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大規模成長投資補助金とは?2026年第5次公募・最大50億円・投資額20億円以上・100億宣言企業枠を解説

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大規模成長投資補助金(正式名称:中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)は、中堅・中小・スタートアップ企業による持続的な賃上げを目的とした省力化等による労働生産性の抜本的向上と事業規模拡大のための大規模投資を支援する経済産業省所管の補助金です。補助上限50億円・補助率1/3以下、第5次公募(2026年)では投資額20億円以上(100億宣言企業は15億円以上)が要件です。本記事では最新の公募内容を実務目線で解説します。

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目次

  1. 大規模成長投資補助金の概要
  2. 2026年第5次公募の主な変更点
  3. 対象事業者(中堅・中小・スタートアップ企業)
  4. 投資額要件(一般20億円以上・100億宣言企業15億円以上)
  5. 補助率・補助上限額
  6. 補助対象経費
  7. 賃上げ要件と未達時の返還
  8. 申請フロー・プレゼン審査
  9. 採択倍率と難易度
  10. 他補助金との使い分け
  11. 業務範囲の整理
  12. FAQ・まとめ

1. 大規模成長投資補助金の概要

大規模成長投資補助金は、令和5年度補正予算(令和5年11月成立)により創設された経済産業省所管の補助金で、第1回公募は2024年に実施されました。中堅・中小・スタートアップ企業が地域の良質な雇用を生み出す中核として成長することを促進し、人手不足や物価高に対応した労働生産性の抜本的向上と賃上げを実現するために、大規模な設備投資・拠点新設等を支援します。

補助上限は1企業あたり50億円と中小企業庁所管の他補助金(ものづくり補助金最大4,000万円、新事業進出補助金最大9,000万円等)に比べて1〜2桁大きい規模が特徴です。一定要件を満たす場合は最大10社のコンソーシアム形式での共同申請も対象となります。

2. 2026年第5次公募の主な変更点

第5次公募(2026年)では、過去公募から以下の重要変更が加わりました。

  • 投資下限額の引上げ:第4次までの「投資額10億円以上」が、第5次から一般企業は20億円以上、100億宣言企業は15億円以上に引き上げ
  • 賃上げ要件の厳格化:第4次の基準率4.5%以上から、第5次は1人あたり給与支給総額の年平均上昇率5.0%以上(100億宣言企業は4.5%以上)に引き上げ
  • 対象事業者の明確化:制度名称に「スタートアップ企業」を明示し、スタートアップ企業を対象に含めた制度設計
  • 補助事業期間:交付決定日から最長令和10年12月末まで

2026年5月時点で第5次公募の受付状況は変動しているため、申請を検討する場合は事務局サイトで最新の公募有無・締切・公募要領を必ず確認してください。

3. 対象事業者(中堅・中小・スタートアップ企業)

対象事業者は以下を満たす中堅・中小・スタートアップ企業です。

  • ①日本国内で事業を営む会社等(会社のほか個人事業者も対象となり得ますが、投資規模から実務上は法人が中心です)
  • 常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等(中堅企業・中小企業・スタートアップのいずれも対象)
  • ③補助事業終了後3事業年度における対象事業に関わる従業員等1人あたり給与支給総額について、一般枠は年平均上昇率5.0%以上、100億宣言企業は4.5%以上の賃上げ目標を掲げること
  • ④交付決定までに、当該賃上げ目標を従業員等に表明し、目標達成状況をフォローアップできる体制を整えること
  • ⑤財務健全性:直近決算で債務超過でないこと、税金未納がないこと等

会社法上の会社のほか、個人事業者や特定の組合等も対象となり得ます(投資規模から実務上は法人が中心。対象者の詳細は公募回ごとの公募要領で確認してください)。コンソーシアム形式の場合は代表事業者・構成員ともに対象事業者要件を満たす必要があります。

4. 投資額要件(一般20億円以上・100億宣言企業15億円以上)

本補助金の特徴は、補助金額ではなく投資額(外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)について下限が設定されている点です。

公募回 一般枠 100億宣言企業
第4次までの公募 投資額10億円以上 (区分なし)
第5次公募(2026年) 投資額20億円以上 投資額15億円以上

ここでいう投資額は、建物費、機械装置費、ソフトウェア費等の補助対象経費から外注費・専門家経費を除いた分として整理されています。投資計画がこの下限額を満たすかが、本補助金応募の最重要判断ポイントです。

100億宣言企業とは、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「売上高100億円宣言ポータル」で売上高100億円を目指す宣言を行った中小企業を指します。100億宣言企業は投資下限額・賃上げ要件で優遇されています。

