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結論から言えば、建設業許可の新規申請は「要件の確認」「書類の収集・作成」「窓口への申請」「審査・許可通知の受領」という流れで進みます。許可を取得するには5つの要件(経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格要件に非該当)をすべて満たす必要があり、いずれか1つでも欠けると許可は下りません。申請先は知事許可であれば都道府県の建設業担当課、大臣許可であれば地方整備局です。審査期間は知事許可で約30日、大臣許可で約120日が目安とされています。建設業許可申請の専門家である行政書士が、準備段階から許可取得までの全体像を整理します。
「自社が許可要件を満たしているのかわからない」「書類の準備に手が回らない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。許可要件の事前診断から申請書類の作成・提出まで対応いたします。相談は何度でも無料・全国対応です。
目次
建設業許可の新規申請に必要な5つの要件【一覧表】
建設業許可を取得するためには、建設業法第7条および第15条に定められた5つの要件をすべて満たす必要があります。1つでも不足していると申請自体が受理されないか、審査の過程で不許可となります。まずは全体像を確認しましょう。
| 要件 | 概要 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 1. 経営業務の管理責任者 | 建設業の経営業務について一定期間の経験を有する者を常勤で配置 | 建設業法第7条第1号 |
| 2. 専任技術者 | 営業所ごとに所定の国家資格または実務経験を有する技術者を専任で配置 | 建設業法第7条第2号・第15条第2号 |
| 3. 財産的基礎 | 一般建設業は自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力。特定建設業はより厳格な基準 | 建設業法第7条第4号・第15条第3号 |
| 4. 誠実性 | 請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないこと | 建設業法第7条第3号 |
| 5. 欠格要件に非該当 | 破産者で復権を得ないもの、一定の刑罰を受けた者等に該当しないこと | 建設業法第8条 |
経営業務の管理責任者とは
経営業務の管理責任者(経管)は、建設業の経営について一定の経験を持つ人物を法人の常勤役員として配置するものです。令和2年10月の建設業法施行規則改正により、従来の「5年以上の経営経験」に加え、「建設業に関し経営業務管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上の経験」など複数のパターンが認められるようになりました。また、常勤役員1名が要件を満たさない場合でも、「常勤役員+補佐者」の組み合わせで要件を満たすことも可能です。
経営業務の管理責任者の要件を満たせるかどうかは、許可取得の可否を大きく左右します。詳しくは「経営業務管理責任者の要件」をご確認ください。
専任技術者とは
専任技術者は、営業所ごとに配置が求められる技術者です。申請する業種に対応した国家資格(例:1級・2級建築施工管理技士、1級・2級土木施工管理技士など)を有しているか、当該業種について10年以上(学歴による短縮あり)の実務経験を有する必要があります。一般建設業と特定建設業では求められる資格の水準が異なり、特定建設業の専任技術者にはより上位の資格(1級の施工管理技士や技術士など)が必要です。
資格一覧の詳細は「専任技術者の要件と資格一覧」で解説しています。
財産的基礎の要件
一般建設業の場合は、自己資本が500万円以上あるか、500万円以上の資金調達能力(金融機関の預金残高証明書等で証明)があれば要件を満たします。一方、特定建設業の場合は、資本金2,000万円以上・自己資本4,000万円以上・欠損の額が資本金の20%以内・流動比率75%以上の4つすべてを満たす必要があり、ハードルが格段に上がります。
| 区分 | 一般建設業 | 特定建設業 |
|---|---|---|
| 自己資本 | 500万円以上 | 4,000万円以上 |
| 資本金 | 要件なし | 2,000万円以上 |
| 資金調達能力 | 500万円以上(預金残高証明等) | — |
| 欠損比率 | 要件なし | 資本金の20%以内 |
| 流動比率 | 要件なし | 75%以上 |
一般建設業と特定建設業の違いについて詳しくは「一般建設業と特定建設業の違い」をご覧ください。
新規申請の手続きの流れ(7ステップ)
建設業許可の新規申請は、次の7つのステップで進めます。各ステップでつまずきやすいポイントも併せて整理します。
Step 1: 許可要件を自己診断する
