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特定技能2号とは?対象分野・在留期間・1号との違いを行政書士が解説

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特定技能2号を取得すれば、在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も可能になる——そんな話を耳にしたことはないでしょうか。さらに、永住権の取得につながる可能性があるという点も、特定技能2号が注目を集める大きな理由です。

2023年6月の閣議決定により、特定技能2号の対象分野は従来の2分野(建設・造船舶用工業)から11分野へと大幅に拡大されました。これにより、飲食料品製造業や外食業、農業など幅広い業種で、長期的なキャリアパスを描ける環境が整いつつあります。

この記事では、特定技能2号の対象分野・取得要件・1号との違い・永住権への道筋、そして2026年2月に改訂された最新の永住許可ガイドラインの影響まで、実務に即して解説します。

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特定技能2号とは?制度の基本

特定技能2号の位置づけ

特定技能2号は、特定産業分野において熟練した技能を持つ外国人を対象とする在留資格です。特定技能1号が「相当程度の知識又は経験」を求めるのに対し、2号ではより高い技能水準と実務経験が要件とされます。

最大の特徴は、在留期間の更新に上限がない点です。1号の通算5年という制約がなくなるため、条件を満たす限り日本で働き続けることができます。また、配偶者や子の帯同も認められており、生活基盤を日本に置いて長期的に就労するための在留資格として位置づけられています。

2023年の対象分野拡大

特定技能2号は当初、建設と造船・舶用工業の2分野のみが対象でした。しかし、2023年6月9日の閣議決定により、新たに9分野が追加され、合計11分野に拡大されました。これは深刻化する人手不足に対応するとともに、外国人材が日本で長く活躍できる環境を整備する政策の一環です。

特定技能1号の16分野のうち、2号の対象外となっているのは介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の5分野です。介護については在留資格「介護」が別に存在するため2号の対象外とされています。自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は2024年に1号の対象として追加された新しい分野であり、現時点では2号への拡大は決まっていません。

特定技能2号の対象11分野と取得要件

対象分野一覧

2026年3月現在、特定技能2号の対象となっている11分野は以下の通りです。

分野 所管省庁 2号の対象時期
建設 国土交通省 制度開始時(2019年)
造船・舶用工業 国土交通省 制度開始時(2019年)
ビルクリーニング 厚生労働省 2023年8月追加
工業製品製造業 経済産業省 2023年8月追加
自動車整備 国土交通省 2023年8月追加
航空 国土交通省 2023年8月追加
宿泊 国土交通省 2023年8月追加
農業 農林水産省 2023年8月追加
漁業 農林水産省 2023年8月追加
飲食料品製造業 農林水産省 2023年8月追加
外食業 農林水産省 2023年8月追加

取得に必要な共通要件

特定技能2号を取得するには、分野ごとに定められた技能試験への合格一定の実務経験が求められます。多くの分野では1号のように日本語試験は課されませんが(ただし漁業・外食業分野ではJLPT N3以上が必要)、技能試験の水準は1号より高く設定されています。

実務経験としては、多くの分野で「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の経験」が必要とされています。つまり、現場の一作業者ではなく、班長やリーダーとして管理的な役割を担った経験が問われるのが特徴です。

この「管理経験」の要件は、特定技能2号が「熟練した技能」を持つ人材を対象とする制度であることを反映しています。1号の在留期間中にこうした経験を積み、2号への移行を目指すという流れが制度上想定されています。

分野別の実務経験要件の違い

分野 実務経験の要件
建設 建設現場で複数の技能者を指導し、班長として工程管理した経験
工業製品製造業 製造現場における3年以上の実務経験
農業 複数の従業員を指導して工程管理した2年以上の経験、または3年以上の実務経験
飲食料品製造業・外食業 複数作業員の指導と工程管理の2年以上の実務経験
その他の分野 各分野の運用方針に基づく実務経験(概ね2年以上)

各分野の詳細な要件は出入国在留管理庁の特定技能制度ページで確認できます。分野によって要件が異なるため、申請前に最新の運用方針を確認しておくことが重要です。

この点について詳しくは「特定技能とは?1号・2号の違いと16分野を行政書士が徹底解説」をご覧ください。

特定技能1号と2号の違い

特定技能1号と2号は同じ「特定技能」の在留資格ですが、待遇や権利に大きな差があります。以下の比較表で主な違いを確認しましょう。

比較項目 特定技能1号 特定技能2号
技能水準 相当程度の知識又は経験 熟練した技能
在留期間 通算5年が上限(3年・1年・6か月・4か月ごとに更新) 上限なし(3年・2年・1年・6か月ごとに更新)
家族の帯同 原則不可 配偶者・子の帯同可
永住権申請 在留期間が永住要件に算入されない 在留期間が永住要件に算入される
登録支援機関の支援 義務的支援の対象 支援義務なし
日本語試験 必要(JFT-BasicまたはJLPT N4以上) 原則不要(漁業・外食業はN3以上)
対象分野 16分野 11分野(介護等を除く)

企業にとって特に注目すべきは、2号では登録支援機関による支援義務がなくなる点です。1号では義務的支援10項目の実施が求められますが、2号では自律的に生活できる熟練人材という前提のため、この支援義務が免除されます。

一方で、雇用企業の変更届出や適切な報酬の支払いなどの義務は引き続き適用されるため、受入れ体制の整備は必要です。

特定技能2号から永住権を取得するには

永住許可の基本要件

特定技能2号の最大のメリットは、永住権取得への道が開ける点です。永住許可の申請には、入管法上の要件と出入国在留管理庁のガイドラインに基づく審査基準を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。

