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高度専門職の認定基準を厳格化へ|年収条件引き上げ・評価項目見直し【2026年8月14日日経報道】

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結論から言えば、令和8年(2026年)8月14日、日本経済新聞が「外国人の高度人材、認定の年収条件引き上げ 26年度にも省令改正」と報じました。法務省が「高度専門職」の認定基準を見直し、年収条件を引き上げる方針だという内容です。ただし、現時点でこれは日本経済新聞1社が報じている段階にとどまり、具体的な金額や施行日は明らかになっていません。また、これは令和8年8月4日に公表された「永住許可に関するガイドライン改定案」とは別の制度改正です。両者を混同している情報も見かけますが、後者のガイドライン改定案は高度専門職の優遇措置(70点以上で3年、80点以上で1年)を「現行から変更ありません」と明記しています。本記事では、報道されている内容と、まだ分かっていないことを区別して整理します。

何が報じられたか——日本経済新聞、2026年8月14日

日本経済新聞は令和8年(2026年)8月14日午前2時、政治面で次のように報じました(会員限定記事のため、閲覧できる範囲の引用です)。

「政府は外国人を『高度専門職』に認定する基準を厳しくする方針だ。高度人材の質を重視する。給与水準の上昇に対応し、年収の条件を引き上げる。一部の評価項目の廃止を検討し、審査の迅速化もめざす。」

「法務省が2026年度内にも関連する省令を改正する。専門的な知識や技術を持ち、企業や研究機関などに勤める外国人の人材を高度専門職として日本に迎える。」

閲覧できる範囲から分かるのは、次の3点です。

  • 高度専門職の認定に必要な年収条件を引き上げる方針であること
  • ポイント制の評価項目の一部について、廃止を検討していること
  • 審査の迅速化も目指していること

具体的な引き上げ後の年収額、どの評価項目が対象になるのか、そして施行日については、有料会員限定部分に記載されている可能性がありますが、当事務所では確認できていません。改正の手段は法律改正ではなく「省令改正」とされており、時期は「2026年度内」(令和8年度、すなわち令和9年〈2027年〉3月末まで)とされているにとどまります。

【重要】8月4日の永住許可ガイドライン改定案とは別の制度改正です

当ブログでは、令和8年(2026年)8月4日に出入国在留管理庁が公表した「永住許可に関するガイドライン改定案」について、原文を全条項にわたって解説した記事を公開しています。この改定案と、今回の高度専門職に関する報道は、内容も所管の制度も異なります。

混同を避けるため、整理します。

永住許可ガイドライン改定案 高度専門職の認定基準見直し
対象 永住許可申請の審査基準全般(世帯年収・年金・日本語能力・配偶者特例 等) 「高度専門職」の在留資格そのものの認定基準(ポイント制の年収条件・評価項目)
根拠文書 出入国在留管理庁の改定案(e-Gov案件番号315000140) 法務省令の改正(現時点で意見公募は開始されていません)
公表状況 令和8年8月4日、原文と概要を公表し意見公募を開始(締切9月4日) 令和8年8月14日、日本経済新聞が報道。公式な省令案・意見公募はまだ確認できません
施行時期 報道によれば令和8年10月1日改定・令和9年4月1日適用が中心 「2026年度内」(令和9年3月末まで)としか報じられていません

そのうえで押さえておきたいのが、永住許可ガイドライン改定案が高度専門職の優遇措置をどう扱っているかです。改定案の原文には、原則10年在留の特例について「定住者5年、難民・補完的保護対象者の認定後5年、高度専門職70点以上で3年、80点以上で1年、特別高度人材で1年は、いずれも現行から変更ありません」と明記されています。つまり、少なくとも8月4日時点で公表されている永住許可の改定案は、高度専門職の早期永住の優遇措置には手を付けていません。「高度専門職が厳格化される」という情報の出どころが、この永住許可ガイドライン改定案だとすれば、それは誤解に基づいている可能性があります。今回の日経報道が指しているのは、あくまで在留資格「高度専門職」の認定基準(ポイント制の年収条件など)の話です。

背景にある令和7年12月の懇談会報告書

今回の報道には、根拠となる公式文書があります。出入国在留管理庁の諮問機関である出入国在留管理政策懇談会が令和7年(2025年)12月にまとめた報告書「今後の出入国在留管理行政の在り方」です。この報告書の「高度専門職等の受入れ」の項には、次の記述があります。

