多摩地域(立川市・八王子市・町田市・府中市・調布市・三鷹市・武蔵野市・日野市・多摩市など)で自動車を購入・登録する際に必要となるのが、車庫証明(自動車保管場所証明)です。申請先は「保管場所の所在地を管轄する警察署」で、東京都内(島しょ部を除く)は警視庁の各警察署が窓口となります。本記事では、行政書士の立場から、管轄警察署の調べ方、必要書類、保管場所の要件、申請から交付までの流れを実務に即して解説します。なお令和7年(2025年)4月1日施行の車庫法改正により、保管場所標章(ステッカー)は全国で廃止され、手数料や手続が変わっていますので、その点も踏まえてご案内します。
目次
車庫証明と軽自動車の保管場所届出とは
車庫証明とは、「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」に基づき、自動車の保有者がその自動車を保管する場所を確保していることを証明する手続です。普通自動車(登録自動車)を新規登録・移転登録(名義変更)・変更登録(住所変更など)する際には、原則としてあらかじめ警察署長の交付する自動車保管場所証明書が必要になります。
軽自動車は、購入時に証明書を取得する必要はありませんが、東京都内の多くの市区では、取得後に「自動車保管場所届出」を行う義務があります。多摩地域でも、立川市・八王子市・町田市・府中市・調布市など主要な市は届出が必要な区域に含まれます。一方で、一部の市や町村部には届出が不要な区域もあります。お住まいの地域が届出義務の対象かどうかは、管轄警察署または警視庁ホームページで事前にご確認ください。なお、どのような場合に車庫証明や届出が必要になるかは車庫証明が必要なケース・不要なケース|軽自動車や引越し時の対応で整理しています。
多摩地域の管轄警察署の調べ方
車庫証明の申請先は、車を停める場所(保管場所)の所在地を管轄する警察署です。住所地(自宅)ではなく「車庫の住所」が基準になる点に注意してください。多摩地域には数多くの警察署があり、市によっては複数署に分かれていたり、隣接市の署が管轄していたりする場合があります。代表的な対応の目安は次のとおりです。
- 立川市(上砂町6丁目・上砂町7丁目の一部を除く)・国立市 → 立川警察署/立川市上砂町6丁目・上砂町7丁目の一部 → 東大和警察署
- 八王子市(地域により)→ 八王子警察署・高尾警察署・南大沢警察署
- 町田市 → 町田警察署(相原・小山地区など一部は南大沢警察署)
- 府中市 → 府中警察署
- 調布市・狛江市 → 調布警察署
- 三鷹市 → 三鷹警察署、武蔵野市 → 武蔵野警察署
- 多摩市・稲城市 → 多摩中央警察署
- 日野市 → 日野警察署
- 小金井市・国分寺市 → 小金井警察署、小平市 → 小平警察署
同じ市内でも町名・丁目単位で管轄が異なることがあります。申請前に必ず、保管場所の住所を管轄する警察署を警視庁ホームページや電話で確認しておくと、二度手間を防げます。
保管場所(車庫)の要件
申請が受理されても、保管場所が要件を満たさなければ証明書は交付されません。車庫法および同法施行令などにより、保管場所は次の条件を満たす必要があります。
- 使用の本拠の位置(自宅・事業所など)から保管場所まで、直線距離で2キロメートルを超えないこと
- 道路以外の場所であること(道路上を保管場所にはできません)
- 道路から支障なく出入りでき、自動車の全体を収容できる広さがあること
- その場所を保管場所として使用する正当な権原(所有権・賃借権など)を有すること
月極駐車場やマンションの区画などでは、契約上の駐車位置や区画番号が特定されているかも確認が必要です。要件を満たすか不安な場合は、申請前に確認しておくと安心です。
必要書類
普通自動車の車庫証明(保管場所証明申請)に必要な書類は、原則として次の3点です。なお、申請者欄の住所と自動車の使用の本拠の位置が異なる場合には、使用の本拠の位置を確認できる書類が追加で必要になることがあります。
- 自動車保管場所証明申請書(警察署の窓口または警視庁ホームページで入手できます)
- 保管場所の所在図・配置図(自宅と車庫の位置関係を示す所在図、車庫の寸法や出入口を示す配置図)
- 保管場所の使用権原を疎明する書類
使用権原を疎明する書類は、保管場所の権利関係によって次のように異なります。
- 自己所有の土地・車庫の場合 … 保管場所使用権原疎明書面(自認書)
- 賃貸駐車場・他人所有地の場合 … 保管場所使用承諾証明書(駐車場の貸主や管理会社から取得)または賃貸借契約書の写しなど
