公開日:2026年5月19日
性別変更は性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(性同一性障害特例法)に基づき、家庭裁判所の審判で認められる手続です。2023年10月25日最高裁大法廷決定により生殖不能要件(性同一性障害特例法第3条第1項4号)が違憲・無効と判断され、外観要件(同項5号)は高裁に差し戻された後、2025年9月19日札幌家裁が違憲と判断しました。本記事では、性別変更の要件、婚姻・離婚との関係、戸籍記載、税務上の取扱い、親子関係、行政書士の業務範囲を整理します。
本記事の結論:
- 性別変更審判を受けるには「現に婚姻をしていないこと」(性同一性障害特例法第3条第1項2号)が要件。婚姻中の方が性別変更を希望する場合は、原則として事前に離婚等で婚姻を解消する必要がある。
- 2023年10月25日最高裁大法廷決定により生殖不能要件(4号)が違憲・無効、2025年9月19日札幌家裁決定により外観要件(5号)も違憲と判断(最高裁による5号の最終判断は係属中)。
- 性別変更後の婚姻は戸籍上男女婚として登録され、所得税法第83条の配偶者控除等も通常の婚姻と同様に適用。
- 2026年4月1日施行の改正民法(令和6年法律第33号)により、離婚後の親権は単独親権または共同親権を選択可能。
- 当事務所は離婚協議書・財産分与合意書・パートナーシップ契約書等の文案作成を担当します。
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目次
性別変更には「現に婚姻していないこと」が必要。婚姻中は事前整理が必要
性同一性障害特例法に基づく性別の取扱いの変更審判を受けるには、18歳以上であること、現に婚姻をしていないこと、現に未成年の子がいないこと、2人以上の医師による診断があること等の要件を満たす必要があります。2023年10月25日最高裁大法廷決定により、同法第3条第1項4号の生殖腺要件(いわゆる生殖不能要件)は憲法第13条に違反し無効と判断されました。一方、5号外観要件については最高裁では憲法判断が示されず高裁に差し戻されましたが、その後2025年9月19日に札幌家裁が違憲と判断し、最高裁による最終判断は係属中です。現行法では、婚姻中の方は性別変更審判を受けられないため、性別変更を希望する場合は、離婚、財産分与、親権・養育費、面会交流(親子交流)、戸籍・氏の整理などを事前に検討する必要があります。
根拠法令(2026年5月時点)
- 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(性同一性障害特例法、平成15年法律第111号)
- 性同一性障害特例法第3条(性別の取扱いの変更の審判の要件、5要件)
- 性同一性障害特例法第4条(性別の取扱いの変更の効果)
- 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律第三条第二項に規定する医師の診断書の記載事項を定める省令」(診断書省令)
- 戸籍法第20条の4(性別の取扱いの変更による新戸籍編製等)
- 家事事件手続法・家事事件手続規則(家庭裁判所の審判手続)
- 民法第732条(重婚禁止)・第750条(夫婦同氏原則)・第766条(離婚後の子の監護に関する事項)・第775条(嫡出否認)・第819条(離婚の場合の親権者)
- 令和6年法律第33号(父母の離婚後等の子の養育に関する民法等改正、2026年4月1日施行・共同親権制度導入)
- 所得税法第83条(配偶者控除)・第83条の2(配偶者特別控除)
- 相続税法第19条の2(配偶者の税額軽減)
- 生殖補助医療法(令和2年法律第76号、生殖補助医療を用いて出生した子の親子関係)
- 最高裁大法廷令和5年(2023年)10月25日決定(性同一性障害特例法第3条第1項4号「生殖不能要件」を憲法第13条違反として違憲・無効)
- 札幌家裁2025年9月19日決定(性同一性障害特例法第3条第1項5号「外観要件」を違憲)
- 司法書士法第3条第1項第1号(登記申請代理)・第4号(裁判所提出書類の作成)・第6号(認定司法書士の簡裁訴訟代理)
- 弁護士法第3条(紛争代理・調停代理)・第72条(非弁行為の禁止)
- 税理士法第2条(税務代理)
- 医師法第17条(医業の独占)
- 行政書士法第1条の2第1項(権利義務に関する書類の作成)
1. 性同一性障害特例法の概要
性同一性障害特例法(平成15年法律第111号、平成15年制定・平成16年7月16日施行)は、法律上「性同一性障害者」と定義される者が家庭裁判所の審判により法令上の性別の取扱いの変更を受けられる制度を定めています。
医学的用語の変遷
