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結論から言えば、営業所が1つの都道府県内にある場合は知事許可、2つ以上の都道府県にまたがる場合は大臣許可が必要です。建設業許可を新規に取得しようとする際、「うちは知事許可と大臣許可のどちらを申請すればいいのか」と判断に迷うケースは少なくありません。両者の違いは営業所の所在地による区分であり、工事の施工場所は関係しないという点が最も誤解されやすいポイントです。本記事では、建設業許可申請の専門家である行政書士が、知事許可と大臣許可の違い・判断基準・申請先・手数料の違いまでをわかりやすく整理します。
「営業所の数や所在地から、自社がどちらの許可を取るべきかわからない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。建設業許可申請の専門家が、許可区分の判断から申請手続きまでサポートいたします。相談は何度でも無料・全国対応です。
目次
知事許可と大臣許可の違い【比較表】
建設業法第3条では、建設業の許可を「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」の2種類に分けています。区分の基準は営業所の設置状況のみであり、施工できる工事の範囲や許可の効力に違いはありません。
| 比較項目 | 知事許可 | 大臣許可 |
|---|---|---|
| 営業所の所在地 | 1つの都道府県内のみ | 2つ以上の都道府県にまたがる |
| 申請先 | 営業所所在地の都道府県知事 | 国土交通大臣(地方整備局経由) |
| 新規申請手数料 | 9万円(一般・特定の各区分につき) | 15万円(一般・特定の各区分につき) |
| 更新手数料 | 5万円 | 5万円 |
| 審査期間の目安 | 約1か月前後(都道府県による) | 約3か月前後 |
| 施工可能エリア | 全国(制限なし) | 全国(制限なし) |
| 許可の有効期間 | 5年 | 5年 |
上記のとおり、施工可能エリアは知事許可でも大臣許可でも全国で制限がありません。東京都知事許可を持つ事業者が北海道の工事現場で施工することも、法律上まったく問題ありません。許可区分はあくまで「営業所」の配置で決まるという点をしっかり押さえておきましょう。
営業所の判断基準とは?「営業所」の定義
知事許可と大臣許可のどちらが必要かは、建設業法における「営業所」の数と所在地で判断します。建設業法上の営業所とは、常時建設工事の請負契約を締結する事務所を指し、単なる資材置き場や現場事務所、連絡所は含まれません。
建設業法上の営業所に該当するための要件
国土交通省のガイドラインでは、以下のすべてを満たす事務所が「営業所」に該当するとされています。
- 請負契約の見積り、入札、契約締結等の実体的な営業行為を行っている
- 電話・机・各種事務台帳を備えた事務所としての実体がある
- 令第3条の使用人(支店長等)が常勤している(主たる営業所以外の場合)
- 専任技術者が常勤している
たとえば、他県に事務所を構えていても、そこで契約締結を行わず連絡調整のみを行っている場合は、建設業法上の営業所には該当しません。逆に、出張所や支店の名称であっても、契約締結の実体があれば営業所とみなされます。
建設業許可の全体像と5つの取得要件については「建設業許可の5つの要件」で詳しく解説しています。
よくある誤解: 施工場所と許可区分は無関係
最もよくある誤解が「他県で工事を請けるには大臣許可が必要」というものです。繰り返しになりますが、許可区分は営業所の所在地で決まり、工事の施工場所は関係ありません。東京に営業所が1か所しかない事業者は東京都知事許可を取得すれば、日本全国どこでも施工が可能です。
ただし、他県での施工が常態化し、その地域に請負契約を締結する拠点を設ける場合は、その時点で営業所が複数の都道府県にまたがることになり、大臣許可への切替(許可換え新規)が必要になります。
知事許可・大臣許可の申請手続きの違い
知事許可の申請手続き
知事許可の申請は、営業所の所在地を管轄する都道府県の建設業担当課(例: 東京都は都市整備局、大阪府は住宅まちづくり部)に書類を提出します。審査期間は都道府県によって異なりますが、概ね1か月前後が目安です。東京都の場合は比較的早く、不備がなければ3〜4週間程度で許可が下りるケースが多いとされています。
大臣許可の申請手続き
大臣許可の場合は、主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局(例: 関東地方整備局、近畿地方整備局)が窓口です。ただし、実際の書類提出先は都道府県を経由する場合もあるため、事前に管轄の地方整備局に確認してください。審査期間は知事許可より長く、約3か月前後を見込む必要があります。
大臣許可は審査項目が多いわけではなく、許可要件自体は知事許可と同一です。審査期間が長いのは、複数の都道府県にまたがる営業所の確認が必要になるためです。
