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一般乗用旅客(タクシー)の許可|法人タクシーの最低車両数・営業区域

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結論から言えば、法人タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業のうち個人タクシー以外のもの)を始めるには、道路運送法第4条に基づく国土交通大臣(地方運輸局長)の許可が必要で、その中核となるのが、管轄運輸局の公示基準で営業区域ごとに定められた最低車両数と、運輸局長が定める「営業区域」の二つです。行政書士は、この許可申請書・事業計画書・添付書類一式の作成と、運輸支局への提出代行を業務として担います。一方、会社設立登記は司法書士、就業規則や社会保険は社会保険労務士、税務は税理士の職域であり、当事務所はこれら士業と連携して開業をサポートします。本記事では、許可の根拠条文・最低車両数・営業区域・資金や保険の目安を、公式の審査基準に沿って整理します。

一般乗用旅客(タクシー)事業の法的な位置づけ

道路運送法第3条は、一般旅客自動車運送事業を次の3種別に分けています。タクシー・ハイヤーはこのうち「ハ」に当たります。

  • イ:一般乗合旅客自動車運送事業(乗合バス・路線バス)
  • ロ:一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス)
  • ハ:一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー・ハイヤー=乗車定員11人未満の自動車を一個の契約で貸し切って運送)

このうち、車両を複数台そろえ法人として営むものが「法人タクシー」、運転者一人が自ら営むものが「個人タクシー」です。いずれも道路運送法第4条により「一般旅客自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない」とされ、許可は事業の種別ごとに行われます。申請書には第5条に基づき、経営しようとする事業の種別、営業区域、営業所の位置、配置する事業用自動車数などを記載した事業計画を添付します。

最低車両数は営業区域ごとに定められている

法人タクシーの審査基準で最も基本となるのが車両数です。各地方運輸局が公示する審査基準では、営業区域ごとに必要な最低車両数が定められており、東京特別区・武三交通圏などの大都市では10両以上、その他多くの地域では5両以上が目安とされています。複数営業所の場合は別途確認が必要です。ポイントは次のとおりです。

  • 営業所ごとに5両以上:同一営業区域内に複数の営業所を設ける場合、車両数の合算は認められますが、それでも各営業所がそれぞれ5両以上を満たす必要があります。
  • 個人タクシーは1両:個人タクシーは運転者一人・1両が原則で、法人タクシーの5両基準とは別の枠組みです。
  • 車種・定員:使用するのは乗車定員10人以下の自動車です(11人以上は乗合・貸切バスの領域)。

この「5両」という数字は、運行管理・整備管理・損害賠償といった安全管理体制を継続的に維持できる最低規模として設定されているものです。なお、地域の需給状況により後述の特別措置法の制約がかかる場合があります。

営業区域とは何か

タクシーは原則として、許可で定められた「営業区域」を発地または着地とする運送しか行えません。営業区域は各地方運輸局長が定めるもので、定めのないものは原則として市郡(市・郡)単位を基本に設定されています。実務上は次の点が重要です。

  • 営業所は営業区域内:営業所は営業区域内に置く必要があります。複数区域で営業する場合は、それぞれの区域内に営業所が必要です。
  • 原則として区域外発の営業は不可:区域外を発地とする旅客の運送は原則できませんが、区域内を発地として区域外へ向かう運送、復路の扱いなど、細かな取扱いは公示で定められています。
  • 区域は申請時に明示:第5条の申請書で営業区域を記載し、事業計画の柱となります。

営業所・車庫・休憩睡眠施設の基準

車両数・営業区域と並んで、施設面の基準も審査されます。各運輸局の公示基準で共通する主な要件は次のとおりです。

項目 主な基準
営業所 営業区域内にあり、土地・建物について1年以上の使用権原を有すること。農地法等関係法令に抵触しないこと。
自動車車庫 原則として営業所に併設。併設できない場合は、営業所からおおむね直線距離2km以内の営業区域内にあること。全車両を収容できる規模で、出入口が安全であること。
休憩・睡眠施設 乗務員が有効に利用できる適切な施設を、原則として営業所または車庫に併設して備えること。

使用権原は、自己所有のほか賃貸借でも認められますが、契約期間が短いと許可期間との関係で補正を求められることがあります。車庫の出入口前面道路の幅員についても、車両制限令に照らした確認が必要です。

資金・損害賠償・管理者の体制

安全に事業を継続できる体制があるかも審査対象です。公示基準で示される主な目安は次のとおりです。

  • 所要資金と自己資金:人件費・車両費・施設費・保険料・税負担などの所要資金を見積もり、その2分の1(50%)以上、かつ事業開始当初に要する資金の全額以上に相当する自己資金を、申請日以降許可日まで常時確保していることが求められます。詳細は管轄運輸局の審査基準で確認してください。
  • 損害賠償能力(任意保険・共済):自賠責保険に加え、対人1名あたり8,000万円以上、対物1事故あたり200万円以上の任意保険または共済に加入する計画であること。
  • 運行管理者:営業所ごとに、運行管理者資格者証の交付を受けた者から選任します。配置車両39両までは1名以上、39両を超える場合は超える車両数40両ごとに1名を加えます。
  • 整備管理者:5両以上の事業用自動車を配置する営業所では、所定の実務経験や整備士技能検定合格等の要件を満たす整備管理者を選任します。
  • 役員の法令知識(法令試験):申請者(法人の場合は常勤役員)が事業遂行に必要な法令知識を有していることが求められ、地方運輸局が実施する法令試験への合格が要件となります。

