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建設業の配置技術者|主任技術者と監理技術者の違いと配置基準

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建設工事の現場には、元請・下請を問わず技術者を配置する義務があります。しかし「主任技術者と監理技術者の違いが分からない」「どんな工事で専任が必要になるのか基準があいまい」という声は少なくありません。配置技術者の制度は、主任技術者=全工事に必須、監理技術者=元請で下請代金5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の場合に配置、が基本構造です。2024年12月・2025年2月の建設業法改正で金額基準や兼務ルールが変わっており、最新の基準を把握しておく必要があります。

「自社の工事に主任技術者を置けばいいのか、監理技術者が必要なのか判断できない」「改正後の配置基準を確認したい」という方は、行政書士法人Treeにご相談ください。建設業許可申請の専門家が、工事規模に応じた技術者配置を無料で確認いたします。相談は何度でも無料・全国対応です。

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配置技術者とは?建設業法が求める現場の技術者

配置技術者とは、建設工事の施工現場に配置が義務づけられる技術者の総称です。建設業法第26条は、建設業者が工事を施工する場合に「主任技術者」または「監理技術者」を工事現場に配置しなければならないと定めています。

配置技術者は、工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理など、施工の技術上の管理を行う役割を担います。許可を受けた業種の工事を施工する場合は、請負金額の大小や元請・下請の区別に関わらず、必ず配置が必要です。無許可で施工できる軽微な工事(500万円未満)であっても、建設業許可を受けている業者が施工するのであれば技術者の配置義務が生じます。

なお、配置技術者は現場に配置する技術者であり、営業所に常勤する「営業所技術者等(旧・専任技術者)」とは異なる制度です。両者を混同しやすいので注意してください。

主任技術者と監理技術者はどう違う?

配置技術者は「主任技術者」と「監理技術者」の2種類に分かれます。どちらを配置するかは、元請か下請か、そして下請に出す工事の金額によって決まります。

区分 主任技術者 監理技術者
配置が必要な場面 建設業許可を有する業者が施工する全ての工事 元請として下請代金の合計が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の工事
根拠条文 建設業法第26条第1項 建設業法第26条第2項
資格要件 一般建設業の営業所技術者等と同等 特定建設業の営業所技術者等と同等(原則1級国家資格)
役割 施工計画・工程管理・品質管理・安全管理 主任技術者の役割に加え、下請負人の指導監督
監理技術者資格者証 不要 専任の監理技術者は資格者証の交付・講習受講が必要。発注者等からの請求時に提示義務あり、職務従事中は常時携帯

端的に言えば、下請業者や小規模な元請工事には主任技術者を、大規模な元請工事で多額の下請を使う場合には監理技術者を配置する仕組みです。監理技術者には下請負人の施工を総合的に指導・監督する責任があるため、主任技術者よりも高い資格・経験が求められます。

監理技術者が必要になる金額基準(2025年2月改正後)

2025年2月1日の建設業法施行令改正により、監理技術者の配置が必要となる下請代金の基準額が引き上げられました。

工事の種類 改正前 改正後(2025年2月1日〜)
建築一式工事以外 4,500万円以上 5,000万円以上
建築一式工事 7,000万円以上 8,000万円以上

この金額は、元請業者が下請業者に発注する工事の代金合計額で判定します。自社施工分は含みません。たとえば総額1億円の元請工事であっても、下請に出す合計が4,900万円であれば監理技術者の配置は不要で、主任技術者の配置で足ります(建築一式工事以外の場合)。

配置技術者の「専任」が必要な工事とは?

公共性のある施設等に関する重要な建設工事では、配置する技術者を工事現場ごとに「専任」としなければなりません(建設業法第26条第3項)。「専任」とは、他の工事現場と兼務せず、その工事現場に常時従事することを意味します。

専任が必要となる金額基準

専任配置が必要かどうかは、工事1件あたりの請負代金額で判定します。この基準も2025年2月1日に改正されました。

工事の種類 改正前 改正後(2025年2月1日〜)
建築一式工事以外 4,000万円以上 4,500万円以上
建築一式工事 8,000万円以上 9,000万円以上

「公共性のある施設等に関する重要な建設工事」とは、国・地方公共団体が発注する工事だけでなく、電気・ガス・鉄道・学校・病院・共同住宅など公共性の高い民間施設の工事も含まれます。実務上、この基準額以上の工事の大半は公共性のある工事に該当するため、基準額を超えた時点で専任と考えておくのが安全です。

専任が求められる期間

専任の始期は契約工期の開始日からですが、現場施工に着手するまでの期間(事前の資材準備や発注手続きのみを行う期間)は、他の工事現場との兼務が認められる運用がなされています。同様に、工事完成後の事務的な後処理のみの期間も専任の拘束は解かれます。具体的な運用は発注者や都道府県によって異なるため、個別の確認が必要です。

