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高度専門職1号のポイント計算シミュレーション|学歴・職歴・年収・加点項目

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結論から言えば、在留資格「高度専門職1号」を取得するには、予定する活動が対応する就労資格の要件を満たしたうえで、学歴・職歴・年収・年齢等のポイント合計が70点以上となる必要があります。申請準備の前に、公式のポイント計算表に沿って自分の点数を正確にシミュレーションすることが出発点です。年収の数え方や職歴の範囲を誤解したまま自己計算し、実際には点数が足りていなかったという相談は少なくありません。当事務所は申請取次行政書士として、ポイントの事前診断から立証資料の設計、出入国在留管理局への申請までを一貫して担い、年収立証など税務資料が絡む場面では税理士とも連携して対応します。本記事では、高度専門職1号のポイント配点を項目別に整理し、モデルケースで実際の計算手順を示します。

高度専門職1号とは|ポイント制の法的根拠と3つの類型

高度専門職は、出入国管理及び難民認定法(入管法)別表第一の二に定められた在留資格で、2015年4月1日に施行されました。ポイントの配点と合格基準は「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令」(平成26年法務省令第37号。いわゆる高度専門職省令)に規定されています。詳細は出入国在留管理庁「ポイント評価の仕組みは?」で公表されています。

高度専門職1号は、1号イ(高度学術研究活動)、1号ロ(高度専門・技術活動)、1号ハ(高度経営・管理活動)の3類型に分かれ、それぞれ別のポイント計算表が適用されます。いずれも合格点は70点で、取得すると在留期間5年の付与をはじめ他の就労資格にはない優遇措置があります。本記事では、申請が最も多い1号ロを中心に解説します。

基本3項目の配点|学歴・職歴・年齢

まず年収以外の基本項目です。高度専門・技術分野(1号ロ)の配点は次のとおりです。

項目 内容 点数
学歴 博士号(専門職学位を除く) 30点
修士号または専門職学位※経営管理に関する専門職学位(MBA・MOT)保有者は別途+5点 20点
大学卒業またはこれと同等以上の教育(短期大学・高等専門学校の卒業、専修学校専門課程の「高度専門士」を含む。「専門士」は対象外) 10点
複数の分野で博士号・修士号・専門職学位を複数保有 +5点
職歴(実務経験) 10年以上 20点
7年以上 15点
5年以上 10点
3年以上 5点
年齢 29歳以下 15点
30〜34歳 10点
35〜39歳 5点

注意点は2つ。職歴は「これから従事しようとする業務に関連する実務経験」に限られ、異業種の経験年数は算入できません。また、学位は卒業証明書等、職歴は在職証明書等で立証できることが前提で、書面で証明できない期間は点数に数えられません。なお、1号ハ(経営・管理分野)では職歴の配点が高い(10年以上25点)など類型ごとに配点が異なるほか、経営管理に関する専門職学位(MBA・MOT)の保有者には、1号ロ・1号ハのいずれでも別途5点が加算されます(1号イは対象外)。

年収の配点|年齢区分別の下限と最低年収基準300万円

年収は配点の比重が最も大きい項目です。高度学術研究分野・高度専門・技術分野では、年齢区分に応じてポイントが付与される年収の下限が変わります。

年収 〜29歳 30〜34歳 35〜39歳 40歳〜
1,000万円以上 40点 40点 40点 40点
900万円以上 35点 35点 35点 35点
800万円以上 30点 30点 30点 30点
700万円以上 25点 25点 25点
600万円以上 20点 20点 20点
500万円以上 15点 15点
400万円以上 10点

ここでの「年収」は、過去の収入ではなく、主たる受入機関からこれから受ける報酬の年額を指し、賞与(ボーナス)も含まれます。一方、超過勤務手当(残業代)は入国時点で発生額が不確かであるため報酬に含まれず、通勤手当・扶養手当・住宅手当等の実費弁償的な手当も算入できません。海外の機関からの転勤の場合は、当該機関から受ける報酬の年額を算入できます。また、高度専門・技術分野と高度経営・管理分野では年収300万円以上が最低基準とされており、これを下回ると他の項目で70点を超えていても高度専門職には該当しません。40歳以上の方は年収800万円未満だと年収ポイントが付かない点も、シミュレーション時の重要な確認事項です。

加点項目(ボーナス)一覧|日本語能力・国内学位・成長分野など

基本4項目で70点に届かない場合も、ボーナス加点で到達できることがあります。高度専門・技術分野に関係する主な加点は次のとおりです。

  • 研究実績(特許の発明1件以上、責任著者等としての学術論文3本以上など):15点
  • 職務に関連する日本の国家資格(業務独占資格・名称独占資格)の保有、またはIT告示に定める情報処理技術に関する試験の合格・資格保有:1つ5点(最大10点)
  • イノベーション促進支援措置(法務大臣告示)を受けている機関での就労:10点(中小企業なら別途10点)
  • 試験研究費等比率が3%超の中小企業での就労:5点
  • 職務に関連する外国の資格等:5点
  • 日本の高等教育機関(大学・大学院等)で学位を取得:10点
  • 日本語能力試験N1合格(BJT480点以上等を含む)または外国の大学で日本語専攻:15点
  • 日本語能力試験N2合格(BJT400点以上等を含む。国内学位取得者・N1取得者を除く):10点
  • 成長分野における先端的事業への従事(法務大臣が認める事業):10点
  • 法務大臣が告示で定める大学(世界大学ランキング上位校等)の卒業:10点

このほか告示で定める研修の修了(5点)、投資運用業等への従事(10点)などがあります。加点にも合格証明書等の立証が必要で、N2の加点は国内学位(10点)やN1(15点)と併用できないなど、重複不可の組合せに注意してください。

