善良であること

日本の法律を遵守し、社会的に非難されることのない生活を送っていることが求められます。具体的には以下の点が審査されます。

  • 犯罪歴:刑事罰を受けていないこと(罰金・懲役等)
  • 交通違反:過去5年間に軽微な違反が繰り返されていないこと
  • 在留資格に基づく活動:資格外活動許可の範囲を超えたアルバイト等がないこと
  • 届出義務の履行:住所変更届出や所属機関変更届出を適切に行っていること

要件2:独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

日常生活において公共の負担にならず、安定した収入または資産で自立した生活を営めることが必要です。年収の明確な基準は公表されていませんが、一般的な目安は以下のとおりです。

世帯構成 年収の目安
単身 300万円以上
配偶者+本人(2人世帯) 360〜380万円以上
配偶者+子1人(3人世帯) 420〜460万円以上
配偶者+子2人(4人世帯) 480〜540万円以上

※ 上記は法令で定められた基準額ではなく、実務上の目安です。世帯全体の収入・資産・扶養状況等を総合的に判断されます。

扶養家族が1人増えるごとに約70万円の加算が目安とされています。また、直近1年だけでなく過去5年間の収入推移が確認されるため、安定的に収入があることが重要です。

要件3:永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件)

国益適合要件は永住許可の中核をなす要件で、以下の全てを満たす必要があります。

  • 原則10年以上継続して日本に在留していること(特例あり。後述)
  • 10年のうち、就労資格(「技能実習」「特定技能1号」を除く)または居住資格で5年以上在留していること
  • 現に有している在留期間が最長であること(2027年3月31日までは「3年」でも可)
  • 公的義務(納税・年金・健康保険)を履行していること
  • 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと
  • 現在の在留資格の上陸許可基準に適合していること(2026年2月改訂で明文化)

特に注意が必要なのは公的義務の履行です。2026年2月24日のガイドライン改訂で、税金・年金・健康保険料の「期限内納付」が厳格化されました。申請時に全額納付済みであっても、本来の期限を1日でも過ぎて納付していた場合は消極的な評価を受けるとされています。

10年在留しなくても申請できる?特例ルートの一覧

永住許可には原則10年以上の在留が求められますが、一定の条件を満たす場合は在留期間が大幅に短縮されます。以下の表で特例ルートを整理します。

対象者 必要な在留期間 主な条件
日本人の配偶者 婚姻3年以上かつ在留1年以上 実体を伴った婚姻生活が継続していること
永住者の配偶者 婚姻3年以上かつ在留1年以上 同上
日本人・永住者・特別永住者の実子 1年以上 引き続き1年以上本邦に在留していること
定住者 5年以上 定住者の在留資格で引き続き5年以上在留
難民認定者 5年以上 難民認定後、引き続き5年以上在留
高度専門職(70点以上) 3年以上 3年前の時点から継続して70点以上を維持
高度専門職(80点以上) 1年以上 1年前の時点から継続して80点以上を維持
外交・社会・経済・文化等で貢献 5年以上 我が国への貢献があると認められる者

高度専門職ポイント制を利用する場合、申請時だけでなく過去にさかのぼって継続的にポイントを維持していることが求められます。70点の場合は3年前から、80点の場合は1年前から、それぞれポイントが基準を下回っていないことが必要です。

また、「技能実習」と「特定技能1号」の在留期間は就労資格としての5年にカウントされない点にも注意が必要です。特定技能2号は就労資格として算入されます。詳しくは「特定技能とは?1号・2号の違いと16分野を徹底解説」をご覧ください。

2026年2月ガイドライン改訂で何が変わった?