まず、上記5つの要件を自社が満たしているかを確認します。特に経営業務の管理責任者と専任技術者の要件は複雑で、「経験年数の計算方法」や「重複する経験期間の取扱い」で判断を誤りやすい部分です。要件を満たすかどうか不確かな場合は、この段階で行政書士に相談することで手戻りを防げます。
Step 2: 申請先(知事許可 or 大臣許可)を決定する
営業所が1つの都道府県内のみにある場合は知事許可、2つ以上の都道府県にまたがる場合は大臣許可が必要です。「営業所」とは契約の締結を行う事務所を指し、単なる作業所や資材置き場は含みません。知事許可と大臣許可では審査期間や提出先が異なるため、最初に正確に判断しておく必要があります。
Step 3: 業種を選定する
建設業許可は29業種に分かれており、自社が施工する工事内容に応じた業種を選んで申請します。複数の業種を同時に申請することも可能です。業種の選定を誤ると、許可を取得しても実際に受注したい工事に許可が対応していないという事態になりかねません。自社の施工実績や今後受注したい工事内容を整理したうえで業種を決定しましょう。
Step 4: 必要書類を収集・作成する
新規申請では提出書類が多岐にわたります(詳細は次のセクションで解説)。公的機関から取得する証明書類(登記事項証明書・納税証明書など)には有効期限があるものが含まれるため、申請のタイミングから逆算して取得スケジュールを組むことが重要です。書類の不備は補正指示や申請却下の原因になるため、正確な記載が求められます。
Step 5: 申請書類を提出する
知事許可の場合は都道府県の建設業担当課へ、大臣許可の場合は主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局へ提出します。都道府県によっては事前予約制を採用しているところもあるため、あらかじめ窓口に確認しておきましょう。提出時に申請手数料の納付も行います。
Step 6: 審査を受ける
提出後、行政庁による書類審査が行われます。書類に不備がある場合は補正の指示が出されます。都道府県によっては、経営業務の管理責任者や専任技術者へのヒアリングが実施されることもあります。審査期間の目安は、知事許可で約30日、大臣許可で約120日です。
Step 7: 許可通知書を受領する
審査が完了し、要件を満たしていると判断された場合、許可通知書が交付されます。許可番号は国土交通省の建設業許可業者検索システムにも反映されます。許可通知書は原本を大切に保管しておきましょう。許可の有効期間は5年間で、引き続き建設業を営む場合は有効期間満了の30日前までに更新申請を行う必要があります。
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必要書類の一覧と取得先
新規申請に必要な書類は大きく「申請書類(自社で作成)」と「確認書類(公的機関等から取得)」に分かれます。都道府県によって若干の違いはありますが、主な書類は以下のとおりです。
| 区分 | 書類名 | 取得先・作成元 |
|---|---|---|
| 申請書類(自社作成) | 建設業許可申請書(様式第1号) | 自社作成 |
| 役員等の一覧表(様式第1号 別紙一) | 自社作成 | |
| 営業所一覧表(様式第1号 別紙二) | 自社作成 | |
| 工事経歴書(様式第2号) | 自社作成 | |
| 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号) | 自社作成 | |
| 使用人数(様式第4号) | 自社作成 | |
| 財務諸表(様式第15号〜第19号) | 自社作成(決算書をもとに作成) | |
| 確認書類(公的機関等から取得) | 登記事項証明書(法人の場合) | 法務局 |
| 納税証明書 | 都道府県税事務所 or 税務署 | |
| 身分証明書(成年被後見人等でないことの証明) | 市区町村役場 | |
| 登記されていないことの証明書 | 法務局 | |
| 健康保険等の加入状況を確認できる書類 | 年金事務所等 | |
| 専任技術者の資格を証する書面(資格者証の写し等) | 資格発行機関 |
確認書類の多くは申請日から3か月以内に取得したものでなければなりません。書類を先に揃えてから申請書の作成に入ると有効期限が切れるリスクがあるため、作成スケジュールの管理が重要です。また、経営業務の管理責任者や専任技術者の経験を証明する書類(過去の確定申告書・工事請負契約書の写し等)の収集に時間がかかることがあるため、早めに着手することをおすすめします。
申請にかかる費用と期間
建設業許可の申請には、行政に納付する手数料と、行政書士に依頼する場合の報酬が発生します。
| 費目 | 知事許可(新規) | 大臣許可(新規) |
|---|---|---|
| 申請手数料(法定費用) | 9万円(都道府県収入証紙) | 15万円(登録免許税) |
| 審査期間の目安 | 約30日 | 約120日 |
| 行政書士報酬の相場 | 10万〜20万円程度(業種数・法人規模等により変動) | |
