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「配偶者や子どもを日本に呼びたいが、どの在留資格を取ればいいのか分からない」——就労ビザで日本に滞在する外国人の方から、こうしたご相談は少なくありません。
家族滞在ビザ(在留資格「家族滞在」)は、日本で働く外国人の配偶者と子に認められる在留資格です。ただし、取得には「扶養者の在留資格」「扶養の実態」「経済力」の3つの要件を満たす必要があり、就労にも週28時間の制限があります。また、特定技能1号では原則として家族帯同が認められない点にも注意が必要です。
本記事では、家族滞在ビザの申請条件・必要書類・手続きの流れ・就労制限を一つずつ整理しています。企業の人事担当者の方にも、外国人ご本人にも参考になるよう、よくある誤解や見落としやすいポイントも併せて取り上げました。
「家族を日本に呼びたいが、手続きが複雑で不安」「自分の在留資格で家族を呼べるか確認したい」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。入管届出済行政書士がお一人おひとりの状況に合わせてご案内いたします。相談は何度でも無料です。
目次
家族滞在ビザとは?対象者と基本的な仕組み
家族滞在ビザとは、日本に中長期で在留する外国人に扶養される配偶者または子が取得できる在留資格です。入管法の別表第一の四に定められており、「扶養を受けること」を活動内容とする在留資格にあたります。
ここで注意したいのが、対象が「配偶者と子」に限定されている点です。外国人本人の両親や兄弟姉妹は対象外であり、家族滞在ビザで呼び寄せることはできません。親を呼ぶには短期滞在ビザ(90日以内)の利用が一般的で、長期滞在には別の方法を検討する必要があります。
扶養者(本体者)側の在留資格要件
家族滞在ビザを申請できるのは、扶養者が以下のいずれかの在留資格を持っている場合に限られます。
| 区分 | 対象となる在留資格 |
|---|---|
| 就労系 | 教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能 |
| 非就労系 | 文化活動、留学 |
| 特定技能 | 特定技能2号のみ |
特に見落としやすいのが、特定技能1号では家族帯同が原則として認められないという点です。特定技能1号で在留する外国人の配偶者や子どもは、家族滞在ビザを取得できません。家族の帯同を希望する場合は、特定技能2号への移行が必要です。
各在留資格の種類と特徴については「在留資格の種類一覧|就労・身分・留学ビザの違いと選び方」で詳しく解説しています。
「配偶者」と「子」の範囲
家族滞在ビザにおける「配偶者」には、法律上の婚姻関係にある者のみが該当します。事実婚(内縁関係)や婚約者は対象外です。外国で有効に成立した同性婚についても、現行の入管実務では家族滞在の「配偶者」としては認められていません。ただし、本国で有効に成立した同性婚の場合は、在留資格「特定活動」(告示外)により在留が認められるケースがあります。
「子」には実子だけでなく養子や認知された子も含まれます。ただし、成人した子の場合は扶養を受ける必要性を個別に立証しなければなりません。大学に通っている場合は留学ビザの方が適切なケースもあるため、状況に応じた在留資格の選択が重要です。
家族滞在ビザの取得に必要な3つの要件
家族滞在ビザの審査では、大きく分けて3つの要件が確認されます。いずれか一つでも満たせないと不許可になる可能性があるため、事前の確認が大切です。
要件1:扶養の実態があること
申請人(配偶者や子)が、扶養者から実際に経済的な扶養を受けていることが求められます。形式的に婚姻関係があるだけでは足りず、生活費を負担している実態を示す証拠(送金記録や同居の事実など)が必要です。
なお、被扶養者の年収が扶養者を上回っている場合は「扶養を受けている」とは認められにくくなります。家族滞在ビザはあくまで「扶養を受ける」ことを前提とした在留資格であるためです。
要件2:扶養者に十分な経済力があること
扶養者が日本で家族と生活するだけの安定した収入を得ていることが審査されます。具体的な金額基準は公表されていませんが、一般的には日本での生活費(家賃・食費・教育費など)を賄える水準が求められると考えられています。
住民税課税証明書や納税証明書、在職証明書などで収入の安定性を示すことになります。留学生が扶養者の場合は、奨学金の受給証明書や預金残高証明書が重要な資料となります。
要件3:家族関係を証明できること
