情報確認:2026年10月25日
通販の後払いを払わないまま年月が過ぎ、今度は買った店とは違う会社から手紙が来た。「買い物の代金にも時効はあるのか」「会社が変わったら、そこから数え直しなのか」。後払い決済では、何を買ったかに加え、誰にどの種類のお金を払う契約だったかを確認する必要があります。
この記事では、行政書士法人Treeが、古い後払いの請求について通知書を作成する前に整理したいことを説明します。少額の買い物だから放置してよい、という記事ではありません。
「後払い」という呼び名だけでは、請求の仕組みは分かりません
後払いには、販売店の代金債権を決済会社が譲り受ける方式や、決済会社が代金を立て替える方式などがあります。たとえば現行のNP後払い利用規約は代金債権の譲渡を定めています。Paidyにも複数の利用規約があるため、サービス名が同じでも、利用した商品や当時の契約の確認が必要です。
ここで現行規約を示しているのは、今の規約を昔の利用へそのまま適用するためではありません。決済の仕組みが一つではないことを知り、当時の注文メールや請求書を探すためです。販売店と違う名前の請求だから直ちに架空請求、とも言えません。
| 探すもの | 分かること |
|---|---|
| 注文メール・購入履歴 | 購入店、注文日、商品代金、注文番号 |
| 初回の請求書・決済メール | 決済サービス、もとの支払期日、支払い方法 |
| 今回の請求・債権譲渡等の案内 | 現在の請求元、対象契約、請求する立場 |
| 振込記録・相談メール | 一部支払い、分割の約束、契約の変更 |
表は横にスクロールできます。
公式資料:NP後払い利用規約、Paidyの利用規約一覧。この記事は各社の時効対応結果を保証するものではありません。
新しい契約の基本は5年・10年、古い契約は別に確認
改正民法166条は、債権について、権利を行使できると債権者が知った時から5年、権利を行使できる時から10年という期間を定めています。完成猶予・更新などの事情がなければ、これらのうち先に期間が経過した方が基準です。支払期日が決まった請求では、通常、その期日を基礎に確認します。
時効の利益を受けるには、時効を援用する意思表示も必要です(民法145条)。期間が過ぎたように見えることと、何も対応せず請求を放置してよいことは別です。契約・支払い・裁判の履歴と通知する相手を確認して進めます。
ただし、2020年4月1日の民法改正より前に生じた債権や、改正前の契約を原因に生じた債権には、消滅時効の期間について旧法が適用される場合があります。旧法では商品代金と立替金などで検討する期間が異なり得ます。「通販だから全部2年」「後払いだから全部5年」と統一することはできません。
分割への変更、期限の利益を失う条件などがあれば、期日の確認も必要です。最初の注文日、最後に届いたメールの日、最新の払込票に印字された期限のうち、好きな日を選んで数えるわけではありません。根拠:民法166条ほか、法務省「経過措置」4頁(改正前の権利・契約と消滅時効)。
請求元が変わっただけでは、一律に時効がリセットされるわけではない
元の代金債権が譲渡されたのか、立替払いに基づく請求なのか、回収を委託された会社からの通知なのかを区別します。債権譲渡があったという事実だけで、元の債権の時効が一律に最初から進み直すわけではありません。
その一方で、現在の請求元を確認せず、昔の販売店に通知すれば十分と考えるのも危険です。通知の相手と、対象の注文・契約を正確に特定することが必要です。請求会社の見分け方は債権回収会社から請求が来たときの確認点も参考になります。
遅延手数料が増えていても、総額だけで通知内容を決めない
請求書には商品代金のほか、再請求や回収に関する費用などが記載される場合があります。実際に何が請求されているかを分け、それぞれの根拠や発生時期を確認してください。現行規約に書かれた金額を、古い請求へそのまま足し直す必要はありません。
