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暗号資産取引所詐称詐欺の告訴状|取引所詐称詐欺の手口・刑法と資金決済法違反

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結論から言えば、大手暗号資産取引所を装った偽サイトに誘導されて金銭や暗号資産をだまし取られた場合、刑法246条の詐欺罪等を被疑事実とする告訴状を提出し、刑事処罰を求めることができます。さらに、相手方が金融庁(内閣総理大臣)の登録を受けずに「取引所」を名乗って暗号資産の売買を持ちかけていた場合には、資金決済法63条の2に違反する無登録営業として、告発の対象にもなり得ます。行政書士は、権利義務・事実証明に関する書類の作成を業とする国家資格者として、被害事実を法的に整理した警察署長宛ての警察署等の司法警察員に提出する告訴状・告発状の作成という形で被害者を支援できます。もっとも、検察庁宛て告訴状の作成は司法書士業務(司法書士法3条1項4号)であり、受理後の捜査対応や損害賠償請求、示談交渉は弁護士の職域です。当事務所では警察署への告訴状・告発状作成を担当し、必要に応じて司法書士・弁護士と連携します。本記事では、取引所詐称型の詐欺で問題となる罪名と、告訴状作成の実務上のポイントを整理します。

暗号資産取引所詐称詐欺の典型的な手口

暗号資産取引所詐称詐欺とは、実在する大手取引所の名称・ロゴを流用し、あるいは実在しない「海外取引所」を装ったウェブサイトに被害者を誘導して、入金や暗号資産の送付をさせる手口の総称です。典型的な流れは次のとおりです。

  • SNS・マッチングアプリ・投資グループ(メッセージアプリ)で接触し、「必ず儲かる」「限定上場コインがある」などと勧誘する
  • 本物そっくりの偽サイト(偽アプリ)で口座開設をさせ、指定口座への振込みや、指定ウォレットアドレスへの暗号資産送付をさせる
  • 画面上は残高や利益が増えているように表示されるが、実際には入金が運用されている実態はない
  • 出金を申請すると「税金」「保証金」「手数料」名目で追加送金を要求され、最終的に出金できないまま連絡が途絶える

このほか、検索連動広告や偽SMSから本物の取引所のログイン画面を模したフィッシングサイトに誘導し、ID・パスワードを盗んで口座内の暗号資産を流出させる型もあります。いずれも「取引所を詐称する」点は共通ですが、後述のとおり適用される条文が異なります。本記事は、投資詐欺・ポンジスキーム等を含む暗号資産詐欺全般のうち、取引所詐称型に絞って整理します。

成立しうる犯罪①:詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪(刑法)

偽の取引所に金銭を振り込ませる行為は、人を欺いて財物を交付させたものとして刑法246条1項の詐欺罪(10年以下の拘禁刑)に該当し得ます。運用実態がないのに「利益が出ている」と装って追加入金させる行為も同様です。被害者が保有する暗号資産を犯人側のウォレットに送付させた場合は、暗号資産が民法上の「物」ではないため、財産上不法の利益を得たものとして同条2項(2項詐欺)で構成するのが一般的な整理です。また、盗んだID・パスワードで本物の取引所にログインし、他人の暗号資産を無断で移転させる行為には、刑法246条の2の電子計算機使用詐欺罪(10年以下の拘禁刑)が問題となります。詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪とも未遂罪の処罰規定があり(刑法250条)、追加送金要求に応じる前に気付いた場合でも告訴の対象になり得ます。なお、2025年6月1日施行の刑法改正により、懲役刑・禁錮刑は拘禁刑に一本化されています。

成立しうる犯罪②:資金決済法違反(無登録の暗号資産交換業)との関係

資金決済法(資金決済に関する法律・平成21年法律第59号)は、暗号資産の売買・交換やその媒介、これらに関する利用者の金銭の管理、他人のための暗号資産の管理を業として行うことを「暗号資産交換業」と定義し(同法2条15項)、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行ってはならないとしています(同法63条の2)。登録を受けずに暗号資産交換業を行った者には、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科という罰則があります(同法107条12号)。

取引所を詐称する業者は、当然ながらこの登録を受けていません。日本居住者向けに日本語サイトで暗号資産の売買を持ちかけていれば、外国所在をうたう業者でも無登録営業が問題となり、金融庁・財務局は実際に無登録業者への警告と社名公表を行っています。利用の前提として、金融庁の「暗号資産の利用者のみなさまへ」のページから登録業者一覧・無登録業者警告リストを確認できます。

告訴状作成の観点からは、詐欺罪と資金決済法違反を併記することに実務上の意味があります。詐欺罪は「欺く行為」と被害者の錯誤の立証が必要ですが、無登録営業は登録の有無と業としての勧誘・売買の外形で判断されるため、事実の特定が比較的容易だからです。詐欺罪は被害者による「告訴」(刑事訴訟法230条)、無登録営業は被害者に限らず何人でも可能な「告発」(同法239条1項)として構成できます。

成立しうる犯罪③:偽サイト誘導と不正アクセス禁止法

本物の取引所になりすましたログイン画面を設けてID・パスワード(識別符号)の入力を求めるフィッシングサイトの公開や、同趣旨のフィッシングメールの送信は、不正アクセス禁止法7条が禁止する「識別符号の入力を不正に要求する行為」に該当し、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(同法12条4号)。さらに、盗んだID・パスワードで本物の取引所に無断ログインする行為は不正アクセス罪(同法3条・11条、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)となります。口座乗っ取り型の被害では、詐欺罪等と併せてこれらの違反を被疑事実に含めるかを検討します。

