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成年後見制度とは?法定後見の3類型と申立て手続きを解説

更新: 約18分で読めます

「親が認知症になったら預金が引き出せなくなると聞いた」「成年後見制度を使いたいが、後見・保佐・補助のどれに当てはまるのかわからない」——こうした不安を抱えるご家族は少なくありません。成年後見制度は、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力が低下した方の権利を守るために、家庭裁判所が後見人等を選任する公的な支援制度です。

成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2つがあり、法定後見はさらに判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3類型に分かれます。すでに判断能力が低下している方は法定後見を、まだ判断能力が十分な方は任意後見を利用します。申立てから審判まではおおむね1〜2か月です。

「家族の判断能力が低下してきた。どの類型で申し立てればいいのか」「任意後見と法定後見、どちらが適しているのか判断できない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。終活・後見の専門家がご状況に合った制度をご案内します。相談は何度でも無料・全国対応です。

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成年後見制度とは?制度全体の仕組み

成年後見制度は、判断能力が不十分な方を法律面から支援する制度です。民法(第7条〜第21条、第838条以下)および「任意後見契約に関する法律」を根拠とし、2000年4月に介護保険制度と同時にスタートしました。

制度の目的は、判断能力が低下した方に代わって財産管理や身上監護(介護サービスの契約、施設入所の手続き等)を行い、本人の権利と生活を守ることです。預金口座が事実上凍結される、不要な契約を結ばされるといったリスクから本人を保護します。

法定後見と任意後見の位置づけ

成年後見制度は大きく「法定後見」と「任意後見」の2つに分かれます。

区分 法定後見 任意後見
利用のタイミング 判断能力が低下した後 判断能力が十分なうちに契約
後見人の決め方 家庭裁判所が選任 本人が自由に選ぶ
類型 後見・保佐・補助の3類型 将来型・即効型・移行型
取消権 あり(後見・保佐・補助のいずれも) なし
開始手続き 家庭裁判所への審判申立て 公正証書で契約 → 監督人選任の申立て
根拠法 民法 任意後見契約に関する法律

本記事では法定後見を中心に解説します。任意後見制度の全体像については「任意後見契約とは?制度の仕組み・手続き・費用を解説」で詳しくまとめています。

利用者数の現状

最高裁判所の統計によると、成年後見制度の利用者数は2024年12月末時点で約25万人です。しかし、判断能力が不十分と推計される方(約1,300万人)に対する利用率はわずか約2%にとどまっています。年間の申立件数は約4万件で推移しており、制度の周知と利用促進が課題とされています。

法定後見の3類型はどう違う?【後見・保佐・補助の比較表】

法定後見は、本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3つの類型に分かれます。判断能力の低下が最も重い場合が「後見」、中程度が「保佐」、軽度の場合が「補助」です。類型によって後見人等に付与される権限(代理権・同意権・取消権)の範囲が異なります。

比較項目 後見 保佐 補助
対象となる方 判断能力を欠くのが通常の方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が不十分な方
具体的な状態の目安 日常の買い物も困難。常に支援が必要 重要な財産行為(不動産売買等)を一人で行うのが難しい 重要な財産行為について不安が残り、援助が望ましい
代理権 包括的(財産に関するすべての法律行為) 申立てにより家庭裁判所が特定の行為に付与 申立てにより家庭裁判所が特定の行為に付与
同意権 なし(※後見人が包括的代理権を持つため不要) 民法13条1項に定める行為について当然に付与 申立てにより民法13条1項の一部の行為に付与
取消権 あり(日用品の購入等を除く) あり(同意権の範囲内の行為について) あり(同意権が付与された行為について)
本人の同意 申立てに不要 代理権の付与には本人の同意が必要 申立て自体に本人の同意が必要 + 代理権・同意権の付与にも本人の同意が必要
利用割合(2024年) 70% 22% 7%

利用者の約7割を「後見」が占めている現状は、判断能力が大きく低下してから申し立てるケースが多いことを示しています。判断能力が残っているうちに「保佐」や「補助」で必要最小限の支援を受ける方が本人の自由度は高くなりますが、実際にはその段階で制度の利用に至るケースがまだ少ないのが実情です。

民法13条1項の「重要な行為」とは?

