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「家族が亡くなり、故人名義の車が残された——」。突然の相続で車の名義変更が必要になったものの、どこで何をすればよいのか分からず戸惑う方は少なくありません。故人名義のままでは自動車税の納付通知が届かなくなったり、万一の事故で保険金が下りないリスクもあるため、早めの対応が必要です。この記事では、車の相続にともなう名義変更(移転登録)の手続きを5ステップで整理し、必要書類や費用も含めて解説します。
「戸籍の収集が大変」「遺産分割協議書の書き方が分からない」——車の相続手続きに不安がある方は、行政書士法人Treeにご相談ください。車庫証明・自動車登録の専門家が手続きの全体像をご案内します。相談は何度でも無料・全国対応です。
目次
車の相続とは?放置するとどうなる?
相続による名義変更が必要な理由
車の所有者が亡くなると、その車は相続財産(遺産)の一部になります。法律上、車は所有者の死亡と同時に相続人全員の共有状態となりますが、このままでは売却も廃車もできません。車を実際に使用する相続人、あるいは売却・廃車を行う相続人を確定させ、管轄の運輸支局で移転登録(名義変更)を行う必要があります。
道路運送車両法第13条第1項では、所有者の変更があった場合に15日以内の移転登録を義務づけています。相続の場合、遺産分割協議や戸籍収集に時間がかかることもありますが、手続きが整い次第、速やかに名義変更を行いましょう。
名義変更しないまま放置するリスク(自動車税・事故時の責任)
故人名義のまま車を使い続けると、次のようなリスクがあります。
- 自動車税の納付通知が届かない:自動車税は車検証上の所有者に課税されます。故人宛ての通知は届かなくなり、未納状態が続くと延滞金が発生します
- 自動車保険の問題:契約者と車検証の名義が異なると、保険金の請求手続きが複雑になったり、場合によっては保険が適用されないケースもあります
- 売却・廃車ができない:名義が故人のままでは、第三者への売却や永久抹消登録(廃車)を行えません
- 車検を通せない:車検の更新時に名義の問題が発覚し、手続きが止まる場合があります
特に注意したいのは、相続人が複数いる場合です。共有状態の車をある相続人が独断で使い続けていると、他の相続人との間でトラブルになることもあります。遺産分割協議で車の取得者を明確にしておくことが重要です。
車の相続手続きの流れ【5ステップ】
Step 1:相続人の確定(戸籍収集)
まず、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得し、法定相続人を確定させます。戸籍は本籍地の市区町村役場で取得でき、転籍や婚姻による除籍がある場合は複数の役場にまたがることもあります。
2024年3月から始まった広域交付制度により、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍を請求できるようになりました。ただし、郵送請求には対応していないため、窓口への出向きが必要です。
Step 2:遺産分割協議(誰が車を取得するか)
相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で車を誰が取得するかを決定します。話し合いがまとまったら、その内容を遺産分割協議書として書面にし、相続人全員が署名・実印で押印します。
なお、車の価値が100万円以下の場合、運輸支局によっては遺産分割協議書の代わりに「遺産分割協議成立申立書」(車を取得する相続人の署名・押印のみで足りる簡易な書式)で手続きできるケースがあります。管轄の運輸支局に事前確認することをおすすめします。
相続手続き全般の流れについては「相続手続きの流れを完全解説」でも詳しくまとめています。
Step 3:必要書類の準備
遺産分割協議がまとまったら、移転登録に必要な書類を揃えます。書類の詳細は後述の「必要書類一覧」をご覧ください。特に時間がかかるのは次の2つです。
- 車庫証明書:新所有者の住所を管轄する警察署に申請し、交付まで3〜7営業日程度かかります。車庫の場所が被相続人と同一で変わらない場合でも、名義が変わるため原則として取得が必要です
- 戸籍謄本:出生から死亡まで漏れなく揃える必要があり、取得に数週間かかることもあります
車庫証明の取得方法については「車庫証明の取り方ガイド」で解説しています。
Step 4:運輸支局での移転登録手続き
書類が揃ったら、新所有者の住所を管轄する運輸支局に出向いて移転登録を申請します。手続きの流れは次のとおりです。
- 窓口でOCR申請書(第1号様式)と手数料納付書を入手・記入する
- 登録手数料500円分の印紙を購入し、手数料納付書に貼付する
- 書類一式を窓口に提出する
- 審査完了後、新しい車検証を受け取る
- 管轄が変わる場合は、旧ナンバープレートを返納し新ナンバーの交付を受ける
運輸支局は平日のみの営業(おおむね8:45〜16:00)です。窓口の混雑状況にもよりますが、手続き自体は1〜2時間程度で完了するのが一般的です。管轄の運輸支局は国土交通省のウェブサイトから確認できます。
Step 5:自動車保険・自動車税の名義変更
移転登録が完了したら、忘れずに以下の手続きも行いましょう。
- 自動車保険(任意保険):被相続人名義の保険を解約するか、新所有者に名義変更します。同居の親族が引き継ぐ場合はノンフリート等級の引き継ぎが可能なケースもあるため、保険会社に確認しましょう
- 自賠責保険:車検証の名義が変わったら、自賠責保険の名義変更も行います(加入先の保険会社に連絡)
- 自動車税:運輸支局での移転登録時に自動車税の申告も同時に行います。環境性能割(旧・自動車取得税)は、相続による移転の場合は非課税となります
書類集めから名義変更まで、手続きが不安なら専門家にご相談ください
行政書士法人Treeでは、車の相続にともなう名義変更手続きを代行しています。
