2026年6月24日、出入国在留管理庁は、外国人の在留手続の手数料について引き上げ後の具体的な金額案を自民党法務部会などの合同会議に示しました。これにより、在留資格の変更・更新は現行の一律6,000円から在留期間に応じて1万円〜7万5,000円に、永住許可は現行の1万円から20万円に引き上げる方向が明らかになりました。結論から言えば、入管庁は近くパブリックコメント(意見公募)を実施したうえで具体額を確定し、早ければ2026年10月にも引き上げを実施する方針です。さらに、オンライン申請なら(在留期間「3か月以下」を除き)最大1万円が割り引かれる仕組みも示されました。本記事では、行政書士の立場から、最新の金額案と、企業・外国人ご本人が今からできる備えを整理して解説します。
目次
入管庁が示した金額案(2026年6月24日)|在留期間で段階制に
今回の値上げは、2026年5月29日に成立した改正入管法(出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律)に盛り込まれたもので、法律は手数料の上限額のみを定め、実際の金額は入管庁が政令で決めます。6月24日に示された金額案は、現行の「一律6,000円」を改め、許可される在留期間が長いほど高くなる段階制とする内容です。
| 申請の種類(在留期間) | 現行 | 入管庁の金額案(2026年6月24日) |
|---|---|---|
| 在留資格変更・在留期間更新(3か月以下) | 6,000円(一律) | 1万円 |
| 在留資格変更・在留期間更新(1年) | 6,000円(一律) | 3万3,000円 |
| 在留資格変更・在留期間更新(3年以上5年未満) | 6,000円(一律) | 6万4,000円 |
| 在留資格変更・在留期間更新(5年以上) | 6,000円(一律) | 7万5,000円 |
| 永住許可 | 1万円 | 20万円(窓口対応のみ) |
改正法が定める上限額は、在留資格の変更・更新が10万円、永住許可が30万円です。今回の金額案はこの上限の範囲内で設定されています。なお、上記は入管庁が示した「案」であり、パブリックコメントを経て政令で正式に確定します。手数料は引き続き収入印紙で納付し、現金での納付は受け付けられていません。在留資格認定証明書の交付申請(手数料なし・0円)など、今回の対象外の手続もあります。
オンライン申請なら最大1万円安い|ただし永住は窓口のみ
今回の金額案では、オンライン(電子)申請の場合、在留期間「3か月以下」の申請を除いて、手数料が最大1万円割り引かれるとされています。手数料が大きく上がるなかで、オンライン申請の活用は負担軽減の有力な手段になります。ただし、永住許可の申請は従来どおり窓口対応のみで、オンライン申請(割引)の対象外とされています。
参考までに、すでに施行されている現行制度(2025年4月1日改定)でも、在留期間更新・在留資格変更はオンライン申請が窓口より安く設定されています(窓口6,000円に対しオンライン5,500円)。一方、永住許可は現行制度でもオンライン申請に対応しておらず、窓口での10,000円のみです。政府は今後、オンライン申請の原則化やキャッシュレス決済の導入も方針として掲げています。
いつから値上げ?|早ければ2026年10月から
入管庁は、近くパブリックコメント(意見公募)を実施して具体額を確定し、早ければ2026年10月から引き上げを実施する方針です。改正法の規定上は、手数料改正部分の施行日は令和9年(2027年)3月31日までの間で政令により定めることとされており、その範囲内で10月の適用を目指す形です(最終的な施行日は政令の公布で確定します)。
経過措置については、直近の2025年4月1日の手数料改定の前例に従えば、施行日より前に受け付けられた申請には、許可が施行日以降になっても改定前(現行)の手数料が適用される取り扱いとなる可能性が高いと考えられます。つまり、施行前に申請を済ませておくことが、負担を抑える有力な選択肢になり得ます。なお、経済的に困窮する申請者については、手数料の減額・免除を政令で定める方向も示されています。
なぜ値上げするのか|改正の背景
日本に在留する外国人は400万人を超え、過去最多を更新し続けています。政府は、増加する在留外国人の在留管理のデジタル化や、日本語教育の充実をはじめとする共生社会づくりの費用に手数料収入を充てる考えです。手数料の上限が長く据え置かれてきたなかでの、大幅な見直しとなります。一方で、賃金水準が比較的低い業種で働く外国人や受け入れ企業の負担増を懸念する声もあり、日本弁護士連合会などは慎重な検討を求める声明を出しています。