運賃・料金は道路運送法第9条の3により、定めて国土交通大臣の認可を受ける必要があります。これらの数値は各地方運輸局の公示基準により細部が異なるため、申請地を管轄する運輸支局・運輸局の最新の公示で必ず確認してください。

特定地域・準特定地域による制限に注意

タクシーは供給過剰を防ぐため、「特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」(平成21年法律第64号)による制約があります。

  • 特定地域:営業区域の全部または一部が特定地域に指定されている場合、新規の許可・増車は原則として認められません。
  • 準特定地域:道路運送法の基準に加え、国土交通大臣が定める基準(供給過剰とならないか等)に適合しなければ、新規許可を受けられません。

指定の有無は時期により変動します。開業を検討する区域がどの区分に当たるかは、申請前に管轄運輸局の最新情報で確認することが不可欠です。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeでは、法人タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)の許可申請に必要な書類作成と提出代行をサポートします。具体的には、事業計画書・運行管理体制や収支見積りの整理、営業区域・最低車両数・車庫の要件確認、運輸支局への申請書一式の作成と提出代行を担います。あわせて、許可後の車両の名義変更・新規登録、車庫証明の取得もワンストップでご依頼いただけます。会社設立登記は司法書士、就業規則・社会保険は社会保険労務士、税務申告は税理士と連携し、開業準備全体を見渡してご案内します。

車両手続サポートの詳細はこちらのご案内ページをご覧ください。車庫証明は5,500円(税込)〜、名義変更は7,000円(税込)〜(個人・法人や地域により変動します)で承ります。法人タクシー事業許可など運送業許可の費用は、申請内容・車両数・営業区域等により異なりますので、事案に応じてお見積りいたします。ご相談は何度でも無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

法人タクシー(一般乗用旅客自動車運送事業)の開業は、道路運送法第4条の許可を前提に、(1)1営業所あたり5両以上という最低車両数、(2)運輸局長が定める営業区域、(3)区域内の営業所・2km以内の車庫・休憩睡眠施設、(4)所要資金の2分の1以上の自己資金、(5)対人8,000万円・対物200万円以上の任意保険、(6)運行管理者・整備管理者の選任、という要件を一つずつ満たしていく作業です。さらに特定地域・準特定地域の指定により新規許可が制限される場合があるため、申請地の公示を最新の状態で確認することが欠かせません。要件の確認から書類作成・提出まで、専門家を活用しながら計画的に進めることをおすすめします。

法人タクシーの許可に関するよくある質問

Q:法人タクシーは最低何両から始められますか。

A:各地方運輸局の公示する審査基準では、いずれの営業所においても5両以上の事業用自動車を配置することが求められます。同一営業区域内に複数の営業所を置く場合は車両数を合算できますが、各営業所がそれぞれ5両以上を満たす必要があります。個人タクシーはこれとは別の枠組みで、原則1両です。

Q:営業区域とは何ですか。区域外には行けないのですか。

A:営業区域は各地方運輸局長が定めるもので、定めのないものは原則として市郡単位を基本に設定されています。タクシーは原則として営業区域を発地または着地とする運送に限られますが、区域内を発地として区域外へ向かう運送など、細かな取扱いは公示で定められています。詳細は申請地の運輸局でご確認ください。

Q:開業にはどのくらいの自己資金が必要ですか。

A:公示基準では、人件費・車両費・施設費・保険料・税負担などを見積もった所要資金の2分の1以上、かつ事業開始当初に要する資金の全額以上に相当する自己資金を、申請日以降許可日まで常時確保していることが求められます。具体額は車両数や地域により大きく変わるため、事業計画に応じた試算が必要です。

Q:必要な任意保険の補償額の目安はありますか。

A:自賠責保険に加えて、対人1名あたり8,000万円以上、対物1事故あたり200万円以上の任意保険または共済に加入する計画であることが、公示基準上の目安とされています。実際の加入条件は保険会社・共済により異なりますので、補償内容を含めて事前に確認してください。

Q:特定地域だと許可が下りないと聞きました。本当ですか。

A:営業区域の全部または一部が特定地域に指定されている場合、特別措置法により新規許可・増車は原則として認められません。準特定地域では、道路運送法の基準に加えて国土交通大臣が定める基準に適合する必要があります。指定は時期により変動するため、申請前に管轄運輸局の最新情報で確認することが不可欠です。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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