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建設業許可の欠格事由一覧|該当した場合の対応と回避策

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建設業許可の申請で意外と見落とされがちなのが「欠格事由」の確認です。許可の5要件(経管・専技・財産的基礎・誠実性・欠格事由)のうち、経営業務の管理責任者や専任技術者の配置に目が行きがちですが、欠格事由に一つでも該当していると、他の要件をすべて満たしていても許可は下りません。しかも、個人事業主や法人の代表者だけでなく、役員・支配人・令3条使用人まで対象になるため、確認すべき範囲は想像以上に広いのが実情です。

結論として、建設業許可の欠格事由は建設業法第8条に14項目が定められており、破産者で復権を得ない者、一定の刑罰を受けて5年を経過しない者、暴力団関係者などが該当します。法人の場合は全役員・令3条使用人まで確認が必要です。

「欠格事由に該当するか不安」「役員変更で許可に影響がないか確認したい」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。相談は何度でも無料・全国対応です。

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建設業許可の欠格事由とは何か?

欠格事由とは、建設業法第8条(個人・法人共通)および第17条(特定建設業の許可基準)に定められた「許可を与えてはならない事由」のことです。許可申請者やその役員等がいずれかの欠格事由に該当する場合、許可行政庁は許可を出すことができません。

欠格事由は、建設業許可の5つの要件(経営業務の管理責任者・専任技術者・財産的基礎・誠実性・欠格事由非該当)の一つに位置づけられています。他の4要件をすべて満たしていても、欠格事由に1つでも該当すれば許可は不許可となります。

また、すでに許可を受けている事業者であっても、許可取得後に欠格事由に該当した場合は許可が取り消されます(建設業法第29条)。新規申請だけでなく、許可維持の観点でも欠格事由の理解は不可欠です。

欠格事由の確認対象者は誰か?

欠格事由は、許可申請者本人だけでなく、以下の者にも適用されます。

対象者 具体例
個人事業主 事業主本人
支配人 個人事業主が置く支配人(商業登記された者)
法人の役員等 取締役、執行役、持分会社の業務執行社員、顧問・相談役等で経営に実質的に関与する者
令3条使用人 従たる営業所(支店・支社)の代表者。契約締結権限を持つ支店長・営業所長など

法人の場合、代表取締役だけでなくすべての取締役や令3条使用人が対象です。1人でも欠格事由に該当する者がいれば、法人全体として許可を受けることができません。役員変更や営業所長の交代の際には、新任者の欠格事由該当性を事前に確認しておく必要があります。

欠格事由の一覧|建設業法第8条の14項目

建設業法第8条に定められた欠格事由は14項目あります。以下の表で整理します。

欠格事由の内容 期間制限
1号 破産者で復権を得ない者 復権を得るまで
2号 不正の手段で許可を受けた等の理由で許可を取り消された者 取消の日から5年間
3号 許可取消の聴聞通知後に廃業届を出した者(取消処分を逃れるための廃業) 届出の日から5年間
4号 上記3号の届出があった法人の役員等(届出の60日前までに役員等であった者) 届出の日から5年間
5号 営業停止処分を受けてその期間が経過しない者 停止期間が経過するまで
6号 営業禁止処分を受けてその期間が経過しない者 禁止期間が経過するまで
7号 拘禁刑以上の刑に処せられた者(犯罪の種類を問わない) 刑の執行終了等から5年間
8号 一定の法令違反で罰金刑に処せられた者(対象法令は後述) 刑の執行終了等から5年間
9号 暴力団員、または暴力団員でなくなった者 脱退から5年間
10号 精神の機能の障害により建設業を適正に営むための認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者 該当する間
11号 未成年者で法定代理人が欠格事由に該当する場合 法定代理人が該当する間
12号 法人の役員等が欠格事由に該当する場合 該当者がいる間
13号 令3条使用人(支店の代表者等)が欠格事由に該当する場合 該当者がいる間
14号 暴力団員等がその事業活動を支配する者 支配関係がある間

なお、許可申請書や添付書類に「重要な事項について虚偽の記載がある場合」や「重要な事実の記載が欠けている場合」も不許可となります(建設業法第8条柱書)。これは欠格事由とは別枠ですが、申請時に見落とされやすいポイントです。

罰金刑が欠格事由になるのはどの法律に違反した場合か?

