GビズIDメンバーは、プライムを取得している組織の従業員・職員等が、自分のアカウントで行政サービスを利用するための仕組みです。代表者のIDを共有せず、担当者ごとに発行し、利用できるサービスと管理権限を設定します。外部専門家への委任は、社内メンバーの発行とは別の手続きです。
この記事は2026年11月5日に、GビズIDの公式マニュアル等を確認して整理しました。アカウントの作成、利用サービスの許可、組織の管理、外部委任、補助金側の提出ルールを分けて説明します。GビズIDの設定だけで、すべての補助金を代理申請できるわけではありません。
補助金の申請準備・支援範囲を相談する
Treeでは、対象制度の公募要領を確認し、対応できる書類作成・資料整理・助言等の範囲をご案内します。本人による事業計画の作成や提出が必要な制度では、その条件に沿って進めます。
目次
プライム・メンバー・エントリーの違い
| アカウント | 主な位置づけ |
|---|---|
| プライム | 法人代表者・個人事業主等の本人確認を経て発行。メンバー管理や外部への委任等の起点 |
| メンバー | プライムのある組織の従業員・職員等。許可された行政サービスを利用。管理者の役割は別途設定 |
| エントリー | 書類審査なしで作成できるアカウント。利用できる行政サービスが限定され、メンバー・プライムの代わりにはならない場合がある |
現在、GビズIDの利用料は無料です。ただし、専門家への申請支援の依頼や通信等の費用まで無料になる意味ではありません。また、メンバーが使えるかは行政サービス側の対応と許可設定の両方を確認します。エントリーの用途も「閲覧だけ」とは限りません。
公式サービス一覧では、jGrantsはプライム・メンバーと委任機能に対応しています。一方、デジタル化・AI導入補助金や新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の電子申請システムは、プライムのみで、GビズIDの委任機能の対応表示も異なります。「補助金なら、メンバーを作れば使える」とは限りません(GビズID:行政サービス一覧)。
GビズIDのマイページはアカウントを管理する場所であり、そこで補助金申請が完了するものではありません。実際の申請は、対象の行政サービスのサイトからログインして行います(GビズID公式FAQ)。
GビズIDメンバーを作成する流れ
プライム、又は必要な管理権限を持つメンバーが手続きを開始します。一般のメンバーが全員、別のメンバーを作成できるわけではありません。先に組織のプライムと、操作担当者の権限を確認してください。
- メンバー本人が使うメールアドレスと、SMSを受信できる電話番号等を準備する。
- 権限のある担当者がマイページのメンバー管理から、新規の申請を行う。すでにエントリーを持つ人は、変更の手順を確認する。
- メンバー本人が案内メールのURLから手続きを進め、SMSによる確認、登録情報・パスワード等の設定を行う。
- アカウント登録の完了を確認し、管理側でそのメンバーの「利用可能なサービス」を設定する。
- 本人のアカウントで対象サービスへのログインと、必要な操作ができるかを確認する。
アカウントを作っただけでは、利用サービスの設定が未完了の場合があります。メールアドレスはアカウントIDとして使うため、すでに別のGビズIDに登録されているアドレスを、新規アカウントに重ねて使わないでください。初回登録・変更の期限や画面は、案内メールと現行マニュアルに従って確認します。
手順の出典:GビズIDメンバー編クイックマニュアル(ver4.6・2026年9月)。管理側と本人側の操作が分かれているため、代表者が本人のパスワードまで設定して配布する運用にはしないでください。
利用サービスと、組織を管理する権限は別です
複数の部門・拠点がある場合は、組織を作成し、第一管理者や第二管理者等の役割を設定して管理を分担できます。管理できる範囲は役割・所属組織等で異なるため、すべての管理者に全組織の操作権限があると考えないでください。
第一管理者は全体の組織・メンバーを管理し、プライム専用を除く行政サービスを利用する役割です。一般メンバーのように個別に利用サービスを絞る扱いとは異なります。第二管理者は、同じ第二組織の範囲や、その組織に許可されたサービスの範囲を確認します。
- 行政サービスの利用許可:そのメンバーが、どの連携サービスを利用できるか。
