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特定技能「飲食料品製造業」とは?対象業務と採用のポイントを行政書士が解説

更新: 約13分で読めます

「飲食料品製造業で特定技能の外国人を採用したいが、対象になる業務がよく分からない」——食品工場や製造現場で人手不足に悩む企業からよく寄せられる相談です。

飲食料品製造業は特定技能16分野のなかでも受入れ見込数が最大規模の分野です。2024年3月の閣議決定では、5年間の受入れ見込数が139,000人と設定されました。それだけ需要が高い一方で、対象となる業務範囲の判断や外食業との線引きに迷うケースも少なくありません。

この記事では、入管業務専門の行政書士が、特定技能「飲食料品製造業」の対象業務・試験内容・受入れ要件・採用の流れを分かりやすく解説します。

「自社の事業が飲食料品製造業に該当するか分からない」「外食業との違いが知りたい」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。入管届出済行政書士が対象業種の判定からビザ申請までサポートします。相談は何度でも無料・全国対応です。

特定技能「飲食料品製造業」とは

制度の概要

特定技能制度における「飲食料品製造業」とは、食料品・飲料の製造・加工に従事する外国人材を受け入れるための分野です。2019年4月の制度開始時から対象分野に含まれており、食品製造業界の深刻な人手不足を背景に設けられました。

飲食料品製造業分野では特定技能1号特定技能2号の両方が対象です。2号は2023年に対象分野に追加され、一定の要件を満たせば在留期間の上限なく就労が可能になります。

受入れ見込数と背景

2024年3月29日の閣議決定により、飲食料品製造業の5年間の受入れ見込数は139,000人と定められました。これは特定技能16分野のなかでも最大規模の数字であり、食品製造業界の人手不足がいかに深刻かを示しています。

対象となる業務範囲

日本標準産業分類に基づく対象業種

飲食料品製造業分野の対象業種は、日本標準産業分類に基づいて定められています。主な分類は以下の通りです。

分類 対象業種の例
中分類09:食料品製造業 水産食料品製造業、野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業、調味料製造業、パン・菓子製造業、動植物油脂製造業、その他の食料品製造業
小分類101:清涼飲料製造業 清涼飲料水、炭酸飲料、果実飲料等の製造
小分類103:茶・コーヒー製造業 茶類・コーヒーの製造
小分類104:製氷業 氷の製造
細分類5861:菓子小売業(製造小売) 店舗で製造・販売する菓子屋等
細分類5863:パン小売業(製造小売) 店舗で製造・販売するパン屋等
細分類5896:豆腐・かまぼこ等加工食品小売業 店舗で製造・販売する豆腐店・総菜店等

2024年7月の対象拡大:スーパーマーケット等の総菜製造

2024年7月より、スーパーマーケット等の総菜製造部門も対象に追加されました。これにより、スーパーのバックヤードで弁当・総菜を製造する業務にも特定技能外国人を配置できるようになりました。

小売業であっても、食料品の製造・加工を行っている事業所であれば対象となるケースがあります。自社が該当するかどうか判断が難しい場合は、専門家への確認をおすすめします。

従事できる業務内容

特定技能「飲食料品製造業」で外国人が従事できる業務は以下の通りです。

  • 飲食料品の製造・加工(原料の処理、加熱、殺菌、成形、包装等)
  • 安全衛生管理(HACCPに基づく衛生管理を含む)

また、上記の業務に付随する関連業務(原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事務作業等)にも従事できます。ただし、関連業務のみに従事させることはできません。

飲食料品製造業と外食業の違い

特定技能には「飲食料品製造業」と「外食業」の2つの分野がありますが、どちらに該当するかは調理した場所と提供する場所の関係で判定されます。

判定基準 飲食料品製造業 外食業
提供形態 製造・加工した食品を別の場所で販売・消費 調理した場所で直接提供
具体例 食品工場、セントラルキッチン、弁当製造工場 レストラン、居酒屋、カフェ、テイクアウト店
雇用形態 直接雇用のみ(派遣不可) 直接雇用のみ(派遣不可)
特定技能2号 対象(2023年追加) 対象(2023年追加)

例えば、セントラルキッチンで調理した弁当を各店舗に配送して販売する場合は「飲食料品製造業」、店舗内の厨房で調理してお客様に提供する場合は「外食業」に該当します。

判断に迷うケースもあります。例えばテイクアウト専門店は、店舗で調理してその場で販売するため「外食業」に分類されます。一方、工場で製造して店舗に配送するケースは「飲食料品製造業」です。