申請手数料は許可・不許可に関わらず返還されません。また、上記の審査期間は標準処理期間であり、書類の補正が生じた場合はさらに時間がかかります。許可が必要な工事の受注時期が決まっている場合は、余裕をもったスケジュールで申請準備を始めることが大切です。
なお、行政書士に依頼する最大のメリットは「書類不備による差し戻しリスクの軽減」と「経験年数の計算や要件の判断を正確に行えること」です。自社で申請する場合と比較して、結果として許可取得までの所要期間が短くなることも少なくありません。
申請前に確認すべき注意点
新規申請にあたって見落としがちなポイントをまとめます。
社会保険の加入は必須
令和2年10月の建設業法改正により、適切な社会保険に加入していない事業者は建設業許可を受けることができなくなりました。具体的には、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の加入義務がある事業者は、これらに加入していることが許可要件の一つとなっています。未加入の場合は、申請前に加入手続きを済ませておく必要があります。
営業所の要件を満たしているか
建設業許可における「営業所」は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指します。営業所には看板の掲示、電話・机・書庫等の事務機器の設置、そして経営業務の管理責任者または支店長等の常勤が求められます。自宅兼事務所の場合は、事務所部分が独立していることを写真等で示す必要があり、都道府県によっては厳しくチェックされます。
経営事項審査(経審)を見据えた準備
公共工事の受注を目指している場合は、許可取得後に経営事項審査(経審)を受けることになります。経審では決算変更届の提出が前提となるため、許可取得時点から正確な財務諸表の作成と工事経歴の管理を意識しておくと、後の手続きがスムーズです。
よくある質問
Q. 個人事業主でも建設業許可は取得できますか?
取得できます。個人事業主であっても、5つの要件を満たしていれば建設業許可を受けることが可能です。ただし、個人事業主が許可を取得した後に法人化(法人成り)した場合、個人の許可を法人に引き継ぐことはできないのが原則でした。令和2年の建設業法改正により、一定の要件を満たせば許可の承継が認められるようになっています。法人化を予定している場合は、申請前に承継の手続きについても確認しておきましょう。
Q. 複数の業種を同時に申請できますか?
同時に申請できます。建設業許可は29業種ごとに取得するものですが、新規申請時に複数の業種をまとめて申請することが可能です。追加費用なく複数業種を申請できる場合もありますが、それぞれの業種に対応した専任技術者を配置する必要があるため、人的要件の確認が重要になります。
Q. 500万円未満の工事しか受注しない場合でも許可は必要ですか?
建設業法上、請負代金500万円未満(建築一式工事の場合は1,500万円未満または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事)の「軽微な建設工事」のみを行う場合は許可が不要です。ただし、元請業者や発注者から許可の取得を求められるケースは増えており、実務上は許可を持っていた方が受注機会の面で有利になる場合があります。
Q. 申請から許可が下りるまで、工事を受注してはいけませんか?
許可が必要な規模の工事(500万円以上)については、許可を取得するまで請け負うことはできません。無許可で請け負った場合は建設業法違反となり、罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)の対象となります。軽微な建設工事であれば、申請中であっても受注は可能です。
まとめ
建設業許可の新規申請について、ポイントを整理します。
- 5つの要件(経管・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格要件非該当)をすべて満たすことが必須
- 手続きは「要件確認→書類収集・作成→申請→審査→許可通知」の流れで進む
- 法定費用は知事許可で9万円、大臣許可で15万円
- 審査期間の目安は知事許可で約30日、大臣許可で約120日
- 社会保険への加入が許可要件に含まれている点に注意
書類の量が多く、要件の判断にも専門的な知識が必要なため、自社だけで進めると時間がかかりがちです。スムーズに許可を取得したい場合は、専門家への相談をご検討ください。
建設業許可の新規申請は行政書士法人Treeにお任せください
| サービス | 料金 |
|---|---|
| 建設業許可申請(新規) | 100,000円〜(税抜) |
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※ 2026年4月時点の建設業法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省の建設産業ページでご確認ください。
※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