手数料の比較
| 申請区分 | 知事許可 | 大臣許可 |
|---|---|---|
| 新規申請(一般または特定) | 9万円 | 15万円 |
| 更新(一般または特定) | 5万円 | 5万円 |
| 業種追加(一般または特定) | 5万円 | 5万円 |
新規申請の手数料は、知事許可が9万円、大臣許可が15万円と差があります。一般建設業と特定建設業を同時に申請する場合は、それぞれ別の手数料が必要です(知事許可なら9万円+9万円=18万円)。なお、更新と業種追加の手数料は知事許可・大臣許可ともに同額です。
許可申請の書類作成が不安な方へ
行政書士法人Treeでは、建設業許可申請の専門家が、知事許可・大臣許可いずれの申請にも対応いたします。
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- ✔ 許可換え新規(知事⇔大臣の切替)にも対応
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知事許可と大臣許可の切替(許可換え新規)
事業拡大に伴い他県に営業所を新設する場合や、逆に他県の営業所を閉鎖して1県のみになる場合は、許可区分の切替手続き(許可換え新規)が必要になります。
許可換え新規が必要なケース
- 知事許可 → 大臣許可: 他の都道府県に新たな営業所を設けた場合
- 大臣許可 → 知事許可: 他県の営業所を廃止し、1県のみとなった場合
- A県知事許可 → B県知事許可: 主たる営業所を他県へ移転した場合
許可換え新規は「新規申請」として扱われるため、手数料も新規申請と同額(知事許可9万円、大臣許可15万円)がかかります。また、許可換え新規が認められると旧許可は自動的に失効するため、許可の空白期間が生じないよう事前に計画的に申請を進めることが重要です。
建設業許可の更新手続きの全般については「建設業許可の更新手続き」で解説しています。
よくある質問
Q. 知事許可で他県の工事を施工しても問題ありませんか?
問題ありません。知事許可であっても、施工できる地域に制限はなく、日本全国どこでも工事を請け負うことができます。許可区分は営業所の所在地のみで決まるため、施工場所は無関係です。ただし、他県に継続的に契約締結を行う営業拠点を設ける場合は、大臣許可への切替が必要になります。
Q. 大臣許可の方が知事許可より「格上」なのですか?
許可としての効力に上下関係はありません。大臣許可は複数の都道府県に営業所がある事業者向けの区分であり、請け負える工事の金額や種類に違いはありません。ただし、大臣許可は複数拠点を持つ事業者が対象であるため、結果として企業規模が大きい傾向はあります。
Q. 知事許可と大臣許可を同時に持つことはできますか?
できません。建設業法上、一つの事業者が知事許可と大臣許可を同時に保有することはできません。営業所の配置状況に応じて、いずれか一方の許可を取得します。
Q. 自宅兼事務所でも営業所として認められますか?
一定の条件を満たせば認められます。自宅の一部を事務所として使用する場合、居住スペースと明確に区分された事務室があること、事務用の設備(机・電話・帳簿等)が備わっていること、来客対応が可能な環境であることなどが求められます。具体的な基準は都道府県によって異なるため、管轄の窓口に事前確認することをおすすめします。
Q. 許可換え新規の手続き中は営業できますか?
旧許可は新しい許可が下りるまで有効です。そのため、許可換え新規の審査中も旧許可に基づいて営業を継続できます。ただし、旧許可の有効期限が迫っている場合は注意が必要です。許可の空白期間が生じないよう、余裕を持った申請スケジュールを組みましょう。
まとめ
知事許可と大臣許可の違いは営業所の所在地による区分であり、施工エリアや許可の効力に違いはありません。判断のポイントを整理します。
- 1つの都道府県内に営業所がある場合 → 知事許可(手数料9万円)
- 2つ以上の都道府県に営業所がある場合 → 大臣許可(手数料15万円)
- 施工場所は許可区分に影響しない(知事許可でも全国で施工可能)
- 営業所の増減に伴い許可区分を切り替える場合は「許可換え新規」の手続きが必要
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| サービス | 料金 |
|---|---|
| 建設業許可申請(新規・更新・業種追加 等) | 100,000円(税抜)〜 |
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※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。
※ 2026年4月時点の建設業法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省 建設産業でご確認ください。