飲食料品製造業で特定技能外国人を採用する要件

外国人側の要件:技能試験と日本語試験

特定技能1号で「飲食料品製造業」に従事するには、以下の2つの試験に合格する必要があります(技能実習2号を良好に修了した場合は免除)。

試験 内容 合格基準
飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験 食品安全・品質管理・一般衛生管理・製造工程管理・HACCPに関する知識 65%以上
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)または日本語能力試験(JLPT)N4以上 日本語の基礎的な理解力 JFT-Basic:200点以上 / JLPT:N4以上

技能測定試験は国内外で実施されており、農林水産省の所管する一般社団法人が運営しています。

企業側の要件

受入れ企業(特定技能所属機関)は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 日本標準産業分類上の対象業種に該当すること
  • 直接雇用であること(派遣は不可)
  • 食品産業特定技能協議会に加入すること
  • 日本人と同等以上の報酬を支払うこと
  • 義務的支援を適切に実施する体制を整えること(自社支援または登録支援機関に委託)

食品産業特定技能協議会への加入

飲食料品製造業で特定技能外国人を受け入れる企業は、食品産業特定技能協議会への加入が義務付けられています。

  • 加入のタイミング:在留資格の申請前に加入手続きを行う
  • 審査期間:申請から加入承認まで概ね2〜3か月程度かかる場合がある
  • 加入費用:無料
  • 所管:農林水産省

協議会への加入手続きに時間がかかるため、採用計画の初期段階で加入申請を済ませておくことが重要です。加入が完了していないと在留資格の申請ができないため、スケジュール全体に影響します。

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採用から受入れまでの流れ

  1. 食品産業特定技能協議会に加入申請:審査に時間がかかるため早めに申請する
  2. 外国人材の募集・選考:海外からの採用(在留資格認定)または国内在住者の採用(在留資格変更)
  3. 雇用契約の締結:日本人と同等以上の報酬条件で直接雇用契約を結ぶ
  4. 支援計画の作成:自社支援または登録支援機関へ委託
  5. 在留資格の申請:入管へ認定証明書交付申請(海外から)または変更許可申請(国内から)を行う
  6. 入国・就労開始:事前ガイダンス・生活オリエンテーションを実施し、業務に就く

特に海外から採用する場合は、協議会加入・試験合格の確認・在留資格申請・査証発給と、複数の手続きが並行するため、採用決定から就労開始まで数か月を見込んでおく必要があります。

よくある質問

Q1. 飲食料品製造業と外食業の両方の事業を行っている場合はどうなりますか?

事業所ごとに判定されます。例えば、食品工場と飲食店を別事業所として運営している場合、工場は「飲食料品製造業」、飲食店は「外食業」として、それぞれの分野で特定技能外国人を受け入れることが可能です。一つの事業所で両方の業務を行う場合は、主たる業務内容で判定されます。

Q2. 技能実習から特定技能への移行は可能ですか?

可能です。「食品製造」の技能実習2号を良好に修了した外国人は、技能測定試験と日本語試験が免除され、在留資格の変更手続きのみで特定技能1号に移行できます。ただし、技能実習の職種・作業と特定技能の分野に関連性が必要です。

Q3. 派遣での雇用は可能ですか?

派遣は認められていません。飲食料品製造業分野では、受入れ企業との直接雇用が必須です。特定技能で派遣が認められているのは農業と漁業の2分野のみです。

Q4. 食品産業特定技能協議会には費用がかかりますか?

協議会への加入費用は無料です。ただし、加入申請から承認まで概ね2〜3か月程度かかるため、早めの手続きが重要です。在留資格の申請には協議会への加入が条件となっています。

Q5. 特定技能2号への移行は可能ですか?

可能です。飲食料品製造業は2023年に特定技能2号の対象分野に追加されました。2号に移行すると在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も認められます。ただし、2号への移行には実務経験や管理者としてのスキルが求められるなど、1号より高い要件が設定されています。

まとめ

特定技能「飲食料品製造業」のポイントを整理すると:

  • 受入れ見込数は139,000人(5年間)で、特定技能16分野で最大規模
  • 対象業種は日本標準産業分類に基づき、2024年7月にスーパーの総菜製造も追加
  • 直接雇用のみ食品産業特定技能協議会への事前加入が必須

2026年1月施行の改正行政書士法により、報酬を得て在留資格申請の書類作成を代行する行為は行政書士(または弁護士)の独占業務であることがより明確化されました。外部に書類作成を依頼する場合は行政書士への依頼が必要です。採用計画の段階から専門家に相談することで、スムーズな受入れが実現できます。

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※ 本記事は2026年3月時点の法令・制度に基づいて執筆しています。法改正等により内容が変更される場合があります。
※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがある場合はご容赦ください。最新・正確な情報は出入国在留管理庁厚生労働省等の公式資料もあわせてご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについてはお気軽に専門家へご相談ください。

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