「例えば、高度専門職の在留資格に求められる最低年収については、求められる能力の高度性に照らした基準額の見直しを、年収基準については、制度創設以降の賃金水準の上昇を踏まえた見直しを検討すべきである。なお、労働力の価値を計る最も客観的な基準は賃金であることから、ポイント計算に当たっては年収に比重を更に置くことも考えられる。」

この報告書自体は「検討すべきである」「考えられる」という提言レベルの文書であり、具体的な金額や施行日を定めたものではありません。高度専門職ポイント制は平成27年(2015年)の制度創設から10年以上が経過しており、この間の賃金水準の上昇を踏まえた年収基準の見直しは、制度の方向性として一貫しています。今回の日経報道は、この提言が令和8年度中の省令改正という形で具体化する見通しを報じたものと位置づけられます。

具体的に何が変わる可能性があるか

現時点で報道・公式文書から読み取れる変更の方向性は、次の3点です。

  • 年収条件の引き上げ:高度専門職ポイント制では、年収に応じてポイントが加算される項目があります(例えば高度専門職1号では年収が高いほど加点が大きくなります)。この年収の基準額そのものを、制度創設以降の賃金上昇に合わせて引き上げる方向とみられます。ポイント計算の詳細は高度専門職のポイント計算シミュレーションの記事で解説しています。
  • 評価項目の見直し:「一部の評価項目の廃止を検討」とされており、現行のポイント表にある項目(学歴・職歴・年収・研究実績・資格 等)のうち、一部が整理される可能性があります。どの項目が対象かは報じられていません。
  • 審査の迅速化:認定基準を厳格化する一方で、審査自体は迅速化する方向が示されています。

いずれも「方針」の段階であり、具体的な数値は現時点で公式には確認できていません。当事務所として、ここで特定の年収額を予想して記載することは避けます。

いつから変わるのか——確定していないこと

日経報道は「2026年度にも省令改正」としており、これは令和9年(2027年)3月末までのどこかで省令改正が行われる可能性がある、という意味にとどまります。永住許可ガイドライン改定案のような具体的な日付(10月1日、4月1日)は、高度専門職の認定基準見直しについては報じられていません。

また、法律改正ではなく省令改正という位置づけである点も重要です。省令改正は、法律改正に比べて国会審議を要さず、パブリックコメント(意見公募)を経て比較的短期間で施行されることが少なくありません。もっとも、本記事執筆時点(令和8年8月15日)で、e-Govの意見公募ページには、この高度専門職の認定基準に関する案件は確認できません。永住許可ガイドライン改定案(案件番号315000140)や在留資格取消しガイドライン案(同315000141)とは異なり、正式な省令案としての公表はまだ先とみられます。

対象になりうるのは誰か

今回の見直しが実現した場合に影響を受ける可能性があるのは、主に次の方々です。

  • これから高度専門職(1号)の認定を受けて日本での就労を予定している方——ポイント計算の年収基準が変わると、必要なポイントの取り方が変わる可能性があります。
  • すでに高度専門職1号で在留しており、高度専門職2号への移行や在留期間の更新を予定している方——認定基準そのものが変わる場合、更新時の審査に影響する可能性があります。高度専門職2号への移行要件はこちらの記事で解説しています。
  • 高度専門職のポイントを利用した早期永住(70点で3年、80点で1年)を予定している方——認定基準の見直しがポイント計算に影響する場合、早期永住のスケジュールにも波及する可能性があります。もっとも、繰り返しになりますが、永住許可ガイドライン改定案自体はこの優遇措置に変更を加えていません。

逆に、すでに永住許可を取得している方や、高度専門職以外の在留資格(技術・人文知識・国際業務、特定技能 等)で在留している方には、今回の報道内容は直接影響しません。

今後の展開と注意点

今後、法務省令の改正案が正式に公表され、e-Govで意見公募が始まった段階で、初めて具体的な年収額や対象となる評価項目が明らかになると見込まれます。当事務所では、正式な省令案が公表され次第、内容を確認し、続報記事を公開する予定です。現時点で言えるのは、「年収条件を引き上げる方針が報じられている」ということまでであり、「いつから」「いくらに」引き上げられるかは未定です。この段階で申請時期を急ぐべきかどうかを判断できる材料はまだありません。