このほか、申請者の記名等が求められます。各書類の具体的な記入方法は車庫証明の書き方|自認書・承諾証明書・配置図の記入例付きで詳しく解説しています。賃貸の場合、使用承諾証明書を貸主・管理会社に発行してもらうのに日数がかかることがあるため、早めの準備をおすすめします。
申請から交付までの流れ
窓口申請の場合、おおむね次の流れになります。
- 1. 書類の準備 … 申請書・所在図・配置図・使用権原を疎明する書類をそろえます。
- 2. 管轄警察署の交通課(車庫証明窓口)へ申請 … 受付時間は午前8時30分から午後4時30分まで(土曜・日曜・祝日・年末年始12月29日〜1月3日を除く)。申請時に手数料を納付します。警視庁管内(東京都内)の保管場所証明申請手数料は、窓口申請で2,400円です(ワンストップサービス等の電子申請は2,300円)。
- 3. 現地調査 … 警察が保管場所の現況を確認します。
- 4. 交付 … 申請からおおむね3〜7日間で、自動車保管場所証明書が交付されます。交付予定日に窓口で受け取ります。
受け取った証明書は、運輸支局での自動車の登録手続に使用します。証明日からおおむね1か月以内に運輸支局へ提出する取扱いとされているため、登録手続の予定に合わせて取得時期を調整してください(詳しくは車庫証明の有効期間と注意点|期限切れの対処法をご覧ください)。
令和7年4月の法改正(保管場所標章の廃止)
令和7年(2025年)4月1日施行の車庫法改正により、これまで証明書とともに交付され、車の後面ガラス等に貼付していた保管場所標章(ステッカー)は全国で廃止されました。これに伴い、東京都(警視庁管内)では従来必要だった標章交付手数料(500円)は不要となり、申請後に標章シールを受け取って貼付する手続もなくなりました。すでに貼ってある標章を急いではがす必要はありませんが、新たに交付されることはありません。手数料や申請書の様式が改正前の情報のまま案内されているサイトもありますので、最新の取扱いをご確認ください。なお、保管場所標章は廃止されましたが、車庫証明(保管場所証明・届出)の制度自体は引き続き必要です。
車庫証明の取得や、それに続く自動車の名義変更・出張封印などの車両関連手続でお困りの方は、行政書士法人Treeにご相談ください。多摩地域の各警察署・運輸支局の実務に精通した行政書士が、書類作成から申請までを一括してサポートいたします。費用や進め方はご依頼内容・地域により異なりますので、まずは車庫証明・車両手続きのご相談はこちらから個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。
まとめ
多摩地域の車庫証明は、保管場所の所在地を管轄する警視庁の警察署へ申請します。必要書類は申請書・所在図/配置図・使用権原を疎明する書類の3点で、保管場所は使用の本拠から直線距離2km以内などの要件を満たす必要があります。申請から交付まではおおむね3〜7日、東京都内の窓口申請手数料は2,400円です。令和7年4月から保管場所標章は廃止され、標章手数料(東京は500円)・シール掲示は不要になりましたが、車庫証明制度自体は引き続き必要です。管轄署や届出義務の有無は地域差があるため、事前確認が確実です。
多摩地域の車庫証明に関するよくある質問
Q:軽自動車でも車庫証明は必要ですか?
A:軽自動車は購入時に証明書を取得する必要はありませんが、東京都内の多くの市区では取得後に「保管場所届出」を行う義務があります。多摩地域でも立川市・八王子市・町田市など主要市は届出対象です。一部の市・町村は対象外のため、管轄警察署等でご確認ください。
Q:自宅から離れた駐車場でも車庫証明は取れますか?
A:使用の本拠の位置(自宅・事業所等)から保管場所まで直線距離で2キロメートルを超えなければ、自宅と別の場所の駐車場でも取得できます。2kmを超える場合は要件を満たしません。
Q:交付までどのくらいかかりますか?
A:窓口申請の場合、申請からおおむね3〜7日間で交付されます。土日祝・年末年始は受付・処理が行われないため、登録手続の予定に余裕を持って申請してください。
Q:保管場所標章(ステッカー)はもう貼らなくてよいのですか?
A:はい。令和7年4月1日施行の改正で保管場所標章は廃止され、新たに交付されません。東京都では標章交付手数料(500円)も不要になりました。すでに貼付済みの標章を急いではがす必要はありません。
Q:車庫証明の取得を依頼できますか?
A:行政書士は、保管場所証明申請書や所在図・配置図などの作成・申請の代行を行うことができます。お忙しい方や遠方の方に代わって、当事務所が多摩地域の管轄警察署への申請をサポートいたします。
※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。