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車の相続に必要な書類一覧
相続による移転登録で必要な書類を一覧にまとめました。事前に準備するものと、運輸支局の窓口で入手するものに分かれます。
| 書類名 | 取得先・入手方法 | 備考 |
|---|---|---|
| 遺産分割協議書 | 相続人全員で作成 | 車に関する記載が必要。相続人全員の署名・実印押印。車の価値100万円以下なら「遺産分割協議成立申立書」で可の場合あり |
| 被相続人の戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場 | 出生から死亡までの連続したもの |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 市区町村役場 | 発行から3か月以内 |
| 新所有者の車庫証明書 | 管轄の警察署 | 発行からおおむね1か月以内。申請から交付まで3〜7営業日 |
| 車検証(自動車検査証) | 車に備え付け | 有効期間内のもの |
| OCR申請書(第1号様式) | 運輸支局窓口 | 窓口で入手・記入 |
| 手数料納付書 | 運輸支局窓口 | 登録手数料500円の印紙を貼付 |
| 自動車税申告書 | 運輸支局内の税事務所 | 環境性能割は相続の場合非課税 |
遺言書がある場合は、遺産分割協議書に代えて遺言書と検認済証明書(自筆証書遺言の場合)を提出します。公正証書遺言の場合は検認不要です。
なお、車庫証明の申請書の記入方法は「車庫証明の書き方」で記入例付きで解説しています。
車を相続せずに廃車・売却する場合
故人の車を引き続き使う予定がない場合は、廃車(抹消登録)または売却を検討します。いずれの場合も、原則としていったん相続人名義に変更してから手続きを進める必要があります。
廃車にする場合の手続き
廃車には2種類あります。
- 永久抹消登録:車を解体し、二度と使用しない場合。解体業者に引き渡してから運輸支局で永久抹消登録を行います。自動車重量税の還付を受けられる場合があります
- 一時抹消登録:一時的にナンバーを返納し、公道を走らない状態にする手続き。将来的に再登録して使用する可能性がある場合に選びます
廃車手続きでは、移転登録と同様に遺産分割協議書・戸籍謄本・印鑑証明書が必要です。自動車税は抹消登録した月の翌月分から月割で還付されるため、使わない車は早めに手続きするほうが経済的です。
売却する場合の手続き
故人名義の車を売却する場合、手順は次のとおりです。
- 相続人名義に移転登録する(上記の5ステップ)
- 買取業者またはディーラーに査定・売却を依頼する
- 売却先に対して通常の譲渡手続き(譲渡証明書の交付等)を行う
買取業者によっては、相続人への名義変更と売却先への名義変更を同時に手配してくれるケースもあります。ただし、書類の準備(遺産分割協議書・戸籍等)は相続人側で行う必要がある点は変わりません。自動車の名義変更手続きの詳細は「自動車の名義変更の手続き方法と必要書類」をご確認ください。
よくある質問
Q. 軽自動車の相続手続きはどう違いますか?
軽自動車の場合、手続き先が運輸支局ではなく軽自動車検査協会になります。また、軽自動車は印鑑証明書が不要(認印で可)で、遺産分割協議書も原則不要です。「申請依頼書」に新使用者が記名するだけで名義変更ができるため、普通車に比べて手続きは簡易です。ただし車庫証明は、届出が必要な地域では別途手続きが必要になります。
Q. 相続人が複数いる場合、全員の書類が必要ですか?
遺産分割協議書には相続人全員の署名・実印の押印が必要です。印鑑証明書も全員分を揃えます。ただし、車の査定額が100万円以下の場合は「遺産分割協議成立申立書」で手続きでき、この場合は車を取得する相続人1名の署名・押印のみで済みます。
Q. ローンが残っている車は相続できますか?
ローンが残っている場合、車検証上の所有者がディーラーやローン会社(所有権留保)になっていることがあります。この場合、まずローンの残債を完済するか、相続人がローンを引き継ぐ手続きが必要です。ローン会社に連絡して所有権解除の手続きを行い、その後に相続人への名義変更を進めます。
Q. 名義変更にかかる費用はどのくらいですか?
主な費用は、登録手数料500円(印紙代)、車庫証明の取得費用約2,500〜2,850円(都道府県により異なる)、管轄変更がある場合はナンバープレート代約1,500〜5,000円です。相続による移転の場合、環境性能割(旧・自動車取得税)は非課税となるため、売買の場合と比べて費用負担は小さくなります。
Q. 車庫証明は必ず必要ですか?
普通車の場合、原則として車庫証明は必要です。ただし、被相続人と新所有者の使用の本拠の位置が同一で、保管場所にも変更がなければ、車庫証明が不要となる場合があります。管轄の運輸支局や警察署に事前に確認してください。また、車庫証明の届出義務がない地域(一部の村など)では不要です。
まとめ
車の相続手続きのポイントを整理します。
- 故人名義の車は遺産分割協議で取得者を決めてから名義変更する
- 手続き先は運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)
- 被相続人の出生〜死亡の戸籍謄本と相続人全員の印鑑証明書が必要
- 車庫証明の取得に3〜7営業日かかるため、早めに手配する
- 車を使わない場合は廃車・売却の手続きも検討する
- 相続による移転の場合、環境性能割は非課税
車の相続手続きは行政書士法人Treeにお任せください
| サービス | 料金 |
|---|---|
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※ 2026年3月時点の道路運送車両法・車庫法に基づく解説です。自治体や管轄運輸支局により手続きが異なる場合があります。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