5. 補助率・補助上限額

補助率は補助対象経費の1/3以下、補助上限額は1企業あたり50億円です。

区分 補助率 主な投資額要件 補助上限
一般枠 1/3以下 投資額20億円以上 50億円
100億宣言企業向け類型 1/3以下 投資額15億円以上 50億円

第5次公募資料では補助率は1/3以下で統一されており、特定の業種(建設業・運輸業等)について補助率を1/2へ引き上げる特例は設けられていません。業種に関わらず一律1/3以下である点に注意してください。

6. 補助対象経費

第5次公募資料で補助対象経費とされるのは以下の5区分です。

  • ①建物費:拠点新設・増改築等、本補助事業に使用する建物の建築費用
  • ②機械装置費:器具・備品費を含む設備投資
  • ③ソフトウェア費:本補助事業の実施に必要なソフトウェア等
  • ④外注費:本補助事業の遂行に必要な外注費
  • ⑤専門家経費:本補助事業の遂行に必要な専門家報酬

従業員の給与・社会保険料・経常的な維持管理費・通常の研修費・資格取得費・成長投資計画作成費(申請支援費用・コンサル費用)は原則として対象外です。クラウドサービス利用料・事業承継引継ぎ費・研究開発投資・人的投資を一律に補助対象とする整理は誤りで、対象範囲は申請時点の公募要領の対象経費・対象外経費で個別確認が必要です。

7. 賃上げ要件と未達時の返還

賃上げ要件の基本構造

本補助金の賃上げ要件は、補助事業終了後の一定期間における従業員等1人あたり給与支給総額の年平均上昇率が、直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上となることを基本に、公募回ごとに具体的な基準率が設定されます。固定の率ではなく最低賃金の上昇率を基準とするため、公募回ごとに基準となる率が変動します。

公募回 一般枠の基準率 100億宣言企業の基準率
第4次公募 4.5%以上 (区分なし)
第5次公募(2026年) 5.0%以上 4.5%以上

判定方法

第5次公募では、補助事業が完了した日を含む事業年度(基準年度)の補助事業に関わる従業員等1人あたり給与支給総額と比較して、基準年度の3事業年度後の1人あたり給与支給総額の年平均上昇率で判定されます。「給与等支給総額」または「1人あたり給与」のいずれかで判定可能とする整理ではなく、1人あたり給与支給総額の年平均上昇率が判定指標です。新規雇用増加による給与総額増加だけでは要件達成とはなりません。

未達時の返還

申請時に掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除き、未達成率に応じて補助金の返還を求められます。具体的な返還額・算定方法は、公募要領及び採択者向けの補助事業の手引きで確認します。

8. 申請フロー・プレゼン審査

  1. GビズIDプライム取得:法人代表者の本人確認を伴う電子認証(取得まで2〜3週間)
  2. 成長投資計画・事業計画書の作成:投資計画、賃上げ計画、財務計画、収益計画、地域経済への波及効果、実施体制、資金調達計画等を整理(必要様式・添付資料は公募回ごとの公募要領に従う)
  3. 電子申請:事務局指定の電子申請システムから必要書類をアップロード
  4. 書面審査:事業性・実現可能性・賃上げコミットメント・地域波及効果等の総合評価
  5. プレゼンテーション審査:書面審査通過者に対する個別面接。経営者本人の出席が原則
  6. 採択決定:公募回ごとのスケジュールに従い、書面審査・プレゼン審査を経て採択結果が公表
  7. 交付申請・交付決定:採択後に正式な交付申請書を提出し、交付決定を受けて事業開始
  8. 事業実施・実績報告:第5次公募では原則として交付決定日から最長で令和10年12月末まで。実績報告、確定検査、補助金請求・支払は事務局の手引きに従う
  9. 事業化状況報告:補助事業完了後、複数年にわたる事業化状況・賃上げ達成状況のフォローアップ報告

9. 採択倍率と難易度

経済産業省の公開資料では、第1次・第2次公募の採択社数は合計194者、採択倍率は約7倍と公表されています。応募件数・採択件数・予算規模・審査基準は公募回ごとに変動するため、特定の数値で採択率を固定的に示すことは難しく、各公募回の採択結果で個別確認します。

難関と評される理由は以下です。

  • 投資額20億円以上(または15億円以上)の事業計画を持つ企業のみが応募するため、応募母数の事業計画レベルが高い
  • 書面審査通過後の経営者プレゼン審査で実現可能性・投資の必然性が厳しく問われる
  • 3事業年度後の賃上げ目標達成可能性を財務計画で証明する必要がある
  • 地域経済への波及効果(地域雇用・サプライチェーン)が評価対象

10. 他補助金との使い分け

補助金の使い分けは、投資規模だけでなく、対象事業者、事業内容、対象経費、補助上限、補助率、賃上げ要件、事業期間、資金調達可能性、採択後の報告義務を総合的に判断します。

