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著作権侵害の告訴状の書き方|刑事罰・要件・記載例を行政書士が解説

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インターネットの普及に伴い、著作権侵害に関する相談は増加しています。SNSやウェブサイト上での画像・文章の無断転載が容易になった一方で、被害者が泣き寝入りせず刑事告訴で対処するケースも増えています。著作権法は無断複製・公衆送信等の侵害行為に対して刑事罰を定めており、著作権侵害罪は親告罪であるため、権利者本人が告訴しなければ刑事手続きは開始されません。本記事では、告訴状作成の専門家である行政書士が、著作権侵害の告訴状に記載すべき事項と証拠収集のポイントを解説します。

「画像や文章を無断で使われたが、どう対処すればいいのかわからない」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。告訴状の作成を通じて、権利侵害への法的対応をサポートいたします。相談は何度でも無料・全国対応です。

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著作権侵害罪の概要と刑事罰

著作権侵害罪の根拠条文

著作権侵害罪は、著作権法第119条に規定されています。著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者は、10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、又はこれの併科に処されます(法人の場合は3億円以下の罰金)。

著作権侵害罪は原則として親告罪です(著作権法第123条第1項)。つまり、著作権者自身が告訴を行わなければ、検察官は公訴を提起できません。被害に気づいた時点で速やかに告訴の準備を進めることが重要です。

告訴の対象となる典型的な侵害行為

侵害類型 具体例 該当する権利
複製権侵害 写真・イラスト・文章をコピーして自社サイトに掲載 著作権法第21条
公衆送信権侵害 他人の画像・動画を無断でSNSやブログにアップロード 著作権法第23条
翻案権侵害 他人の文章を一部改変しただけで自作として公開 著作権法第27条
氏名表示権侵害 著作者名を削除・改変して使用 著作権法第19条(著作者人格権)

なお、2018年12月30日施行の著作権法改正(TPP11関連)により、有償著作物等について対価を得る目的等をもって原作のまま複製・譲渡・公衆送信を行い、権利者の利益を不当に害する行為(いわゆる海賊版の販売・配信等)は非親告罪として扱われる場合があります(著作権法第123条第2項・第3項)。ただし、適用される範囲は限定的であるため、多くのケースでは権利者による告訴が必要です。

著作権侵害の告訴状の書き方

ステップ1: 著作物と権利関係を特定する

まず、告訴の対象となる自身の著作物が何であるかを明確にします。写真であれば撮影日時・撮影者・公開先(ポートフォリオサイト等)を、文章であれば初出媒体・公開日を特定します。著作権の帰属が争われないよう、自分が著作権者であることを示す客観的証拠(制作データの作成日時、公開履歴等)を準備してください。

ステップ2: 侵害行為の事実を確認・保全する

侵害行為の証拠は、被告訴人が削除する前に確保する必要があります。以下の方法で保全します。

  • ウェブページのスクリーンショット: URL・日時が分かる状態で撮影(ブラウザのアドレスバーを含める)
  • ウェブアーカイブ: Internet Archive(Wayback Machine)等に魚拓を残す
  • HTMLソースの保存: 画像ファイルのメタデータや公開日時の確認に有用
  • 通信記録: 侵害者に警告メールを送った場合はその記録も保存

ステップ3: 告訴状に記載すべき事項

記載項目 記載内容
告訴人の情報 氏名(法人の場合は法人名・代表者名)・住所・連絡先・著作権者であることの明示
被告訴人の情報 氏名・住所(不明の場合は「氏名不詳」として運営サイトURL等で特定)
告訴の趣旨 「被告訴人の下記行為は著作権法第119条に違反するので、処罰を求めます」
犯罪事実 ①著作物の内容、②侵害行為の具体的態様(いつ・どこで・何を・どのように)、③故意の推認根拠
告訴に至った経緯 侵害発覚の経緯、削除要請を行った場合はその経過と結果
立証資料一覧 証拠書類の目録(著作物の原データ、侵害ページのスクリーンショット等)

ステップ4: 犯罪事実の記載ポイント

告訴状の中核となる「犯罪事実」には、以下の要素を過不足なく盛り込みます。

著作物の特定: 「告訴人が令和○年○月○日に撮影し、同年○月○日に自身のウェブサイト(URL)において公開した写真○枚」のように、いつ・誰が・何を創作し、いつ公開したかを具体的に記載します。

侵害行為の特定: 「被告訴人は、令和○年○月○日頃、上記写真をそのまま複製し、被告訴人が運営するウェブサイト(URL)上にアップロードして不特定多数に公衆送信した」のように、日時・場所・行為態様を明示します。

故意の認定材料: 著作権侵害罪には故意が必要です。著作権表示(©マーク等)の削除、出典の意図的な隠匿、削除要請を無視した事実など、侵害者が権利侵害を認識していたことを推認させる事情を記載します。

