建設業関連

解体工事業のIT活用と建設業許可・登録|3Dスキャナ・工程管理の実務と制度

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結論から言えば、解体工事業のIT活用は「3Dスキャナによる現況の3次元計測」と「デジタルな工程管理」を組み合わせることで、見積精度・廃棄物量の把握・近隣説明の質を底上げできる取り組みです。ただしITをどれだけ導入しても、建設業の許可・登録という制度上の足場が崩れていれば事業は成り立ちません。行政書士法人Treeは、建設業許可や建設リサイクル法に基づく解体工事業登録といった「許認可の書類作成・提出代行」を職域とし、IT導入に伴う補助金申請の検討段階でも、制度面から事業者の歩みを支えます。設備投資の税務や労務、ソフトウェアの契約トラブルなど職域外の論点は、税理士・社会保険労務士・弁護士と連携してご案内します。本記事では、IT活用の前提となる制度と、3Dスキャナ・工程管理の実務上のポイントを整理します。

解体工事を行うために必要な「許可」と「登録」の区分

解体工事を請け負うには、工事の規模に応じて許可・登録の要否を確認する必要があります。3Dスキャナや工程管理アプリを導入する前に、まず次の3点を確認してください。

  • 単独の解体工事で税込500万円以上の工事を請け負うか
  • 土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかの建設業許可を持っているか
  • 電子マニフェストや工程管理アプリを、現場記録・廃棄物管理・近隣対応記録とどう連携させるか
  • 建設業許可(解体工事業):請負金額が税込500万円以上の解体工事を請け負う場合に必要です。建設業法上、解体工事業は平成28年6月1日施行の改正で「とび・土工工事業」から独立した業種として新設されました。
  • 解体工事業登録(建設リサイクル法):土木工事業・建築工事業・解体工事業に係る建設業許可を受けていない事業者が、税込500万円未満の解体工事を請け負う場合に、工事を行う区域を管轄する都道府県知事の登録を受ける制度です(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律=建設リサイクル法第21条)。

なお、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかに係る建設業許可を受けている場合は、建設リサイクル法上の解体工事業登録は別途不要です。建設業許可は施工区域で区切る制度ではありませんが、土木・建築一式工事に含まれる解体工事か、単独の解体工事かなど、建設業法上の業種判断は個別に確認が必要です。自社の請負規模と施工エリアを棚卸ししたうえで、IT化の議論に進むことをおすすめします。

3Dスキャナ(3次元計測)が解体工事で果たす役割

3Dスキャナは、建物や周辺地形にレーザーを照射し、無数の点の集合(点群データ)として現況を3次元で記録する機器です。解体工事の現場では、次のような場面で活用が進んでいます。

  • 見積・数量算出の精度向上:建物の体積や延床面積を点群から算出し、発生する廃棄物量(コンクリート殻、木くず等)の概算に役立てる。
  • 狭隘地・既存図面のない建物への対応:図面が現存しない古い建物でも、現況をそのままデジタルデータ化できる。
  • 近隣・発注者への説明資料:3次元モデルを用いた可視化により、解体の手順や影響範囲を関係者へ説明しやすくなる。
  • 施工管理・安全確認:着手前後の出来形を3次元で比較し、計画との差異を把握する。

国土交通省は、調査・測量から設計・施工・維持管理まで一貫して3次元データを活用する「i-Construction」「BIM/CIM」を推進しています。令和6年4月には、省人化・自動化を見据えた「i-Construction 2.0」が公表されました。3次元計測はこうした流れの入口に位置づけられる技術です。

デジタルな工程管理で何が変わるか

解体工事は、足場・養生、内装撤去、躯体解体、廃棄物の分別・搬出、整地という工程が連続し、天候・近隣事情・廃棄物処理の受入状況に左右されやすい工事です。クラウド型の工程管理・施工管理ツールを使うと、以下の管理がデジタルで一元化できます。

管理項目 従来(紙・口頭中心) デジタル工程管理
進捗共有 日報・電話で都度連絡 クラウド上でリアルタイム共有
写真・記録 カメラとアルバム整理 工事写真を工程・場所と紐づけ保存
マニフェスト連携 紙の控えを手作業で照合 電子マニフェストと進捗を関連管理
近隣対応の記録 担当者の手控え 対応履歴を時系列で保存

産業廃棄物の処理状況を記録する電子マニフェスト(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営する電子マニフェストシステム「JWNET」)と工程管理を連携させることで、分別・搬出の記録を後追いで整理する手間を減らせます。なお、産業廃棄物の収集運搬・処分に関する許可や運用は環境部局・各都道府県の所管であり、最新の取扱いを別途確認してください。

技術管理者・主任技術者とIT活用の関係

IT機器を導入しても、現場に置くべき人の要件は変わりません。建設リサイクル法第31条に基づき、解体工事業者は、施工の技術上の管理をつかさどる「技術管理者」を選任する義務があります(なお、1人の技術管理者が複数の工事現場を兼務することも認められています)。技術管理者の要件は、一定の資格・登録試験の合格、指定学科卒業後の実務経験、解体工事に関する実務経験などとして、解体工事業に係る登録等に関する省令で定められています。講習修了は実務経験年数の短縮要素となる場合がありますが、講習修了だけで常に技術管理者になれるわけではありません。

