離婚関連

離婚調停の流れと費用|申立てから成立まで必要書類・期間を解説

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「相手が離婚に応じてくれない」「養育費や財産分与の条件で折り合いがつかない」——話し合いだけでは離婚がまとまらないとき、次のステップとなるのが離婚調停(夫婦関係調整調停)です。家庭裁判所の調停委員が間に入り、冷静な環境で離婚条件を話し合える制度ですが、「どんな流れで進むのか」「費用はいくらかかるのか」「弁護士なしでもできるのか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、離婚調停の申立てから成立までの具体的な流れ、費用・必要書類・期間の目安、弁護士なしで臨む場合の注意点まで、手続き全体を整理しています。2025年3月施行のウェブ会議による調停成立や、2026年4月施行の共同親権制度といった最新の法改正にも触れていますので、これから調停を検討される方はぜひ参考にしてください。

離婚調停とは、家庭裁判所に申し立てて調停委員を介して離婚条件を話し合う手続きです。費用は申立て手数料1,200円+郵便切手代で合計約3,000円、期間は平均3〜6か月程度、弁護士なしでも申し立て可能です。調停が成立すると「調停調書」が作成され、確定判決と同一の効力を持ちます。

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離婚調停とは?制度の基本を確認

離婚調停の正式名称は「夫婦関係調整調停(離婚)」です。夫婦間の話し合い(協議)で離婚がまとまらない場合に、家庭裁判所に申し立てて利用します。調停では、裁判官1名と調停委員2名(男女各1名が一般的)で構成される調停委員会が、双方の意見を聞きながら合意形成を促します。

日本の法律では、離婚裁判を起こす前に必ず調停を経なければなりません。これを調停前置主義(家事事件手続法第257条第1項)と呼びます。つまり、いきなり裁判に持ち込むことはできず、まず調停で話し合いを試みる必要があるということです。

離婚調停で話し合える内容

離婚調停では、離婚するかどうかだけでなく、以下の事項をまとめて話し合うことができます。

  • 親権者の指定(未成年の子がいる場合は必須)
  • 養育費の金額・支払方法・期間
  • 財産分与(預貯金・不動産・退職金等の分け方)
  • 年金分割の按分割合
  • 慰謝料の有無と金額
  • 面会交流(子どもとの交流の取り決め)

これらを個別に申し立てる必要はなく、一つの調停手続きの中でまとめて協議できる点が、離婚調停の大きなメリットです。

調停調書の法的効力

調停が成立すると、裁判所が調停調書を作成します。調停調書は確定判決と同一の効力を持ちます(家事事件手続法第268条第1項)。たとえば、養育費の支払いが滞った場合、調停調書に基づいて裁判なしで給与差押え等の強制執行を申し立てることが可能です。

この点は、協議離婚の離婚協議書との大きな違いです。離婚協議書のみでは強制執行力がなく、公正証書にして初めて強制執行力が備わります。調停調書は、公正証書化の手続きを別途踏まなくても最初から強制執行力がある点で、非常に強い効力を持つ書面といえます。

離婚調停の申立てから成立までの流れ

離婚調停の手続きは、大きく5つのステップに分かれます。全体の流れを把握しておくと、見通しを持って手続きに臨めます。

Step 1: 必要書類の準備と申立て

離婚調停は、原則として相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます(当事者双方が合意すれば、別の家庭裁判所への申立ても可能です)。申立人は夫でも妻でも構いません。

申立てに必要な書類と費用は以下のとおりです。

必要なもの 備考
申立書(原本+写し各1通) 裁判所のウェブサイトから書式をダウンロード可能
夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書) 市区町村役場で取得(手数料450円)
収入印紙 1,200円分 申立書に貼付
連絡用の郵便切手 約1,000〜1,500円(裁判所により異なる)
年金分割のための情報通知書 年金分割を求める場合のみ(年金事務所で取得)
事情説明書・子についての事情説明書 裁判所所定の書式に記入

申立て費用の合計は約3,000円です。この金額で弁護士費用がかかる裁判と同等の効力を持つ調停調書を得られるのは、調停制度の大きな利点です。

Step 2: 裁判所から呼出状が届く

申立てが受理されると、裁判所が第1回調停期日を指定し、双方に呼出状を送付します。申立てから呼出状の送付まで約2週間、第1回期日は申立てから約1か月後に設定されることが多いです。

相手方には申立書の写しも同封されるため、申立書に記載する内容は感情的な表現を避け、事実に基づいて簡潔にまとめておくことが重要です。

Step 3: 調停期日に出席して話し合う

調停期日では、申立人と相手方が交互に調停委員と面談します。基本的に相手方と直接顔を合わせることはなく、待合室も別々に用意されています。DV案件などでは、出入り口の時間をずらすといった配慮がなされることもあります。

1回の調停期日はおおむね2〜3時間程度で、それぞれ30分〜1時間ずつ調停委員と話をします。調停は原則として月1回のペースで開かれ、合意に至るか、不成立が確定するまで続きます。

