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内装仕上工事業の主任技術者|現場専任の基準と兼務特例【令和7年最新】

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内装仕上工事業の建設業許可を取得した事業者にとって、各工事現場へ配置する主任技術者を「専任」とすべきか、それとも複数現場を「兼務」させてよいかは、人員配置とコストに直結する重要な実務問題です。結論から申し上げると、内装仕上工事業は専門工事に該当するため、令和7年2月1日施行の建設業法施行令改正により、請負代金の額が4,500万円(税込)以上で「公共性のある施設・工作物または多数の者が利用する施設・工作物」に関する重要な建設工事では、主任技術者を当該現場に専任で置く必要があります。一方、令和6年12月13日に施行された専任特例1号および営業所技術者等の専任工事現場兼務制度により、一定の要件を満たせば専任が必要な現場であっても1人の技術者が複数現場を兼務できる場合があります。本記事では、行政書士の立場から、内装仕上工事業に即して専任配置の基準と兼務特例の要件を整理して解説します。

そもそも主任技術者とは|内装仕上工事業での位置づけ

主任技術者とは、建設業者が請け負ったすべての工事現場に、施工の技術上の管理をつかさどる者として配置しなければならない技術者です(建設業法第26条第1項)。元請・下請を問わず、また請負金額の大小にかかわらず、工事現場には必ず主任技術者(または監理技術者)を置く必要があります。内装仕上工事業の場合、内装仕上工事業に係る一定の国家資格(一級・二級建築施工管理技士など)や、所定の実務経験を有する者が主任技術者となれます(資格・実務経験の認定基準は「専任技術者の要件と資格一覧|国家資格・実務経験の認定基準」をご参照ください)。

ここで誤解されやすいのが、「配置義務」と「専任義務」は別の概念だという点です。すべての現場に主任技術者の「配置」は必要ですが、そのうえで一定の現場については、その技術者をその現場に「専任」させなければならない、という二段階の規律になっています。

現場専任が必要になる金額基準(令和7年2月1日改正)

主任技術者の専任が求められるのは、「公共性のある施設若しくは工作物又は多数の者が利用する施設若しくは工作物に関する重要な建設工事」で、政令で定める請負代金の額以上のものです(建設業法第26条第3項)。この金額基準が、近年の建設工事費高騰を踏まえ、建設業法施行令の改正により令和7年2月1日から引き上げられました。内装仕上工事業のような専門工事(建築一式工事以外)に当てはまる基準は次のとおりです。

区分 改正前 改正後(令和7年2月1日〜)
建築一式工事以外(内装仕上工事業など) 4,000万円以上(税込) 4,500万円以上(税込)
建築一式工事 8,000万円以上(税込) 9,000万円以上(税込)

内装仕上工事業は建築一式工事ではなく専門工事ですので、適用されるのは4,500万円(税込)のラインです。請負代金がこの額未満であれば、主任技術者の専任は求められず、複数現場の兼務も可能です。なお、ここでいう金額は消費税込みで判断します。また、官公庁工事だけでなく、店舗・事務所・マンション・病院など多数の者が利用する民間施設の内装工事も「専任」の対象となり得る点に注意が必要です。

専任とは、原則としてその工事現場に常時継続的に従事することをいい、他の現場と掛け持ちすることは認められないのが従来の取扱いでした。しかし、後述の専任特例により、この原則に例外が設けられています。

専任特例1号|主任技術者が最大2現場を兼務できる制度

令和6年12月13日施行の改正により、専任が必要な現場であっても、一定の要件を満たせば1人の主任技術者・監理技術者が最大2つの工事現場を兼務できる「専任特例(いわゆる専任特例1号)」が新設されました。技術者不足とICT技術の進展を背景に、合理化が図られたものです。内装仕上工事業の主任技術者にも適用されます。主な要件は次のとおりです。

  • 請負金額の上限:兼務する各工事の請負代金が1億円未満(建築一式工事は2億円未満)であること。
  • 兼務できる現場数:同一の建設業者が施工する工事で、最大2現場まで。
  • 現場間の移動時間:1日で巡回可能で、現場間がおおむね片道2時間以内であること。
  • 下請次数:3次下請以内であること。
  • 連絡員の配置:各現場に、主任技術者・監理技術者との連絡その他必要な措置を講ずる「連絡員」を配置すること。内装仕上工事業のような専門工事では、連絡員に当該建設工事の種類に関する1年以上の実務経験は求められません(土木一式工事・建築一式工事の場合に限り必要)。
  • ICT措置:(1)CCUS等により作業員の入退場を遠隔で確認できる施工体制確認の仕組みと、(2)映像・音声を送受信できる情報通信機器(タブレットやWeb会議システム等)による現場状況の遠隔確認の、2つの措置を講じること。
  • 人員配置計画書:あらかじめ人員配置計画書を作成し、現場に備え置くとともに営業所で保存すること。

工事の途中で請負金額が上限を超えた場合や下請次数が3次を超えた場合は、ただちに専任の技術者を配置し直す必要があります。要件は多岐にわたるため、内装仕上工事業で兼務を検討する際は、計画段階での確認が欠かせません。