また、建設業許可を受けた建設業者が、その許可業種に係る建設工事を請け負って施工する場合は、請負金額の大小や元請・下請を問わず、原則として現場に主任技術者等を配置する必要があります。さらに、元請として一定額以上の下請契約を締結する場合は、主任技術者に代えて監理技術者の配置が必要となる場合があります。3Dスキャナの点群や施工管理アプリは、これら技術者の判断を補助するツールであって、有資格者の配置を代替するものではありません。「ITで省人化したから技術者を置かなくてよい」という整理にはならない点に注意してください。

IT導入の費用と補助金を検討するときの留意点

3Dスキャナや施工管理ソフトの導入費は、機器・ソフトの種類により幅があります。中小企業・小規模事業者等によるAIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する制度として、中小企業庁の「デジタル化・AI導入補助金」があります。同補助金は、令和7年度補正予算事業から従来の「IT導入補助金」から名称変更されたもので、申請枠ごとに補助率・上限額が定められています。補助率や対象経費は年度・公募回ごとに変わるため、必ず事務局の最新公募要領で確認してください。

当事務所は補助金申請の代行を主たる業務とはしていませんが、IT投資の前提となる建設業許可・解体工事業登録の維持状況の確認はお手伝いできます。補助金の採択・税務処理の可否や、ソフトウェアのリース・契約条項の精査は、それぞれ補助金支援機関・税理士・弁護士の領域です。設備投資全体の資金計画は、これら専門家と連携してご検討ください。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeは、解体工事業を営む事業者の許認可に関する書類作成・提出代行を行っています。具体的には、建設業許可(解体工事業)の新規・業種追加・更新の申請書類作成、建設リサイクル法に基づく解体工事業登録の申請、各種変更届の作成・提出を承ります。IT化・3次元計測の導入を機に事業体制を見直す場面でも、制度面の足元を整えるお手伝いが可能です。

料金の目安は次のとおりです(いずれも税込。登録免許税・証紙代・登録手数料・分析手数料・行政手数料等の実費は別途)。

  • 新規建設業許可申請代行(知事許可):110,000円(税込)
  • 業種追加(知事許可):55,000円(税込)
  • 建設業許可更新申請代行(知事許可):55,000円(税込)

解体工事業登録は66,000円(税込)、建設業許可(解体工事業)は110,000円(税込)が目安です。経営事項審査は、経審スポット159,500円(税込)、経審スタンダード192,500円(税込)、入札ワンストップ220,000円(税込)です。登録手数料・許可手数料・分析手数料・行政手数料等の実費は別途です。詳細・ご依頼は建設業許可サポートのご案内をご覧ください。ご相談は何度でも無料です。

建設業許可の取得・更新でお困りではありませんか。行政書士法人Treeでは、要件の確認から申請書類の作成・提出代行、決算変更届や各種変更届まで対応します。ご相談は何度でも無料です。

建設業許可サポートの詳細を見る

まとめ

解体工事業のIT活用は、3Dスキャナによる現況の3次元計測で見積・廃棄物量・説明資料の精度を高め、デジタル工程管理で進捗・写真・マニフェスト記録を一元化する取り組みです。一方で、単独の解体工事を税込500万円以上で請け負う場合は建設業許可、土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可がない事業者が税込500万円未満の解体工事業を営む場合は建設リサイクル法の解体工事業登録という制度上の前提や、技術管理者・主任技術者等の配置義務は、IT化によって変わりません。制度の足場を固めたうえでIT投資を進めることが、堅実な事業運営につながります。許認可の書類面でお困りの際は、行政書士法人Treeにご相談ください。

解体工事業のIT活用に関するよくある質問

Q:3Dスキャナを導入すれば、解体工事業登録や建設業許可は不要になりますか。

A:いいえ。3Dスキャナはあくまで計測・管理のための機器であり、許認可の要否とは関係ありません。単独の解体工事を税込500万円以上で請け負う場合は、原則として解体工事業の建設業許可が必要です。税込500万円未満であっても、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれの建設業許可もない事業者が解体工事業を営む場合は、工事を行う区域を管轄する都道府県知事の解体工事業登録が必要です。

Q:施工管理アプリで管理すれば、現場の技術管理者の選任は省略できますか。

A:できません。建設リサイクル法第31条により、解体工事業者は技術管理者を選任する義務があります(1人の技術管理者が複数の現場を兼務することも可能です)。ITツールは技術者の業務を補助するものであり、有資格者の配置を代替しません。

Q:解体工事業登録の有効期間はどのくらいですか。

A:建設リサイクル法に基づく解体工事業登録の有効期間は5年です。引き続き営業する場合は、有効期間満了前に更新の登録を受ける必要があります。具体的な更新時期や手続は、登録先の都道府県の最新の案内をご確認ください。

Q:IT機器の導入費に使える補助金はありますか。

A:中小企業庁の「デジタル化・AI導入補助金」は、AIを含むITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する制度です。令和7年度補正予算事業から、従来の「IT導入補助金」から現在の名称に変更されています。補助率・上限額・対象経費は年度や公募回ごとに変わるため、事務局の最新公募要領で確認が必要です。補助金の制度選択や事業計画の作成支援は補助金支援機関等、税務処理は税理士に確認してください。

Q:建設業許可の新規申請を御社に依頼すると、費用はいくらですか。

A:建設業許可(知事・新規)の書類作成・提出代行は110,000円(税込)です。業種追加は55,000円(税込)、更新は55,000円(税込)が目安となります。いずれも登録免許税・証紙代等の実費は別途です。解体工事業登録など他の手続の費用は、内容を伺ったうえでお見積りします。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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