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離婚協議書は離婚後に追加・変更できる?追補合意書・覚書の書き方と注意点

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結論から言えば、協議離婚の成立後であっても、当事者双方が合意すれば、離婚協議書(原契約)に条項を追加し、または内容を変更する書面をあらためて作成することは可能です。ただし、原契約の清算条項の処理や変更対象条項の特定を誤ると、二つの書面が矛盾し、かえって紛争の火種になります。本記事では、離婚協議書・公正証書原案の作成を扱う行政書士の立場から、原契約との整合性を保った追補書面(覚書・変更合意書)の書き方と、公正証書にすべきかどうかの判断基準を解説します。行政書士法人Treeでは、交渉や調停の代理が必要な場面は弁護士、不動産の名義変更登記は司法書士、年金分割の手続は年金事務所と連携し、合意内容の書面化を専門的に担っています。

離婚協議書は離婚後に追加・変更できる?覚書・変更合意書の作成方法

離婚協議書は、財産分与・養育費・親子の交流方法などを定める当事者間の契約です。契約である以上、離婚届の提出後であっても、双方が合意すれば内容の追加や変更は自由にできます(契約自由の原則)。支払額をめぐる言い分の食い違いをやめるために互いに譲歩して取り決め直す場合は、和解契約(民法695条)としての性質を持つこともあります。

注意すべきは、追加・変更はあくまで双方の合意が前提であり、一方の希望だけで原契約の効力を動かすことはできない点です。話し合いがまとまらないとき、養育費など子の監護に関する事項については、家庭裁判所が必要と認める場合に定めを変更できるとされています(民法766条3項)。この調停・審判の代理は弁護士の職域です。

原契約との整合性確保—追補の前に確認すべき3つのポイント

追補書面の作成でもっとも重要なのは、原契約と新しい合意の関係を明確にすることです。次の3点を必ず確認します。

  • 清算条項の有無:「本書に定めるもののほか、相互に何らの債権債務がないことを確認する」といった清算条項がある場合、原契約に定めのない金銭請求が制限されることがありますが、その範囲は条項の文言や対象となる権利の性質によって異なります。追補で新たな給付を定める場合は、清算条項にかかわらず本合意が有効である旨を明記します。
  • 変更対象条項の特定:原契約のどの条項を変更するのかを条番号で特定します。特定があいまいなまま新旧の書面が併存すると、どちらの定めが有効か判断できなくなります。
  • 原契約が公正証書かどうか:原契約が強制執行認諾文言付きの公正証書である場合、私文書で支払額を減額しても、公正証書の記載が自動的に変更されず、元の記載に基づく強制執行が可能です。これに対しては請求異議の訴え(民事執行法35条)で対抗できますが、訴訟手続(弁護士の職域)が必要になるため、公正証書の内容の変更は公正証書で行うのが原則です。

追補書面(覚書・変更合意書)の書き方—記載すべき7項目

追補書面の表題は「覚書」「変更合意書」「追加合意書」のいずれでも効力に差はありません。重要なのは記載内容で、次の7項目を漏れなく盛り込みます。

  • 表題と当事者:元夫・元妻双方の氏名を、離婚後の氏で正確に表記します。
  • 原契約の特定:「甲乙間の令和○年○月○日付離婚協議書(以下「原契約」という。)」のように作成日で特定します。公正証書であれば証書番号と公証役場名も記載します。
  • 変更条項:「原契約第○条を次のとおり変更する」と書き、変更後の条文全文を置き直します。差分だけを書く方式は解釈の争いを生むため避けます。【記載例】「甲及び乙は、原契約第3条(養育費)を次のとおり変更することに合意した。第3条 甲は乙に対し、長女○○の養育費として、令和○年○月分から、毎月末日限り金○万円を乙の指定する口座に振り込む方法により支払う。」
  • 追加条項:新しい取り決めは「原契約に第○条として次の条項を追加する」と明示します。
  • 存続条項:「本合意書に定めのない事項については、原契約の定めがなお効力を有する」と記載し、原契約の失効と誤解されないようにします。
  • 効力発生時期:変更後の養育費をいつの支払分から適用するかなど、開始時点を特定します。
  • 作成日・署名押印:双方が自署のうえ実印を押し、印鑑登録証明書を添付する方法が確実です。2通作成し各自1通を保管します。

内容別の注意点—養育費・親子交流・財産分与・年金分割

追補で扱われることの多い4項目には、それぞれ固有の期限と手続があります。2026年4月1日に施行された民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)で取扱いが変わった点も含めて整理します。

項目 追補時の注意点
養育費 再婚や収入の変動など事情の変更があれば、増減額を協議できます。合意ができない場合は家庭裁判所の手続によります(民法766条3項)。改正民法では養育費等の債権に一般の先取特権が認められ、取り決めのないまま離婚した場合の法定養育費制度も新設されました。
親子交流 改正民法で、いわゆる面会交流は「親子交流」に呼称が改められました。頻度・方法・受け渡し場所の変更は追補書面で対応できます。子の成長に応じた再協議条項を入れておくと見直しがしやすくなります。
財産分与 原契約に定めがなく清算条項もない場合、家庭裁判所に分与を請求できる期間は離婚の時から2年、2026年4月1日以降に成立した離婚では5年です(改正民法768条2項)。期間経過後や清算条項成立後の財産移転は贈与税の課税対象となる可能性があり、税理士と連携します。
年金分割 当事者間の合意書だけでは分割の効力は生じず、年金事務所での請求手続が必要です。請求期限は原則として離婚をした日の翌日から2年ですが、2026年4月1日以降に成立した離婚では5年に延長されました(根拠:厚生年金保険法78条の2の改正)。

