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犯罪被害に遭ったとき、「告訴」と「告発」のどちらをすればよいのか迷う方は少なくありません。どちらも捜査機関に犯罪事実を申告する手続きですが、誰が行えるかと法的効果に大きな違いがあります。この記事では、告訴と告発の違いを比較表で整理し、それぞれの手続き方法・提出先・注意点まで解説します。
「告訴状・告発状の作成方法がわからない」「警察に受理してもらえるか不安」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。告訴状・告発状の作成を専門家がサポートします。相談は何度でも無料です。
目次
告訴と告発の違いを比較表で解説
告訴と告発はいずれも刑事訴訟法に定められた手続きですが、以下のような違いがあります。
| 項目 | 告訴 | 告発 |
|---|---|---|
| 定義 | 犯罪の被害者等が捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示(刑訴法230条) | 犯人・被害者以外の第三者が捜査機関に犯罪事実を申告し、処罰を求める意思表示(刑訴法239条1項) |
| できる人 | 被害者本人、法定代理人、被害者の親族(一定の場合) | 誰でも可能(犯人を除く) |
| 提出先 | 検察官または司法警察員(警察署) | 検察官または司法警察員(警察署) |
| 捜査機関の義務 | 受理した場合、捜査を行う義務がある | 受理した場合、捜査を行う義務がある |
| 親告罪との関係 | 親告罪では告訴がなければ起訴できない | 告発では親告罪の訴訟条件を満たさない |
| 取消し | 公訴提起前であれば取消し可能(刑訴法237条1項) | 取消し可能(ただし取消しの効果や時期は事案・根拠法による) |
| 告訴期間 | 親告罪の場合、犯人を知った日から6か月(刑訴法235条1項) | 期間制限なし(公訴時効の範囲内) |
最も大きな違いは「誰が行うか」です。告訴は被害者側が行う手続きであるのに対し、告発は被害者以外の第三者であっても行うことができます。
告訴とは?被害者が犯人の処罰を求める手続き
告訴ができる人(告訴権者)
告訴ができるのは以下の人です(刑事訴訟法230条〜234条)。
- 被害者本人(刑訴法230条)
- 被害者の法定代理人(未成年者や成年被後見人の場合。刑訴法231条1項)
- 被害者が死亡した場合の配偶者・直系親族・兄弟姉妹(刑訴法231条2項。ただし被害者の明示した意思に反することはできない)
- 被害者の親族(被害者の法定代理人が被疑者本人等の場合。刑訴法232条)
告訴が特に重要になるケース(親告罪)
親告罪とは、被害者等の告訴がなければ検察官が起訴できない犯罪類型です。親告罪にあたる主な犯罪は以下の通りです。
- 名誉毀損罪(刑法230条)・侮辱罪(刑法231条)
- 器物損壊罪(刑法261条)
- 信書開封罪(刑法133条)・秘密漏示罪(刑法134条)
- 未成年者略取・誘拐罪(刑法224条)
親告罪の場合、告訴には犯人を知った日から6か月の期間制限があります(刑訴法235条1項)。この期間を過ぎると告訴ができなくなるため、迅速な対応が必要です。
告発とは?第三者が犯罪を申告する手続き
告発ができる人
告発は犯人および被害者以外の誰でも行うことができます(刑訴法239条1項)。たとえば、犯罪を目撃した人、取引先、同僚などが告発することが可能です。
なお、公務員は職務上犯罪があると認めたときは告発する義務があります(刑訴法239条2項)。
告発が利用される主なケース
- 犯罪行為を知った第三者による告発:知人・同僚・取引先などが犯罪の事実を知り、捜査機関に申告するケース(詐欺・横領・暴行など)
- 内部告発:勤務先の不正行為(脱税・粉飾決算・違法な労働環境など)を従業員が告発するケース
- 脱税事件:国税当局が検察官に告発する
- 独占禁止法違反:公正取引委員会が検察官に告発する
