終活関連

見守り契約書の内容と作成方法|安否確認サービスとの違い

更新: 約13分で読めます

「もし自宅で倒れたら、誰が気づいてくれるのだろう」——一人暮らしの高齢者にとって、日々の安否を誰かに確認してもらえる安心感は何ものにも代えがたいものです。見守り契約とは、信頼できる第三者と定期的な連絡・訪問の約束を取り交わし、体調の変化や判断能力の低下を早期に察知するための契約です。

見守り契約は、定期的な電話連絡・面談を通じて安否と生活状況を確認する「人による見守り」の仕組みです。警備会社の安否確認サービス(機器によるセンサー検知・緊急通報)とは、目的も内容も異なります。

この記事では、見守り契約の内容・契約書に盛り込むべき項目・安否確認サービスとの違い・費用の目安、そして任意後見契約との関係を整理します。

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見守り契約とはどんな契約か

見守り契約は、民法上の準委任契約(民法第656条)に基づく契約です。「見守り契約」という名称の法律が存在するわけではなく、当事者が自由に内容を定められる任意の契約です。

主な目的は、任意後見契約を「将来型」で締結した場合に生じる「空白期間」を埋めることです。将来型の任意後見契約は、契約を結んだ時点では効力が発生しません。判断能力が低下して初めて効力が生じるため、「契約後〜効力発生まで」の間に本人の状態を把握する仕組みがないと、判断能力の低下に気づくのが遅れてしまいます。見守り契約を併用すれば、受任者が定期的に本人と接触することで、変化の兆候をいち早くキャッチできるわけです。

もちろん、任意後見契約を締結していない方が見守り契約だけを利用することも可能です。一人暮らしの安心確保のために活用されるケースも増えています。

見守り契約と安否確認サービスはどう違う?

「見守り」という言葉は、民間の安否確認サービスでも広く使われています。しかし、見守り契約と安否確認サービスでは、目的・担い手・サービスの内容が根本的に異なります。

比較項目 見守り契約 安否確認サービス(警備会社等)
担い手 行政書士・司法書士等の士業、NPO法人 警備会社・家電メーカー・自治体
主な目的 判断能力の低下や生活状況の変化を察知し、任意後見の開始判断等に活かす 緊急事態(転倒・急病等)の早期発見と通報
確認の方法 定期的な電話連絡・面談(対面での会話) センサー・カメラ・緊急通報ボタン等の機器
頻度 月1〜2回の電話 + 2〜3か月に1回の訪問(契約による) 24時間常時監視(センサー型)
法律的な位置づけ 準委任契約(当事者間の契約) サービス利用契約
他の終活契約との連携 任意後見契約・死後事務委任契約と一体的に運用される前提で設計 単独のサービスとして提供(他の契約との連携なし)
費用の目安 月額3,000〜10,000円程度 月額3,000〜5,000円程度

安否確認サービスは身体的な異変の早期発見に強みがあり、見守り契約は判断能力の変化の把握に強みがあります。両者は競合するものではなく、併用することでより手厚い見守り体制を構築できます。たとえば、日中はセンサー型の安否確認サービスを利用しつつ、月1回は見守り契約の受任者と面談するという組み合わせが考えられます。

見守り契約書に定める内容

見守り契約は法律で書式が定められていないため、当事者が自由に内容を決められます。ただし、曖昧なまま契約すると「どこまでが見守りの範囲なのか」をめぐるトラブルが起こり得ます。以下の項目を契約書に明記しておくことが重要です。

契約書に盛り込むべき基本項目

項目 記載内容の例
契約当事者 委任者(本人)と受任者の氏名・住所・生年月日
見守りの方法 電話連絡の頻度(例:月2回)、訪問の頻度(例:3か月に1回)、メールや手紙の利用の有無
見守りの内容 安否確認、健康状態の把握、生活環境の確認、判断能力の変化の観察、郵便物の確認
報告義務 受任者が見守り結果を本人や指定の親族に報告する義務の有無と方法
緊急時の対応 連絡が取れない場合の対応方法(自宅訪問、緊急連絡先への連絡、救急通報等)
報酬 月額○○円、交通費の実費負担の有無、報酬の支払い方法
契約期間と更新 契約の有効期間、自動更新の有無、更新条件
契約の解除 解除事由、解除の通知方法、解除時の精算方法
任意後見契約との連携 判断能力の低下を察知した場合の任意後見監督人選任申立てへの協力義務

見守りの頻度はどう決める?

見守りの頻度に法律上の決まりはありません。一般的には、電話連絡が月1〜2回対面での面談が2〜3か月に1回という設定が多くみられます。

頻度を決める際のポイントは、本人の生活状況に応じて設定することです。以下のように、状況に応じて頻度を段階的に変えることもできます。

  • 健康で活動的な時期:月1回の電話+半年に1回の訪問
  • 体調に不安が出てきた時期:月2回の電話+2か月に1回の訪問
  • 判断能力の低下が疑われる時期:週1回の電話+月1回の訪問(任意後見の開始を検討)

契約書に「状況に応じて頻度を変更できる」旨の条項を入れておけば、柔軟に対応できます。

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見守り契約の作成手順

ステップ1:受任者を選ぶ

見守り契約の受任者は、定期的に連絡・訪問してくれる信頼できる方を選びます。家族や知人に依頼することもできますが、任意後見契約の受任者と同じ方にすることで、判断能力の低下を察知した場合の対応がスムーズになります。行政書士やNPO法人など、終活支援の専門家に依頼するケースも増えています。