追補書面では対応できないこと

親権者の変更は、父母が追補書面で合意しただけでは効力が生じず、家庭裁判所の調停・審判によらなければなりません(民法819条6項)。改正民法の施行後に、単独親権を父母双方の親権に変更する場合も同様に家庭裁判所の手続が必要です。また、提出済みの離婚届を合意でなかったことにするなど、戸籍の記載を動かす内容も実現できません。相手方と争いがある事案、調停・裁判に進む可能性が高い事案は、当初から弁護士にご相談いただくのが適切です。

公正証書で追補を作成すべきケースと公証人手数料

養育費の増額、財産分与の追加払い、慰謝料の分割払いなど、金銭の支払いを新たに定める追補は、強制執行認諾文言付きの公正証書(執行証書。民事執行法22条5号)にしておくことで、不払いの際に裁判を経ずに給与や預貯金の差押えを申し立てられます。原契約が公正証書である場合の条項変更も、公証役場で変更契約公正証書として作成するのが確実です。

公証人手数料は2025年10月1日に改正され、目的価額に応じた基本手数料は50万円以下3,000円、100万円以下5,000円、200万円以下7,000円、500万円以下13,000円、1,000万円以下20,000円です。離婚公正証書では、財産分与・慰謝料と養育費を別々に算定して合算し、正本等の交付費用も加わります。50万円以下の区分が新設され、少額の追加合意でも公正証書を利用しやすくなりました。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeは、権利義務・事実証明に関する書類の作成として、離婚協議書の作成、成立後の追補書面(覚書・変更合意書)の作成、公正証書の原案作成と公証役場との事前調整、事実関係の整理を行っています。相手方との交渉や調停・裁判、慰謝料請求の代理は弁護士、財産分与に伴う不動産登記は司法書士、年金分割の請求手続は年金事務所の窓口となるため、事案に応じて連携してご案内します。

料金は、離婚協議書の作成がミニマム21,780円(税込)・スタンダード27,500円(税込)、公正証書作成サポートが32,780円(税込)です。お急ぎの場合の超特急対応は追加5,000円(税込)、代理人を通じた作成は追加15,000円(税込)で承ります。サービス内容の詳細は離婚協議書作成サポートのご案内をご覧ください。ご相談は何度でも無料です。

離婚協議書・離婚公正証書の作成は、行政書士法人Treeにご相談ください。原案の作成から公証役場との調整まで一括してサポートします。ご相談は何度でも無料です。

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まとめ

協議離婚の成立後でも、双方の合意があれば離婚協議書への条項の追加・変更は可能です。実務上のポイントは、原契約を作成日で特定すること、清算条項との関係を明記すること、変更しない条項が存続する旨を書き残すことの3点に集約されます。財産分与・年金分割には請求期限(2026年4月1日以降に成立した離婚はいずれも5年)があり、親権者の変更のように書面の合意だけでは対応できない事項もあります。金銭給付を含む追補は、公正証書の活用を検討してください。2025年10月1日改正では50万円以下の区分(3,000円)が新設された一方、200万円超500万円以下は11,000円から13,000円に引き上げられるなど、目的価額によっては負担が重くなります。

協議離婚後の合意書追加作成に関するよくある質問

Q:離婚協議書に清算条項を入れてしまいましたが、あとから養育費の増額を合意できますか?

A:できます。清算条項も当事者双方の合意で効力を修正できるため、追補書面に、清算条項にかかわらず本合意が有効である旨を明記すれば足ります。相手の同意が得られない場合、養育費は事情の変更を理由に家庭裁判所へ変更を求める余地があり(民法766条3項)、その代理は弁護士の職域です。

Q:追補の覚書は自分たちで作った私文書でも有効ですか?

A:有効です。契約書の様式は自由で、手書きでも効力に変わりはありません。ただし、原契約の特定や存続条項が欠けると解釈の争いが生じやすく、金銭の支払いを含む場合は執行力のある公正証書にしておく方が安全です。

Q:口頭で養育費の減額に合意しました。書面は必要ですか?

A:書面化を強くお勧めします。特に原契約が公正証書の場合、口頭や私文書の減額合意だけでは公正証書の記載が更新されず、元の記載に基づく強制執行を巡って争いになるおそれがあります。変更内容を公正証書にすることをご検討ください。

Q:追補書面も必ず公正証書にしなければなりませんか?

A:必須ではありません。金銭の支払いを新たに定める場合や、原契約が公正証書である場合は公正証書化が適しています。一方、親子交流の受け渡し方法の変更のような運用面の合意だけであれば、私文書の覚書でも実務上は対応できます。

Q:相手が追補書面の作成に応じない場合はどうなりますか?

A:合意がなければ追補書面は作成できません。養育費や親子交流など子の監護に関する事項は、家庭裁判所の調停・審判で変更を求めることになり、その代理は弁護士の領域です。当事務所は、協議がまとまった段階での書面化をお手伝いし、必要な場合は連携先の弁護士をご紹介します。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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