  • 在留期間要件:原則として引き続き10年以上日本に在留しており、そのうち就労資格で5年以上在留していること
  • 素行要件:法律を遵守し、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること
  • 独立生計要件:日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(目安として年収300万円以上)
  • 公的義務の履行:納税義務・年金・健康保険料の支払いを納付期限までに履行していること
  • 在留期間:現に有している在留期間が最長の在留期間であること

特定技能1号の在留期間は算入されない

ここで見落とされがちな重要なポイントがあります。永住許可の「10年以上の在留」要件において、技能実習と特定技能1号の在留期間は算入されません。つまり、技能実習3年+特定技能1号5年の計8年間日本にいても、永住要件の「10年」にはカウントされないということです。

一方、特定技能2号の在留期間は、居住年数にも就労年数にもカウントされます。このため、特定技能2号に移行してから在留期間の実績を積み上げていくことが、永住権取得の第一歩となります。

2026年2月改訂の永住許可ガイドラインの影響

2026年2月24日に出入国在留管理庁の永住許可ガイドラインが改訂されました。特定技能2号からの永住申請に影響する主な変更点は以下の通りです。

  • 納税期限の厳格化:税金・年金・健康保険料について、申請時にすべて支払い済みであっても、本来の納付期限を1日でも過ぎて納付していた場合は原則不許可となる
  • 在留期間「3年」の暫定措置:2027年3月31日までは在留期間「3年」でも「最長の在留期間」として扱われるが、それ以降は原則として5年の在留期間が必要になる見込み
  • 現在の在留資格の上陸許可基準適合:永住申請時点で、現に有する在留資格の要件に適合していることが改めて明示された

特定技能2号で永住を目指す外国人にとって、公的義務の期限内納付は今まで以上に重要になっています。給与天引き(特別徴収)で納付している場合は問題になりにくいですが、普通徴収の場合は納付期限の管理を徹底する必要があります。

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特定技能1号から2号への移行手続きの流れ

特定技能1号から2号へ移行するには、入管で「在留資格変更許可申請」を行います。手続きの流れは以下の通りです。

  1. 要件の確認:対象分野の2号技能評価試験の受験資格(実務経験年数等)を満たしているか確認する
  2. 技能評価試験の受験・合格:分野ごとに定められた特定技能2号評価試験に合格する
  3. 企業側の受入れ体制確認:企業が特定技能2号の受入れ要件を満たしているか確認する
  4. 必要書類の準備:申請書・雇用条件書・試験合格証・納税関係書類等を揃える
  5. 在留資格変更許可申請:管轄の出入国在留管理局に申請書類を提出する
  6. 審査・許可:審査期間は概ね1〜3か月程度。許可後に新しい在留カードが交付される

申請は外国人本人が行うのが原則ですが、届出済みの申請取次行政書士であれば本人に代わって申請を行うことが可能です。入管への出頭が不要になるため、就業中の外国人にとっては大きなメリットといえます。

なお、特定技能1号の在留期限が迫っている場合で、2号の試験にまだ合格していないときは、「特定技能2号への移行準備」を理由とする特定活動の在留資格が認められるケースもあります。ただし、あくまで個別判断のため、早めに専門家へ相談しておくことが重要です。

よくある質問

Q1. 特定技能2号を取得すれば必ず永住権が取れますか?

いいえ、自動的に永住権が取れるわけではありません。特定技能2号は永住許可申請の「前提条件」を満たすための在留資格です。永住許可には、10年以上の在留(うち就労資格で5年以上)、素行要件、独立生計要件(年収300万円程度が目安)、公的義務の期限内の納付などをすべて満たす必要があります。特に2026年2月のガイドライン改訂で納付期限の厳格化が明示されたため、注意が必要です。

Q2. 特定技能2号の在留期間はどのくらいですか?

1回の更新で付与される在留期間は3年・2年・1年・6か月のいずれかです(2025年10月改正で「2年」が追加)。1号と異なり通算の上限がないため、要件を満たす限り何度でも更新が可能です。

Q3. 特定技能2号では家族を呼べますか?

はい、配偶者と子については「家族滞在」の在留資格で帯同が認められます。1号では原則として家族帯同は認められていないため、これは2号の大きなメリットの一つです。ただし、親やきょうだいなどは対象外です。

Q4. 特定技能2号に移行すると、登録支援機関の支援は不要になりますか?

はい、特定技能2号では登録支援機関による義務的支援の対象外となります。2号は「熟練した技能」を持ち、自律的に日本で生活できる人材を対象とするため、1号で必要だった事前ガイダンスや定期面談などの支援義務が免除されます。

まとめ

特定技能2号は、外国人材が日本で長期的にキャリアを築くための重要な在留資格です。2023年の対象分野拡大により11分野で取得可能となり、永住権への道筋も開けるようになりました。

  • 対象分野は11分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業を除く)
  • 取得には2号技能評価試験の合格管理的業務の実務経験が必要
  • 永住許可には10年以上の在留が必要だが、1号の期間は算入されない
  • 2026年2月の永住許可ガイドライン改訂で公的義務の期限内納付がより厳格化

特定技能2号は要件が高い分、取得後の在留上のメリットも大きい資格です。1号の在留期間中から2号への移行を見据えて計画的に実務経験を積み、試験対策を進めることが成功の鍵となります。

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※ 本記事の内容は2026年3月時点の入管法令に基づきます。制度・手数料・様式は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁でご確認ください。

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