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特定技能1号「林業」の新設分野|対象業務・試験・受入れの留意点

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森林の手入れをする人がいない――。この課題に対して、国は特定技能制度の受入れ分野に「林業」を加えました。令和6年3月29日の閣議決定で分野追加が決まり、同年9月30日には林業分野固有の基準を定める告示と運用要領別冊が示され、令和7年3月以降、技能試験も実際に動き始めています。しかし、実際の受入れはまだ始まったばかりです。出入国在留管理庁が公表した「特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年6月末時点・速報値)」によれば、林業分野の1号特定技能外国人の在留者数はわずか19人。受入れ見込数900人に対する充足率は2.1%にとどまります。

裏を返せば、この分野は制度の枠組みが整った直後の段階にあり、前例が少ないぶん、制度の条文と告示・協議会決定を正確に読み解く力が問われます。林業分野には、そもそも協議会に加入するための前提条件が課されるという他分野に例のない仕組みがあり、加えて派遣による受入れも認められていません。これを知らずに人材の目星だけつけてしまうと、在留資格の申請段階で立ち往生します。

本記事では、特定技能1号「林業」について、対象となる業務の範囲、外国人本人に求められる技能・日本語の要件、林業技能測定試験の実務、受入れ機関側に課される上乗せ基準と協議会加入、在留資格の申請と受入れ後の届出、そして令和9年4月1日に運用開始が予定される育成就労制度との関係まで、一次情報にあたりながら実務目線で解説します。

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林業が特定技能の対象分野に加わるまでの経緯と、制度上の位置づけ

特定技能制度は、生産性向上や国内人材確保の取組を行ってもなお人材の確保が困難な産業分野について、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れる制度です。対象となる分野(特定産業分野)は出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令で定められ、その運用は閣議決定される基本方針と分野別運用方針、および出入国在留管理庁が示す運用要領によって具体化されます。

令和6年3月29日の閣議決定と、同年9月30日の告示・運用要領別冊

林業分野は、令和6年3月29日の閣議決定によって特定技能の受入れ対象分野に追加されました。その後、令和6年4月19日付で「『林業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針』に係る運用要領」が法務省・警察庁・外務省・厚生労働省・農林水産省の連名で定められ、令和6年9月30日には、林業分野固有の基準を定める令和6年農林水産省告示第1776号が公布・施行されました。同日、法務省・農林水産省編の「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-林業分野の基準について-」(運用要領別冊)も公表されています。

この告示第1776号は、林業分野だけに適用される「上乗せ基準」を定めたもので、内容は大きく2本柱です。第1条が申請人(外国人本人)に関する基準として労働者派遣の対象とする特定技能雇用契約を締結していないことを求め、第2条が特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関(受入れ機関)に対して協議会の構成員であることなどを求めています。後述するとおり、この2点が林業分野の実務上の急所になります。

令和8年1月23日の閣議決定による分野別運用方針の一体化

その後、令和8年1月23日に開催された「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」および閣議において、特定技能制度と育成就労制度の分野別運用方針が決定されました。従来は特定技能の分野別運用方針と育成就労の分野別運用方針が別々に作られていましたが、この決定により両者を一体的に作成することとされ、従前の「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する分野別運用方針」は廃止されています。林業分野は、この新しい分野別運用方針の「別紙17」として整理されました。

この令和8年1月23日閣議決定により、特定産業分野は19分野、育成就労産業分野は17分野となりました(自動車運送業分野と航空分野は特定産業分野のみ)。林業は既存分野として引き続き位置づけられ、育成就労産業分野にも設定されています。なお、この閣議決定で新たに定められた特定産業分野および業務区分については、省令等の準備が整い次第受入れが可能となり、公布・施行された際には入管庁ホームページで知らせる旨が示されています。育成就労制度全体の枠組みについては育成就労制度の対象17分野|2027年4月1日施行・特定技能19分野との違いを解説もあわせてご確認ください。

「新設分野」としての現在地

制度の枠組みは整いましたが、実際の受入れ実績はまだ小さいのが実情です。出入国在留管理庁が公表した令和8年6月末時点の速報値では、特定技能1号の在留者数は全分野合計で425,961人。これに対し、林業分野は19人にとどまります。受入れ見込数900人に対する充足率は2.1%で、木材産業分野の1.6%(受入れ見込数4,500人・在留者数74人)とともに、在留者数が公表されている分野の中で最も低い水準にあります。ちなみに同じく令和6年3月に追加された自動車運送業分野は558人、鉄道分野は64人となっており、令和6年追加分野はいずれも立ち上がり期にあることがわかります。木材産業分野については特定技能1号「木材産業」とは?対象業務・試験・協議会の受入れ要件を解説で整理しています。

この「受入れがまだ少ない」という事実は、事業者にとって二つの意味を持ちます。ひとつは、同業他社に相談しても実務経験の蓄積が乏しく、手続の勘所を教えてもらいにくいこと。もうひとつは、受入れ見込数900人という枠に対して当面の余裕が大きいことです。分野別運用方針は、受入れ見込数を超えることが見込まれる場合などに農林水産大臣が法務大臣に対して在留資格認定証明書の交付停止の措置を求める仕組みを定めていますが、林業分野に関してはまだ相当の距離があります。