- 組織の管理権限:他のメンバーや組織について、どこまで管理できるか。
- 委任関係の権限:外部からの委任を扱い、代理人としてログインできるか。
サービスを許可しても、そのサービス内のすべての案件・申請段階を自由に操作できると保証するものではありません。行政サービス側の役割や申請者条件も確認します。管理者の任命・承諾では、マイナンバーカードでの署名等が必要になるため、一般メンバーの作成と同じ準備で必ず足りるとは限りません。
組織ごとの作成・異動・管理範囲は、GビズID組織と権限ご利用マニュアルをご確認ください。
2026年の認証方法と、退職・異動時の確認
マイページと行政サービスでは、使える認証方法が異なります
プライム・メンバーのGビズIDマイページへのログインは、アプリ認証又はSMS認証を確認します。一方、行政サービスへのログインは、アプリ認証又は事前設定したメールワンタイムパスワード認証を使う仕組みで、メール認証への対応状況は行政サービスごとに異なります。「SMSがすべて廃止」「メールだけで新規発行から全設定が可能」とはしないでください。
メールワンタイムパスワードはアカウントIDのメールアドレスへ届きます。本人が管理する連絡先・端末を使い、パスワード、SMS・メールの認証コード、アプリの認証操作を他人に渡さないでください。外部専門家へ相談する場合も、代表者や従業員のアカウントを貸し出す方法にはしません。
現在のアプリ認証では、ブラウザに表示された4桁の認証コードをアプリへ入力する手順があります。通知を受け取って承認するだけの旧方式の説明を流用せず、表示コードと有効時間を確認して本人が操作します。
有効期限と、担当変更時の管理
プライム・メンバーには、2026年7月9日から有効期限が導入されています。基本の有効期間は発行日から2年3か月で、導入前に発行されたアカウントは同日を起点に設定されます。自分の期限と必要な更新方法をマイページで確認してください。委任期間とアカウント自体の有効期限は別です。
退職・異動時は、利用サービス、所属組織・管理者、受任案件の代理人ログイン権限等を見直します。一時的な利用停止と退会等は同じではなく、処理の影響や操作できる役割を公式手順で確認してください。申請済みデータの扱い・引継ぎは、対象の行政サービスでも確認します。
管理者権限を外して一般メンバーに変更しても、利用できるサービスが自動的に減るわけではありません。役割の解除とサービスの許可は、両方を確認します。
マイページで確認できるログイン・アカウント変更等の履歴と、各行政サービス内の申請記録は別です。GビズIDの履歴だけですべての申請内容・提出を追跡できるとは考えず、申請先の受付・控えも確認します。
出典:GビズIDマイページ操作マニュアル、公式ご利用ガイド。
外部の行政書士等への委任は、メンバー発行と区別
GビズIDの委任関係の登録は、委任元・受任側の双方にプライムがあることを前提に確認します。「エントリー等を含むアカウントが何か一つあればよい」という説明ではありません。必要な権限を持つメンバーによる操作もありますが、依頼者の組織のメンバーとして外部専門家へIDを渡すこととは異なります。
システム上の登録前に、委任内容について契約の締結その他適切な方法で合意します。登録操作だけで、依頼する業務・費用・責任の確認を済ませるものではありません(GビズID利用規約・第14条)。
- 対象の行政サービス・補助金が委任・代理申請に対応しているか、公募要領等を先に確認する。
- 委任元又は受任側の、権限のある担当者が、相手方・対象サービスや手続き・期間等を確認して依頼する。手続きごとの指定に対応するかもサービスにより異なる。
- 相手方が内容を確認して承認し、委任関係の成立と対象範囲を確認する。
- 受任側の担当メンバーが操作する場合は、その委任関係について代理人ログイン権限等が必要かを確認・設定する。
- 実際に代理人としてサービスを利用する前に、対象の委任関係で「代理人ログイン設定」を行い、指定された時間内に対象サービスへログインする。
- 行政サービスへ移り、代理人側と申請者側がそれぞれ必要な作業を行う。
第一管理者と、それ以外のメンバーでは代理人ログイン権限の扱いが異なります。役割や個々の委任関係を確認し、部署の管理者であることだけで全案件を代理操作できると考えないでください。詳細はGビズID委任機能ご利用マニュアルで確認します。
jGrantsでも、作成・確認・提出の担当を確認