ステップ2:見守りの内容・頻度・報酬を決める

受任者と話し合い、電話連絡や訪問の頻度、確認する内容、報酬の金額を具体的に取り決めます。上記の「契約書に盛り込むべき基本項目」をチェックリストとして活用するとよいでしょう。緊急時の連絡先(かかりつけ医、近隣の親族等)のリストもこの段階で整理しておきます。

ステップ3:契約書を作成する

取り決めた内容をもとに契約書を作成します。見守り契約は任意後見契約のように公正証書であることが法律上の要件ではないため、私文書(当事者間の署名・押印)でも有効です。ただし、任意後見契約と併せて公正証書にまとめるケースもあり、その場合は証拠力が高まります。

ステップ4:見守りを開始する

契約締結後、取り決めた頻度で電話連絡や訪問を開始します。連絡時の会話内容や訪問時の様子を受任者が簡単な記録として残しておくと、判断能力の変化を時系列で把握しやすくなります。

見守り契約と他の終活契約の関係

見守り契約は単体で利用することもできますが、おひとりさまの老後・死後に備えるための契約群の一部として設計されることが多い契約です。以下の図のように、ライフステージに応じた複数の契約を組み合わせて、切れ目のない支援体制を構築します。

ライフステージ 対応する契約 役割
元気なうち 見守り契約 定期的な安否確認・生活状況の把握
身体機能の低下 財産管理等委任契約 銀行手続き・支払い等の代行
判断能力の低下 任意後見契約 財産管理・身上監護の代理
死後 死後事務委任契約 葬儀手配・届出・契約解約等

見守り契約は上記のうち最も早い段階で機能し始める契約です。元気な段階から受任者との信頼関係を築くことで、その後の任意後見への移行も自然に行えます。

おひとりさまの終活全体の設計については「おひとりさま終活の完全ガイド|必要な5つの備えを行政書士が解説」で体系的にまとめています。

見守り契約の費用の目安

見守り契約の費用は受任者や契約内容によって異なります。一般的な費用の目安は以下の通りです。

依頼先 月額報酬の目安 備考
行政書士・司法書士 月額3,000〜10,000円程度 任意後見の受任者を兼ねるケースが多い
NPO法人・社会福祉法人 月額5,000〜15,000円程度 身元保証サービスとセットの場合あり
家族・知人 無報酬〜実費程度 交通費等の実費負担のみのケースが多い

任意後見契約や死後事務委任契約とセットで依頼する場合は、見守り契約の報酬を含んだパッケージ料金を提示する事務所もあります。費用面で不安がある場合は、複数の依頼先に相談して比較するとよいでしょう。

よくある質問

Q. 見守り契約は公正証書にする必要がありますか?

法律上の義務はありません。見守り契約は私文書でも有効です。ただし、任意後見契約と一緒に公正証書にまとめることで、契約全体の証拠力を高めることができます。任意後見契約を同時に作成する場合は、公証役場での手続きのついでに見守り契約も含めるのが効率的です。

Q. 見守り契約だけ単独で結べますか?

はい、可能です。任意後見契約を結んでいない方でも、見守り契約だけを単独で利用できます。一人暮らしで日常の安否確認を望む方や、将来の任意後見契約を検討中の方が、まず見守り契約から始めるケースもあります。

Q. 自治体の見守りサービスとの違いは?

多くの自治体では、民生委員による訪問活動や配食サービスに伴う安否確認等の見守りサービスを提供しています。自治体のサービスは原則無料ですが、訪問頻度や確認内容はサービスの枠組みに依存します。見守り契約は当事者間の合意で頻度・内容を自由にカスタマイズでき、さらに任意後見契約との連携を前提とした設計ができる点が異なります。

Q. 見守り契約の受任者と任意後見の受任者は同じ人がいいですか?

同一人物にするのが一般的であり、実務上も推奨されます。見守りの段階から本人の生活状況や判断能力の変化を把握している方が、任意後見人として就任した際にスムーズに対応できるためです。ただし、必ずしも同じ方でなければならないわけではありません。

Q. 見守り契約を途中で解除できますか?

はい。見守り契約は準委任契約に基づくため、委任者(本人)はいつでも契約を解除できます(民法第651条第1項)。解除の方法や精算ルールは契約書に明記しておくことで、トラブルを防止できます。

Q. 受任者が見守りの義務を怠った場合はどうなりますか?

契約で定めた見守り義務を受任者が正当な理由なく怠った場合は、債務不履行として契約を解除できます。見守りの履行を確認できるよう、受任者に報告義務を契約書に定めておくことが有効です。

まとめ

  • 見守り契約は準委任契約に基づく任意の契約であり、定期的な連絡・訪問を通じて安否と生活状況を確認する仕組み
  • 安否確認サービス(機器による検知・緊急通報)とは目的も内容も異なる。両者の併用で手厚い見守りが可能
  • 見守り契約は任意後見契約の「空白期間」を埋める役割があり、判断能力低下の早期発見に直結する
  • 契約書には見守りの方法・頻度・報酬・緊急時対応・解除条件を具体的に定めておくことが重要

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※ 2026年3月時点の民法に基づく解説です。見守り契約は法律上の定型的な制度ではなく、当事者間の合意に基づく契約です。個別の契約内容については専門家にご相談ください。

※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。


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