建設業関連

建設業許可なしで工事すると?無許可営業のリスクと罰則

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「許可を取らなくても小さい工事なら大丈夫だろう」――建設業許可を持たずに営業を続けている事業者の中には、こうした認識の方が少なくありません。しかし、建設業法が定める「軽微な工事」の範囲を超えて無許可で工事を請け負った場合、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金という重い刑事罰が科される可能性があります。さらに、元請業者が無許可であると知りながら下請工事を発注した場合は、元請側にも監督処分が及ぶ可能性があります。この記事では、無許可営業のリスク・罰則・発覚するタイミングから、許可取得後の取消事由まで、建設業法に基づく正確な情報を整理してお伝えします。

結論として、建設業許可なしで請負代金500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を行うと刑事罰の対象となり、法人の場合は1億円以下の罰金が科される両罰規定も適用されます。

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建設業許可が不要な「軽微な工事」の範囲とは?

建設業許可を取得せずに請け負える工事は、建設業法第3条第1項ただし書で定められた「軽微な建設工事」に限られます。具体的な基準は次のとおりです。

工事の種類 許可不要の基準
建築一式工事 請負代金1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外 請負代金500万円未満

ここでいう請負代金には消費税・材料費も含まれます。「税抜きなら500万円未満だから大丈夫」と誤解しているケースがありますが、消費税込みで判定される点に注意が必要です。また、1件の工事を複数の契約に分割して発注した場合でも、合算した金額で判定されます(建設業法施行令第1条の2第2項)。意図的な分割発注による許可逃れは認められません。

なお、この金額基準は2026年3月時点で変更されておらず、国土交通省の「建設業の許可とは」でも同じ基準が示されています。

無許可で工事を請け負うとどんな罰則があるのか?

軽微な工事の範囲を超えて無許可で建設業を営んだ場合、建設業法第47条に基づく刑事罰が科されます。2025年6月1日施行の刑法改正により、従来の「懲役」は「拘禁刑」に一本化されました。

個人に対する罰則

建設業法第47条第1号は、許可を受けないで建設業を営んだ者に対して3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金を定めています。悪質なケースでは、拘禁刑と罰金の両方が併科されることもあります(同条第2項)。

法人に対する罰則(両罰規定)

法人の従業員や代理人が無許可営業を行った場合、違反した個人が処罰されるだけでなく、法人そのものにも1億円以下の罰金が科されます(建設業法第53条)。これを「両罰規定」と呼び、法人経営者にとって極めて大きなリスクとなります。

罰則の対象 刑事罰の内容 根拠条文
無許可営業をした個人 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり) 建設業法第47条
無許可営業があった法人 1億円以下の罰金 建設業法第53条

刑事罰だけではありません。無許可営業で有罪判決を受けると、その後5年間は建設業許可を取得できなくなります(建設業法第8条、欠格事由)。これは事業の存続に関わる致命的な影響です。

元請が無許可業者に下請を出した場合のリスク

無許可営業の問題は、当事者だけにとどまりません。元請業者が許可を持たない業者であると知りながら(「情を知って」)下請工事を発注した場合、元請側にも行政処分が及ぶ可能性があります。

元請業者にはどのような処分が下されるのか?

建設業法第28条第1項第6号は、建設業許可を受けていない者と下請契約を締結した建設業者に対する監督処分を定めています。処分の段階は次のとおりです。

  • 指示処分: 是正措置を講じるよう命じられる
  • 営業停止処分: 1年以内の期間、営業の全部または一部が停止される
  • 許可取消処分: 情状が特に重い場合に適用(建設業法第29条)

営業停止処分や許可取消処分を受けると、処分内容は国土交通省のウェブサイトや官報で公表されます。取引先からの信用を一気に失う結果となるため、下請業者の許可の有無を事前に確認する体制づくりが不可欠です。

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無許可営業はどのタイミングで発覚するのか?

