車両関連

特殊車両通行確認制度(新システム)|従来の許可との違い・手数料・備付け義務

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結論から言えば、令和4年(2022年)4月1日に運用が始まった「特殊車両通行確認制度」は、あらかじめ国に車両を登録しておけば、出発地と目的地を入力するだけでオンライン上で即時に通行可能経路を確認し、交付される回答書を車両に備え付けて通行できる新しい仕組みです。約1か月かかることもあった従来の「特殊車両通行許可制度」(道路法第47条の2)とは、根拠条文も手続の流れも異なります。行政書士は、この確認制度の車両登録の代行や、電子化されていない道路を含む区間の従来型許可申請を業として代理・作成できる士業です。運送業許可(一般貨物自動車運送事業等)とあわせてご相談いただくと、車両調達から運行開始までを一体で進められます。本記事では、両制度の違い、料金、手続の要点を、国土交通省の公表資料に沿って整理します。

特殊車両通行確認制度とは何か

車両制限令(昭和36年政令第265号)に定める幅・重量・高さ・長さ・最小回転半径の最高限度を超える車両(限度超過車両)は、そのままでは道路を通行させることができません。従来はその都度、道路管理者に通行許可を申請する必要がありました(道路法第47条の2第1項)。これに対し、令和2年の道路法改正で創設され令和4年4月1日から運用が始まった「特殊車両通行確認制度」は、車両情報を一度登録しておけば、道路情報が電子化された区間について、オンラインで通行可否と経路を即時に確認して通行できる制度です(道路法第47条の4等)。

国土交通省は、この制度を従来の許可制度と比べて「早い・簡単・便利」と説明しています。具体的には、(1)即時に通行可能経路を確認できる、(2)一度車両を登録すれば以後は出発地・目的地・積載重量等の入力だけで足りる、(3)主経路・代替経路など複数経路を一度に確認できる、という3点が特徴です。なお、確認後に発行される回答書一式(回答書・通行経路条件一覧・通行可能経路マップ等)は、通行中、車両に備え付けておく必要があります(道路法第47条の10第7項)。備付けを怠ると許可証不携帯と同様に罰則の対象となります。

従来の「許可制度」との主な違い

両制度は、いずれも限度を超える車両を適法に通行させるための仕組みですが、手続の性格が大きく異なります。許可制度は「1経路ごとに申請し、その経路について許可を受ける」ものであるのに対し、確認制度は「車両を1回登録し、以後は経路をその都度確認する」ものです。主な違いを整理すると次のとおりです。

比較項目 特殊車両通行許可制度 特殊車両通行確認制度
根拠条文 道路法第47条の2 道路法第47条の4 等(令和2年改正で創設)
運用開始 従来から 令和4年(2022年)4月1日9時
手続の単位 経路ごとに申請 車両を1回登録し経路を都度確認
結果が出るまで 審査に時間を要する(数週間かかる場合あり) 電子化された道路について即時
経路 申請した1経路のみ 複数経路を一度に確認
対象道路 広く対象 道路情報が電子化された区間が前提

重要な注意点として、確認制度は「道路情報が電子化された区間」を対象とします。目的地に至る経路の一部が電子化されていない場合は、その区間について従来どおり許可制度の手続が必要になることがあります。どちらか一方だけで完結するとは限らない点にご留意ください。

車両登録の要件と有効期間・手数料

確認制度を利用するには、指定登録確認機関に車両を登録します。この機関は、令和3年8月10日に一般財団法人道路新産業開発機構(HIDO)が指定されています。前提として、確認制度の利用にはETC2.0車載器を搭載した車両であることが必要です。確認制度は、ETC2.0のプローブ情報を用いて、確認した経路どおりに車両が通行したことを事後にも把握する仕組みを前提としているためです。さらに確認制度の利用者は、通行経路・積載貨物の重量・通行時間等を記録し、通行から1年間保存する義務を負い、道路管理者から求められた場合は提出しなければなりません(道路法第47条の12)。これは従来の許可制度にはない、確認制度に固有の継続的な負担です。登録の主な要点は次のとおりです(金額はいずれも公表資料に基づく手数料)。

  • 車両登録手数料:単車・トラクタ1台につき5,000円
  • 有効期間:登録から5年間(更新手続あり)
  • 連結車はトラクタ単位でカウントされ、セミトレーラ・フルトレーラは登録手数料が不要
  • 車両要件:ETC2.0車載器を搭載していること

上記の登録手数料は、道路法に基づく手数料として定められた額です。一度登録すれば、以後5年間は同じ車両で確認制度を繰り返し利用できるため、頻繁に特殊車両を運行する事業者ほど負担を平準化しやすい設計になっています。ただしETC2.0車載器の装着・セットアップには別途費用がかかる点に留意が必要です。

通行確認の手数料と経路の考え方

車両登録とは別に、経路を確認するたびに「通行確認手数料」がかかります。従来の許可制度の手数料は「申請車両台数×経路数×200円」で、通行経路が2以上の道路管理者にまたがる場合に発生するのに対し、確認制度では検索方法に応じた手数料体系が定められています。公表されている主な単価は次のとおりです。