企業・外国人本人が今からできる備え
早ければ10月にも手数料が大きく変わる可能性があるため、スケジュールを意識した準備が重要です。行政書士として、次の点をおすすめします。
- 更新・変更・永住許可の申請時期を前倒しで検討する:とくに永住許可は1万円から20万円へと大幅に上がるため、要件を満たしているのであれば、施行前の申請を視野に入れて準備を進めると安心です。
- オンライン申請を活用する:在留期間「3か月以下」を除き、オンライン申請なら最大1万円安くなります。電子申請の準備を早めに整えておきましょう(永住は窓口のみ)。
- 在留期限・申請スケジュールを一覧で管理する:外国人材を雇用する企業は、従業員ごとの在留期限と申請予定を早めに把握し、駆け込み申請の混雑も見越して計画的に進めましょう。
- 最新情報を継続的に確認する:具体額と施行日はパブリックコメントを経て政令で確定します。公式発表をこまめに確認してください。
当事務所のサポート
行政書士法人Treeでは、在留資格認定・変更・更新、永住許可などの申請書類の作成・申請取次を行政書士の職域として行っています。今回の手数料改正をふまえた申請時期のご相談、オンライン申請の活用、在留期限の管理、必要書類の整備まで、外国人ご本人・受け入れ企業の双方をサポートします。手続にかかる行政書士報酬は、在留資格認定・変更申請のスタンダードプランが89,800円(税込)、在留期間更新申請のスタンダードプランが30,000円(税込)からで、企業の継続的なご依頼には割引もご用意しています(収入印紙等の実費は別途)。万一不許可となった場合の無料再申請保証も設けています。ビザ・在留資格でお困りの方は、就労ビザ・在留資格サポートのご案内ページをご覧ください。ご相談は何度でも無料です。
まとめ
2026年6月24日、出入国在留管理庁は在留手続手数料の金額案を示し、在留資格の変更・更新を在留期間に応じて1万円〜7万5,000円(3か月以下1万円・1年3万3,000円・3年以上5年未満6万4,000円・5年以上7万5,000円)、永住許可を20万円とする方向を明らかにしました。オンライン申請なら(3か月以下を除き)最大1万円安くなりますが、永住は窓口のみです。入管庁はパブリックコメントを経て具体額を確定し、早ければ2026年10月から実施する方針です。負担が大きく増えるため、更新・永住許可の申請時期を早めに検討し、計画的に準備を進めましょう。
在留資格手数料の値上げに関するよくある質問
Q:手数料の値上げはいつから始まりますか。
A:入管庁は近くパブリックコメントを実施して具体額を確定し、早ければ2026年10月から引き上げを実施する方針です。改正法上は2027年(令和9年)3月31日までの間で政令により施行日を定めることとされており、最終的な施行日は政令の公布で確定します。
Q:在留期間の更新はいくらになりますか。
A:2026年6月24日の入管庁案では、在留期間に応じて、3か月以下が1万円、1年が3万3,000円、3年以上5年未満が6万4,000円、5年以上が7万5,000円とされています(現行は在留期間を問わず一律6,000円)。法律上の上限は10万円です。具体額はパブリックコメントを経て政令で確定します。
Q:オンライン申請だと安くなりますか。
A:はい。今回の金額案では、在留期間「3か月以下」の申請を除き、オンライン(電子)申請なら手数料が最大1万円割り引かれるとされています。ただし、永住許可の申請は従来どおり窓口対応のみで、オンライン割引の対象外です。
Q:永住許可の手数料はどうなりますか。
A:入管庁案では現行の1万円から20万円に引き上げられます(窓口対応のみ)。法律上の上限は30万円です。大幅な負担増となる見込みのため、要件を満たす方は施行前の申請を検討する価値があります。
Q:施行日前に申請すれば、現行の安い手数料で済みますか。
A:2025年4月の改定の前例では、施行日より前に受け付けられた申請には、許可が施行日以降になっても改定前の手数料が適用されました。今回も同様の経過措置が設けられる可能性が高いと考えられますが、確定は政令を待つ必要があります。早めの申請がリスク回避になります。
※ 本記事は執筆時点(2026年6月)の報道・公表情報に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。本記事の金額は出入国在留管理庁が2026年6月24日に示した「案」であり、パブリックコメントを経て政令により正式に確定します。施行日・金額は変動する可能性があります。個別具体的な手続については、必ず行政書士・出入国在留管理庁等の公式情報をご確認のうえご判断ください。