特定技能1号「林業」で従事できる業務の範囲

特定技能外国人にどこまでの仕事をさせられるのかは、受入れの成否を分ける最重要ポイントです。運用要領別冊は「主たる業務」と「関連業務」を明確に区別しており、この線引きを誤ると、在留資格の該当性そのものが問われます。

主たる業務は育林・素材生産等

分野別運用方針は、林業分野において設定する業務区分を「林業」とし、従事する業務を「育林、素材生産等に係る業務」と定めています。運用要領別冊も、1号特定技能外国人は林業技能測定試験の合格により確認された技能を要する業務(育林、素材生産等の作業)に主として従事しなければならないとしています。

林野庁が公表している「林業分野における外国人材受入れの手引き」(令和8年8月・林野庁経営課林業労働・経営対策室)では、主たる業務として次の4つが挙げられています。

  • 育林
  • 素材生産
  • 林業用種苗の育成(育苗)
  • 原木生産を含む製炭作業

手引きはこの4つを「林業技能測定試験の合格により確認された技能を要する業務」と位置づけており、林業用種苗の育成(育苗)や原木生産を含む製炭作業も、この主たる業務として従事させることが可能です。育苗や製炭を主業務とする事業者も受入れの対象になり得るという点は、林業分野の裾野の広さを示しています。

関連業務の範囲と「専ら従事することは不可」

主たる業務に加えて、その業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えないとされています。運用要領別冊は関連業務に当たり得るものとして、次のような例を挙げています。

  • 特定技能所属機関が生産した林産物を原料または材料の一部として使用して林内で行う製造または加工の作業
  • 特定技能所属機関による林産物の生産に伴う副産物(樹皮、つる等)を原料または材料の一部として使用して行う製造または加工の作業
  • 機器・装置・工具等の保守管理
  • 資材の管理・運搬
  • 特定技能所属機関が業務で使用する事業所等の清掃作業
  • その他、特定技能所属機関で林業の業務に従事する日本人が通常従事している作業(冬季の除雪作業に従事する場合等)
  • 事務作業

ここで注意が必要なのは、運用要領別冊が「専ら関連業務に従事することは認められません」と明示的に注記している点です。積雪期に除雪作業だけをさせ続ける、あるいは加工場での作業ばかりを担当させるといった運用は、主たる業務が育林・素材生産等であるという前提を崩すことになります。林野庁の手引き(令和8年8月)も、冬期の除雪作業を「林業の業務に従事する日本人が通常従事している作業」の例として関連業務に位置づけており、あくまで付随性が要件です。

請負業務に従事させる場合の指揮命令

林業の現場では、森林組合等が森林所有者から施業を請け負う形態が一般的です。特定技能所属機関である森林組合等が特定技能外国人を直接雇用したうえで、組合員等の森林所有者から林業作業等を請け負い、その業務に従事させる働き方は可能と解されています(林野庁の手引きでも、雇用契約と指揮・命令の関係は特定技能所属機関である林業経営体と特定技能外国人との間に置かれています)。地域内の複数の森林所有者から請け負った業務に従事させることも、この関係が維持される限り可能です。

ただし決定的な条件があります。作業の指揮命令は、個々の森林所有者が行うことはできず、雇用契約を結んだ森林組合等が行う必要があるという点です。発注者である森林所有者が現場で直接指示を出す形になれば、実質的に労働者供給・労働者派遣と評価されかねません。林業分野では後述のとおり派遣が全面的に禁じられているため、この点の管理は極めて重要です。現場に日本人の職長を置き、指揮命令系統を雇用主側に一元化する体制を、書面と実態の両面で整えておく必要があります。

外国人本人に求められる要件

林業分野で特定技能1号として受け入れられる外国人は、大きく2つのルートのいずれかを満たす必要があります。林野庁の手引きは、前提として「健康状態が良好な18歳以上であること」を挙げたうえで、試験ルートと技能実習ルートを示しています。

技能水準:林業技能測定試験

試験ルートの技能要件は「林業技能測定試験」の合格です。この試験は、実施機関である一般社団法人林業技能向上センターの受験案内では「林業技能測定試験(林業分野特定技能1号評価試験)」と表記されています。

なお、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針(別紙17)では、林業分野の特定技能1号の技能水準として「①林業特定技能評価試験」または「②技能検定(林業職種)3級」のいずれかの試験に合格した者、と記載されています。現に実施されている試験の名称や、技能検定3級ルートの取扱いが実務上どう整理されるかは、今後の省令・告示・運用要領の改正で具体化される部分です。受入れを具体的に進める段階では、林野庁および実施機関の最新の公表内容を必ず確認してください。

日本語能力水準

日本語については、運用要領別冊および林野庁の手引きにより、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」の合格が求められます。そのほか「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と認められるものでも差し支えないとされています。