WHOのICD-11(2019年採択、2022年発効)により、「性同一性障害」(gender identity disorder)は精神疾患カテゴリから外され、「性別不合」(gender incongruence)として性関連の状態のカテゴリに移行しました。2023年10月25日最高裁大法廷決定の少数意見でも、この国際的な医学的知見の変化に言及されています。本記事では法令名・法律上の定義に合わせて「性同一性障害」を使用しますが、現在は「性別違和」「トランスジェンダー」等の表現が用いられることもあります。実務上は、本人の希望する呼称・氏名・性別表記への配慮が重要です。
性別変更審判の要件(性同一性障害特例法第3条第1項)
- 1号:18歳以上であること(令和4年改正で20歳から18歳に引下げ)
- 2号:現に婚姻をしていないこと
- 3号:現に未成年の子がいないこと(いわゆる「子なし要件」、国内外から改正要望が出されている)
- 4号:生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること(いわゆる「生殖不能要件」、2023年10月25日最高裁大法廷で憲法第13条違反・違憲と判断され無効)
- 5号:その身体について他の性別の性器に係る部分に近似する外観を備えていること(いわゆる「外観要件」、2023年最高裁が高裁差戻し→2025年9月19日札幌家裁が違憲と判断、最高裁による最終判断は係属中)
2023年最高裁違憲決定・2025年札幌家裁違憲決定の意義
2023年10月25日最高裁大法廷決定により、性同一性障害特例法第3条第1項4号(生殖不能要件:生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること)が憲法第13条違反として違憲・無効と判断されました(15名の裁判官全員一致)。これにより、性別変更のために生殖腺除去手術を受ける必要がなくなりました。
同時に判断対象とされていた5号要件(外観要件:他の性別の性器に係る部分に近似する外観を備えていること)については、最高裁は判断せず高裁に差し戻されました。その後、2025年9月19日札幌家裁は5号要件(外観要件)についても違憲と判断し、ホルモン療法・乳房切除手術を行っていない申立人の性別変更を認める決定を下しました(2026年4月時点で最高裁による5号要件の最終判断は係属中)。
これらの違憲判決を受けて、性別変更要件の運用が大きく見直されつつあります。最新の運用は各家庭裁判所・弁護士に確認してください。
2. 性別変更審判の手続
申立て
- 申立人:性同一性障害者本人
- 申立先:本人の住所地を管轄する家庭裁判所
- 申立手数料:800円(収入印紙、家事事件手続費用法別表第一第15項)+郵券代(数千円程度)
- 必要書類:戸籍謄本、住民票、診断書(2人以上の医師による、診断書省令の記載事項を満たすもの)
審理
- 家庭裁判所が要件適合性を審査
- 医師の診断書の内容、本人の状態を確認
- 必要に応じて本人尋問
審判確定後の戸籍反映
性別の取扱いの変更審判が確定した場合、裁判所書記官から本籍地の市区町村長へ通知・嘱託がされ、戸籍に反映されます。通常、申立人が別途「戸籍訂正届」を提出する手続ではありません。
戸籍記載
性別の取扱いの変更審判が確定すると、戸籍に内容が反映されます(戸籍法第20条の4)。戸籍に他の在籍者がいる場合には新戸籍が編製されるなど、戸籍の記載方法は戸籍法上の処理によります。取得する戸籍の種類や記載内容によって、変更前の情報が確認できる場合があるため、具体的な戸籍記載は市区町村・専門家に確認します。
3. 性別変更と既存婚姻の関係
現行法では、性別の取扱いの変更審判を受けるには「現に婚姻をしていないこと」(性同一性障害特例法第3条第1項2号)が要件とされています。そのため、性別変更前に成立した婚姻が継続している場合、原則として性別変更審判を受けるには、事前に離婚等により婚姻を解消する必要があります。
性同一性障害特例法第4条第2項は、性別の取扱いの変更審判前に生じた身分関係・権利義務に影響を及ぼさないと定めていますが、婚姻継続中の性別変更を当然に予定するものではありません。婚姻中の方が性別変更を希望する場合は、離婚、財産分与、親権・養育費、面会交流(親子交流)、戸籍・氏の整理を事前に検討する必要があります。
性別変更前の離婚協議書整備サポート
性別変更を希望する方の離婚協議書・財産分与合意書・親権・養育費・面会交流(親子交流)の取り決めを行政書士業務範囲で対応します。離婚調停・離婚訴訟の代理は弁護士業務範囲です。
4. 性別変更後の婚姻
性別の取扱いの変更審判を受けた者は、法令の適用上、変更後の性別に変わったものとみなされます(性同一性障害特例法第4条第1項)。そのため、変更後の性別を前提として、民法上の婚姻要件を満たす相手との婚姻が可能になります(日本では同性間の法律婚は認められていない)。
婚姻の手続
- 市区町村への婚姻届の提出
- 戸籍上は変更後の性別で記載