2026年2月24日に永住許可ガイドラインが改訂され、審査がより厳格化されました。主な変更点は以下の3つです。

変更点1:公的義務の「期限内履行」の厳格化

従来は、申請時点で税金・年金・保険料が完納されていれば問題ないとされていましたが、改訂後は本来の納付期限を過ぎた納付は原則マイナス評価となります。たとえ1日の遅延であっても記録として残るため、永住許可を目指す方は日頃から期限内の納付を徹底する必要があります。

変更点2:在留期間「3年」の特例措置に期限を明示

永住許可の要件には「最長の在留期間をもって在留していること」がありますが、多くの在留資格では最長が5年であるのに対し、実務上は「3年」でも許可されてきました。改訂により、この特例措置は2027年3月31日までと明示されました。2027年4月1日以降は、原則として在留期間「5年」の取得が永住申請の前提条件となります。

変更点3:上陸許可基準への適合の明文化

「現に有している在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること」が要件として追記されました。たとえば「技術・人文知識・国際業務」で在留していながら実態として単純労働に従事している場合は、永住許可が認められない可能性があります。

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永住許可申請に必要な書類は?

永住許可申請の必要書類は、申請人の在留資格や身分・地位によって異なります。ここでは就労資格で在留している方を例に、主な必要書類を整理します。詳細は出入国在留管理庁「永住許可申請」ページでご確認ください。

共通書類

  • 永住許可申請書
  • 写真(縦4cm × 横3cm、撮影から6か月以内)
  • 理由書(永住を希望する理由を記載)
  • 身元保証人に関する書類(身元保証書・職業を証明する資料・直近1年分の所得証明書・住民票)
  • パスポート及び在留カード(提示)
  • 了解書

申請人の状況を証明する書類

  • 住民票(世帯全員分)
  • 職業を証明する資料(在職証明書等)
  • 直近5年分の住民税の課税証明書・納税証明書
  • 直近5年間の所得を証明する資料
  • 国税の納税証明書(その3)
  • 公的年金の保険料納付状況を証明する資料(直近2年分
  • 健康保険の保険料納付状況を証明する資料(直近2年分

高度専門職ポイントで申請する場合の追加書類

  • ポイント計算表
  • ポイントの各項目に関する疎明資料(学歴証明・年収証明・資格証明等)
  • 申請時および過去の時点でのポイント維持を証明する資料

在留資格によって必要書類は異なるため、事前に出入国在留管理庁の必要書類一覧ページで確認することをおすすめします。在留資格の種類について詳しくは「在留資格の種類一覧|就労・身分・留学ビザの違いと選び方」で解説しています。

申請から許可までの流れはどうなる?

永住許可申請の一般的な手続きの流れを解説します。

Step 1:要件の確認

まず、在留期間・収入・納税状況・年金・健康保険の加入状況など、自分が要件を満たしているかを確認します。特に公的義務の期限内履行については、過去の納付記録を取り寄せてチェックすることが大切です。

Step 2:必要書類の準備

前述の書類を揃えます。課税証明書・納税証明書は市区町村役場で、年金の納付記録は年金事務所またはねんきんネットで取得できます。理由書は、日本に永住を希望する理由・経歴・今後の生活設計などを具体的かつ誠実に記載します。

Step 3:地方出入国在留管理局へ申請

住居地を管轄する地方出入国在留管理局(またはその支局・出張所)の窓口に申請書類を提出します。申請できるのは、本人のほか、申請人の法定代理人、または申請取次の届出をした行政書士等です。

Step 4:審査・追加資料の提出

審査期間中に、入管から追加資料の提出を求められることがあります。求められた場合は速やかに対応してください。審査期間の公式目安は4か月ですが、近年は審査が長期化する傾向にあり、半年〜1年以上かかるケースも報告されています。特に東京入管では1年半〜2年程度かかるケースもあります。

Step 5:結果通知・手数料の納付

許可・不許可の結果はハガキで通知されます。許可された場合は、入管局の窓口で手数料10,000円(収入印紙)を納付し、新しい在留カード(在留資格「永住者」)を受け取ります。

※ 2026年3月10日に閣議決定された入管法改正案により、永住許可申請手数料の法定上限が最大30万円に引き上げられることが決定しています。改正法の施行後は手数料が大幅に変更される見込みです。最新の手数料は出入国在留管理庁でご確認ください。

項目 内容
手数料(現行) 10,000円(収入印紙・2025年4月改定)※ 今後最大30万円への引き上げが決定済み
公式審査目安 4か月
実際の審査期間 半年〜1年以上(地域・時期による)
不許可の場合 手数料はかからない