2025年3月1日の家事事件手続法改正により、ウェブ会議での調停成立が可能になりました。従来は調停の途中経過をウェブ会議で進めることはできましたが、成立時には当事者が裁判所に出頭する必要がありました。改正後は、ウェブ会議のみで離婚調停を成立させることができます(電話会議のみでの成立は不可)。遠方に住んでいる場合や、育児・仕事で裁判所に出向くのが難しい場合に活用できます。

Step 4: 調停成立(または不成立)

双方が離婚条件に合意すると、調停が成立し、裁判所が調停調書を作成します。調停調書には、親権者・養育費・財産分与・慰謝料・面会交流・年金分割など、合意したすべての内容が記載されます。

一方、話し合いがまとまらない場合は調停不成立となります。不成立後の選択肢は主に3つです。

  • 離婚裁判(離婚訴訟)に進む
  • 改めて協議離婚を試みる
  • いったん離婚を見送る

なお、調停が不成立になった場合でも、裁判所が必要と認めれば審判離婚(家事事件手続法第284条)として裁判官が判断を下すことがあります。ただし、審判離婚は当事者から2週間以内に異議が出ると効力を失うため、実務上は利用されるケースが限られています。

Step 5: 離婚届の提出

調停成立による離婚の場合、調停成立日から10日以内に、調停調書の謄本を添えて市区町村役場に離婚届を提出する必要があります(戸籍法第77条)。届出義務者は原則として申立人です。10日を過ぎても届出は可能ですが、正当な理由なく届出を怠ると5万円以下の過料に処される場合があります。

調停の前に、協議離婚という選択肢も

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離婚調停にかかる費用と期間の目安

離婚調停を検討するうえで、費用と期間の見通しは気になるポイントです。自分で申し立てる場合と弁護士に依頼する場合で大きく異なります。

費用の内訳

費用項目 自分で申し立てる場合 弁護士に依頼する場合
収入印紙 1,200円 1,200円
郵便切手 約1,000〜1,500円 約1,000〜1,500円
戸籍謄本取得費 450円 450円
弁護士費用(着手金+報酬金) なし 50万〜100万円程度
合計 約3,000円 約50万〜100万円超

弁護士費用は事務所ごとに異なりますが、着手金で20〜40万円、成功報酬で20〜50万円程度が目安です。婚姻費用分担請求や財産分与の金額が大きいケースでは、さらに高額になることもあります。

期間と回数の目安

離婚調停の期間は、司法統計によると約6割が6か月以内に終了しています。平均審理期間は7か月前後で、期日の回数は2〜4回が最も多いとされています。ただし、財産分与の対象が複雑な場合や、親権の争いがある場合には1年以上かかることもあります。

期間 割合(目安)
3か月以内 約25%
6か月以内 約60%(累計)
1年以内 約85%(累計)
1年超 約15%

調停期日は平日の日中(10時〜16時頃)に開かれるため、会社勤めの方は有給休暇の取得や仕事の調整が必要になります。月1回ペースで3〜4回の期日を想定すると、3〜4か月分の平日調整が必要です。

弁護士なしで離婚調停はできる?

結論として、離婚調停は弁護士なしでも申し立て・出席が可能です。調停はあくまで話し合いの場であり、裁判のように法律の専門知識が必須というわけではありません。

弁護士なしで臨む人はどれくらいいる?

実際のデータでは、申立人の約4割、相手方の約6割が弁護士を付けずに調停に臨んでいるとされています。つまり、弁護士なしで調停を進めること自体は珍しいことではありません。

弁護士なしでも対応しやすいケース

  • 争点が少ない(離婚自体には双方同意しており、条件の調整だけ)
  • 財産分与の対象が預貯金程度でシンプル
  • 養育費の金額について大きな争いがない
  • DVやモラハラがなく、冷静に話し合える状況

弁護士への相談を検討すべきケース

  • 相手方に弁護士がついている
  • 不動産・事業・退職金など財産分与が複雑
  • 親権について激しく争っている
  • DV・モラハラ被害があり、安全確保が必要
  • 相手が財産を隠している疑いがある

弁護士に依頼しない場合でも、調停に臨む前に自分の主張をまとめた陳述書を作成しておくことをおすすめします。調停の場では緊張して言いたいことを伝えきれないケースがあるため、あらかじめ書面にまとめておくと調停委員にも正確に伝わります。

なお、行政書士は調停の代理や調停関連書面の作成はできませんが、協議離婚の場合の離婚協議書・公正証書の作成は対応可能です。調停に進む前に、まずは協議離婚での解決を検討してみることをおすすめします。

2026年4月施行の共同親権制度は離婚調停にどう影響する?