婚姻関係や親子関係を公的書類で証明する必要があります。日本で婚姻した場合は戸籍謄本や婚姻届受理証明書、海外で婚姻した場合は外国政府が発行した結婚証明書(和訳を添付)が必要です。子の場合は出生証明書が該当します。
申請に必要な書類と手続きの流れ
家族滞在ビザの取得方法は、家族が海外にいる場合(在留資格認定証明書交付申請)と既に日本にいる場合(在留資格変更許可申請)で異なります。
ステップ1:必要書類を準備する
| 書類 | 海外から呼び寄せ | 日本国内で変更 |
|---|---|---|
| 申請書(認定証明書交付申請書 or 変更許可申請書) | ○ | ○ |
| 証明写真(縦4cm×横3cm) | ○ | ○ |
| パスポートの写し | ○ | ○ |
| 在留カード(両面のコピー) | ― | ○ |
| 身分関係を証明する書類(結婚証明書・出生証明書等) | ○ | ○ |
| 扶養者の在留カードの写し | ○ | ○ |
| 扶養者のパスポートの写し | ○ | ○ |
| 扶養者の在職証明書 | ○ | ○ |
| 住民税課税証明書・納税証明書 | ○ | ○ |
| 返信用封筒(460円分の切手貼付、またはレターパックプラス) | ○ | ― |
外国語の書類には日本語訳の添付が必要です。翻訳者の氏名と連絡先を訳文に記載します。
ステップ2:申請を提出する
申請先は、扶養者の住所地を管轄する地方出入国在留管理局(入管)です。原則として本人出頭が求められますが、行政書士(申請取次行政書士)に依頼すれば、本人が入管に出向かずに申請を行うことが可能です。
ステップ3:審査結果を待つ
審査期間の目安は以下のとおりです。
| 申請種別 | 標準処理期間の目安 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付申請 | 1〜3か月 |
| 在留資格変更許可申請 | 2週間〜1か月 |
| 在留期間更新許可申請 | 2週間〜1か月 |
認定証明書が交付されたら、申請人の母国の在外日本公館(大使館・領事館)でビザの発給を受け、来日します。認定証明書の有効期限は交付日から3か月です。期限内に入国しないと無効になるため、スケジュール管理に注意してください。
ステップ4:在留期間の更新
家族滞在ビザの在留期間は、入管法施行規則により「5年」「4年3月」「4年」「3年3月」「3年」「2年3月」「2年」「1年3月」「1年」「6月」「3月」の11種類が定められています。実務上は扶養者の在留期間に連動するケースが多く、扶養者が3年であれば家族滞在も3年が付与されることが一般的です。期限が来る前に在留期間更新許可申請を行う必要があり、更新手続きでも扶養者との関係や経済状況が再確認されます。
在留資格の更新と変更の違いや手続きの流れについては「就労ビザの在留資格変更と在留期間更新の違い|必要書類と申請の流れ」も参考にしてください。
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家族滞在ビザの就労制限と資格外活動許可
家族滞在ビザは「扶養を受けること」を活動内容とする在留資格であるため、原則として就労は認められていません。しかし、「資格外活動許可」を取得すれば、一定の条件のもとでアルバイトなどの就労が可能になります。
包括許可と個別許可の違い
資格外活動許可には包括許可と個別許可の2種類があります。
| 種類 | 内容 | 時間制限 |
|---|---|---|
| 包括許可 | 勤務先や業務内容を特定せず、広く就労を許可 | 1週28時間以内 |
| 個別許可 | 特定の勤務先・業務内容に限定して許可 | 許可内容によるが、本来の在留活動を妨げない範囲 |
多くの場合は包括許可を申請するのが一般的です。包括許可であれば、勤務先が変わるたびに再申請する必要はありません。
「週28時間」の数え方
週28時間のカウントは、任意の連続する7日間で28時間以内という考え方です。月曜から日曜の固定1週間ではなく、どの曜日を起点にしても連続7日間で28時間を超えてはなりません。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての就労時間を合算してカウントします。
この上限を超えた場合は入管法違反(不法就労活動)となり、在留資格の取消しや更新不許可のリスクがあります。雇用する企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があるため、労働時間の管理は雇用主・被雇用者の双方にとって重要です。
就労が禁止されている業種
資格外活動許可を取得しても、以下の業種では就労できません。