こちらについても、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針では日本語能力水準が「『日本語教育の参照枠』のA2.2相当以上の水準と認められるもの」と記載されており、表現が変わっています。分野横断的な試験制度の詳細は特定技能の技能試験ガイド|分野別試験・日本語試験・免除条件を解説でも整理していますが、林業分野については分野別の最新情報の確認が欠かせません。

技能実習2号を良好に修了した者の取扱い

もう一つのルートが技能実習からの移行です。上陸基準省令は、申請人が第2号企業単独型技能実習または第2号団体監理型技能実習のいずれかを良好に修了しており、かつ、修了した技能実習において修得した技能が従事しようとする業務において要する技能と関連性が認められる場合には、技能試験と日本語試験の要件に該当することを要しないと定めています。

加えて、運用要領別冊は、修了した技能実習2号の職種・作業の種類にかかわらず、技能実習2号を良好に修了した者については、国際交流基金日本語基礎テストおよび日本語能力試験(N4以上)のいずれの試験も免除されると明記しています。つまり、林業以外の職種で技能実習2号を良好に修了した外国人であっても、日本語試験は免除されるが、林業技能測定試験の合格は必要ということになります。

ここで実務上の注意点があります。技能実習の「林業職種」は令和6年9月30日に技能実習2号・3号への移行対象職種に追加された職種です。林野庁の「林業分野における外国人材受入れの手引き」(令和8年8月)は、林業職種の技能実習2号を良好に修了した者が林業分野の特定技能1号へ移行する際は技能試験・日本語試験のいずれも免除されると明記しており、実施機関である林業技能向上センターも、林業職種の技能実習2号修了者は林業技能測定試験を受験する必要がないとしています。ただし、林業職種が移行対象職種に追加される前に技能実習1号を修了した者は技能実習2号として受け入れることができず、また在留資格変更の許可は早くても技能実習計画の終了後となるため、実習中の第3号技能実習生が実習期間中に特定技能1号へ移行することも認められません。林業職種の技能実習生を特定技能1号に切り替える計画を立てる場合は、当該実習生の技能実習の経過と計画の終了時期から逆算してスケジュールを組んでください。

なお「技能実習2号を良好に修了している」とは、技能実習計画に従って技能実習1号とあわせて2年10月以上を修了し、①技能検定3級の実技試験に合格していること、または②実習実施者が当該外国人の実習中の出勤状況や技能等の修得状況、生活態度等を記載した評価に関する書面により良好に修了したと認められることをいう、と手引きは説明しています。技能実習や留学からの切替手続の全体像は特定技能への在留資格変更手続き|技能実習・留学からの切替方法と必要書類を解説をご参照ください。

林業技能測定試験の実務

試験ルートを選ぶ場合、林業技能測定試験の内容と日程を把握しておくことが採用計画の起点になります。試験は「『林業技能測定試験』試験実施要領」(令和6年10月・農林水産省林野庁林政部経営課)に基づき、一般社団法人林業技能向上センターが実施しています。

受験資格

林野庁の手引きおよび実施機関の受験案内によれば、受験には次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 試験日において満18歳以上であること
  • 労働安全衛生法令に基づくチェーンソーによる伐木等特別教育の要件を満たす講習を受講していること
  • 国内で受験する場合は、試験当日に我が国の在留資格を有していること

特別教育の受講証明については、講習実施者から発行される修了証の写しや、所属機関が講習を受講させた旨を証する書類等の写しを受験申請の際に添付します。すでに雇用している外国人材を特定技能へ切り替えたい場合、まず特別教育を受講させるところから逆算してスケジュールを組む必要があります。

試験の内容と合格基準

試験は学科試験と実技試験で構成されます。試験言語は日本語(ひらがな、カタカナまたはふりがなを付した漢字)です。

学科試験は試験時間30分・30問で、原則として真偽式(○×問題)により、林業全般および安全衛生に係る知識と業務上必要となる日本語能力を測定します。出題範囲は林業職種の技能検定3級と同等で、合格基準は65%以上の正答です。実技試験はチェーンソーを使った作業試験で、試験課題は林業職種の技能検定3級と同等とされ、実施要領上の合格基準は得点6割以上、実施機関の受験案内では課題ごとの評価内容の合格基準(40%以上)と全体の合格基準(60%以上)の両方を満たすことが必要とされています。

実技試験では、ヘルメット・保護網または保護めがね・イヤマフまたは耳栓・防護衣・手袋・履物などの保護具と、ロングハンドルチェーンソー(エンジン式)等の作業用具を受験者が持参します。事業者が受験を後押しする場合、装備の準備も課題になります。

受験料・申請期限・実施予定

受験料は学科試験および実技試験あわせて20,000円(税込)です。受験申請は実施機関のウェブサイトから申請書をダウンロードし、必要事項を記入のうえメールで送付する方式で、申請期間は原則として試験日がある月の前々月の末日までとされています。合格通知書は試験実施後1か月以内にメールで送付され、その有効期限は受験日から10年です。

