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人材開発支援助成金 人材育成支援コースの賃金助成・要件【令和8年度】

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人材開発支援助成金の「人材育成支援コース」は、従業員に職務に関連した知識・技能を習得させる訓練を、計画に沿って実施した事業主に対し、訓練中の賃金の一部(賃金助成)と訓練経費の一部(経費助成)が支給される制度です。令和7年4月1日の制度見直しでOFF-JTの賃金助成額が引き上げられ(中小企業で1人1時間あたり760円→800円)、令和8年4月8日からは中高年齢者実習型訓練が追加されました。また、令和8年5月14日以降の支給申請では、受講料等の価格設定に関する疎明書の提出が必要とされています。本記事では、行政書士の立場から、令和8年度時点の助成額・助成率・対象要件・申請の流れを整理してお伝えします。なお、雇用関係助成金の申請代行は社会保険労務士の業務であるため、当事務所では提携する社会保険労務士と連携してサポートいたします。

人材育成支援コースで対象になる4つの訓練

人材育成支援コースは、対象者や訓練の組み合わせによって次の4つの訓練メニューに分かれます。いずれも10時間以上のOFF-JT(業務命令に基づき通常の業務を離れて行う off-the-job の訓練)を含むことが基本です。

  • 人材育成訓練:職務に関連する専門的な知識・技能を習得させるための、10時間以上のOFF-JT。正社員だけでなく有期契約労働者なども対象にできます。
  • 認定実習併用職業訓練:厚生労働大臣の認定を受けた、OFF-JTとOJT(On-the-Job Training)を組み合わせた訓練。原則15歳以上45歳未満の労働者が対象です。
  • 有期実習型訓練:正社員経験の少ない有期契約労働者等を対象に、OFF-JTとOJTを組み合わせ、訓練修了後の正社員化を前提とする訓練です。
  • 中高年齢者実習型訓練:45歳以上の中高年齢者が実践的かつ体系的なスキルを習得するため、OFF-JTとOJTを組み合わせて実施する訓練です。令和8年4月8日から新たに追加されました。

OFF-JTの賃金助成額(令和7年度引き上げ後)

OFF-JTを実施した時間について、訓練を受けた労働者1人1時間あたりで賃金助成が支給されます。令和7年4月1日からの見直しで、金額は次のとおり引き上げられました。

区分 賃金助成額(1人1時間あたり)
中小企業 800円(賃金要件等を満たす場合は+200円で1,000円)
中小企業以外(大企業) 400円(賃金要件等を満たす場合は+100円で500円)

賃金助成の対象となる時間には上限があり、1人1コースあたり1,200時間までとされています。OJT部分については時間あたりの賃金助成ではなく、後述する「OJT実施助成」として1人あたりの定額で支給されます。

経費助成率とOJT実施助成

訓練の受講料・入学料・教科書代などの経費については、対象経費に助成率を乗じた額が支給されます。訓練メニューや対象者によって助成率が異なります。

訓練・対象 経費助成率(中小/大企業) OJT実施助成(中小/大企業)
人材育成訓練(正規雇用者) 45%/30%(+15%) なし
人材育成訓練(非正規雇用者) 70%(規模にかかわらず、+15%) なし
認定実習併用職業訓練 45%/30%(+15%) 20万円/11万円
有期実習型訓練(正社員化) 75%(規模にかかわらず) 10万円/9万円
中高年齢者実習型訓練 60%/45%(+15%) 10万円/9万円

表の(+15%)や賃金助成の加算は、後述する賃金要件・資格等手当要件を満たした場合の上乗せです。経費助成には1人1コースあたりの限度額があり、OFF-JTの実訓練時間数に応じて次のように区分されます。

  • 10時間以上100時間未満:中小15万円/大企業10万円
  • 100時間以上200時間未満:中小30万円/大企業20万円
  • 200時間以上:中小50万円/大企業30万円

さらに、1労働者あたりの1年度の訓練受講回数は3回まで、1事業所が1年度に受けられる支給額は1,000万円までといった上限が設けられています。

賃金要件・資格等手当要件による加算

訓練終了後に処遇改善を行うと、賃金助成・経費助成ともに上乗せ(加算)を受けられます。いずれかを満たせばよく、内容は次のとおりです。

  • 賃金要件:訓練修了日の翌日から起算して1年以内に、対象労働者全員の賃金(賃金表の改定等)を訓練前と比べて5%以上増額していること。
  • 資格等手当要件:就業規則や労働協約に職務に関連する資格手当等を規定し、その手当の支給によって対象労働者全員の賃金が訓練前と比べて3%以上増額していること。

