入管・ビザ関連

特定技能とは?1号・2号の違いと19分野を解説

更新: 約15分で読めます

「うちの仕事は特定技能で採用できる?」「1号の5年が終わったら、どうなる?」。外国人採用を考えるときは、制度の名前よりも、任せたい仕事・本人の資格・会社の受入れ体制を先に整理すると、準備することが見えてきます。

特定技能は、人手不足の産業分野で一定の技能を持つ外国人が働くための在留資格です。1号と2号では、技能水準、在留できる期間、家族の帯同、支援の義務が異なります。対象は1号が19分野、2号が11分野ですが、対象分野に入っていることと、今すぐその人を採用できることは別です。

この記事では、1号・2号の違い、19分野の技能試験と受付上の注意、企業が準備する手続きと費用を説明します。2026年10月14日に公式資料を確認し、追加分野の受入れ状況、外食業の制限、日本語要件の適用時期を分けて整理しました。

採用したい仕事と候補者が決まったら、申請前に確認を。

行政書士法人Treeでは、特定技能の在留申請と登録支援機関サービスをご相談いただけます。仕事内容、勤務地、本人の在留資格・試験結果、採用予定日をお知らせください。申請の種類と支援の分担、依頼費用を確認してからご依頼いただけます。

特定技能の受入れを無料で相談する

特定技能とは?「人手不足なら、どんな仕事でも」ではない

特定技能制度は2019年4月に始まりました。国内人材の確保や生産性の向上に取り組んでも人材を確保しにくい産業分野で、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れる制度です。

判断するのは会社の業種名だけではありません。本人が実際に行う仕事が、その分野・業務区分に該当するかを確認します。試験に合格していても、予定する仕事が対象外だったり、会社側の許認可・協議会加入等の条件が整っていなかったりすれば、そのまま働き始めることはできません。

出入国在留管理庁の2026年6月末の速報値では、特定技能の在留外国人数は合計444,256人です。内訳は1号425,961人、2号18,295人。これは在留者数であり、その人数分の新規採用枠があるという意味ではありません。根拠は公式統計の掲載ページにある「令和8年6月末」の資料です。

特定技能1号と2号の違い

1号は相当程度の知識・経験を必要とする技能、2号は熟練した技能を持つ人が対象です。1号で長く働けば、自動的に2号になるわけではありません。2号に移るには、その分野で必要な試験や実務経験等を満たし、申請の審査を受けます。

比較すること 特定技能1号 特定技能2号
技能水準 相当程度の知識・経験を必要とする技能 熟練した技能
対象分野 19分野。受付・試験の状況は分野ごとに確認 11分野
通算の在留期間 原則5年。所定の除外期間・特例あり 通算の上限なし。更新の審査は必要
1回に付与される在留期間 3年を超えない範囲で個別に指定 3年・2年・1年・6か月
家族帯同 原則として認められない 要件を満たす配偶者・子は「家族滞在」を申請可能
日本語能力 原則JFT-Basic又はJLPT N4以上。分野・業務区分の追加条件に注意 「一律に不要」ではない。現行の分野要件と今後の適用時期を確認
1号の支援計画・義務的支援 必要 1号と同じ支援制度の対象ではない

「通算5年」と「在留カードに記載された期限」は別です。1号は通算の上限まで自動的に在留できるものではなく、期限までに必要な更新をします。2号も、通算上限がないだけで、許可された在留期間ごとの更新は必要です。入管庁の特定技能Q&Aで、通算から除かれる期間や特例を確認してください。

2号から永住許可を目指す場合も、在留年数だけでなく、生活・納税・社会保険等の要件を満たす必要があります。2号への変更や更新ができることと、永住許可を受けられることは別の審査です。

特定技能19分野と、技能試験・受付の確認先

以下は現行の分野省令に列挙された19分野です。技能試験の欄は、1号の主な試験ルートを示しています。技能検定等を使える場合や技能実習からの免除は、対象の職種・作業・業務区分が対応するかまで確認してください。表の試験名だけで申請要件のすべてを満たすわけではありません。