- 夫婦同氏原則(民法第750条)に従い氏を選択
税務上の取扱い
性別変更後の婚姻は戸籍上男女婚として登録されるため、以下の税制特例が通常の婚姻と同様に適用されます。
- 所得税法第83条の配偶者控除・第83条の2の配偶者特別控除
- 所得税法第84条の扶養控除(配偶者と生計を一にする場合)
- 健康保険・厚生年金保険の被扶養者・第3号被保険者認定
- 相続税法第19条の2(配偶者の税額軽減)
- 配偶者居住権(民法第1028条)
同性パートナーシップ宣誓制度では配偶者控除等の税制特例は受けられないため、性別変更後の法律婚と税制上の違いがあります。税務取扱いの詳細は税理士に確認してください。
5. 性別変更前に成立した婚姻の取扱い
性別変更前に成立した婚姻が継続している場合は、前述のとおり性別変更審判の要件(2号要件「現に婚姻をしていないこと」)を満たさないため、原則として性別変更審判を受けることができません。
性別変更を希望する者は、事前に既存の婚姻を解消する必要があります。離婚は協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれかで行います。離婚に伴う財産分与・親権・養育費・面会交流(親子交流)の取り決めは、性別変更とは独立して、子の利益を最も優先して考慮します。
6. 性別変更後の離婚
性別変更後に成立した婚姻でも離婚は可能です(変更後の性別での婚姻が法律上有効に成立しているため)。
財産分与・親権の論点
- 財産分与:通常の婚姻と同様、民法第768条に基づく
- 年金分割:2026年4月1日改正により原則5年以内に請求(改正前は2年以内)
- 親権:性別変更前に出生した子は実子としての関係が継続、子の福祉に基づく親権者決定
- 養育費:通常の養育費算定表に基づく(2019年改訂版が最新)
- 親権制度:2026年4月1日施行の改正民法(令和6年法律第33号)により、離婚後の親権は単独親権または共同親権を選択可能(当事者の合意または家裁の判断による)
- 面会交流(改正民法施行後は「親子交流」):民法第766条第1項に基づき、子の利益を最も優先して考慮
7. 性別変更後の婚姻で生まれた子
性別変更後の婚姻関係において新たに出生した子に対する親子関係は、特例法第4条の効果、民法の嫡出推定・認知・養子縁組、生殖補助医療法の適用関係を踏まえて個別に判断されます。性別変更後の性別だけで一律に整理せず、出生方法、婚姻関係、戸籍実務、判例を確認する必要があります。
生殖補助医療を活用した場合の親子関係(生殖補助医療法、令和2年法律第76号)
- 卵子提供による出生子の母子関係(同法第9条):卵子提供を受けて出生した子の母は出産した女性(代理懐胎は対象外)
- 精子提供による出生子の父子関係(同法第10条):妻が夫の同意を得て第三者の精子提供を受けて懐胎・出産した子について、夫は嫡出否認(民法第775条)できない
- 性別変更で女性から男性に変更した者が、配偶者(女性)が第三者の精子提供で懐胎・出産した子について、当該男性(変更後)は同意していれば嫡出推定により父となる
8. 業務範囲の整理
行政書士の業務範囲(行政書士法第1条の2第1項:権利義務・事実証明書類の作成)
- 性別変更後の離婚協議書・財産分与合意書の文案作成
- 性別変更後のパートナーシップ契約書・事実婚契約書の作成
- 公正証書遺言の原案作成・任意後見契約書の作成・公正証書化サポート
- 死後事務委任契約書の作成
- 離婚協議書・財産分与合意書・パートナーシップ契約書等の作成前提としての事実関係整理
- 性別変更に伴う各種契約書(賃貸借・生命保険受取人指定・年金・保険受給権者指定等)の見直し
※性別変更審判、戸籍記載変更に関する家庭裁判所提出書類、離婚調停・親権・面会交流(親子交流)等の主張書面は、司法書士または弁護士の業務範囲を確認します。
業務範囲外(連携先専門家)
- 性別の取扱いの変更審判申立書の作成(家庭裁判所提出書類、司法書士法第3条第1項第4号により司法書士業務)
- 性別の取扱いの変更審判の代理・審問対応(弁護士法第3条、弁護士業務)
- 離婚調停・離婚訴訟の代理(弁護士法第3条、弁護士業務。訴額140万円以下の簡裁訴訟代理は司法書士法第3条第1項第6号により認定司法書士も対応可能)
- 親権・面会交流(親子交流)・養育費の調停・訴訟代理(弁護士法第3条、弁護士業務)
- 家庭裁判所提出書類の作成(司法書士法第3条第1項第4号、司法書士業務)
- 審判確定後の戸籍記載の反映は、裁判所から本籍地市区町村への通知・嘱託により行われるため、個別の戸籍記載・証明書取得は市区町村に確認
- 性同一性障害(性別不合)の医学的診断(医師法第17条、医師業務)
- 性別違和に関する人権救済・差別対応(弁護士業務)
- 税務関係(税理士法第2条、税理士業務)
FAQ|よくあるご質問
Q1. 性別変更前に成立した婚姻は、性別変更後どうなりますか?
