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解体工事業の経営事項審査(経審)|総合評定値(P点)の算式・評点ポイント・申請必須資料

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公共工事の入札参加を目指す解体工事業者にとって、避けて通れないのが「経営事項審査(経審)」です。なかでも多くの経営者が気にされるのが、総合評定値(P点)と呼ばれる「点数」。この点数によって入札参加資格の格付け(等級)が決まるため、一点でも高く評価されたいと考えるのは当然のことです。一方で、平成28年6月に建設業の許可業種として独立した「解体工事業」は、経審においても完成工事高の取扱いや技術者の評価に特有の経過措置が設けられてきた経緯があり、ほかの業種とは少し違った注意点があります。この記事では、解体工事業の経審について、P点の仕組みと評点アップのポイントを、行政書士の視点から整理して解説します。

経営事項審査(経審)とは|公共工事入札の前提となる審査

経営事項審査(経審)とは、公共工事を発注者から直接請け負おうとする建設業者が必ず受けなければならない、企業の客観的な経営力を数値で評価する審査制度です。国、地方公共団体などの公共工事を元請として受注するためには、入札参加資格審査の申請が必要であり、その前提として経審の結果通知書(総合評定値通知書)が求められます。

経審は、大きく「経営状況の分析(経営状況分析)」と「経営規模等の評価(経営規模等評価)」の二段階で構成されます。経営状況の分析は、国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関が財務面を分析し、経営規模等の評価は、許可を受けた行政庁(都道府県知事または国土交通大臣)が完成工事高・技術力・社会性等を評価します。両者を合わせて算出されるのが、総合評定値(P点)です。経審全般の手続きや要件については、経営事項審査(経審)とは?公共工事の入札に必要な手続きもあわせてご参照ください。

経審は、決算変更届(事業年度終了報告)の提出、経営状況分析申請、経営規模等評価申請・総合評定値請求という流れで進められます。申請では、工事経歴書、財務諸表、技術職員名簿、建設機械や各種認定に関する確認資料など、評点に直結する資料の整備が必要です。経審は申請してから結果通知までに一定の時間を要し、また有効期間(審査基準日から1年7か月)が定められています。公共工事の受注を切れ目なく続けるためには、決算後の経審を計画的に毎年受け続けることが欠かせません。

総合評定値(P点)を構成する5つの評点

総合評定値(P点)は、性質の異なる5つの評点を、それぞれ定められたウェイト(係数)で合算して算出されます。算式は次のとおりです。

P=0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×W

各評点の意味は次の表のとおりです。

評点 評価する内容 ウェイト
X1(完成工事高) 業種別の年間平均完成工事高による事業規模 0.25
X2(自己資本額・平均利益額) 自己資本額と利払前税引前償却前利益(EBITDA)の平均額による経営規模 0.15
Y(経営状況) 負債回転期間・自己資本比率・売上高経常利益率など財務指標による経営の健全性 0.20
Z(技術力) 業種別の技術職員数と元請完成工事高による技術力 0.25
W(その他の審査項目/社会性等) 労働福祉・法令遵守・建設業の経理・担い手の育成・建設機械の保有状況など 0.15

ウェイトを見るとわかるとおり、X1(完成工事高)とZ(技術力)がともに0.25と最も大きく、この二つがP点に与える影響が特に大きいといえます。解体工事業の評点を伸ばすうえでも、まずはこの二つに着目するのが基本になります。

解体工事業ならではの取扱い|完成工事高と技術職員の正確な区分申告

解体工事業は、平成28年6月1日の改正建設業法施行により、それまで「とび・土工・コンクリート工事業(とび・土工工事業)」の中に含まれていた解体工事が、独立した許可業種として新設されたものです。この経緯から、経審においても「とび・土工工事業」と「解体工事業」の完成工事高の算出方法や、技術職員の評価について経過措置が設けられてきました。

完成工事高(X1)については、現行では解体工事業として計上すべき工事を、工事経歴書・直前3年の各事業年度における工事施工金額・経審の別紙一で正しく区分することが重要です。平成28年の解体工事業新設時には経過措置が設けられていましたが、完成工事高等に関する経審上の経過措置は既に終了しています。したがって、現在の申請では、解体工事に該当する工事をとび・土工工事業に混在させないよう、決算変更届(事業年度終了報告)の段階から分類を正確に行うことが、後の経審の数値に直結します。

技術職員(Z)についても、解体工事業に対応する資格の保有者を、解体工事業の技術職員として正しく届け出ることが前提となります。誰をどの業種の技術職員として申告するかによってZ点は変動するため、自社の技術者がどの業種・どの区分で評価されるのかを、あらかじめ確認しておくことが大切です。

技術力(Z点)の上げ方|解体工事業で評価される資格

技術力評点Zは、技術職員数による評点(Z1)と、元請完成工事高による評点(Z2)から、次の算式で算出されます。

Z=(Z1×4+Z2)÷5

このうちZ1のウェイトが大きいことから、技術職員の充実がZ点アップの近道になります。技術職員は、保有する資格などに応じて1人あたり1点から6点で評価され、おおまかには次のように区分されます。