保佐人の同意権の対象となる「民法13条1項に定める行為」は、以下のような重要な財産行為です。保佐人の同意なくこれらの行為を行った場合、保佐人は取り消すことができます。

  • 借金をすること、保証人になること
  • 不動産やその他重要な財産の売買
  • 訴訟行為
  • 贈与・和解・仲裁合意をすること
  • 相続の承認・放棄、遺産分割
  • 新築・改築・増築・大修繕
  • 長期間の賃貸借(土地5年超・建物3年超など)

補助の場合は、上記のうち家庭裁判所が審判で選択した一部の行為のみが同意権の対象になります。このように、補助は最も柔軟に支援の範囲を設計できる類型です。

成年後見人・保佐人・補助人はそれぞれ何ができる?

後見人等の権限は「代理権」「同意権」「取消権」の3つに整理できます。この3つの権限がどう配分されるかが、類型ごとの最大の違いです。

代理権:本人に代わって法律行為を行う権限

後見の場合、成年後見人は財産に関するすべての法律行為について包括的な代理権を持ちます。預貯金の管理、不動産の売却、各種契約の締結など、財産に関するあらゆる行為を本人に代わって行えます。ただし、居住用不動産の処分については家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。

保佐・補助の場合、保佐人・補助人には当然には代理権が付与されません。代理権が必要な場合は、家庭裁判所に「代理権付与の審判」を申し立て、特定の法律行為について個別に代理権を認めてもらう必要があります。保佐・補助では本人の同意も要件です。

同意権:本人の行為に同意を与える権限

保佐では、民法13条1項に定められた重要な行為について、保佐人に当然に同意権が付与されます。本人がこれらの行為を行う際には保佐人の同意が必要になり、同意なく行われた場合は取り消せます。さらに、家庭裁判所の審判で同意権の範囲を拡張することも可能です。

補助では、同意権は当然には付与されず、家庭裁判所の審判で民法13条1項の行為の「一部」について同意権を付与してもらう仕組みです。

後見では、成年後見人に同意権はありません。後見類型は本人の判断能力が著しく低下しているため、そもそも「本人が行為をして後見人が同意する」という構造が想定されていないためです。

取消権:本人の不利な行為を取り消す権限

取消権は3類型すべてに認められていますが、範囲が異なります。後見では日用品の購入等を除くすべての法律行為を取り消せます。保佐では同意権の対象となる行為を取り消せます。補助では同意権が付与された行為に限って取り消せます。

取消権は、悪徳商法や不必要な高額契約から本人を守る重要な武器です。任意後見にはこの取消権がないため、法定後見を選ぶ大きな理由の一つになっています。

後見人等でもできないこと

成年後見人・保佐人・補助人の権限には限界もあります。特に注意すべき点を押さえておきましょう。

  • 医療同意権は認められない: 手術や延命治療の可否といった医療行為への同意は、成年後見人であっても法律上の権限がありません。医療行為の同意は本人の一身専属的な権利とされており、後見人が代わりに判断できる法的根拠がないためです。これは成年後見制度全体の課題として長年議論されています
  • 身元保証人にはなれない: 入院や施設入所の際に求められる身元保証について、成年後見人は身元保証人としての義務(費用負担・遺体引取り等)を引き受ける立場にありません
  • 一身専属的な行為は代理できない: 婚姻届の提出、養子縁組、遺言の作成など、本人にしかできない行為は代理の対象外です

法定後見の申立て手続きの流れ

法定後見を利用するには、家庭裁判所への審判の申立てが必要です。申立てから審判までの期間はおおむね1〜2か月ですが、鑑定が必要な場合はさらに時間がかかります。

Step 1: 申立ての準備・必要書類の収集

まず、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行うための書類を準備します。主な必要書類は以下の通りです。