正式な分野名 1号の主な技能試験・確認点 2号
介護 介護技能評価試験。介護日本語評価試験も確認 対象外
ビルクリーニング ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 対象
リネンサプライ リネンサプライ分野特定技能1号評価試験。2026年6月1日から在留資格申請が可能 対象外
工業製品製造業 製造分野特定技能1号評価試験。従事する業務区分との対応を確認 対象
建設 建設分野特定技能1号評価試験又は対象の技能検定3級 対象
造船・舶用工業 造船・舶用工業分野特定技能1号試験又は対象の技能検定3級 対象
自動車整備 自動車整備分野特定技能1号評価試験又は自動車整備士技能検定試験3級 対象
航空 航空分野特定技能1号評価試験。空港グランドハンドリング・航空機整備の区分を確認 対象
宿泊 宿泊分野特定技能1号評価試験 対象
自動車運送業 自動車運送業分野特定技能1号評価試験。トラック・タクシー・バスの区分、運転免許・研修等も確認 対象外
鉄道 鉄道分野特定技能1号評価試験等。軌道整備・電気設備整備・車両整備・車両製造・運輸係員で条件が異なる 対象外
物流倉庫 所管省庁の試験・受入れ案内。2026年9月公表の案内では、技能試験の開始時期は調整中 対象外
農業 1号農業技能測定試験。耕種農業・畜産農業の区分を確認 対象
漁業 1号漁業技能測定試験。漁業・養殖業の区分を確認 対象
飲食料品製造業 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験 対象
外食業 外食業特定技能1号技能測定試験。新規受入れの制限・試験予約停止に注意 対象
林業 林業技能測定試験 対象外
木材産業 木材産業特定技能1号測定試験 対象外
資源循環 所管省庁の試験・受入れ案内。公式ページでは技能試験の詳細を決まり次第案内する扱い 対象外

分野名と2号の範囲は特定技能の産業上の分野等を定める省令に基づきます。19分野すべてで同時に試験・受入れが始まったわけではありません。日程や会場は入管庁の試験情報と各実施機関の案内で確認します。

追加された3分野を、一律に「2027年予定」としない

リネンサプライ・物流倉庫・資源循環は、2026年1月23日の分野別運用方針の決定で追加された分野です。ただし、その後の準備状況は同じではありません。

リネンサプライは2026年6月1日から、特定技能1号の在留資格申請が可能です。厚生労働省はその開始を公式案内で明示しています。施設の条件や協議会加入等も確認してください。

物流倉庫は国土交通省が試験の実施時期を調整中と案内し、資源循環は環境省が試験の詳細を今後案内する扱いです。採用開始日を決める前に、試験・認証・協議会等の条件を確認します。「制度に追加されたから、今日からどの候補者でも申請できる」という説明にはしません。

外食業は、申請の種類と受付日による制限がある

外食業の1号では受入れ上限に対応するため、2026年4月13日からCOE交付の一時停止措置がとられています。他の在留資格からの変更も、同日以降の受付は原則不許可となる扱いですが、例外があります。

一方、外食業の1号として在留する人の同分野内での転職に伴う申請は、通常どおり審査されます。技能実習の対象作業や移行準備の特定活動からの変更、停止前に受け付けたCOE等には別の取扱いがあります。外食業の申請がすべてできないわけではありません。入管庁の最新の審査状況で、現在の在留資格・申請の受付日・対象区分を確認してください。

日本語・技能試験は、業務区分と申請時期まで確認

1号の一般的な試験ルートは、分野の技能試験と、JFT-Basic又はJLPT N4以上の日本語試験です。ただし、介護には介護日本語評価試験があり、自動車運送業のタクシー・バスや鉄道の運輸係員などは異なる日本語水準・追加条件があります。採用する区分の最新要領を確認します。

技能実習2号を良好に修了した場合の免除も、技能試験と日本語試験を分けて判断します。技能試験は、実習の職種・作業と特定技能の業務区分の対応関係が必要です。日本語試験にも分野固有の条件があります。実習修了の事実だけで「どの分野でも両方免除」とは判断しません。