7号の拘禁刑(旧・懲役刑・禁錮刑)以上は犯罪の種類を問わず欠格事由となりますが、罰金刑の場合は対象が限定されます。8号で欠格事由となる罰金刑の対象法令は以下のとおりです。

  • 建設業法
  • 建築基準法第9条第1項・第10項前段の規定に基づく命令違反
  • 宅地造成及び特定盛土等規制法の一定の規定に基づく命令違反
  • 都市計画法第81条第1項の規定に基づく命令違反
  • 景観法第64条第1項の規定に基づく命令違反
  • 労働基準法第5条(強制労働の禁止)・第6条(中間搾取の排除)
  • 職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)
  • 労働者派遣法第4条第1項(適用対象業務以外の派遣禁止)
  • 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
  • 刑法の特定の罪:傷害(第204条)、現場助勢(第206条)、暴行(第208条)、凶器準備集合(第208条の3)、脅迫(第222条)、背任(第247条)
  • 暴力行為等処罰に関する法律

交通違反の罰金刑や業務上過失致傷の罰金刑などは対象外です。ただし、上記以外の罪であっても拘禁刑以上の判決を受けた場合は7号に該当します。

欠格事由に該当するとどうなるのか?

欠格事由に該当した場合の影響は、許可の申請段階か、許可取得後かによって異なります。

許可申請時に欠格事由が判明した場合

許可申請の審査において欠格事由への該当が判明した場合、申請は不許可となります。提出済みの申請書類は返却されず、支払い済みの許可手数料(知事許可9万円、大臣許可15万円)も返還されません。

許可取得後に欠格事由に該当した場合

すでに許可を受けている事業者の役員等が欠格事由に該当した場合は、建設業法第29条に基づき許可が取り消されます。許可取消の日から5年間は新たな許可を取得できないため(第8条第2号)、事業に甚大な影響が及びます。

  • 軽微な工事(500万円未満・建築一式は1,500万円未満)しか請け負えなくなる
  • 元請から下請工事を受注できなくなる可能性がある
  • 公共工事の入札参加資格を失う
  • 取消の事実が国土交通省のウェブサイト等で公表される

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欠格事由に該当した場合はどう対応すればよいか?

欠格事由に該当してしまった場合でも、状況によっては許可を維持・取得できる可能性があります。以下に対応策を整理します。

法人の役員等が該当した場合の対応

法人の場合、欠格事由に該当するのが特定の役員や令3条使用人であれば、その者を退任・解任し、欠格事由に該当しない後任者を選任することで対応できます。ただし、許可行政庁に対して変更届を速やかに提出する必要があります。届出期限は変更内容によって異なり、経営業務の管理責任者・専任技術者・令3条使用人の変更は14日以内それ以外の役員(取締役等)の就退任は30日以内です(建設業法第11条、建設業法施行規則第7条の3)。

注意すべきは、役員が刑事事件で有罪判決を受けた場合など、発覚から退任手続きまでの時間です。欠格事由該当の事実が許可行政庁に知られた時点で許可取消の手続きが開始される可能性があるため、迅速な対応が求められます。

破産による欠格事由の場合

破産手続開始決定を受けた場合の欠格事由は、復権を得れば解消されます。復権には以下のパターンがあります。

  • 当然復権: 免責許可決定の確定、再生計画認可決定の確定、破産手続開始決定後に詐欺破産罪で有罪とならずに10年経過した場合など
  • 申立てによる復権: 債務を完済した場合など

個人の自己破産の場合、免責許可決定を得られれば当然復権となるため、比較的早期に欠格事由が解消されるケースが多いとされています。

刑罰による欠格事由の場合

拘禁刑以上の刑や対象法令の罰金刑を受けた場合は、刑の執行を終えた日から5年間待つ必要があります。執行猶予の場合は、猶予期間を無事に経過すれば刑の言渡し自体が効力を失うため、猶予期間満了日をもって欠格事由は解消されます。

申請時の誓約書と欠格事由の関係は?