モデルケースでポイント計算シミュレーション

実際の計算手順をモデルケースで確認します。いずれも高度専門・技術分野(1号ロ)の例です。

ケース1:32歳・海外大学修士卒のITエンジニア(職歴6年・年収600万円)
修士号20点+職歴5年以上10点+年収600万円(30〜34歳)20点+年齢10点=60点。このままでは不合格ですが、日本語能力試験N2に合格していれば+10点で70点に到達します。

ケース2:27歳・日本の大学院修士修了(職歴3年・年収450万円)
修士号20点+職歴3年以上5点+年収400万円台(〜29歳)10点+年齢15点=50点。日本の高等教育機関での学位取得10点とN1の15点を加えると75点となり、若手でも十分に射程に入ります。

ケース3:41歳・学士卒(職歴12年・年収850万円)
学士10点+職歴10年以上20点+年収800万円台30点=60点。40歳以上のため年齢点はゼロです。職務関連の日本の国家資格2つ(10点)や成長分野の先端的事業への従事(10点)などの加点を確保できるかが分かれ目になります。

同じ「あと10点」でも、取りうる加点は経歴により異なります。機械的な計算に加え、各点数を書面で立証できるかまで確認して初めてシミュレーションが完成します。

70点に届かないときの見直し方と申請時の注意点

計算の結果が70点未満でも、次の観点から再検討する余地があります。

  • 年収の見直し:賞与や手当のうち報酬に含まれるものを漏れなく算入しているか。昇給予定があるなら、新しい雇用条件で計算できる時期まで待つ選択もあります。
  • 資格の取得:日本語能力試験や職務関連の国家資格は、計画的に取得すれば確実な加点源になります。
  • まず他の就労資格で在留する:技術・人文知識・国際業務等で在留し、点数が整った段階で変更申請する方法が現実的です。

また、70点以上を維持すると永住申請でも優遇され、通常10年以上とされる在留期間が70点以上で3年、80点以上で1年に短縮されます。2023年4月には、修士号かつ年収2,000万円以上(または実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上)等を対象とする特別高度人材制度(J-Skip)も導入されました。なお、在留資格変更・在留期間更新の申請手数料は2025年4月1日の改定により窓口6,000円・オンライン5,500円です(在留資格認定証明書交付申請自体は無料)。ただし2026年6月5日公布の改正入管法により手数料の法定上限が変更される(令和8年法律第32号)予定で、2027年3月31日までに政令で定める日から実施される見込みです。

当事務所のサポート

官公署に提出する申請書類の作成と申請取次は、行政書士の業務です。行政書士法人Treeでは、高度専門職1号のポイント事前診断(計算表の作成と立証可能性の確認)から疎明資料の設計、在留資格認定証明書交付・変更・更新の各申請の取次までを一貫してサポートします。年収立証で税務資料が絡む場面は税理士と、契約条件の整理が必要な場面は弁護士等と連携し、職域を越えない体制で対応します。料金は在留資格認定・変更のスタンダードプランが89,800円(税込)、在留期間更新のスタンダードプランが33,000円(税込)で、企業様の継続依頼には割引制度、不許可時には無料再申請保証があります。詳細は就労ビザ申請サポートのご案内をご覧ください。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

高度専門職1号は、学歴・職歴・年収・年齢の基本4項目とボーナス加点の合計70点が合格ラインです。年収は「これから受ける報酬の年額」で計算し最低300万円の基準があること、職歴は従事予定業務に関連するものに限られること、すべての点数に立証資料が必要なことが、シミュレーションの精度を左右します。70点以上は永住申請の在留期間短縮にも直結するため、現時点で届かない方も、資格取得や昇給の時期を踏まえた中期的な計画を立てる価値があります。

高度専門職1号のポイント計算に関するよくある質問

Q:ポイントは自己申告だけで認められますか?

A:認められません。学位は卒業証明書や学位記、職歴は在職証明書、年収は雇用契約書や雇用条件通知書など、項目ごとに立証資料の提出が必要です。書面で証明できない項目は点数に算入されないため、申請前に資料が揃うかどうかまで確認することが重要です。

Q:年収は過去1年の収入で計算するのですか?

A:いいえ。主たる受入機関から「これから受ける報酬の年額」(見込み年収)で計算し、賞与も含まれます。転職直後で年収が上がる場合は新しい契約条件で計算できますが、超過勤務手当(残業代)は入管庁の高度人材ポイント制Q&Aで報酬に含まれないと明示されており、更新申請でも過去の残業代は算入できません。海外機関からの転勤では当該機関からの報酬年額を算入できます。

Q:合計がちょうど70点でも申請できますか?

A:申請できます。高度専門職省令の定める合格点は70点以上であり、71点との差はありません。ただし境界線上の場合、審査で一部項目が認められないと不合格になるため、各項目の立証を固めたうえで、可能なら余裕をもった点数構成にすることをおすすめします。

Q:取得後に年収が下がって70点を切ったらどうなりますか?

A:在留期間(5年)の途中で直ちに在留資格を失うわけではありませんが、更新時にはあらためてポイント計算が行われ、70点未満であれば高度専門職としての更新はできません。その場合は技術・人文知識・国際業務など他の在留資格への変更を検討することになります。

Q:技術・人文知識・国際業務と比べてどんなメリットがありますか?

A:在留期間が一律5年で付与されるほか、複合的な活動の許容、配偶者の就労、一定要件下での親の帯同や家事使用人の帯同といった優遇措置があります。最も大きいのは永住要件の緩和で、申請時と3年前の時点で70点以上、または申請時と1年前の時点で80点以上と認められる場合に永住申請が可能になる点です。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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