ステップ5: 告訴状を完成させ、添付書類を整理する

告訴状は、最寄りの警察署(刑事課)または検察庁に提出します(刑事訴訟法第241条第1項)。著作権侵害事件はサイバー犯罪対策課や刑事課の知能犯係が担当することが多いため、事前に電話で受付窓口を確認のうえ持参するとスムーズです。受理後は捜査機関が捜査を開始し、必要に応じて告訴人への事情聴取が行われます。

告訴状本文に加えて、以下の添付書類を整理して提出します。

  • 著作物の原本又はコピー(制作データの作成日時が確認できるもの)
  • 侵害ページのスクリーンショット(URL・日時入り)
  • 著作物と侵害物の対比資料
  • 削除要請を行った場合はその通知書と相手方の反応(又は無反応の記録)
  • WHOIS情報その他の被告訴人特定資料

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著作権侵害で告訴する際の注意点

告訴期間の制限

親告罪の告訴期間は、刑事訴訟法第235条により、犯人を知った日から6か月以内です。なお、ウェブサイト上で著作物の無断掲載が続いている場合は、公衆送信権侵害が継続していると解する余地があり、告訴期間の起算について有利に働く可能性があります。ただし確実ではないため、侵害者を特定したら速やかに行動することが重要です。公訴時効(著作権侵害罪は法定刑が10年以下の拘禁刑であるため、刑事訴訟法第250条第2項第4号により7年)とは別の制度です。

相手方が不明な場合の対応

インターネット上の侵害では、被告訴人の本名や住所が分からないケースも少なくありません。この場合は「氏名不詳」として告訴状を作成し、ウェブサイトのURL、運営者名(ハンドルネーム)、サーバー情報等で対象を特定します。捜査機関がプロバイダへの照会を通じて身元を特定する場合もあります。また、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求(令和4年10月施行の改正により、開示命令事件として1回の手続で請求可能)を活用すれば、民事手続きで投稿者の氏名・住所を特定できる場合があります。発信者情報開示については弁護士にご相談ください。

民事上の請求との使い分け

著作権侵害に対しては、刑事告訴のほか、差止請求(著作権法第112条)や損害賠償請求(民法第709条)など民事上の救済手段もあります。民事手続きと刑事告訴は並行して進めることが可能です。損害賠償請求や差止請求については弁護士にご相談ください。

告訴の基本的な流れについては「告訴状の書き方ガイド」で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. 著作権侵害の告訴は著作権者本人しかできませんか?

原則として、著作権者本人又はその法定代理人が告訴権者です。著作権を相続した場合は相続人が告訴権を有します。また、著作権の譲渡を受けた者も告訴が可能です。一方、単にライセンスを受けた利用者(被許諾者)には、契約に別段の定めがない限り告訴権は認められません。

Q. SNSの投稿を無断転載された場合も告訴できますか?

SNSに投稿した写真や文章にも著作権は発生します。各SNSの利用規約により、プラットフォーム事業者に一定のライセンスが付与されることはありますが、著作権そのものが放棄されるわけではありません。したがって、第三者による無断転載に対しては告訴が可能です。ただし、利用規約で許容されている範囲の共有機能(リツイート、シェア等)による拡散は侵害に該当しない場合もあるため、態様の確認が必要です。

Q. 削除要請を先にすべきですか、それとも告訴が先ですか?

法律上、告訴の前に削除要請を行う義務はありません。ただし、実務上は先に削除要請を行い、相手方が応じない場合に告訴するという順序が多く見られます。削除要請を無視した事実は、故意を推認させる材料として告訴状に記載できるため、経過を記録しておくことをおすすめします。

Q. 著作物が「引用」として使われていた場合でも告訴できますか?

著作権法第32条に定める適法な引用に該当する場合、著作権侵害にはなりません。引用の要件は、①公表された著作物であること、②公正な慣行に合致すること、③引用の目的上正当な範囲であること、④出所を明示すること等です。これらの要件を満たさない形で使用されている場合は、「引用」と称していても侵害に該当する可能性があります。

まとめ

  • 著作権侵害罪は親告罪(一部例外あり)のため、権利者自身の告訴が必要。告訴期間は犯人を知った日から6か月以内
  • 証拠保全が最優先: 侵害ページのスクリーンショット・ウェブアーカイブ・原データの作成日時記録を早期に確保する
  • 犯罪事実の記載: 著作物の特定→侵害行為の態様→故意の推認材料の3点を具体的に記述する
  • 刑事告訴と民事上の差止請求・損害賠償請求は並行して進めることが可能
  • 告訴状の提出先は警察署(刑事課)または検察庁。事前に窓口を確認のうえ持参する

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※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。
※ 2026年4月時点の刑事訴訟法に基づく解説です。告訴・告発の受理判断は捜査機関の裁量による部分があります。具体的な事案は弁護士にもご相談ください。

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