2026年度の国内試験は、2026年6月13日(大分会場)、7月30日(奈良会場)、8月4日(福島会場)、9月5日(北海道会場)、9月9日(石川会場)、12月20日(大分会場)、2027年2月26日(愛媛会場)の日程が実施機関から公表されています(時期の目安であり、変更される場合があります)。国外試験については「当面、実施の予定はありません」とされている点にも注意が必要です。海外から直接呼び寄せるルートを想定する場合、試験合格を海外で完結させることは現状では困難です。

合格率の実際

実施機関が公表している合格者発表によれば、直近の実施結果は次のとおりです。2024年度は2025年3月6日の愛媛会場で受験者2人・合格者2人(合格率100.0%)。2025年度は、2025年6月28日の奈良会場が受験者10人・合格者2人(20.0%)、2025年9月7日の北海道会場が受験者19人・合格者13人(68.4%)、2026年2月6日の愛媛会場が受験者22人・合格者15人(68.2%)。2026年度は、2026年6月13日の大分会場が受験者6人・合格者1人(16.7%)、7月30日の奈良会場と8月4日の福島会場はいずれも受験者1人・合格者0人でした。

受験者数の母数が小さいため合格率は会場ごとに大きく振れますが、決して形式的な試験ではないことがうかがえます。チェーンソーによる実技が課される以上、実務経験と練習の裏づけが求められます。

受入れ機関(特定技能所属機関)に課される要件

外国人側の要件が整っても、受入れ機関側が基準を満たしていなければ在留資格は許可されません。林業分野では、全分野共通の基準に加えて分野固有の上乗せ基準が課されます。

全分野共通の基準

林野庁の手引きは、共通の受入れ要件として次のようなものを挙げています。労働・社会保険・租税に関する法令を遵守していること、特定技能雇用契約締結の日前1年以内および締結後に同種の業務に従事する労働者の非自発的離職を発生させていないこと、同じく1年以内および締結後に企業の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させていないこと、義務的支援の実施にかかる費用を企業が負担すること、などです。

欠格事由としては、禁錮以上の刑に処せられた者、出入国または労働に関する法律に違反し罰金刑に処せられた者、社会保険各法および労働保険各法において事業主としての義務に違反し罰金刑に処せられた者などで、刑の執行等から5年が経過していない場合が挙げられています。技能実習計画の取消しを受けて5年が経過していない場合も同様です。

林業分野固有の上乗せ基準(告示第1776号)

令和6年農林水産省告示第1776号第2条は、特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関が次のいずれにも該当することを求めています。

  • 農林水産省が設置する林業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会の構成員であること
  • 協議会において協議が調った事項に関する措置を講ずること
  • 協議会が行う情報の提供、意見の聴取、調査その他の活動に対し、必要な協力を行うこと
  • 農林水産省が行う調査、指導その他の活動に対し、必要な協力を行うこと
  • 登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する場合にあっては、上記のうち協議会・農林水産省への協力に該当する登録支援機関に委託していること

この基準は、特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係る基準(特定技能基準省令第2条第1項第13号)と、適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係る基準(同条第2項)の双方について課されています。なお、令和8年農林水産省告示第624号による改正が行われており、当該改正は令和9年4月1日から適用されます。

派遣は不可、直接雇用のみ

告示第1776号第1条は、申請人が労働者派遣の対象とすることを内容とする特定技能雇用契約を締結していないことを上陸基準として定めています。分野別運用方針も雇用形態を「直接雇用に限る」と明記しており、林野庁の手引き(令和8年8月)も「林業分野では派遣による受入れはできません(直接雇用のみ)」としています。

運用要領別冊は、1号特定技能外国人を派遣し、または派遣された者を受け入れた場合には、入国・在留諸申請において不正に許可を受けさせる目的での虚偽文書の行使等に該当し、出入国に関する法令に関し不正または著しく不当な行為を行ったものとして、以後5年間は特定技能外国人の受入れができなくなると警告しています。派遣を認めている農業分野や漁業分野とは扱いが正反対ですので、他分野の情報を横引きしないよう注意が必要です(派遣が認められる分野の運用については特定技能「農業」とは?受入れ要件・派遣の可否・協議会加入を参照)。

受入れ人数枠と労働条件

林野庁のQ&A(令和8年8月)は、林業事業者により経営の状況等は多様であることから、林業分野においては技能実習制度のような1事業者当たりの受入れ人数枠は現在のところない、としています。ただし、これは無制限を意味するものではなく、分野全体の受入れ見込数(1号特定技能外国人900人)が受入れの上限として運用されます。

労働条件については、所定労働時間がフルタイムであること(原則として労働日数が週5日以上かつ年間217日以上、労働時間が週30時間以上)、仕事の掛け持ちやアルバイトは不可であること、報酬の額が同等の業務に従事する日本人労働者と同等以上であること、外国人が一時帰国を希望した場合には必要な有給休暇を取得させることなどが求められます。