これらを満たすと、OFF-JT賃金助成は中小企業で1時間あたり1,000円となり、経費助成率も人材育成訓練(正規)で45%から60%へ、同(非正規)で70%から85%へ引き上げられるなど、助成額が大きく変わります。

令和8年度の申請の流れと職業訓練実施計画届の提出期限

助成金は「計画→実施→支給申請」の順に進みます。訓練を始めてからでは間に合わない手続があるため、スケジュール管理が重要です。

  • 1. 計画の提出:訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、「職業訓練実施計画届」と関係書類を管轄の労働局へ提出します(認定実習併用職業訓練は別途、大臣認定の手続が必要です)。
  • 2. 訓練の実施:計画に沿ってOFF-JT・OJTを実施します。対象労働者が計画した訓練の総時間数の8割以上を受講していることが、支給の前提となります。
  • 3. 支給申請:訓練終了日の翌日から起算して原則2か月以内に支給申請を行います。支給申請日までに、事業主が訓練経費を全額負担していることが前提です。令和8年5月14日以降の支給申請では、受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)の提出も必要とされています。

あわせて、事業主は職業能力開発推進者の選任や事業内職業能力開発計画の作成・周知など、所定の要件を整えておく必要があります。要件を一つでも欠くと不支給となるため、訓練開始前の準備が成否を分けます。社内研修だけでなく、教育訓練機関への委託訓練やeラーニング、通信制による訓練も一定の要件のもとで対象になります。雇用関係助成金の申請は社会保険労務士の職域となるため、当事務所では提携社会保険労務士との連携を前提にご案内します。補助金・助成金の活用全般については、補助金・助成金サポートのご案内もご参照ください。

当事務所のサポート(行政書士法人Tree)

人材開発支援助成金は厚生労働省の雇用関係助成金であり、その申請代行は社会保険労務士の業務にあたります。当事務所では、提携する社会保険労務士と連携し、事業計画や社内体制の整備、関連する許認可・契約書類の作成など行政書士の職域に関わる部分を担当しながら、助成金活用の全体像をワンストップでご案内します。料金は事案によって異なりますので、個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。 雇用関係助成金については社会保険労務士との連携を前提に、まずは補助金・助成金サポートのご案内からお気軽にご相談ください。

まとめ

人材開発支援助成金の人材育成支援コースは、OFF-JT賃金助成が中小企業800円(大企業400円)で、人材育成訓練・認定実習併用職業訓練・有期実習型訓練・中高年齢者実習型訓練の4メニューで活用できます。経費助成率は対象者により30〜75%、認定実習併用・有期実習型・中高年齢者実習型ではOJT実施助成も加わり、賃金要件・資格等手当要件を満たせばさらに加算されます。鍵は訓練開始日の6か月前から1か月前までの間の計画届提出と社内体制の整備です。要件確認は早めに専門家へご相談ください。

人材育成支援コースに関するよくある質問

Q:賃金助成は何時間分まで受けられますか。

A:OFF-JTの賃金助成は1人1コースあたり1,200時間が上限です。中小企業は1時間あたり800円、賃金要件等を満たすと1,000円となります。

Q:計画届はいつまでに出せばよいですか。

A:原則として訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に、職業訓練実施計画届を管轄の労働局へ提出します。提出が遅れると、その訓練は助成の対象外となるため注意が必要です。

Q:eラーニングや外部委託の研修も対象になりますか。

A:はい。社内のOFF-JTのほか、教育訓練機関への委託訓練、eラーニング、通信制による訓練も、訓練時間や内容などの要件を満たせば対象となります。

Q:有期契約のパート従業員にも使えますか。

A:使えます。人材育成訓練では非正規雇用者を対象にすると経費助成率が高くなり、正社員化を目指す場合は有期実習型訓練(経費助成率75%、OJT実施助成あり)の活用も検討できます。

Q:申請は行政書士に依頼できますか。

A:雇用関係助成金の申請代行は社会保険労務士の業務です。当事務所では提携する社会保険労務士と連携し、関連する許認可・契約書類の整備など行政書士の職域でサポートします。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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