告発は被害者でなくても行えるため、犯罪の事実を知った一般の方からの相談も少なくありません。「自分は被害者ではないが、犯罪を見過ごせない」という場合に利用される手続きです。
告訴状・告発状のどちらを作成すべきかわからない場合も、行政書士法人Treeにお気軽にご相談ください。状況をお伺いしたうえで、適切な手続きをご案内します。相談は何度でも無料です。
告訴・告発と被害届の違い
| 項目 | 告訴・告発 | 被害届 |
|---|---|---|
| 法的根拠 | 刑事訴訟法230条〜245条 | 犯罪捜査規範61条 |
| 処罰意思 | 犯人の処罰を求める意思表示を含む | 犯罪被害の事実を届け出るのみ(処罰意思なし) |
| 捜査義務 | 受理後、捜査を行う義務あり | 法律上の捜査義務なし |
| 親告罪の要件 | 告訴は親告罪の訴訟条件を満たす | 被害届では親告罪の訴訟条件を満たさない |
| 書面の形式 | 告訴状・告発状(刑訴法241条) | 被害届出書(所定様式) |
被害届は犯罪事実の届出にすぎず、捜査機関に捜査義務は生じません。犯人の処罰を望む場合は、被害届ではなく告訴状を提出することが重要です。告訴と被害届の違いの詳細は「告訴状と被害届の違い」で解説しています。
告訴状・告発状の提出方法
提出先
告訴状・告発状は、検察官または司法警察員(警察署の警察官)に提出します(刑訴法241条1項)。書面でも口頭でも可能ですが、実務上は書面(告訴状・告発状)で提出するのが一般的です。
記載すべき内容
告訴状・告発状に法定の書式はありませんが、一般的に以下の内容を記載します。
- 告訴人(告発人)の住所・氏名
- 被告訴人(被告発人)の住所・氏名(不明の場合は特定できる情報)
- 告訴(告発)の趣旨(処罰を求める意思表示)
- 犯罪事実(いつ・どこで・誰が・何をしたか)
- 該当する罰条(刑法の条文番号)
- 証拠書類等の一覧
告訴状の具体的な書き方は「告訴状の書き方ガイド」で記載例付きで解説しています。
受理されるためのポイント
告訴状・告発状は提出しても受理を拒まれるケースがあります。受理率を高めるためのポイントは以下の通りです。
- 犯罪事実を具体的かつ明確に記載する(5W1Hを意識する)
- 該当する罰条と構成要件を明示する
- 客観的な証拠資料を添付する
- 民事上のトラブルではなく刑事事件であることを明確にする
受理されないケースの詳細は「告訴状が受理されない5つの理由と対策」をご覧ください。
よくある質問
Q. 告訴は取り消せますか?
告訴は公訴が提起される前であれば取り消すことができます(刑訴法237条1項)。ただし、告訴を取り消した場合、同一事件について再度の告訴はできません(刑訴法237条2項)。示談が成立した場合に告訴を取り消すケースが実務上よく見られます。
Q. 告発にも取消しの制限はありますか?
告発も取消し自体は可能です。告訴と異なり、告発の場合は取消し後に再度の告発が可能とされています。ただし、取消しの効果や時期的な制限は事案や根拠法によって異なる場合があり(独禁法・関税法等に特則があります)、一律ではない点に注意が必要です。
Q. 法人(会社)は告訴できますか?
法人も被害者として告訴が可能です。たとえば、従業員による業務上横領の場合、会社(法人)の代表者が告訴人となって告訴状を提出できます。
Q. 告訴状と告発状の書式に違いはありますか?
書式に大きな違いはありません。タイトルが「告訴状」か「告発状」か、提出者が「告訴人」か「告発人」かが異なるだけで、記載すべき項目(犯罪事実・罰条・証拠等)は基本的に同じです。
まとめ
- 告訴は被害者等が、告発は第三者が行う犯罪事実の申告
- 親告罪では告訴がなければ起訴できない(告発では不可)
- 親告罪の告訴には犯人を知った日から6か月の期限がある
- 告訴を取り消すと再告訴は不可(告発は再度可能)
- 被害届と異なり、告訴・告発には捜査機関の捜査義務がある
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※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