林業特定技能・育成就労協議会への加入

林業分野で最もつまずきやすいのが、協議会への加入です。加入そのものは無料でオンライン申請ですが、加入するための前提条件が林業分野特有のものになっています。

協議会は「林業特定技能・育成就労協議会」に

従来「林業特定技能協議会」と呼ばれていた協議会は、育成就労制度への対応を含め「林業特定技能・育成就労協議会」として整理されています。令和8年6月26日には第1回の林業特定技能・育成就労協議会および幹事会が開催され、同日付で組織運営要領(協議会決定第1号)、構成員資格取扱要領(特定技能所属機関)(同第2号)、特定技能外国人の労働安全の確保(同第3号)、構成員資格取扱要領(育成就労実施者)(同第4号)、行動規範(同第5号)、育成・キャリア形成プログラム(同第6号)が定められています。

協議会は、林野庁経営課を事務局とし、特定技能所属機関、業界団体、農林水産省、制度所管省庁(出入国在留管理庁、警察庁、外務省、厚生労働省)により構成されます。業界団体としては、一般社団法人林業技能向上センター、日本林業経営者協会、日本造林協会、全国素材生産業協同組合連合会、全国山林種苗協同組合連合会、日本林業協会、全国森林組合連合会などが名を連ねています。

加入の前提条件

協議会決定第2号「林業特定技能・育成就労協議会構成員資格取扱要領(特定技能所属機関)」第1条は、構成員の資格を得るための基準として次を定めています。

  • 育林・素材生産に従事させる場合:林業労働力の確保の促進に関する法律(労確法)第5条第1項の認定を受けている者、または森林経営管理法第36条第2項もしくは第44条第2項の規定により公表されている民間事業者であること
  • 林業種苗育成または製炭の作業のみに従事させる場合:当該作業に従事するにあたって必要となる労働安全確保のための措置を講じていること
  • 特定技能制度その他外国人に係る出入国または労働に関する法令の規定を遵守していること
  • 協議会において協議が調った事項に関する措置を講じることとしていること
  • 協議会およびその構成員が行う報告の徴収、資料の要求、現地調査その他の指導に対し、必要な協力を行うこと
  • 登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部または一部の実施を委託する場合は、上記の協力を行う登録支援機関に委託していること
  • 構成員間で紛争が生じた場合は、その解決のため当事者間において誠実に協議を行うこと
  • 協議会が定める行動規範を遵守すること

ここで重要なのは、育林・素材生産を行わせる事業者は、労確法に基づく認定事業主であるか、森林経営管理法に基づき都道府県が公表した民間事業者(いわゆる「意欲と能力のある林業経営体」)であるかのいずれかでなければならないという点です。林野庁のQ&Aも、素材生産事業者がチェックシートの提出だけで加入要件を満たすことはできない旨を明言しています。

労確法の認定事業主になるには、各都道府県の林業労働力確保の促進に関する基本計画の内容に基づいた改善計画を作成し、都道府県知事の認定を受ける必要があります。意欲と能力のある林業経営体になるには、都道府県による公募に応募し、要件に該当する者として都道府県により公表される必要があります。いずれも都道府県の林務担当部局が窓口で、申請から公表・認定までに一定の期間を要します。特定技能の受入れを検討し始めた時点で、この認定・公表を取得済みかどうかを最初に確認すべきです。ここが未了であれば、そもそも協議会に入れず、在留資格の申請にも進めません。

林業種苗育成または製炭の作業のみに従事させる場合については、幹事会決定第1号により、「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:林業)事業者向け」(令和3年2月26日林野庁)に沿って取り組んでいることを指すものとされ、同規範のチェックシートで取組状況をチェックし、全項目を確認したうえで構成員の資格申請の際に添付することとされています。

加入手続と留意点

加入申請は、林野庁ホームページの入会申請フォームから行い、認定事業主であること等の証拠書類を協議会事務局宛にメールで送付します。証拠書類は、認定事業主であれば都道府県からの認定通知書の写しまたは林業労働力確保支援センターのホームページで公表されている該当箇所の写し、意欲と能力のある林業経営体であれば都道府県のホームページで公表されている該当箇所の写しです。

手続上のポイントを整理すると次のとおりです。

  • 加入申請から加入通知書の送付まで、通常、申請日から概ね10営業日程度を要する
  • 入会費や年会費等の費用はかからない
  • 加入通知書は外国人材の受入れの際に必要となるため、大切に保管する
  • 加入は、対象となる特定技能外国人に関する出入国在留管理庁への在留諸申請の前までに完了している必要がある
  • 登録支援機関および監理支援機関は協議会加入の対象外(加入不要)
  • 認定事業主の認定や意欲と能力のある林業経営体の公表を更新した場合は、変更申請フォームから変更申請を行い、証拠書類を改めて提出する
  • 協議会が開催された場合でも、特定技能所属機関が出席する必要はない