書類 取得先・備考
申立書(後見開始/保佐開始/補助開始) 家庭裁判所のウェブサイトからダウンロード可能
申立事情説明書 本人の生活状況・財産状況等を記載
本人の戸籍謄本 本籍地の市区町村
本人の住民票(または戸籍附票) 住所地の市区町村
登記されていないことの証明書 東京法務局または各地方法務局(1通300円)
医師の診断書(家庭裁判所所定の書式) 主治医等に依頼(数千円〜1万円程度)
本人情報シート ケアマネジャー等の福祉関係者が作成
親族関係図 申立人が作成
財産目録・収支状況報告書 本人の通帳コピー・固定資産税通知書等を添付
後見人等候補者事情説明書 候補者がいる場合に作成
親族の同意書 主要な親族の意見を確認

書類の中で特に重要なのが医師の診断書です。本人の判断能力の程度を医学的に評価するもので、家庭裁判所はこの診断書を基に後見・保佐・補助のどの類型に該当するかを判断します。診断書は家庭裁判所の所定書式を使用して主治医等に作成してもらいます。

Step 2: 家庭裁判所への申立て

必要書類が揃ったら、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書と添付書類一式を提出します。申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族・市区町村長・検察官などです。

申立てに際して注意すべき点があります。補助開始の審判を申し立てるには本人の同意が必要です(民法15条2項)。後見・保佐の場合は本人の同意は不要ですが、補助は本人の判断能力がある程度残っているため、本人の自己決定権を尊重する趣旨で同意が求められます。

Step 3: 家庭裁判所による調査・審理

申立てを受理した家庭裁判所は、以下の調査を行います。

  • 申立人・後見人等候補者の面接: 家庭裁判所の調査官が申立ての動機や候補者の適性を確認
  • 本人との面接: 原則として裁判官または調査官が本人と面接し、判断能力の状態を確認
  • 親族への意向照会: 主要な親族に書面等で意見を確認する場合がある
  • 鑑定: 診断書だけでは判断能力の程度を確定できない場合、家庭裁判所が精神鑑定を実施。ただし鑑定が行われる割合は全体の約5%前後と少ない

Step 4: 審判・後見人等の選任

調査・審理を経て、家庭裁判所が後見等の開始を認める場合、審判が出されます。同時に成年後見人(保佐人・補助人)が選任されます。

申立て時に候補者を指定できますが、必ずしも候補者が選任されるとは限りません。2024年の統計では、親族が後見人等に選任される割合は全体の約17%にとどまっています。管理財産額が大きい場合や親族間に利害対立がある場合は、弁護士・司法書士などの専門職後見人が選任される傾向にあります。

Step 5: 登記・後見事務の開始

審判が確定すると、家庭裁判所の嘱託により東京法務局に成年後見登記がなされます。登記事項証明書は、後見人が金融機関や行政機関で代理権を証明する際に使用する重要な書類です。後見人は就任後、速やかに本人の財産状況を調査し、家庭裁判所に財産目録を提出します。

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法定後見の申立てにかかる費用は?

法定後見の申立て費用は、裁判所に納める実費と専門家への報酬に分かれます。実費だけであれば1〜2万円程度ですが、鑑定費用や専門家への依頼費用を含めると負担が大きくなる場合もあります。

費用項目 金額の目安 備考
申立手数料(収入印紙) 800円 後見・保佐・補助いずれも同額
後見登記手数料(収入印紙) 2,600円
郵便切手(予納郵券) 3,200〜4,000円程度 裁判所により異なる
医師の診断書 数千円〜1万円程度 家庭裁判所所定の書式
登記されていないことの証明書 300円 東京法務局または各地方法務局
住民票・戸籍謄本等 各300円程度
鑑定費用 10万〜20万円程度 必要と判断された場合のみ(実施率は約5%前後)
専門家(弁護士・司法書士)への報酬 10万〜30万円程度 申立て手続きを依頼した場合

申立て費用は原則として申立人の負担です(家事事件手続法第28条第1項)。ただし、家庭裁判所の判断で費用の一部を本人負担とすることも可能です(同条第2項)。本人に十分な資力がない場合は、市区町村の成年後見制度利用支援事業(申立費用や後見人報酬の助成)を利用できる場合があります。お住まいの市区町村に問い合わせてみるとよいでしょう。