A. 現行法では、性別変更審判を受けるには「現に婚姻をしていないこと」(性同一性障害特例法第3条第1項2号)が要件です。そのため、婚姻中の方が性別変更を希望する場合は、原則として事前に離婚等により婚姻を解消する必要があります。特例法第4条第2項は、審判前に生じた身分関係・権利義務に影響を及ぼさないと定めていますが、婚姻継続中の性別変更を当然に予定するものではありません。
Q2. 2023年最高裁判決により性別変更要件はどう変わりましたか?
A. 2023年10月25日最高裁大法廷決定により、性同一性障害特例法第3条第1項4号の生殖不能要件(生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること)が違憲・無効と判断されました。これにより、生殖腺除去手術を受けなくても性別変更が可能となりました。なお、5号外観要件については最高裁では判断されず高裁差戻しでしたが、2025年9月19日札幌家裁が違憲と判断しています(最高裁による最終判断は係属中)。
Q3. 性別変更後の婚姻でも配偶者控除は受けられますか?
A. はい、性別変更後の婚姻は戸籍上男女婚として登録されるため、所得税法第83条の配偶者控除・第83条の2の配偶者特別控除・健康保険の被扶養者認定等が通常の婚姻と同様に適用されます。同性パートナーシップ宣誓制度ではこれらの税制特例は受けられないため、性別変更後の法律婚と税制上の違いがあります。
Q4. 性別変更前に成立した婚姻で生まれた子との関係は?
A. 性別変更前に成立した婚姻関係で出生した子との実子関係は継続します(性同一性障害特例法第4条第2項により、審判前に生じた身分関係に影響を及ぼさない)。離婚に伴う親権・養育費・面会交流(親子交流)の取り決めは、性別変更とは独立して、子の利益を最も優先して考慮します。
Q5. 性別変更後の離婚で気をつけることは?
A. 性別変更後に成立した婚姻でも、通常の離婚と同様、財産分与・親権・養育費・面会交流(親子交流)の取り決めが必要です。2026年4月1日施行の改正民法(令和6年法律第33号)により、離婚後の親権は単独親権または共同親権を選択可能となりました。当事者の合意または家裁の判断により決定されます。年金分割は原則5年以内(2026年4月1日改正後)に請求します。
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まとめ
性同一性障害特例法に基づく性別の取扱いの変更審判を受けるには、18歳以上であること、現に婚姻をしていないこと、現に未成年の子がいないこと、2人以上の医師による診断があること等の要件を満たす必要があります。WHOのICD-11(2022年発効)により医学的には「性同一性障害」から「性別不合」へと用語が変化していますが、現行法上は法令用語として「性同一性障害」が残っています。
2023年10月25日最高裁大法廷決定により、性同一性障害特例法第3条第1項4号の生殖不能要件が憲法第13条違反として違憲・無効と判断されました。同時に判断対象とされた5号外観要件については最高裁では判断されず高裁差戻しでしたが、2025年9月19日札幌家裁が違憲と判断し、最高裁による最終判断は係属中です。3号「未成年の子なし要件」も国内外から改正要望が出されています。
現行法では、性別変更審判を受けるには「現に婚姻をしていないこと」が要件のため、婚姻中の方が性別変更を希望する場合は、原則として事前に離婚等により婚姻を解消する必要があります。性別変更後の婚姻は戸籍上男女婚として登録されるため、所得税法第83条の配偶者控除・配偶者特別控除等の税制特例も通常の婚姻と同様に適用されます。
性別変更後の離婚では、財産分与・年金分割(2026年4月1日改正後は原則5年以内)・親権・養育費・面会交流(親子交流)の取り決めが必要です。2026年4月1日施行の改正民法(令和6年法律第33号)により、離婚後の親権は単独親権または共同親権を選択可能となりました。性別変更後の婚姻で生まれた子の親子関係は、特例法第4条の効果、民法の嫡出推定・認知・養子縁組、生殖補助医療法(同法第9条卵子提供・第10条精子提供)の適用関係を踏まえて個別に判断されます。
当事務所では性別変更に関連する離婚協議書・財産分与合意書・パートナーシップ契約書・事実婚契約書・公正証書遺言の原案・任意後見契約書・死後事務委任契約書の作成を行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項:権利義務に関する書類の作成)で対応します。性別変更審判申立書の作成は司法書士業務、審判の代理・離婚調停代理は弁護士業務として整理されますが、契約書文案作成・事実関係整理書面の作成は行政書士業務として承ります。性別変更に関連する書類整備をご検討中の方は、本人の希望する呼称・氏名・性別表記への配慮を最優先に、ぜひ一度ご相談ください。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。