運用要領別冊も、特定技能所属機関は在留諸申請の前に協議会に加入し、加入後は農林水産省および協議会に対し必要な協力を行わなければならず、必要な協力を行わない場合は基準に適合しないこととなり特定技能外国人の受入れができない、と明記しています。在留資格申請の添付書類としては、「林業分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書」(分野参考様式第17-1号)と、協議会の構成員であることの証明書が求められます。

在留資格の申請と受入れ後の届出

申請の種類と手数料

受け入れる外国人が海外にいる場合は在留資格認定証明書交付申請を行い、証明書の交付を受けたうえで在外公館に査証(ビザ)を申請します。すでに日本に在留している場合(技能実習修了者や他分野の特定技能外国人など)は、在留資格変更許可申請を行います。いずれも最寄りの地方出入国在留管理局への申請です。

手数料については、2025年4月1日の改定により、在留資格変更許可申請および在留期間更新許可申請は各6,000円(オンライン申請の場合は5,500円)となっています。在留資格認定証明書交付申請には手数料はかかりません。受入れにかかる費用全体の考え方は特定技能外国人の受入れ費用の全体像|初期費用から月額費用まで整理もあわせてご確認ください。

在留期間と通算5年

特定技能1号の在留期間は、出入国在留管理庁の公表内容によれば「法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲)」とされ、特定技能1号で在留できる期間は通算で原則5年以内である必要があります。申請人の通算在留期間によっては、希望する在留期間が付与されない場合があります。

通算在留期間に算入されない期間として、入管庁は、やむを得ない事情により再入国できなかった期間、労働基準法に基づく産前産後休業および育児・介護休業法に基づく育児休業の期間、連続1か月を超える傷病による休業期間(原則1年以下、労災の場合は3年以下)を挙げています。

林業分野には特定技能2号が設定されていないため、林業分野で就労を続ける限り、通算5年が在留の上限となります。特定技能2号とは?対象分野・在留期間・1号との違いを行政書士が解説で解説しているとおり、2号は分野ごとに設定されており、林業分野は現時点でその対象になっていません。

なお、林野庁のQ&Aは、雇用契約ごとに定められた雇用期間の終了後に別の林業事業者と雇用契約を締結し、地方出入国在留管理局において新たに在留資格変更許可を受けることで、同一地域内あるいは全国各地の別の林業事業者の下で業務に従事することができるとしています。また、全国各地に施業地を有する林業事業者が雇用する場合には、雇用主を変更しない限り全国各地の施業地で業務に従事できるとされています。さらに同Q&Aによれば、再入国許可(みなし再入国許可を含む)により出国していた期間も通算5年の期間に算入される一方、特定技能1号による在留を終了して単純出国した期間は算入されません。季節性を踏まえて休閑期に帰国させる運用を検討する場合は、この通算期間の数え方に注意が必要です。

支援計画と登録支援機関

特定技能所属機関は、入管法第2条の5第6項に基づき、1号特定技能外国人に対する職業生活上・日常生活上・社会生活上の支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)を作成し、これに基づく支援を実施しなければなりません。義務的支援は、事前ガイダンス、出入国する際の送迎、住居確保・生活に必要な契約支援、生活オリエンテーション、公的手続等への同行、日本語学習の機会の提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進、転職支援(人員整理等の場合)、定期的な面談・行政機関への通報の10項目です。

支援の全部または一部を登録支援機関に委託することができ、全部を委託する場合は「外国人を支援する体制があるもの」とみなされます。支援計画の詳細は特定技能1号の支援計画とは?義務的支援10項目と登録支援機関への委託を解説で整理しています。

受入れ後の届出

受入れ開始後は、出入国在留管理庁長官に対する各種届出が義務づけられます。随時の届出としては、特定技能雇用契約の変更・終了・新たな契約の締結に関する届出、支援計画の変更に関する届出、登録支援機関との支援委託契約の締結・変更・終了に関する届出、特定技能外国人の受入れ困難時の届出、出入国または労働関係法令に関する不正行為等を知ったときの届出があります。提出期限の考え方は特定技能の随時届出一覧|契約変更・支援計画変更・受入れ困難・支援実施困難時の14日ルールにまとめています。

定期の届出としては、特定技能外国人の受入れ状況に関する届出、支援計画の実施状況に関する届出(全部委託した場合を除く)、特定技能外国人の活動状況に関する届出があります。林野庁の手引きによれば、定期届出の頻度は令和7年4月1日より1年に1回となり、対象年の4月1日から翌年3月31日までの受入れ・活動・支援実施状況を、翌年4月1日から5月31日までに提出する必要があります。実務の流れは特定技能の定期届出ガイド|届出書の書き方と提出の流れをご参照ください。

労働安全衛生と雇用管理の留意点

林業は、労働災害の発生率が他産業と比べて高い産業です。分野別運用方針は、林業における死傷年千人率が令和2年の25.4から令和6年の23.3へと減少傾向にあり、直近で改定された労災保険率も60‰から52‰へと8ポイント低下したと記載していますが、それでも他産業に比べて高い水準にあることに変わりはありません。この事情が、林業分野の協議会加入要件に労働安全衛生の観点が組み込まれている理由です。