  • 2地点双方向2経路検索:単価600円(「確認の求め1件」の手数料=トラクタ(単車)台数×出発地・目的地の組み合わせ数(往復)×600円)
  • 都道府県検索:対象都道府県数に応じ、1〜4都道府県は400円/都道府県、5〜14都道府県は300円/都道府県、15〜47都道府県は200円/都道府県
  • 経路追加:実距離に応じ10kmごとに100円の追加

これらはいずれも道路法に基づく手数料として定められた額です。従来の許可申請では車両台数×経路数×200円の手数料がかかり、複数経路や代替路を確保しようとすると申請件数と手数料が積み上がりましたが、確認制度は1件の検索で主経路・代替経路をまとめて確認できる点が実務上の利点です。ただし検索方法や経路数によって総額は変わるため、運行の実態に合わせた試算が欠かせません。

ETC2.0・特車ゴールドとの関係

特殊車両の通行制度は、いずれもETC2.0車載器を軸に組み立てられています。確認制度がETC2.0搭載車両を前提とするのはすでに述べたとおりですが、これとは別に、許可制度側にもETC2.0を活用した簡素化策があります。代表的なのが「特車ゴールド制度」で、業務支援用ETC2.0車載器を装着し登録した車両について、大型車誘導区間内であれば許可更新手続の簡素化や経路選択の柔軟化といった利点が得られる仕組みです(平成28年から運用)。

両者は同じくETC2.0を用いますが、法的な位置づけが異なります。特車ゴールドは「許可制度」を前提とした簡素化策であるのに対し、確認制度は許可自体を要しない別系統の新しい仕組みです。名称が似ており混同されやすいため、自社の運行実態に照らして「どの区間を、どの制度で通行するのか」を切り分けて考えることが重要です。制度選択を誤ると、想定した経路が使えない、あるいは手数料が過大になるといった不都合が生じかねません。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeでは、特殊車両の通行に関する各種手続をサポートしています。確認制度の車両登録の代行、電子化されていない区間を含む従来型の特殊車両通行許可申請、経路の整理まで、貨物運送の実務に即してご案内します。あわせて、車庫証明・名義変更・各種登録、そして一般貨物自動車運送事業をはじめとする運送業の許可・登録(貸切バス・タクシー・介護タクシー・福祉有償運送(道路運送法第79条の登録)等)も行政書士の業務として一体でお引き受けできます。

料金の目安は、車庫証明5,500円(税込)〜、名義変更7,000円(税込)〜です(個人・法人の別や地域により変動します)。特殊車両通行許可申請・確認制度の登録代行や運送業許可は、車両台数・経路・事案の内容により変わるため、個別にお見積りいたします。手続の進め方や制度の選択でご不明な点があれば、まずは現状をお聞かせください。なお、法的紛争の代理は弁護士、税務は税理士、登記は司法書士の職域であり、必要に応じて各専門家と連携します。車両・運送に関するご相談はこちら。ご相談は何度でも無料です。

まとめ

特殊車両通行確認制度は、令和4年4月1日に始まった、車両を一度登録すればオンラインで即時に経路を確認して通行できる新しい仕組みです。従来の許可制度(道路法第47条の2)が経路ごとの申請を要したのに対し、確認制度(道路法第47条の4等)は車両登録を軸とし、電子化された区間について複数経路をまとめて確認できます。車両登録手数料は単車・トラクタ1台5,000円で有効期間5年、通行確認手数料は検索方法により600円/件〜などが定められています。ただし電子化されていない区間は従来型許可が必要になる場合があり、両制度の使い分けが実務のポイントです。制度選択や登録手続でお困りの際は、当事務所にご相談ください。

特殊車両通行確認制度に関するよくある質問

Q:確認制度を使えば、もう従来の許可申請は不要になりますか。

A:いいえ。確認制度は道路情報が電子化された区間を対象とします。経路の一部が電子化されていない場合、その区間については従来どおり道路法第47条の2に基づく通行許可が必要になることがあります。運行経路によっては両制度を併用します。

Q:確認制度の結果は本当にその場で出ますか。

A:電子化された道路については、システムに出発地・目的地・積載重量等を入力すると即時に通行可能経路が表示されます。従来の許可制度で審査に数週間を要していたケースと比べ、大幅な時間短縮が期待できます。

Q:車両登録の費用と有効期間を教えてください。

A:車両登録手数料は単車・トラクタ1台につき5,000円で、有効期間は登録から5年間です。連結車はトラクタ単位でカウントされ、セミトレーラ・フルトレーラは登録手数料が不要です。いずれも道路法に基づく手数料として定められた額です。なお、確認制度の利用にはETC2.0車載器の搭載が必要で、その装着・セットアップ費用は別途かかります。

Q:通行確認のたびに費用がかかりますか。

A:はい。車両登録とは別に通行確認手数料がかかります。2地点双方向2経路検索は「台数×出発地・目的地の組み合わせ数(往復)×600円」、都道府県検索は「台数×都道府県数×単価(1〜4県は400円、5〜14県は300円、15〜47県は200円)」で算定されます。従来の許可の手数料は「台数×経路数×200円」(通行経路が2以上の道路管理者にまたがる場合)です。

Q:特車ゴールドと確認制度はどう違いますか。

A:特車ゴールドはETC2.0を前提に「許可制度」の手続を簡素化する仕組みです。一方、確認制度は許可自体を要しない別系統の新制度です。名称や対象が似ているため、自社の運行区間に応じてどちらを使うか切り分けることが重要です。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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