高度専門職の認定・更新、高度専門職2号への移行、ポイント計算でご不明な点がある方は、行政書士法人Treeまでご相談ください。申請取次行政書士が、現在のポイント計算の確認から、必要書類の収集、申請書類の作成、申請の取次までを一括してサポートします。今回の制度見直しの続報が入り次第、ご相談者様には個別にご案内いたします。

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外国人の在留資格の申請取次は行政書士の業務です(申請取次行政書士)。行政書士法人Treeは高度専門職の認定申請、高度専門職2号への移行、ポイント計算の確認を数多く取り扱っています。今回報じられた制度見直しについても、正式な省令案が公表され次第、要件の変化を踏まえたご相談に対応します。

制度の内容や運用は法務省・出入国在留管理庁の専権であり、当事務所が将来の制度変更の内容や時期を保証することはできません。本記事で扱った内容は令和8年8月14日時点の報道に基づくものであり、正式な省令案の公表により内容が変わる可能性があります。

まとめ

令和8年(2026年)8月14日、日本経済新聞は、法務省が高度専門職の認定基準を厳格化する方針だと報じました。年収条件の引き上げ、評価項目の見直し、審査の迅速化が検討されており、令和8年度内(令和9年3月末まで)の省令改正が見込まれるとされています。この方針は、令和7年12月の出入国在留管理政策懇談会の報告書における「年収基準の見直しを検討すべき」という提言を踏まえたものとみられます。重要なのは、これが令和8年8月4日公表の永住許可ガイドライン改定案とは別の制度改正であり、同改定案は高度専門職の早期永住の優遇措置(70点で3年、80点で1年)に変更を加えていないという点です。現時点では日本経済新聞の報道のみで、具体的な年収額や施行日、e-Govでの正式な意見公募は確認できていません。続報が入り次第、当ブログで改めてお伝えします。

高度専門職の認定基準見直しに関するよくある質問

Q:高度専門職の認定基準は、いつから厳しくなりますか。

A:日本経済新聞の報道では「2026年度内にも省令改正」とされていますが、具体的な施行日は明らかになっていません。省令改正には通常、意見公募(パブリックコメント)の手続を経ますが、本記事執筆時点(令和8年8月15日)でe-Govに関連する案件は確認できていません。正式な省令案が公表され次第、施行日が明らかになると見込まれます。

Q:永住許可ガイドライン改定案と、今回の高度専門職の見直しは同じものですか。

A:別のものです。永住許可ガイドライン改定案(令和8年8月4日公表、e-Gov案件番号315000140)は永住許可の審査基準全般を対象とするもので、高度専門職の優遇措置(70点で3年、80点で1年)については「現行から変更ありません」と明記されています。今回報じられた高度専門職の認定基準見直しは、在留資格「高度専門職」そのものの認定要件(ポイント制の年収条件等)に関する、別の法務省令の改正です。

Q:年収条件はいくらに引き上げられますか。

A:本記事執筆時点では公表されていません。日本経済新聞の報道でも具体的な金額は示されておらず(有料会員限定部分を含め当事務所では確認できていません)、当事務所として金額を予測することは控えます。正式な省令案が公表され次第、お伝えします。

Q:現在すでに高度専門職の在留資格を持っています。更新時にすぐ影響しますか。

A:現時点では未定です。省令改正の内容・施行日・経過措置の有無が明らかになっていないため、既存の高度専門職保有者の更新にどう影響するかは分かりません。一般的に、行政の制度改正では既存の在留資格保有者に配慮した経過措置が設けられることが多いですが、今回そうした措置が設けられるかどうかも含めて、続報を待つ必要があります。

Q:高度専門職を目指しています。今のうちに申請すべきですか。

A:現時点で具体的な施行日や経過措置の内容が分かっていないため、「今のうちに申請すべき」と断定できる材料はありません。ご自身の準備状況(学歴・職歴・年収等の証明資料)が整っているのであれば申請を検討する価値はありますが、それは今回の報道とは独立した判断になります。個別の状況については、当事務所にご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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