2024年12月改正で何が変わった?配置技術者の兼務ルール

2024年12月13日施行の建設業法改正は、建設業の人手不足への対応として技術者配置の柔軟化を図ったものです。この改正で注目すべき変更点は2つあります。

変更点1: 専任特例による監理技術者・主任技術者の兼務

従来、専任が求められる工事では他の現場との兼務は原則として認められませんでした。改正後は、ICT(情報通信技術)の活用により遠隔での施工管理が可能な場合で、兼任する現場間の移動が容易であるなどの一定の要件を満たせば、専任の技術者が複数の工事現場を兼務できる制度(専任特例)が新設されました。

兼務が認められるための主な要件は以下のとおりです。

  • 兼任する各建設工事の請負代金が1億円未満(建築一式工事の場合は2億円未満)であること
  • 兼任できるのは2つの工事現場まで
  • 現場間の移動が容易であること(移動時間がおおむね2時間以内で、1日で巡回可能)
  • 下請次数が3次までの工事であること

大規模工事や上記要件を満たさない場合は、引き続き兼務は認められません。

変更点2: 営業所技術者等との兼務が可能に

同じく2024年12月の改正により、営業所に常勤する営業所技術者等(旧・専任技術者)が、一定の条件のもとで工事現場の主任技術者・監理技術者を兼務できるようになりました。改正前は、営業所技術者等は営業所への常勤が求められ、工事現場の技術者との兼任はできないのが原則でした。

この改正は、特に中小建設業者にとって意味が大きいといえます。技術者の人数が限られる事業者でも、関連法令や運用マニュアル上の要件を満たす場合に限り、営業所と現場の技術者を1人で兼ねることが可能になり、配置の自由度が広がりました。ただし無条件で認められるわけではないため、個別の工事ごとに要件を確認することが重要です。

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特定専門工事の特例:下請の主任技術者が不要になるケース

建設業法第26条の3には、特定の専門工事において下請負人が主任技術者を配置しなくてよい特例が定められています。現在の対象は鉄筋工事型枠工事の2種類です。

この特例を利用するための要件は以下のとおりです。

  • 元請負人が施工するための下請契約の代金が4,500万円未満(2025年2月改正後。改正前は4,000万円未満)であること
  • 元請負人の主任技術者が当該工事と同一種類の建設工事について1年以上の指導監督的実務経験を有すること
  • 元請負人の主任技術者が工事現場に専任で配置されていること
  • 元請負人と下請負人が書面で合意していること
  • 下請負人が再下請負をしないこと

すべての要件を満たした場合に限り、下請負人は主任技術者の配置を省略できます。元請負人の主任技術者が、下請の技術管理も一体的に行う仕組みです。人手不足に悩む専門工事業者にとっては活用を検討する余地がありますが、要件を1つでも欠くと建設業法違反になるため、安易な運用は避けるべきです。

配置技術者の資格要件一覧

主任技術者・監理技術者になるための資格要件は、営業所技術者等(旧・専任技術者)の要件と基本的に同じです。

技術者の種類 資格要件
主任技術者 以下のいずれか:
・許可業種に対応する国家資格(2級施工管理技士等)
指定学科卒業+実務経験(大学卒3年/高校卒5年以上)
実務経験10年以上
監理技術者 以下のいずれか:
・許可業種に対応する1級国家資格(1級施工管理技士、技術士等)
・主任技術者の要件+元請として4,500万円以上の工事の指導監督的実務経験2年以上(指定建設業7業種を除く)

上記は代表的な資格要件を簡略化した表です。実際の資格要件は業種ごとに細かく定められており、個別審査や例外もあるため、詳細は国土交通省の業種別資格一覧で個別にご確認ください。

指定建設業(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種)では、監理技術者は1級の施工管理技士または技術士の資格者に限定されます。実務経験だけでは監理技術者になれない点が、他の業種との違いです。

専任の監理技術者は、一般財団法人建設業技術者センターが発行する「監理技術者資格者証」の交付を受け、監理技術者講習を受講した者でなければなりません。発注者等から請求があったときは資格者証を提示する義務があり、職務に従事する間は常時携帯が必要です。資格者証の有効期間は5年で、更新手続きが必要です。

配置技術者を巡ってよくある誤解

「下請だから監理技術者は不要」は正しいが、主任技術者は必要

監理技術者が必要なのは元請の場合に限られます。下請に監理技術者の配置義務はありません。ただし、下請であっても主任技術者は必ず配置しなければなりません。「下請だから技術者は要らない」と考えるのは誤りです。