また、少しだけ払う、分割にしてもらうと伝えるなどの行為は、債務の承認等として時効に影響する場合があります。すでに支払いや約束をした場合は、いつ、どの注文について何をしたかを残してください。単に問い合わせただけで、すべての請求について一律に時効を使えなくなるということではありません。
改正民法が適用される場合、裁判によらない催告は、その時から6か月間の完成猶予が基本です。その猶予中に繰り返された催告だけで、さらに猶予を延ばすことはできません(150条)。通常の督促状やメール、裁判所の支払督促、支払い・返済の約束を、同じ「督促への対応」として扱わず分けて確認してください。
裁判上の請求や裁判所の支払督促には、完成猶予・更新について別の取扱いがあります。確定判決等で権利が確定すると、手続が終了した時から新たに時効が進み、もとの時効期間が10年より短くても10年となるのが原則です。ただし、確定時にまだ弁済期が来ていない債権には、この10年とする特則は適用されません(147条・169条)。以前に裁判があったか分からない場合も、手元の書類や分かる経緯を相談時に伝えてください。
身に覚えのない購入、返品済みの商品、名義の不正利用が問題なら、時効とは別に請求の根拠を確認します。争いのある請求の交渉をTreeへ依頼できるという案内ではありません。裁判所からの支払督促・訴状がある場合は、期限を優先して弁護士・司法書士に相談してください。
依頼費用との比較も、先に確認してください
後払いの請求は、件数や元の代金によっては、通知書作成の費用の方が大きくなる場合があります。Treeのミニマムプランは1件税込10,780円から。複数の注文や契約がある場合は、通知する対象と件数を確認して見積もりをご案内します。減額額からの成功報酬という料金ではありません。
「同じ決済会社からの請求だから何注文でも同額」と思い込まず、注文番号が複数あることを相談時に伝えてください。現行料金一覧では、同じ債権会社で複数の借金がある場合、追加1件につき税込5,000円の加算をご案内しています。複数の注文が何件の契約として扱われるかは、注文番号・請求書を照合して受任前に確認します。依頼前に請求額・見込まれる範囲・費用を比べ、通知書を頼むかどうか決められるようにします。
時効援用の対象となる債務の全体像は時効援用できる借金・債務の種類、日付の見方は消滅時効の起算点と確認手順へ。Treeでは、通知書作成に必要な情報を伺い、原案確認後に内容証明郵便で発送します。
よくある質問
Q. 後払いの時効は必ず5年ですか?
必ずではありません。利用時期、債権の種類、契約内容、旧法・新法の適用、支払い・裁判等の履歴を確認します。
Q. 会社が変わった日から時効を数えますか?
債権譲渡があったことだけで、一律に最初から数え直すわけではありません。譲渡・立替・回収委託等の関係と元の支払期日を確認します。
Q. 後払いの請求が少額でも依頼した方がよいですか?
一律には勧められません。通知書作成の費用が対象額を上回る場合もあるため、契約・件数・見積もりを依頼前に確認してください。
Q. 注文のメールを消してしまいました。相談できますか?
はい。現在の請求書や利用したサービス名など、残っている情報から通知書作成の相談を始められます。不明な契約日や支払日は推測で埋めないでください。
古い請求の通知書作成は、分かる情報から相談できます
昔の通販代金について通知書を作りたい方は、注文の情報と最新の請求からご相談ください。
関連する記事
確認に使った公式資料
- NP後払い:利用規約(現行。過去の取引への自動適用を意味しません)
- Paidy:利用規約一覧(現行。利用した商品の規約を確認)
- 民法145条・147条・150条・152条・153条・166条・169条等
- 法務省:民法改正の経過措置(4頁)
- 裁判所:支払督促
- 行政書士法人Tree:現行料金一覧
2026年10月25日に確認した法令・公表資料と料金に基づく一般的な解説です。時効の成立・請求の消滅を保証するものではなく、契約・支払い・裁判等の経緯によって異なります。