協議会決定第3号に基づく指導・教育

協議会決定第3号「特定技能外国人の労働安全の確保」は、協議会の構成員となる林業分野の特定技能所属機関に対し、労働災害の防止を図るため、特定技能外国人に対して次の事項を指導・教育することを求めています。

  • チェーンソーによる伐木に係る業務を行わせる場合、「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」に基づく安全な伐木作業方法
  • 緊急時の連絡体制
  • その他労働災害の防止を図るために必要と判断される事項

特別教育と健康診断

これに加えて、日本人労働者に対する措置と同様の安全衛生管理が必要です。林野庁の手引きは、雇入れ時等の安全衛生教育、雇入れ時および定期の健康診断、労働安全衛生規則第36条第8号に基づくチェーンソーを用いて伐木等の業務に係る安全衛生特別教育、下刈等で刈払機を使用させる場合の刈払機取扱作業者に対する安全衛生特別教育を挙げています。チェーンソーの特別教育は林業技能測定試験の受験資格にもなっていますので、必要に応じて受講させることになります。

労務管理面では、労働基準法および労働安全衛生法に基づく労働者名簿、賃金台帳、出勤簿(タイムカード)、健康診断個人票の作成・保存が必要です。保険については、法人であれば労災保険・雇用保険・健康保険・厚生年金保険がいずれも強制適用となります。個人事業の場合は労働者数によって取扱いが異なりますので、具体的な適用関係は所轄の労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所にご確認ください。

人材紹介を受ける場合の職業安定法上の留意点

見落とされがちですが、実務上きわめて重要な論点があります。林野庁の手引きは、外国人材のあっせんを受ける場合は日本人と同様に職業紹介事業の許可を持つ者から受ける必要があるとしたうえで、林業業務のうち、地拵え、植栽等の業務は、職業安定法において建設業務と類似する作業とみなされ、有料職業紹介事業の取扱い対象外とされていることに留意が必要である、と明記しています。

民間の人材紹介会社を通じて林業人材を確保しようとする場合、この点を確認せずに契約すると、そもそも適法にあっせんを受けられない業務が含まれている可能性があります。紹介事業者の許可の範囲と、実際に従事させる業務の内容を突き合わせて確認してください。

育成就労制度(令和9年4月1日運用開始予定)と林業

技能実習制度に代わる育成就労制度は、令和9年4月1日より運用開始が予定されています。林野庁も、林業はいずれの制度においても受入れが可能となっていることを明示しており、令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針(別紙17)には育成就労に関する事項も一体的に定められています。

受入れ見込数

分野別運用方針によれば、林業分野全体における令和6年度から令和10年度までの5年間の受入れ見込数は1,400人です。うち1号特定技能外国人の受入れ見込数は令和6年度から5年間で900人(令和10年度末までの受入れの上限として運用)、育成就労外国人の受入れ見込数は令和9年度から2年間で500人(令和10年度末までの2年間の受入れの上限として運用)とされています。

林業分野の育成就労で求められる水準

分野別運用方針は、林業分野の育成就労について次の水準を定めています。就労を開始するまでに求められる日本語能力水準は「日本語教育の参照枠」のA1相当以上、または認定日本語教育機関等における当該水準に相当する日本語講習の受講。育成就労の開始後1年経過時までに、技能水準として技能検定(林業職種)基礎級、日本語能力水準としてA1相当以上。育成就労を終了するまでに、技能水準として技能検定(林業職種)3級、日本語能力水準としてA2.2相当以上です。

本人の意向による転籍については、技能検定(林業職種)基礎級および「日本語教育の参照枠」のA2.1相当以上の水準が求められ、転籍制限期間は1年とされています。雇用形態は特定技能と同じく直接雇用に限られ、業務区分および従事する業務も特定技能制度と同一です。

育成就労実施者に課される林業固有の条件

育成就労実施者に対しては、特定技能所属機関よりもさらに踏み込んだ条件が課されます。分野別運用方針は次の事項を挙げています。

  • 育成就労1年経過時までに46時間以上、育成就労終了時までに追加で97時間以上を標準とする、育林・素材生産作業に関する基礎的な知識を習得させる講習(座学、見学および実地訓練を含む)を実施し、その習熟度をチェックリストにより確認すること
  • 育成就労実施者は、労確法第5条第1項の認定を受けている者、森林経営管理法第36条第2項または第44条第2項の規定により公表されている民間事業者のいずれかであること
  • 作業に従事する現場において緊急時の連絡体制が整備されており、伐木作業に従事する現場においては、緊急時に指示が出せる範囲内に育成就労指導員を配置すること
  • 育成就労外国人の総数が常勤職員の総数を超えないこと
  • 講習習熟度の確認を行ったチェックリストを事業所において備え置くこと
  • 育成就労指導員は1級または2級の林業技能士等であること(ただし令和10年度末までは経過措置として、育林・素材生産作業について7年以上の実務経験を有する者またはフォレストリーダー登録者も含む)