「営業所技術者等がいるから現場の技術者は別に要らない」は誤り

営業所技術者等は営業所に常勤して技術的な事項を総括する制度であり、工事現場の技術管理は配置技術者(主任技術者・監理技術者)の役割です。2024年12月改正で一定の条件下での兼務が可能にはなりましたが、配置義務そのものがなくなったわけではありません。

「500万円未満の軽微な工事なら技術者配置は不要」は条件による

建設業許可を受けていない業者が軽微な工事のみを施工する場合は、そもそも配置義務が生じません。しかし、許可を受けている業者が500万円未満の工事を施工する場合は、主任技術者の配置が必要です。許可業種の工事であれば金額を問わず技術者を配置しなければなりません。

建設業許可なしで工事する場合のリスクと罰則の詳細は別記事で解説しています。

技術者の配置義務に違反するとどうなる?

配置技術者の義務を怠った場合、建設業法に基づく監督処分や罰則の対象になります。

違反内容 処分・罰則
主任技術者・監理技術者を配置しなかった場合 営業停止処分(建設業法第28条)
専任が必要な工事で技術者を専任させなかった場合 営業停止処分(建設業法第28条)
技術者の不配置・虚偽の報告 100万円以下の罰金(建設業法第52条)
監理技術者資格者証の不携帯・不提示 提示義務違反(建設業法第26条第6項)として監督処分(指示処分等)の対象

営業停止処分を受けると、処分期間中は新たな工事を受注できなくなります。公共工事の入札に参加している業者にとっては、経営事項審査(経審)の評点にも悪影響を及ぼすため、経営上の打撃は大きくなります。

よくある質問

Q. 1人の技術者が主任技術者と監理技術者を兼ねることはできますか?

主任技術者と監理技術者は同一工事で併置するものではないため、「兼ねる」関係にはありません。1つの工事に対して配置するのは主任技術者または監理技術者のどちらか一方です。ただし、監理技術者の資格を持つ者が、別の工事で主任技術者として配置されることは可能です。

Q. 監理技術者資格者証はどこで取得できますか?

一般財団法人建設業技術者センターに申請して取得します。1級施工管理技士や技術士の資格を有していれば申請できます。有効期間は5年で、更新手続きが必要です。専任の監理技術者は資格者証の交付・講習受講が要件となっており、発注者等からの請求時には提示義務があります。

Q. 主任技術者や監理技術者は現場に常駐する必要がありますか?

「専任」と「常駐」は異なります。専任は他の工事と兼務しないことを意味しますが、常時現場にいなければならないということではありません。専任の技術者であっても、資材の搬入確認や関係機関との打合せなど、工事に関連する業務で一時的に現場を離れることは認められています。ただし、施工中の工事の技術上の管理に支障が生じない範囲に限られます。

Q. 技術者を配置できない場合、工事を受注してもいいですか?

適切な技術者を配置できない工事を受注してはいけません。建設業法は、受注時点で技術者の配置計画を含めた適正な施工体制を確保することを求めています。配置できる技術者がいない状態で工事を受注し、後から技術者が見つからなかった場合は、営業停止処分の対象になり得ます。

Q. 2025年の改正で変わった金額基準をまとめて教えてください

2025年2月1日施行の改正で、以下の3つの金額基準が引き上げられました。

  • 監理技術者の配置基準: 下請代金合計 4,500万円→5,000万円(建築一式 7,000万円→8,000万円
  • 専任配置の基準: 請負代金 4,000万円→4,500万円(建築一式 8,000万円→9,000万円
  • 特定専門工事(鉄筋・型枠)の上限: 4,000万円→4,500万円

いずれも建設工事費の高騰を踏まえた引き上げです。

まとめ

配置技術者(主任技術者・監理技術者)は、建設工事の品質と安全を確保するための制度です。どの工事に・どの技術者を・専任で配置するのかを正しく判断するには、最新の法改正を踏まえた金額基準の把握が欠かせません。

  • 主任技術者は建設業許可を有する業者が施工する全工事に配置が必要
  • 監理技術者は元請で下請代金合計5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)の場合に配置
  • 専任は請負代金4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)の重要工事で必要
  • 2024年12月改正で専任特例(ICT活用による兼務)営業所技術者等との兼務が可能に
  • 配置義務に違反すると営業停止処分の対象

建設業許可の要件全体については「建設業許可の5つの要件」で解説しています。また、許可制度の全体像は「建設業許可とは?取得要件・申請手続き・費用を完全ガイド」をご確認ください。

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※ 2026年3月時点の建設業法に基づく解説です。都道府県ごとに運用が異なる場合があります。最新情報は国土交通省でご確認ください。

※ 記事の内容には細心の注意を払っておりますが、万が一誤りがございましたらご指摘いただけますと幸いです。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言ではございません。具体的なケースについては専門家へのご相談をおすすめいたします。

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