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建設業の決算変更届(事業年度終了届)の書き方と提出期限

更新: 約10分で読めます

建設業の手続きで最も見落とされがちなのが、決算変更届の提出期限です。建設業許可を受けた事業者は、毎年の事業年度終了後4か月以内に届出を行わなければなりません。届出を怠ると許可の更新が受理されないだけでなく、罰則の対象にもなります。この記事では、決算変更届の法的根拠から必要書類、書き方の手順までを解説します。

「決算変更届の書類が揃っているか不安」「建設業会計への組替え方がわからない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。建設業許可申請の専門家が対応いたします。相談は何度でも無料です。

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決算変更届(事業年度終了届)とは?

届出の目的と法的根拠(建設業法第11条)

決算変更届は、正式には「事業年度終了届」と呼ばれる届出書類です。建設業法第11条第2項に基づき、建設業許可を受けた事業者は、毎事業年度終了後に営業所の所在地を管轄する許可行政庁へ届出を行う義務があります。

この届出の目的は、許可行政庁が建設業者の経営状況や工事実績を継続的に把握することにあります。届出された財務諸表や工事経歴書は一般に閲覧可能であり、発注者が建設業者を選定する際の判断材料としても活用されています。

提出期限(事業年度終了後4か月以内)

提出期限は、事業年度終了の日から4か月以内です。たとえば3月決算の法人であれば、7月末日までに届出を完了する必要があります。

決算月 提出期限
3月決算 7月末日まで
9月決算 翌年1月末日まで
12月決算 翌年4月末日まで

この期限は厳格に運用されており、「忘れていた」という理由で猶予が認められることはありません。税務申告が完了したら速やかに届出の準備に取りかかることが重要です。

届出を怠った場合の罰則

決算変更届を提出しなかった場合、建設業法第50条第1項第2号に基づき6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。実務上は直ちに刑事罰が適用されるケースは多くありませんが、以下のような実質的なペナルティが発生します。

  • 許可の更新が受理されない:過去5年分の決算変更届がすべて提出済みでなければ、更新申請を受け付けてもらえません
  • 経営事項審査(経審)を受けられない:公共工事の入札参加を目指す場合、経審の前提として決算変更届の提出が求められます
  • 行政指導の対象:許可行政庁から提出の催促や指導を受ける場合があります

許可の更新手続きについては「建設業許可の更新手続き|5年ごとの期限と必要書類一覧」で詳しく解説しています。

決算変更届に必要な書類一覧

決算変更届で提出する書類は以下の通りです。法人と個人事業主で財務諸表の様式が異なる点に注意してください。

書類名 様式 備考
変更届出書 様式第二十二号の二 表紙にあたる書類
工事経歴書 様式第二号 当該事業年度中に施工した工事を記載
直前3年の各事業年度における工事施工金額 様式第三号 過去3年分の実績を記載
貸借対照表 法人:様式第十五号 / 個人:様式第十八号 建設業会計に組替え済みのもの
損益計算書 法人:様式第十六号 / 個人:様式第十九号 完成工事原価報告書を含む
完成工事原価報告書 法人:様式第十六号の二 法人のみ(損益計算書の内訳)
株主資本等変動計算書 法人:様式第十七号 法人のみ
注記表 法人:様式第十七号の二 法人のみ
納税証明書 知事許可:事業税 / 大臣許可:法人税(個人は所得税)
使用人数 様式第四号 変更がある場合のみ
建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表 様式第十一号 変更がある場合のみ
定款(写し) 変更がある場合のみ(都道府県による)

都道府県によっては上記に加えて独自の書類を求める場合があります。提出前に管轄窓口へ確認してください。建設業許可の取得要件について確認したい方は「建設業許可の5つの要件|経管・専技・財産・誠実性・欠格事由」もご参照ください。

決算変更届の書き方|4つのステップ

Step 1: 財務諸表の作成(建設業会計への組替え)