「今まで問題なく仕事ができていたのに、なぜ急にバレるのか」と感じる事業者もいるかもしれません。しかし、無許可営業が発覚するきっかけは複数あり、いつ表面化してもおかしくありません。

主な発覚パターン

発覚のきっかけ 詳細
現場での事故 労災事故や施工トラブルが発生すると、警察や労基署の調査が入り、許可の有無が確認される
同業者・取引先からの通報 国土交通省の「駆け込みホットライン」に情報提供が寄せられるケースがある
入札参加時の審査 公共工事の入札参加資格申請では許可番号の確認が必須
元請からの確認 元請業者がコンプライアンス強化の一環で下請の許可状況を調査する
自社で許可を取得しようとしたとき 申請時に過去の無許可営業が発覚し、行政による調査や処分につながるおそれがある

国土交通省の「駆け込みホットライン」は匿名での情報提供も受け付けており、通報者に不利益が生じないよう配慮されています。無許可の状態を放置し続けるリスクは年々高まっていると言えるでしょう。

許可取得後に取消しとなるケースとは?

建設業許可を取得した後でも、一定の事由に該当すると許可が取り消されることがあります。建設業法第29条に基づく主な取消事由は以下のとおりです。

  • 欠格事由への該当: 役員が禁錮以上の刑(2025年6月以降の犯罪は拘禁刑)に処せられた場合、暴力団関係者であることが判明した場合など
  • 許可要件の欠如: 経営業務の管理責任者(経管)や専任技術者(専技)が退職し、後任が確保できない場合
  • 不正な手段による許可取得: 虚偽の申請書類で許可を受けたことが判明した場合
  • 情状が特に重い場合: 監督処分事由に該当し情状が特に重いと判断された場合
  • 営業停止処分違反: 営業停止処分中に営業を継続した場合

許可を取り消されると、取消の日から5年間は新たな許可を受けることができません。この期間中は軽微な工事しか行えず、事業の大幅な縮小を余儀なくされます。経管や専技の退職は事前に手を打てるリスクですので、後任の確保や建設業許可の更新手続きのスケジュール管理を常日頃から行っておくことが大切です。

よくある質問

Q. 500万円未満の工事だけを請け負う場合でも許可は必要ですか?

建築一式工事以外で請負代金が500万円未満(消費税・材料費込み)であれば、建設業法上の「軽微な建設工事」に該当し、許可は不要です。ただし、請負代金には材料費・消費税が含まれるため、実際の請負金額が500万円を超えていないか慎重に確認してください。建築一式工事の場合は1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事が基準となります。

Q. 無許可で工事を行った場合、すぐに逮捕されるのですか?

無許可営業が直ちに逮捕につながるわけではありません。多くの場合、行政による調査や書類送検を経て処分が決まります。ただし、事故や通報をきっかけに捜査が開始された場合は刑事事件として扱われ、起訴に至る可能性もあります。罰則として3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められており、軽微な違反とは言えません。

Q. 許可を持っていない下請業者に工事を出してしまった場合、元請にはどのような影響がありますか?

無許可業者であると知りながら(「情を知って」)下請契約を締結した場合、元請業者は建設業法第28条に基づく監督処分の対象となります。具体的には指示処分や営業停止処分を受ける可能性があり、情状が特に重い場合は許可の取消しに至ることもあります。下請契約を締結する前に、相手方の許可の有無を必ず確認してください。

Q. 無許可営業で罰金刑を受けた場合、その後に建設業許可を取得できますか?

建設業法第47条の罰金刑を受けた場合、刑の執行が終わった日から5年間は欠格事由に該当し、建設業許可を取得できません(建設業法第8条)。5年を経過すれば改めて許可申請を行うことは可能ですが、その間は軽微な工事しか請け負えなくなります。

まとめ

建設業許可なしで軽微な工事の範囲を超えて営業を行うことは、刑事罰・行政処分・信用失墜という三重のリスクを抱える行為です。要点を整理します。

  • 許可不要の「軽微な工事」は、建築一式で1,500万円未満(または150㎡未満の木造住宅)、その他は500万円未満(消費税・材料費込み)
  • 無許可営業は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金
  • 元請が無許可と知りながら下請を出した場合(「情を知って」)、元請側にも営業停止処分や許可取消のリスクがある
  • 罰金刑を受けると5年間は許可を取得できない(欠格事由)

「うちは小さい会社だからバレない」という考えは通用しません。現場事故、同業者からの通報、元請のコンプライアンス調査など、発覚の契機は多岐にわたります。許可要件を満たしている可能性があるなら、早めに取得手続きを進めておくことをおすすめします。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。

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