後見人への継続的な報酬

法定後見では、後見人等への報酬は家庭裁判所が決定します(民法862条)。報酬は本人の財産から支払われます。金額の目安は以下の通りです。

  • 基本報酬: 管理財産額に応じて月額2万〜6万円程度(管理財産が5,000万円超の場合は月額5万〜6万円程度)
  • 付加報酬: 不動産の売却や遺産分割の手続きなど、特別な事務を行った場合に加算される

後見が開始されると、本人が亡くなるまで(または判断能力が回復するまで)報酬が継続的に発生します。年間で24万〜72万円程度のコストになるため、長期的な資金計画も考慮しておくべきです。

法定後見で見落としがちな注意点

法定後見制度を利用する前に知っておくべき注意点をまとめます。制度上の事実に基づくものですが、申立ての段階で認識不足のまま進めると後から「こんなはずではなかった」となりかねない点です。

後見人を本人や家族の希望で選べない

申立て時に後見人等の候補者を指定できますが、最終的な選任権は家庭裁判所にあります。2024年の統計では、後見人等に親族が選任される割合は約17%にとどまっています。弁護士・司法書士が約50%、社会福祉士が約17%を占めています。特に管理財産額が大きい場合や、親族間で意見が対立している場合は、専門職が選任される傾向が強まります。

原則として終身利用になる

現行制度では、一度法定後見が開始されると、本人の判断能力が回復しない限り原則として死亡時まで継続します。「不動産を売却するためだけに後見人を付けたかったが、売却後も後見が終わらない」というケースは実務上よく見られる問題です。ただし、後述する制度改正により、この終身制は見直される方向で議論が進んでいます。

積極的な財産運用は制限される

後見人は「本人の財産を維持・保全すること」を基本方針として活動します。そのため、相続税対策としての生前贈与や、値上がりを見込んだ投資、不動産の積極的な活用といった行為は、原則として認められません。裁判所の監督下で「本人の利益を守る」ことが優先されるためです。

申立ての取下げは裁判所の許可が必要

後見等の開始の審判が出る前であっても、申立ての取下げには家庭裁判所の許可が必要です(家事事件手続法第121条第1号)。「候補者として指定した親族が選ばれそうにないから取り下げたい」という理由での取下げは認められないことがあります。この点は申立て前に十分理解しておく必要があります。

成年後見制度の改正動向|3類型の一本化と終身制の見直し

成年後見制度は2000年の創設以来、約25年にわたり大きな見直しがありませんでしたが、法制審議会は2026年2月に「民法(成年後見等関係)等の改正に関する要綱」を法務大臣に答申しました。今後の国会審議を経て民法改正案が成立すれば、法定後見の仕組みが大きく変わる可能性があります。

改正要綱の主なポイント

  • 法定後見の3類型(後見・保佐・補助)を「補助」に一本化: 現行の包括的な代理権(後見類型)を廃止し、必要な範囲に限って個別に代理権や同意権を付与する仕組みに変更。本人の残存能力を最大限に活かす方向
  • 有期化(終身制の見直し): 支援の必要性がなくなったと家庭裁判所が認めた場合に審判を取り消して制度利用を終了できる方向。不動産売却や遺産分割など特定の目的が達成された時点で終了しやすくなる見込み
  • 後見人の交代の柔軟化: 「本人の利益のために特に必要がある場合」という解任事由を新設し、後見人との相性や生活への適合性に応じた交代を可能にする方向
  • 報酬の透明化: 業務内容に応じた報酬体系を明確化し、最高裁判所が全国的なデータを公表する方向

この改正が実現すれば、「一度始まったら終わらない」「後見人を交代できない」といった現行制度の課題が大幅に改善される見込みです。最新の情報は法務省の成年後見制度に関するページで確認できます。