決算変更届で最も手間がかかるのが財務諸表の作成です。税務申告用の決算書をそのまま提出することはできず、建設業法で定められた様式(建設業会計)に組替える必要があります。

組替えで特に注意すべき点は以下の通りです。

  • 売上高を「完成工事高」と「兼業事業売上高」に区分する
  • 売上原価を「完成工事原価」として、材料費・労務費・外注費・経費に分解する
  • 売掛金・買掛金を「完成工事未収入金」「工事未払金」等の建設業科目に読み替える
  • 仕掛中の工事がある場合は「未成工事支出金」「未成工事受入金」として計上する

税務申告を依頼している税理士が建設業会計に精通しているとは限りません。建設業に詳しい税理士や行政書士に組替えを依頼することで、記載ミスによる補正指示を避けられます。

Step 2: 工事経歴書の記載

工事経歴書(様式第二号)には、当該事業年度に施工した工事を許可業種ごとに記載します。記載のルールは以下の通りです。

  • 元請工事・下請工事に分けて、請負代金の大きい順に記載する
  • 元請工事のうち完成工事は、請負代金の大きい順に合計額が完成工事高の7割を超えるまで記載する
  • 軽微な工事(500万円未満等)のみの業種でも、主要なものを10件程度記載する
  • 工事実績がない業種は「該当なし」と記載する

経営事項審査(経審)を受ける予定がある場合は、工事経歴書の記載方法がさらに詳細になります。経審用の記載ルールに従わないと、後から修正を求められることがあるため注意が必要です。

Step 3: 変更届出書の作成

変更届出書(様式第二十二号の二)は届出の表紙にあたる書類で、記載内容はシンプルです。

  • 届出者の商号・所在地・代表者名
  • 許可番号・許可年月日
  • 届出事項(「事業年度終了」にチェック)
  • 届出日

様式は国土交通省のウェブサイトからダウンロードできます。都道府県独自の様式を使用する場合もあるため、管轄の窓口で確認してください。

Step 4: 管轄の都道府県庁(または地方整備局)へ提出

書類一式が揃ったら、管轄の許可行政庁へ提出します。

  • 知事許可:都道府県庁の建設業許可担当課(または土木事務所等の出先機関)
  • 大臣許可:主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局

提出方法は窓口持参が基本ですが、郵送を受け付ける行政庁も増えています。また、一部の都道府県では電子申請(建設業許可・経営事項審査電子申請システム「JCIP」)が利用可能です。窓口提出の場合は、控えに受領印をもらい、提出済みの記録を必ず保管してください。

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よくある質問

Q. 決算変更届の提出に手数料はかかりますか?

決算変更届の提出自体に手数料はかかりません。建設業許可の新規申請(知事許可90,000円)や更新(50,000円)とは異なり、届出のため無料で受理されます。ただし、納税証明書の取得費用(数百円程度)は実費として発生します。

Q. 過去の決算変更届を出していない場合、遡って提出できますか?

はい、遡及して提出することは可能です。未提出の年度がある場合は、その年度の財務諸表や工事経歴書を作成し、まとめて提出する必要があります。特に許可更新の時期が迫っている場合は、過去5年分の決算変更届がすべて提出済みでなければ更新申請が受理されません。早急に対応しましょう。

Q. 工事実績がゼロの年度でも届出は必要ですか?

必要です。工事の受注がなかった事業年度であっても、届出義務は免除されません。工事経歴書には「該当なし」と記載し、財務諸表は通常通り作成して提出します。建設業許可を維持する限り、毎年の届出は必須です。

まとめ

決算変更届は、建設業許可を維持するうえで毎年欠かさず行うべき届出です。提出を怠ると許可更新が受理されず、営業に支障をきたすおそれがあります。

  • 提出期限は事業年度終了後4か月以内
  • 財務諸表は建設業会計の様式に組替えが必要
  • 未提出の場合、許可更新・経審の前提条件を満たせない

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※ 2026年3月時点の建設業法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省の建設業許可ページでご確認ください。

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