令和6年9月30日に技能実習の「林業職種」が技能実習2号・3号への移行対象職種に追加されており、令和9年4月に育成就労制度へ移行する時点で実習中の技能実習生については、引き続き実習が行えるなどの経過措置が定められています。制度全体の変化については育成就労制度の概要|2027年4月1日施行の新制度・技能実習との5つの違いを解説をご参照ください。

受入れを検討する林業事業体が押さえるべき実務の順序

ここまでの内容を、実際に動くときの順序に置き換えて整理します。林業分野では、外国人を探すことよりも先に自社側の要件整備が必要になるという点が、他分野と大きく異なります。

ステップ1:自社が協議会に入れる状態かを確認する

育林・素材生産に従事させるのであれば、労確法に基づく認定事業主か、森林経営管理法に基づき都道府県が公表した民間事業者であることが必須です。どちらも未取得であれば、まず都道府県の林務担当部局に相談し、改善計画の認定または公募への応募から着手することになります。林業種苗育成または製炭の作業のみに従事させる場合は、林野庁の作業安全規範のチェックシートによる取組確認が要件になります。

ステップ2:人材要件のルートを決める

試験ルートであれば、チェーンソーによる伐木等特別教育の受講から林業技能測定試験の合格まで、相応の準備期間が必要です。国外試験は当面実施予定がないため、実務上は国内に在留している外国人を対象とするか、日本語試験・技能試験の両方の合格を国内で完結させる設計が中心になります。技能実習ルートを検討する場合は、林業職種の技能実習2号を良好に修了した者は技能試験・日本語試験のいずれも免除され、他職種の技能実習2号を良好に修了した者は日本語試験のみ免除(林業技能測定試験の合格は必要)となる点を確認してください。

ステップ3:協議会に加入し、在留諸申請の前に加入通知書を確保する

協議会への加入は在留諸申請の前に完了している必要があり、申請から加入通知書の送付までに概ね10営業日程度を要します。採用スケジュールを組む際は、この期間を必ず織り込んでください。

ステップ4:雇用契約・支援計画を整え、在留資格を申請する

雇用条件書には、従事すべき業務の内容が育林、素材生産、育苗、製炭に主として従事してもらう内容となっていること、所定労働時間が他の労働者と同じであること、賃金が同じ作業に従事する日本人労働者と同額以上であること、一時帰国を希望した場合に必要な有給休暇を取得させる旨、契約終了後の帰国費用の取扱いなどを規定します。あわせて義務的支援10項目を含む支援計画を作成し、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行います。

ステップ5:受入れ後の安全衛生・労務管理・届出を継続する

就労開始後は、支援計画に基づく支援の実施、随時届出・定期届出、安全衛生教育と特別教育、労働者名簿等の作成・保存が継続的に必要です。協議会決定第3号に基づく指導・教育も確実に行ってください。

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まとめ

特定技能1号「林業」は、令和6年3月29日の閣議決定で受入れ対象分野に追加され、同年9月30日の令和6年農林水産省告示第1776号と運用要領別冊によって具体的な基準が示された分野です。令和8年1月23日の閣議決定では特定技能と育成就労の分野別運用方針が一体化され、林業は別紙17として整理されました。制度の枠組みは整っているものの、令和8年6月末時点の在留者数は19人で、受入れ見込数900人に対する充足率は2.1%にとどまります。

従事できる主たる業務は育林、素材生産、林業用種苗の育成、原木生産を含む製炭作業です。日本人が通常従事する関連業務に付随的に従事することは差し支えありませんが、専ら関連業務に従事させることは認められません。森林組合等が請け負った業務に従事させる場合、作業の指揮命令は発注者である森林所有者ではなく、雇用契約を結んだ受入れ機関が行う必要があります。

外国人本人の要件は、林業技能測定試験と日本語試験の合格、または関連性が認められる職種の技能実習2号の良好な修了です。試験は学科(30分・30問・65%以上)と実技(チェーンソーによる作業試験)で構成され、受験にはチェーンソーによる伐木等特別教育の受講が必要で、受験料は20,000円(税込)です。国外試験は当面実施予定がなく、合格通知書の有効期限は受験日から10年です。

受入れ機関側では、派遣が全面的に禁止され直接雇用に限られること、そして林業特定技能・育成就労協議会への加入が在留諸申請の前までに必要であることが二大要件です。とりわけ、育林・素材生産に従事させる場合は労確法に基づく認定事業主または森林経営管理法に基づき公表された民間事業者でなければ協議会に加入できないという構造は、林業分野固有の入口条件です。この認定・公表の取得が済んでいなければ、採用活動そのものが空振りになります。

行政書士法人Treeでは、申請取次行政書士が在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請といった官公署提出書類の作成と申請取次を行っています。林業分野の受入れは、業務範囲の切り分け、協議会加入要件の確認、支援計画の設計といった論点が絡み合うため、初回の設計段階から要件を一つずつ確定させていくことが、結果的にいちばんの近道になります。要件の確認からご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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