区分の例 評価点
1級資格者で監理技術者資格者証および監理技術者講習修了証を保有する者 6点
1級資格者(上記6点に該当しない者) 5点
監理技術者補佐となり得る者 4点
登録基幹技能者講習の修了者 3点
2級資格者など 2点
その他の技術者(実務経験により認められる者など) 1点

解体工事業の技術職員としては、1級・2級の土木施工管理技士や建築施工管理技士のうち解体工事に対応する区分の合格者などが評価対象となります。また、解体工事業の新設に伴って位置づけられた「登録解体工事試験」の合格者(いわゆる解体工事施工技士)は、経審において2級技術者として2点で評価されます。自社にどの資格保有者が何名いるかを棚卸しし、計画的な資格取得を進めることが、Z点の底上げにつながります。

なお、同一の技術者が複数の業種・複数の区分で評価され得る場合もあり、誰をどの業種に割り当てるかで全体の評点が変わることがあります。技術職員の配置と申告は、経審の結果を左右する戦略的な論点といえます。

X1・W点で差をつける|完成工事高と社会性等のポイント

X1(完成工事高)は、原則として審査対象事業年度を含む過去2年間または3年間の年間平均完成工事高で評価されます。2年平均と3年平均は選択でき、自社にとって有利な方を選べるため、売上の推移を踏まえてどちらを採用するかを検討する価値があります。完成工事高を正しく漏れなく計上すること、そして決算変更届の工事経歴書を正確に作成しておくことが前提となります。

W(その他の審査項目/社会性等)は、ウェイトこそ0.15ですが、取組み次第で着実に点数を積み上げられる項目です。主な評価対象には、次のようなものがあります。

  • 建設業退職金共済制度や法定外労働災害補償制度への加入などの労働福祉の状況
  • 営業年数、防災協定の締結、法令遵守の状況
  • 建設業の経理の状況(建設業経理士などの在籍、経理処理の適正性の確認)
  • 担い手の育成および確保に関する取組み(技術者・技能者のCPD単位取得、技能者の能力評価向上、ワーク・ライフ・バランスに関する取組みなど)
  • 建設機械の保有状況(解体工事業では関連する建設機械の保有が加点につながり得ます)
  • 国際標準化機構(ISO)の規格やエコアクション21などの認証・登録の状況
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)の活用状況

とりわけ解体工事業では、解体に用いる建設機械を保有しているケースが多く、建設機械の保有状況による加点を取りこぼさないことがポイントです。また、CCUSの現場運用やワーク・ライフ・バランス関連の認定取得など、近年拡充された評価項目は、計画的に準備すれば確実に加点につながります。これらは申告すれば加点となる一方、要件を満たしながら申告漏れとなると本来得られるはずの点数を失うことになるため、抜け漏れのない申告が重要です。

専門家の関わり方|行政書士・税理士・司法書士の役割分担

経審の準備には複数の専門分野が関わるため、それぞれの専門家の役割を理解しておくと安心です。

まず、経営規模等評価申請書や総合評定値請求書の作成、決算変更届(事業年度終了報告)の提出、添付書類の整備、行政庁への申請・代理といった許認可手続については、行政書士が業務として担うことができます。どの工事をどの業種に計上するか、技術職員をどう割り当てるかといった、経審の数値に直結する申告の組み立ても、行政書士がご相談に応じられる領域です。

一方、財務諸表そのものの作成や税務処理(決算・申告)は税理士の業務であり、会社の組織変更や役員変更などの登記手続は司法書士の業務です。経審の評点は財務諸表の数値を基礎とするため、税理士と連携しながら進めることが望ましく、当事務所でも必要に応じて各分野の専門家と協力しながら対応いたします。

解体工事業の経審は、完成工事高や技術職員の取扱いに業種特有の論点があり、申告の組み立て方によって評点が変わってきます。「自社の点数をどう伸ばせばよいか」「解体工事業の完成工事高や技術者の申告をどう整理すべきか」など、経審に関するお悩みは、ぜひ行政書士法人Treeにご相談ください。料金やお手続の進め方については個別にお問い合わせください。ご相談は何度でも無料です。詳しくは建設業許可・経営事項審査のご相談ページをご覧ください。

まとめ

解体工事業の経営事項審査では、総合評定値(P点)が「P=0.25×X1+0.15×X2+0.20×Y+0.25×Z+0.15×W」という算式で算出され、なかでも完成工事高(X1)と技術力(Z)の影響が大きいことが特徴です。解体工事業は平成28年に独立した業種であり、現在は解体工事として計上すべき完成工事高・元請完成工事高・技術職員を正しく区分し、登録解体工事試験の合格者など評価対象となる資格者を適切に申告することが重要です。日々の工事の分類、技術者の計画的な確保、W点の加点項目の取りこぼし防止を意識し、決算変更届の段階から正確に準備しておくことが、評点アップへの確実な一歩となります。経審に関するご相談は、行政書士法人Treeまでお気軽にお寄せください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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