ただし、改正法案の国会提出・成立は2026年以降の見込みであり、現時点では現行制度に基づいて手続きを進める必要があります。「改正を待って申し立てよう」と先延ばしにすると、本人の判断能力がさらに低下してしまうリスクもあるため、必要な場合は速やかに対応することが大切です。

なお、判断能力がまだ十分な方は、法定後見の改正を待つよりも認知症対策の3つの方法(家族信託・任意後見・財産管理委任契約)を検討するのが現実的な選択肢です。任意後見であれば自分で後見人を選べるうえ、契約内容も自由に設計できます。

よくある質問

Q. 法定後見の3類型はどう選ばれる?自分で選べる?

3類型のうちどれになるかは、家庭裁判所が医師の診断書や鑑定の結果をもとに判断します。申立人が「後見」「保佐」「補助」のいずれかを選んで申し立てますが、審理の結果、申立てとは異なる類型が認定される場合もあります。たとえば「後見」で申し立てたものの、診断の結果「保佐」相当と判断されるケースです。この場合、申立ての趣旨変更が必要になることがあります。

Q. 成年後見人に家族がなることはできる?

制度上、家族が後見人等に就任することは可能です。ただし、2024年の統計では親族が選任される割合は約17%です。家庭裁判所は管理財産の額、親族間の利害関係、候補者の適格性などを総合的に考慮して選任します。仮に親族が後見人になった場合でも、管理財産が一定額以上であれば後見制度支援信託・支援預金の利用を求められることがあります。

Q. 法定後見人は医療行為に同意できる?

成年後見人に医療同意権は認められていません。手術の実施や延命治療の可否といった医療行為への同意は、本人の一身専属的な権利(憲法13条の自己決定権)に基づくものであり、後見人が代わりに判断できる法的根拠がありません。実務上、医療機関が後見人に同意を求めてくることがありますが、これは法律上の権限に基づくものではなく、事実上の運用です。この問題は成年後見制度全体の課題として長年議論が続いています。

Q. 法定後見はどうすれば終了する?

現行制度では、法定後見は(1)本人の死亡(2)判断能力の回復による審判の取消し、のいずれかで終了します。「後見人が不要になった」「不動産の売却手続きが完了した」という理由だけでは終了できません。ただし、改正要綱では有期化(目的達成時の終了)が盛り込まれており、今後の法改正により柔軟な終了が可能になる見通しです。

Q. 市区町村長が代わりに申し立てることもある?

本人に身寄りがなく、申立てをする親族がいない場合、市区町村長が申立人として法定後見の開始を申し立てることができます(老人福祉法第32条等)。2024年の統計では市区町村長による申立ては全体の約24%(約9,980件)を占めており、身寄りのない高齢者の増加に伴い年々増加しています。

Q. 法定後見と任意後見は併用できる?

法定後見と任意後見を同時に併用することはできません。任意後見契約が登記されている場合、原則として任意後見が法定後見に優先します(任意後見契約に関する法律第10条)。法定後見の開始が審判されると、任意後見契約は終了します。両方の制度の違いについては「法定後見 vs 任意後見|違いと選び方を解説」で詳しく比較しています。

まとめ

  • 成年後見制度は、判断能力が低下した方の財産管理・身上監護を法律面から支援する制度。「法定後見」と「任意後見」の2つがある
  • 法定後見の3類型(後見・保佐・補助)は、判断能力の程度に応じて権限の範囲が異なる。最も重い「後見」が全体の約70%を占めている
  • 申立て手続きは、必要書類の準備 → 家庭裁判所への申立て → 調査・審理 → 審判 → 登記の流れ。申立てから審判まで1〜2か月が目安
  • 後見人等に医療同意権はない。手術や延命治療の可否を後見人が代わりに判断する法的根拠はなく、制度全体の課題
  • 制度改正の方向: 法制審議会が2026年2月に答申した要綱では、3類型の「補助」への一本化、終身制の見直し、後見人交代の柔軟化が示されている
  • まだ判断能力が十分な方は、法定後見より先に任意後見契約を検討するのが得策。自分で後見人を選べ、代理権の範囲も自由に設計できる

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