補助金名 補助上限 対象事業者 主な用途
大規模成長投資補助金 50億円 中堅・中小・スタートアップ企業(〜2,000人) 投資額20億円以上の大型投資
中小企業成長加速化補助金 5億円 100億宣言中小企業 売上高100億円を目指す中小企業の大規模投資
新事業進出補助金 9,000万円 中小企業 新事業分野進出
ものづくり補助金 4,000万円 中小企業 製造業の設備導入
省力化投資補助金(カタログ型) 1,500万円 中小企業 カタログ掲載型の省力化設備

大規模成長投資補助金は第5次公募基準では一般枠20億円以上、100億宣言企業15億円以上の大規模投資が前提のため、それ未満の投資計画では中小企業成長加速化補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金・省力化投資補助金等を個別に比較します。

11. 業務範囲の整理

行政書士業務範囲

  • 補助金申請書類・成長投資計画・事業計画書の作成支援
  • 補助対象経費の整理・公募要領との適合性確認
  • 電子申請(jGrants等)の代行
  • 採択後の交付申請・実績報告・事業化状況報告の作成支援
  • 面接審査の事前準備サポート

業務範囲外(連携先専門家)

  • 財務計画・資金調達・会計上の妥当性は税理士・公認会計士
  • 税務処理・賃上げ促進税制の適用判定は税理士
  • 賃金規程・労務管理・賃上げ計画の労務面は社会保険労務士
  • 契約交渉・紛争対応は弁護士(弁護士法72条)

採択後は、大規模投資の実施、資金調達、発注・契約、支払、証憑管理、賃上げ目標の従業員等への表明、実施状況・賃上げフォローアップ等を、申請事業者自身の責任で継続的に管理する必要があります。書類面のサポートを行政書士が継続的に支援する形が基本です。

12. FAQ|よくあるご質問

Q1. 投資額が小規模な場合でも応募できますか?

本補助金は投資額(外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)に下限が設定されています。第5次公募(2026年)では一般企業は投資額20億円以上、100億宣言企業は15億円以上が必要です。投資規模がこれに満たない場合は、中小企業成長加速化補助金・新事業進出補助金・ものづくり補助金等の他制度の検討が考えられます(投資下限額は公募回により変動するため申請時点の公募要領を確認してください)。

Q2. 賃上げ要件を満たせなかった場合の返還はどうなりますか?

申請時に掲げた賃上げ目標を達成できなかった場合、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合を除き、未達成率に応じて補助金の返還が求められます。具体的な返還額・算定方法は、公募要領及び採択者向けの補助事業の手引きで確認します。

Q3. 大規模成長投資補助金の補助率は何分の何ですか?

補助率は補助対象経費の3分の1以下です。第5次公募資料上、特定の業種について補助率を引き上げる特例は設けられていません(申請時点の公募要領で最新の補助率を確認してください)。

Q4. 100億宣言企業とは何ですか?

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「売上高100億円宣言ポータル」で売上高100億円を目指す宣言を行った中小企業を指します。第5次公募では、100億宣言企業は投資下限15億円・賃上げ基準率4.5%と一般枠より緩和されています。

Q5. コンソーシアム(共同申請)はできますか?

一定要件を満たす場合、最大10社のコンソーシアム形式での共同申請が対象となります。代表事業者・構成員ともに対象事業者要件を満たす必要があります。

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まとめ

大規模成長投資補助金は、中堅・中小・スタートアップ企業の成長と地域経済の活性化を目的とした補助上限50億円の大型補助金制度で、令和5年度補正予算により創設されました。補助率は補助対象経費の1/3以下で、第5次公募資料上、業種別の補助率引上げ特例は設けられていません。

第5次公募(2026年)では、投資下限額が一般企業20億円以上・100億宣言企業15億円以上に引き上げられ、対象者にスタートアップ企業が明示されました。本補助金の下限は補助金額ではなく投資額(外注費・専門家経費を除く補助対象経費分)で設定されている点が他補助金との大きな違いです。

賃上げ要件は、補助事業完了年度を基準年度として3事業年度後の対象事業に関わる従業員等1人あたり給与支給総額の年平均上昇率について、第5次公募では一般枠5.0%以上・100億宣言企業4.5%以上を満たすことが求められます。新規雇用増加による給与総額増加だけでは要件達成とならず、未達時は達成度合いに応じた補助金返還が課されます。

第1次・第2次公募の採択倍率は約7倍と公表されており、書面審査通過後の経営者プレゼン審査が採否の鍵を握ります。投資の必然性・実現可能性・地域経済への波及効果・賃上げの財源確保策を一貫して説明できる準備が必要です。

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※ 本記事は執筆時点の法令・公募要領に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。公募要領は公募回ごとに見直しがあり、投資下限額・補助率・賃上げ要件・対象経費・補助事業期間は変動します。申請時点で経済産業省・事務局の最新情報を必ずご確認ください。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・公認会計士・社会保険労務士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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