jGrantsの代理申請の標準的な流れは、代理人側が申請を作成し、委任元へ確認を依頼して、委任元が内容を確認して事務局へ提出するものです。公式マニュアルでは、申請の提出は行政書士等ではなく事業者自身が行うと案内されています(jGrants事業者サイト操作マニュアル・第2.13版)。
公募によっては申請者本人による事業計画の作成や申請操作が必要です。GビズIDの認証・権限機能、jGrantsの画面機能、補助金のルールの三つを照合してください。代理操作できる画面があることと、その公募で許されることは別です。
メンバーが利用できないときに確認すること
| 状況 | 主な確認先・項目 |
|---|---|
| 登録が終わらない | 案内メール、登録済みメールアドレス、SMS受信、手続き期限、本人側の承諾等 |
| ログインできない | 入力したアカウント、認証方法、連絡先・端末、利用停止・有効期限、公式の復旧案内 |
| サービスへ進めない | メンバーの利用許可、サービスの対応アカウント、対象サイトからのログイン |
| 代理人として操作できない | 委任の承認状況・期間・範囲、担当者の権限、補助金側の制限 |
| 提出ボタン等が見つからない | 申請段階、代理人・委任元の役割、公募期間やサービス側の受付・障害情報 |
原因を権限設定だけに決めつけず、GビズIDの認証・管理の問題か、対象サービスの操作・公募の問題かを分けて確認します。登録済みアカウントをむやみに増やすより、公式FAQ・問い合わせ先で該当する手順を確認してください。
Treeの補助金申請支援と料金の確認
補助金の支援範囲は、対象制度・公募回と依頼内容を確認して決めます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金など、事業計画の作成主体を申請者本人とする制度について、Treeは計画作成を代行せず、要件の整理や本人作成の計画への助言等をご案内します。申請書類の作成・交付後手続きも、すべての制度・工程を無条件に含むという意味ではありません。
現在の公表料金は、着手金0円、採択額・交付決定額を基準とする成果報酬8~15%(税抜。税込では8.8~16.5%相当)、不採択時の当所報酬0円です。採用する基準額、消費税を含めた報酬総額、実費、支払時期・対象工程は依頼前に見積りで確認します。GビズID単独の登録・設定支援についても、対応可否・料金を個別に確認してください。
補助金支援の料金・対応範囲を確認する。雇用関係助成金は社会保険労務士等、個別の税務相談・申告は税理士等の範囲です。行政書士の支援も他法令の制限や公募要領に従い、採択・入金を保証するものではありません。
よくある質問
Q. メンバーを作成するだけなら無料ですか?
現在、GビズIDの利用料は無料です。ただし、申請支援を専門家へ依頼する料金や通信等の費用とは別です。プライム又は必要な権限のある管理者が、本人の登録と利用サービス設定を確認します。
Q. メンバーは誰でも別のメンバーを作れますか?
一般メンバー全員が作成できるわけではありません。プライム又は必要な管理権限を持つメンバーが、管理できる組織の範囲で操作します。管理者の任命・承諾に必要な準備も公式手順で確認してください。
Q. SMS認証はすべて廃止されたのですか?
GビズIDマイページへのログインや新規登録時の確認と、行政サービスへのログインを区別します。マイページにはアプリ又はSMS認証があり、行政サービスはアプリ又は対応するメール認証等を確認します。
Q. 行政書士へプライムのID・パスワードを渡してよいですか?
渡して使わせる方法にはしません。双方のプライム、委任の対応状況・承認・範囲と担当者の権限を確認します。対象公募で本人が行う必要のある作業や提出も、別途確認してください。
Q. 委任設定をすると、補助金の提出をすべて任せられますか?
一律にはいえません。GビズID、jGrants等のサービス、公募要領を照合します。代理人が作成した内容を委任元が確認して提出する流れや、申請者本人による計画作成等が必要な制度があります。
Q. 退職者のアカウントは、何を確認すればよいですか?
利用サービス、管理者・所属、委任関係の担当権限等を見直し、停止や退会等の違いと影響を公式手順で確認します。申請データの引継ぎ・継続は、行政サービス側でも確認してください。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。