営業所技術者等の専任工事現場兼務|建設業法第26条の5

もう一つの制度が、営業所技術者等(従来の営業所の専任技術者)に関するものです。建設業法第26条の5により、同じく令和6年12月13日から、一定の要件を満たす場合には、営業所技術者等が専任を要する現場の主任技術者等を兼ねることができるようになりました。営業所技術者等が工事現場の主任技術者又は監理技術者を兼務する場合には、当該請負業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にある必要があります。従来、営業所の営業所技術者等は営業所に常勤することが原則で、現場の技術者を兼ねることは認められていませんでしたが、これが緩和された形です。主な要件は専任特例1号と共通する部分が多いものの、次の違いがあります。

  • 兼務できるのは、その営業所において請負契約を締結した工事であること。
  • 兼務できる現場は1現場のみ(専任特例1号の2現場より限定的)。
  • 請負金額1億円未満(建築一式工事は2億円未満)、営業所から現場までおおむね片道2時間以内、下請3次以内、連絡員の配置、ICT措置といった要件は専任特例1号と同様に求められます。

なお、専任特例1号と営業所技術者等の専任工事現場兼務制度を同一の技術者について併用することはできません。少人数で運営する内装仕上工事業の事業者にとって、営業所技術者等を現場でも活用できる本制度は有用ですが、営業所の業務が手薄にならないよう運用上の工夫が必要です。

監理技術者・特定建設業との関係も整理を

主任技術者と混同しやすいのが監理技術者です。元請として下請に出す工事の合計額が一定額以上になる場合は、特定建設業の許可と監理技術者の配置が必要になります。この下請代金の基準額も令和7年2月1日に見直され、建築一式工事以外(内装仕上工事業を含む)では改正前の4,500万円から5,000万円(税込)以上へ、建築一式工事では改正前の7,000万円から8,000万円(税込)以上へ引き上げられ、これらが特定建設業許可・監理技術者配置のラインとなりました。専任が必要となる金額(4,500万円)と特定建設業のライン(5,000万円)は別の数字ですので、混同しないようご注意ください。許可区分や技術者配置の判断は事案ごとに異なりますので、配置技術者制度の全体像については、当事務所のブログ記事「建設業の配置技術者制度|主任技術者・監理技術者の要件と配置ルールを解説」もあわせてご参照ください。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeでは、内装仕上工事業をはじめとする建設業許可の新規取得・業種追加・更新・各種変更届の申請書類作成・提出代行を行っています。営業所技術者等や主任技術者の配置要件、専任特例を踏まえた人員配置計画の整理についても、行政書士の職域の範囲で書類面からサポートいたします。建設業許可申請(知事許可)の新規申請代行は110,000円(税込)で、請求書+入金確認付き合わせは別途22,000円(税込)、業種追加は55,000円(税込)、更新申請は55,000円(税込)などの料金でご案内しています(登録免許税・証紙代等の実費は別途)。技術者配置でお悩みの内装工事業者の方は、建設業許可サポートのご案内ページをご覧ください。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

内装仕上工事業の主任技術者は、すべての現場に配置が必要ですが、専任が求められるのは令和7年2月1日施行の改正後で請負代金4,500万円(税込)以上の重要な工事です。令和6年12月13日施行の専任特例1号により、請負金額1億円未満・移動おおむね片道2時間以内・下請3次以内・連絡員配置・ICT措置などの要件を満たせば最大2現場まで兼務できる場合があります。また、建設業法第26条の5に基づく営業所技術者等の専任工事現場兼務制度では、当該営業所で契約した1現場について兼務が認められる場合があります。金額基準や特例要件は改正で動いていますので、最新の運用に基づく確認が重要です。

内装仕上工事業の主任技術者の専任・兼務に関するよくある質問

Q:内装仕上工事業では、いくらの工事から主任技術者の専任が必要ですか。

A:内装仕上工事業は建築一式工事以外の専門工事のため、令和7年2月1日施行の改正後で、公共性のある施設・多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で請負代金が4,500万円(税込)以上の場合に専任が必要です。それ未満であれば専任義務はありません。

Q:専任特例を使えば、何現場まで兼務できますか。

A:専任特例1号では同一の建設業者が施工する工事につき最大2現場まで、建設業法第26条の5に基づく営業所技術者等の専任工事現場兼務制度では1現場まで兼務できます。いずれも請負金額1億円未満や移動時間、連絡員配置、ICT措置などの要件をすべて満たす必要があります。

Q:専任が必要な現場でも、移動時間さえ短ければ兼務できますか。

A:移動時間(おおむね片道2時間以内)は要件の一つにすぎません。請負金額の上限、下請次数3次以内、連絡員の配置、2種類のICT措置、人員配置計画書の作成・保存など、すべての要件を満たして初めて兼務が認められます。

Q:工事の途中で請負金額が増えて1億円を超えたらどうなりますか。

A:専任特例の要件を満たさなくなるため、ただちに専任の主任技術者を当該現場に配置し直す必要があります。下請次数が3次を超えた場合も同様です。

Q:許可申請や技術者配置の相談は行政書士に依頼できますか。

A:はい。建設業許可の新規・業種追加・更新・変更届の申請書類作成や、配置技術者の要件確認に関する書類面のサポートは行政書士の業務です。なお、紛争や個別の法的判断が必要な事案は弁護士、登記は司法書士、税務は税理士など、必要に応じて連携してご案内します。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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