- 風俗営業(パチンコ店、ゲームセンター、マージャン店など)
- 性風俗関連特殊営業
- 接待を伴う飲食業(いわゆるスナック、キャバクラなど)
家族滞在から他の在留資格へ変更するケース
家族滞在ビザから別の在留資格へ変更するケースもあります。状況に応じて最適な在留資格を選ぶことが、長期的な在留計画には重要です。
就労ビザへの変更
家族滞在で在留中に日本の大学を卒業した場合などは、技術・人文知識・国際業務などの就労系在留資格への変更が考えられます。この場合、就労系在留資格の要件(学歴・職務内容の一致など)を別途満たす必要があります。
なお、出入国在留管理庁は、家族滞在で在留し日本で義務教育を修了したうえで高等学校を卒業した方が就労を希望する場合の特別な取扱いを公表しています。一定の要件のもとで「定住者」または「特定活動」への変更が認められる場合があり、詳細は出入国在留管理庁の案内ページをご確認ください。
配偶者ビザ(日本人の配偶者等)への変更
家族滞在ビザで在留中の方が日本人と婚姻した場合は、「日本人の配偶者等」への在留資格変更が可能です。配偶者ビザには就労制限がないため、フルタイムで働けるようになります。
扶養者が在留資格を喪失した場合
扶養者が在留資格を失った場合(退職・帰国など)、家族滞在ビザの前提が崩れるため注意が必要です。扶養者が別の在留資格に変更できれば引き続き家族滞在の維持が可能ですが、扶養者が帰国するケースでは、被扶養者も在留資格の変更または帰国を検討する必要があります。
よくある質問
Q. 特定技能1号の外国人は家族を日本に呼べますか?
特定技能1号では原則として家族帯同は認められていません。配偶者や子を家族滞在ビザで呼び寄せることはできないのが現行制度のルールです。家族の帯同を希望する場合は、特定技能2号に移行する必要があります。ただし、特定技能1号で在留中に日本で出産した場合など、例外的に認められるケースもあります。
Q. 家族滞在ビザでフルタイム(週40時間)で働くことはできますか?
できません。資格外活動許可(包括許可)で認められるのは週28時間以内の就労であり、フルタイム勤務はこの上限を超えてしまいます。フルタイムで働きたい場合は、技術・人文知識・国際業務などの就労系在留資格に変更するか、配偶者ビザ(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等)への変更が必要です。
Q. 離婚した場合、家族滞在ビザはどうなりますか?
家族滞在ビザは扶養者との家族関係を前提とした在留資格です。離婚すると「配偶者」の身分を失うため、家族滞在ビザを維持できなくなります。離婚後は14日以内に入管へ届出(配偶者に関する届出)を行う義務があり、速やかに他の在留資格への変更を検討する必要があります。そのまま放置すると在留資格の取消し対象になる場合があります。
Q. 両親を家族滞在ビザで呼ぶことはできますか?
家族滞在ビザの対象は「配偶者」と「子」に限られており、両親は対象外です。親を日本に招くには短期滞在ビザ(90日以内)を利用するのが一般的です。高度専門職の在留資格を持つ場合は、一定の要件のもとで親の帯同が特別に認められるケースがありますが、これは家族滞在ビザとは別の特例措置です。
まとめ
家族滞在ビザは、日本で働く外国人が配偶者や子どもと一緒に暮らすための大切な在留資格です。取得には「扶養の実態」「十分な経済力」「家族関係の証明」の3つの要件を満たすことが必要であり、就労には資格外活動許可の取得と週28時間以内の制限が課されます。
特に気をつけたいのが、特定技能1号では家族帯同が認められない点や、離婚時の届出義務、週28時間制限の厳格な計算方法です。手続きの全体像を理解し、必要書類を不備なく準備することが、スムーズな許可取得につながります。
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| サービス | 料金(税抜) |
|---|---|
| 在留資格認定・変更申請 | 50,000円〜 |
| 在留期間更新申請 | 25,000円〜 |
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※ 本記事の内容は2026年3月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料・様式は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。
※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