永住許可申請でよくある不備・失敗ポイント

永住許可申請で不許可や申請のやり直しにつながりやすいポイントを整理します。

1. 税金・年金・保険料の納付遅延

2026年2月のガイドライン改訂により、公的義務の期限内履行が厳格化されました。「申請前に全額払えば大丈夫」ではなく、過去の納付履歴に遅延がないかが重視されます。住民税を普通徴収で納付している方は特に注意が必要です。可能であれば特別徴収(給与天引き)に切り替えることで、納付遅延のリスクを軽減できます。

2. 在留期間の中断(出国期間)

10年の在留期間は「引き続き」が条件です。長期の出国により在留が中断されたと判断されると、在留期間がリセットされる可能性があります。やむを得ず長期出国する場合は、再入国許可を取得し、出国期間が過度に長くならないよう注意してください。

3. 在留資格の活動実態との不一致

改訂ガイドラインでは、現在の在留資格の上陸許可基準に適合していることが明文化されました。たとえば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で実際には専門性のない業務に従事している場合は、要件を満たさないと判断される可能性があります。

4. 身元保証人の選定ミス

身元保証人は日本人または永住者で、安定した収入がある方を選ぶ必要があります。身元保証人の収入証明や納税証明も提出するため、適切な方を選定してください。

よくある質問

Q. 永住許可を取得するには何年日本に住む必要がありますか?

原則として10年以上の継続在留が必要です。ただし、日本人の配偶者は婚姻3年以上かつ在留1年以上、高度専門職(80点以上)は1年以上など、在留期間が短縮される特例があります。自分がどの特例に該当するかは、在留資格と家族関係によって異なります。

Q. 永住許可の審査にはどのくらい時間がかかりますか?

出入国在留管理庁の公式目安は4か月です。ただし近年は審査が長期化しており、半年〜1年以上かかるケースが報告されています。特に東京入管では1年半〜2年程度かかることもあります。余裕をもった申請が重要です。

Q. 年収300万円以下だと永住許可は取れませんか?

年収300万円はあくまで一般的な目安であり、法令で定められた基準額ではありません。世帯全体の収入・資産・扶養家族の状況などを総合的に判断されます。ただし、単身で年収が著しく低い場合は「独立の生計を営むに足りる」と認められにくくなる傾向があります。

Q. 在留期間「3年」でも永住申請できますか?

2027年3月31日までは、在留期間「3年」を有していれば「最長の在留期間をもって在留している」として扱われます。ただし、2027年4月1日以降は原則として在留期間「5年」の取得が必要になるため、永住申請を検討中の方は早めの準備をおすすめします。

Q. 永住許可を取得した後、取り消されることはありますか?

2024年6月に成立した入管法改正により、永住許可の取消し制度が新設されました(2027年4月1日施行)。取消事由としては、故意に税金や社会保険料を納付しない場合、入管法に定める届出義務に違反した場合のほか、重大犯罪により拘禁刑に処された場合も含まれます。永住許可を取得した後も、公的義務の履行を継続することが重要です。

まとめ

  • 永住許可の要件は「素行善良」「独立生計」「国益適合」の3つ。日本人・永住者の配偶者等は素行・生計要件が免除される
  • 原則10年以上の継続在留が必要だが、配偶者(3年+在留1年)・高度専門職(最短1年)など特例ルートが複数ある
  • 2026年2月のガイドライン改訂で納税等の「期限内納付」が厳格化。遅延履歴は消極評価の対象
  • 在留期間「3年」での申請は2027年3月31日までの経過措置。以降は原則「5年」が必要
  • 審査期間は公式目安4か月だが、実際は半年〜1年以上(東京入管では1年半〜2年程度)かかるケースもあり、早めの準備が重要
  • 手数料は現行10,000円(2025年4月改定)だが、入管法改正により最大30万円への引き上げが決定済み

在留資格の変更・更新手続きについては「在留資格変更と在留期間更新の違い|必要書類と申請の流れ」も参考にしてください。

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※ 本記事の内容は2026年3月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料・様式は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。

※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
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