2号についても「日本語の要件はない」という説明は不正確です。現行の外食業・漁業の2号はJLPT N3以上を条件としています。さらに入管庁は、2027年4月1日以降の2号のCOE申請で、日本語能力B1相当以上を求めると案内しています。在留資格変更・在留期間更新で求める時期は、同じ公式案内では検討中となっています。新旧の要件を混ぜず、申請前に日本語能力水準B1の確認開始時期を確認してください。

技能実習・育成就労と、特定技能の違い

技能実習は技能移転による国際貢献を目的とし、特定技能は人手不足分野での就労を目的とします。実習の良好修了が特定技能への移行につながる場合はありますが、雇用先や仕事が変われば、移行先の要件と在留申請を確認します。

また、特定技能では勤務先の変更が可能ですが、転職先の仕事内容・会社の基準・本人の技能要件を満たし、必要な在留資格変更等を行う必要があります。「同じ分野だから、手続きなしで働ける」とは考えないでください。

育成就労制度は2027年4月1日に開始する予定です。目的は、原則3年間の就労を通じて特定技能1号の技能水準の人材を育成し、人材を確保すること。特定技能のすべての分野が育成就労の対象になるわけではなく、航空・自動車運送業は育成就労の対象外です。

既存の技能実習には経過措置があり、施行日に全員が育成就労へ自動的に切り替わるものではありません。会社の新規採用計画と、現在の実習生の継続・移行を分け、出入国在留管理庁の育成就労制度の案内で確認します。対象分野と施行日は公布済みの分野省令にも定められています。

受入れ前に進める5つの準備

1.仕事と本人の資格を照合する

職務内容、勤務地、業務区分、本人の試験合格・実習歴・現在の在留資格をそろえます。採用が初めての会社は、候補者探しと在留申請を分けて考えましょう。人材紹介を利用する場合は、適法な紹介事業者と、紹介料・契約条件を確認します。

2.会社の条件と雇用契約を整える

日本人が同じ仕事を行う場合と同等以上の報酬を確保し、雇用条件を本人が理解できる形で説明します。原則はフルタイムの直接雇用で、農業・漁業には条件を満たす派遣形態もあります。分野に必要な許認可、協議会加入、受入計画等も確認してください。

3.1号の支援を、誰が行うか決める

1号では、事前ガイダンス、送迎、住居・生活契約、生活オリエンテーション、相談対応、定期面談等の支援計画を作り、実施します。自社で基準を満たして支援するか、登録支援機関へ委託するかを決めます。

支援の全部を適法に登録支援機関へ委託する場合は、支援体制に関する基準を満たすとみなされます。ただし、委託すれば受入企業の雇用管理や届出がすべてなくなるわけではありません。会社側に残る作業と、必要な記録の確認方法も契約前に整理します。

委託先を選ぶときの確認点は、登録支援機関の役割・依頼の考え方、具体的な支援内容は義務的支援10項目の解説でも確認できます。

4.本人の状況に合う在留申請を行う

海外から呼ぶ場合はCOE交付申請と海外での査証申請、国内の在留資格を切り替える場合は在留資格変更許可申請等を進めます。国内・海外を問わず同じ審査期間だと決めつけず、受付状況と資料の準備期間を踏まえて入社日を考えます。許可前に、変更後の資格でしか認められない仕事を始めないよう注意してください。

5.入社後の支援・記録・届出を運用する

就労開始後は、計画どおりに支援し、実施した内容を記録します。入管への必要な届出と、ハローワークへの外国人雇用状況の届出等は、担当・期限を分けて管理します。採用担当者が交代しても、在留期限や本人への対応が途切れない仕組みを用意しましょう。

費用は、採用・在留申請・支援を分けて見積もる

採用費用を「1人いくら」と一括で比べると、含まれていない支援や初期手配の費用を見落とします。紹介料、渡航・住居の実費、在留申請の依頼報酬・行政手数料、毎月の支援費を分け、会社と本人の負担を確認してください。分野ごとの負担金や協議会等の費用も、一律の金額ではありません。

確認する費用 見積もりで確認したいこと
人材紹介・海外側の手続き 利用する事業者、対象国、支払い条件、含まれる手配
在留資格申請 COE・変更・更新のどれか、書類作成・取次の範囲、行政手数料・実費との区別
渡航・住居等 実際の経路・住居・初期契約の費用と負担者
継続支援 基本サービス、義務的支援のオプション、人数・言語・訪問等による総額

Treeの登録支援機関サービスは、初期費用0円、1人あたり月額基本料金10,780円(税込)です。基本サービスと、事前ガイダンス・生活オリエンテーション等の必要なオプション、在留申請取次の費用は分けて確認します。基本料金だけで義務的支援10項目をすべて委託できる、という案内ではありません。現行のサービス内容・料金をご確認ください。

特定技能のよくある質問

特定技能1号と2号は、どちらを選べばよいですか?