2026年4月1日から、民法改正により離婚後の共同親権が導入されます。これまでは離婚後は父母のどちらか一方が親権者となる「単独親権」のみでしたが、改正後は共同親権と単独親権のいずれかを選択できるようになります。

離婚調停においても、親権の取り決め方に大きな変化が生じます。

  • 調停の中で、単独親権か共同親権かを話し合う必要が出てくる
  • 合意できない場合は、家庭裁判所が「子どもの利益」を最優先に判断する
  • DVや虐待のおそれがある場合は、裁判所が単独親権とする

また、同じ改正で法定養育費制度も導入されます。養育費の取り決めをしていない場合に、一定額の支払いが法律上義務付けられるものです。これにより、離婚調停での養育費の取り決めがいっそう重要になります。養育費の相場や計算方法については「養育費の算定方法と請求手続き」で解説しています。

離婚調停を申し立てる前に確認しておくべきこと

調停を有利に進めるためには、申立て前の準備が重要です。以下のポイントを事前にチェックしておきましょう。

希望する離婚条件を整理する

養育費・財産分与・慰謝料・面会交流・年金分割について、自分が望む条件と最低限譲れるラインを明確にしておくと、調停での話し合いがぶれにくくなります。特に養育費は裁判所の養育費算定表を参考に、現実的な金額を把握しておくとよいでしょう。

証拠となる資料を集めておく

不貞行為やDVなど離婚原因に関する証拠はもちろん、財産分与のために預貯金の通帳コピー・不動産の登記簿・保険の証書なども整理しておきます。調停委員は提出された資料をもとに事情を把握するため、客観的な資料があるほど説得力が増します。

婚姻費用分担請求も検討する

別居中に生活費を受け取れていない場合、離婚調停と同時に婚姻費用分担請求調停を申し立てることもできます。婚姻費用(生活費)の支払いは、離婚が成立するまでの間、収入の多い方が少ない方に負担する義務があります(民法第760条)。別途の収入印紙1,200円と郵便切手が必要ですが、離婚調停と並行して進められます。

よくある質問

Q. 相手が調停に来ない場合はどうなりますか?

調停は双方が出席して話し合う手続きのため、相手方が正当な理由なく欠席を続けると、調停は不成立となります。不成立後は、離婚裁判(離婚訴訟)を提起することができます。なお、正当な理由なく出頭しない場合、家庭裁判所が5万円以下の過料に処する制度がありますが、実務上はあまり適用されていません。

Q. 調停の話し合いの内容は外部に漏れますか?

調停手続きは非公開であり、関係者以外は傍聴できません。調停委員や裁判官には守秘義務があり、話し合いの内容が外部に漏れることは原則としてありません。裁判(訴訟)が公開法廷で行われるのとは対照的に、プライバシーが保護される点は調停の大きなメリットです。

Q. 離婚調停は何回くらいで終わりますか?

司法統計によると、2〜4回の期日で終了するケースが全体の約7割です。月1回の開催ペースで考えると、おおむね3〜6か月が一つの目安です。ただし、争点が多い場合や相手方の態度によっては1年以上かかることもあります。1回目の期日で成立するケースもゼロではありません。

Q. 調停で決まった内容を後から変更することはできますか?

調停調書の内容は確定判決と同一の効力を持つため、一方的に変更することはできません。ただし、養育費の増額・減額など「事情の変更」が認められる場合には、改めて家庭裁判所に調停や審判を申し立てることで変更が認められる可能性があります。たとえば、支払義務者の失業や再婚、子どもの進学による教育費の増加などが事情変更に該当し得ます。

Q. 協議離婚と離婚調停、どちらを選ぶべきですか?

夫婦間で冷静に話し合いができ、条件面でも大きな争いがない場合は協議離婚が最も迅速です。一方、相手が離婚に応じない、条件で折り合いがつかない、DVで直接の話し合いが困難といったケースでは調停離婚を検討してください。詳しい比較は「協議離婚 vs 調停離婚|費用・期間・メリットを比較」で解説しています。

Q. 離婚調停中に別居するべきですか?

法律上、調停中に別居する義務はありません。ただし、DVやモラハラがある場合は安全確保のために別居が推奨されます。また、別居すると婚姻費用分担請求の根拠が明確になるため、経済的に不利な立場の方が別居を選ぶケースは少なくありません。

まとめ

  • 離婚調停は家庭裁判所で調停委員を介して話し合う手続き。費用は約3,000円と低額
  • 手続きは「申立て→呼出状→調停期日→成立 or 不成立→離婚届提出」の流れ
  • 期間は約3〜6か月(期日2〜4回)が目安。争点が多いと長引くこともある
  • 弁護士なしでも可能だが、財産分与が複雑な場合や相手に弁護士がいる場合は依頼を検討
  • 調停調書は確定判決と同一の効力を持ち、強制執行も可能
  • 2025年3月からウェブ会議での調停成立が可能に。2026年4月からは共同親権制度が施行

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※ 2026年3月時点の民法・家事事件手続法に基づく解説です。個別の事案では弁護士への相談もご検討ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。

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