建設業許可の申請時には、許可申請者やその役員等が欠格事由に該当しないことを証する「誓約書」の提出が求められます(建設業法施行規則の様式)。

この誓約書は自己申告の形式ですが、虚偽の申告は重大な問題を引き起こします。

  • 欠格事由に該当するにもかかわらず「該当しない」と虚偽の誓約をして許可を取得した場合、不正の手段による許可取得として許可が取り消される(建設業法第29条第1項第5号)
  • 許可取消の日から5年間は新たな許可を取得できない(第8条第2号)
  • 虚偽の申請書類を提出した場合は建設業法第50条に基づき6か月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、さらに虚偽・不正の事実に基づいて実際に許可を取得した場合は第47条第5号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が科される可能性がある

誓約書の提出にあたっては、対象となる全員(役員・令3条使用人など)の賞罰歴や過去の行政処分歴を正確に把握した上で署名・提出することが必要です。

2025年の建設業法改正で欠格事由に影響はあるか?

2024年6月に成立した建設業法等の改正(令和6年法律第49号)は、労務費確保・資材高騰対策・担い手確保を柱とする内容で、2025年中に段階的に施行されています。この改正は欠格事由の項目自体を変更するものではありません。

ただし、2025年6月1日に施行された刑法改正により、従来の「懲役」と「禁錮」が「拘禁刑」に一本化されました。これに伴い、建設業法の欠格事由でも従来の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に読み替えられます。欠格事由の実質的な範囲に変更はありませんが、条文の文言が変わっている点には留意が必要です。

また、2025年12月施行分の改正では、下請代金の労務費確保に関する規定ICT活用による施工体制台帳の作成など、許可制度の周辺に関わる変更が含まれています。欠格事由に直接の影響はないものの、建設業法全体の改正動向は定期的に確認しておくとよいでしょう。

よくある質問

Q. 執行猶予中でも建設業許可を取得できますか?

執行猶予期間中は、刑の執行が猶予されているだけで判決自体は有効なため、欠格事由に該当し許可を取得できません。執行猶予期間を無事に満了すると刑の言渡しの効力が消滅するため、その時点で欠格事由は解消されます。たとえば執行猶予3年の判決を受けた場合、猶予期間の3年間は許可を取得できませんが、3年経過後に申請が可能になります。

Q. 役員の1人が欠格事由に該当した場合、法人全体が不許可になりますか?

はい、法人全体として許可を受けることができなくなります。建設業法第8条第12号は、法人の役員等のうち1人でも欠格事由に該当する者がいる場合、その法人に許可を与えてはならないと定めています。対応策としては、該当する役員を退任させ、欠格事由に該当しない後任者を選任した上で許可申請を行う方法があります。

Q. 交通事故で罰金刑を受けた場合、欠格事由に該当しますか?

交通事故による罰金刑は、原則として建設業許可の欠格事由には該当しません。欠格事由となる罰金刑は、建設業法・建築基準法・労働基準法・暴力団対策法・刑法の特定の罪(傷害・暴行・脅迫・背任など)に限定されています。ただし、交通事故であっても危険運転致傷罪などで拘禁刑(旧・懲役刑)以上の判決を受けた場合は、7号の欠格事由に該当します。

まとめ

建設業許可の欠格事由は建設業法第8条に14項目が定められており、1つでも該当すれば許可は取得できず、許可取得後に該当した場合は許可が取り消されます。要点を整理します。

  • 欠格事由の確認対象は、個人事業主本人だけでなく法人の全役員・支配人・令3条使用人にまで及ぶ
  • 拘禁刑以上の刑は犯罪の種類を問わず欠格事由となり、刑の執行終了等から5年間は許可を取得できない
  • 罰金刑は建設業法・暴力行為関連の法令など対象法令が限定されている
  • 法人の場合、該当する役員等を退任・解任して後任者を選任することで対応できる場合がある
  • 許可申請時の誓約書で虚偽の申告をすると、不正取得として許可取消+刑事罰の対象となる

欠格事由は専門的な判断が必要な項目も多く、該当するかどうかの判断に迷うケースも少なくありません。許可申請前の段階で不安がある場合は、専門家に事前確認を依頼しておくことをおすすめします。

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※ 2026年3月時点の建設業法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省でご確認ください。

※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。

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