希望だけで選ぶのではなく、仕事が対象分野に入るか、本人がその号の技能・試験・実務経験等を満たすかで確認します。1号から2号への自動的な移行はありません。

19分野すべてで、今すぐ新規採用できますか?

いいえ。対象分野であることと、試験の実施・申請受付の状況は別です。リネンサプライは2026年6月1日から申請が可能ですが、物流倉庫・資源循環は試験等の最新案内を確認します。外食業の1号には、申請の種類と受付日による制限もあります。

特定技能2号は、日本語試験が不要ですか?

一律に不要ではありません。現行の外食業・漁業の2号にはJLPT N3以上の条件があります。2027年4月1日以降の2号のCOE申請はB1相当以上が必要となり、変更・更新で求める時期は公式案内を別に確認します。

技能実習を修了すれば、どの分野でも試験が免除されますか?

いいえ。技能試験の免除は、良好に修了した職種・作業と特定技能の業務区分の対応関係等で判断します。日本語試験の免除も別に確認し、介護等の追加条件を見落とさないようにします。

登録支援機関への委託は必須ですか?

自社で支援体制の基準を満たし、支援計画を作成・実施できる場合は必須ではありません。委託する場合は、支援の範囲、記録の確認方法、受入企業に残る届出等を契約前に整理します。

Treeの支援費用は、月額基本料金だけで全部込みですか?

全部込みではありません。1人あたり月額基本料金10,780円(税込)の基本サービスと、必要な支援オプション・在留申請取次等を分け、依頼前に総額をご案内します。

採用前に、申請と支援の準備をまとめて整理しませんか。

仕事内容と本人の条件を確認し、どの申請が必要か、会社と支援機関で何を分担するかをご案内します。行政書士法人Treeの在留申請・登録支援機関サービスの相談は無料です。依頼する範囲と税込の見積もりを確認してからご依頼いただけます。

任せる仕事と本人の在留状況が分かれば、受入れの準備と支援の分担から相談できます。

Treeの登録支援サービス料金
月額基本支援(1人) 9,800円(税別)税込10,780円
追加支援(1時間) 5,000円(税別)税込5,500円
在留資格認定・変更申請 50,000円(税込)
在留期間更新申請 25,000円(税込)初回から同じ料金

認定・変更・更新は、登録支援をご委託の企業様向けの料金です。公的手数料等の実費は別途。必要な支援の内容・時間数・総額を、ご依頼前にご案内します。

料金確認:2026年10月16日

受入れ・支援の内容と費用をTreeに無料相談する

まとめ

特定技能で採用できるかは、19分野に会社名を当てはめるだけでは決まりません。実際の仕事、本人の試験・実習歴、会社の受入れ条件を照合するところから始めます。追加分野や外食業は、最新の試験・受付状況も先に確認してください。

1号と2号では、技能水準、通算の在留期間、家族帯同、支援の義務が異なります。1号の年数だけで2号に移行したり、2号なら更新が不要になったりすることはありません。日本語要件も、分野と申請時期を分けて確認します。

採用計画を進めるなら、申請だけでなく、入社後の支援・記録・届出まで担当を決めておきましょう。自社に残る作業と委託する内容を整理し、初期費用と毎月の費用を分けて見積もることで、受入れ後の行き違いを減らせます。

根拠・参考資料

制度・受付の説明は2026年10月14日確認。統計は2026年6月末の速報値です。試験日程・受付制限・料金は変更されるため、実際の申請前に各公式案内と依頼条件を確認してください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

行政書士法人Tree