暗号資産詐欺の告訴状の書き方|記載事項と証拠収集のポイント

告訴・告発は、書面または口頭で検察官または司法警察員に対して行います(刑事訴訟法241条1項)。行政書士による実務は警察署長宛ての告訴状・告発状作成に限られます。書面(告訴状)による場合、捜査機関が事実を把握しやすいよう、次の事項を具体的に記載します。

項目 記載内容の例
告訴人 被害者の氏名・住所・連絡先
被告訴人 判明している範囲の名称・サイト名・アカウント名(不明なら「氏名不詳」で可)
告訴事実 勧誘の日時・方法、誘導された偽サイトのURL、入金・送付の日時と金額、出金拒否の経緯
罪名・罰条 刑法246条、資金決済法63条の2・107条12号 など
処罰意思 厳重な処罰を求める旨

証拠としては、偽サイトのURLとスクリーンショット(閉鎖前に保全)、SNS・メッセージアプリのやり取りの全履歴、銀行の振込明細、暗号資産を送付した場合はトランザクションID(TXID)と送付先ウォレットアドレス、偽の取引画面・残高画面の画像などを時系列で整理します。暗号資産の移転記録はブロックチェーン上に残るため、TXIDの保全は特に重要です。犯人が特定できていなくても、被疑者不詳のまま告訴状を提出することは可能です。

被害金の回復と二次被害への注意

銀行口座への振込みで被害に遭った場合は、いわゆる振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)に基づく口座凍結・被害回復分配金の制度があるため、速やかに振込先の金融機関と警察に連絡します。一方、暗号資産を相手のウォレットへ直接送付した場合、この制度は預金口座への振込みを対象とするため利用できず、資金が海外の取引所やミキシングサービスを経由すると追跡・回復は著しく困難になります。だからこそ、早期に告訴状・被害届で捜査の端緒を作ることが重要です。

また、「送金した暗号資産を取り戻せる」とうたうSNS広告や自称ハッカー・海外弁護士による「被害回復サービス」は、被害者を狙った二次被害の典型です。着手金名目の追加支払いを求められた時点で応じず、公的相談窓口(警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188)に確認してください。

当事務所のサポート

行政書士法人Treeでは、暗号資産取引所詐称詐欺の被害について、時系列の聴き取りと証拠の整理を行ったうえで、詐欺罪・資金決済法違反等を被疑事実とする警察署長宛ての告訴状・告発状を作成します。オンラインでのやり取りが中心となるこの類型では、スクリーンショットやTXIDなど電子的証拠の整理が受理の成否を左右するため、証拠一覧表を含めた書面全体の組み立てを重視しています。料金は告訴状・告発状の作成 38,280円(税込)〜で、事案の複雑さにより変動します。なお、行政書士が作成できるのは警察署長宛ての告訴状・告発状までであり、検察庁宛て告訴状の作成は司法書士業務です。受理後の捜査対応、示談交渉、刑事手続の代理は弁護士の業務のため行いません。損害賠償請求などが必要な場合は弁護士をご紹介し、連携して対応します。詳細は告訴状・告発状作成サポートのご案内をご覧ください。ご相談は何度でも無料です。

告訴状・告発状の作成でお困りの方へ。行政書士法人Treeでは、警察署(司法警察員)に提出する告訴状・告発状について、事実関係と証拠を整理した書面の作成を承ります。書類作成に関するご相談は何度でも無料です。※検察庁に提出する書類の作成は司法書士・弁護士の業務です。また、提出先の選定に関する法的助言、告訴の代理、受理後の捜査対応や示談交渉は弁護士の業務であり、当法人では取り扱いません。

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まとめ

暗号資産取引所詐称詐欺では、刑法246条の詐欺罪(10年以下の拘禁刑)を中心に、事案に応じて電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)、無登録の暗号資産交換業を処罰する資金決済法違反(63条の2・107条12号、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科)、フィッシング行為を処罰する不正アクセス禁止法違反(7条・12条4号)が問題となります。詐欺罪は被害者の告訴、無登録営業は何人でも可能な告発として構成でき、両者を組み合わせることで捜査機関に事案の全体像を伝えやすくなります。偽サイトは短期間で閉鎖されるため、URL・スクリーンショット・TXIDの保全と早期の書面提出が鍵になります。条文の原文はe-Gov法令検索(刑法)同(資金決済法)で確認できます。

暗号資産取引所詐称詐欺の告訴に関するよくある質問

Q:犯人が誰か分からなくても告訴できますか?

A:できます。告訴は犯人の特定を要件としておらず、被告訴人を「氏名不詳」とした告訴状の提出が可能です。その分、偽サイトのURL、アカウント名、送付先ウォレットアドレス、やり取りの履歴など、犯人特定の手がかりになる情報を漏れなく記載することが重要になります。

Q:相手が海外の業者を名乗っている場合でも意味がありますか?

A:日本国内の被害者に対する欺罔行為であれば日本の刑法の適用が問題となり得ますし、日本居住者向けに勧誘していれば資金決済法の登録義務の問題も生じます。実際に金融庁・財務局は海外所在をうたう無登録業者にも警告を行っています。捜査の難易度は上がりますが、告訴・告発により被害を公的記録に残すこと自体に意味があります。

Q:告訴と告発はどう違うのですか?

A:告訴は犯罪の被害者等が行うもの(刑事訴訟法230条)、告発は被害者に限らず何人でも行えるもの(同法239条1項)で、いずれも犯罪事実を申告して処罰を求める意思表示です。取引所詐称詐欺では、詐欺罪は被害者本人の告訴、無登録営業は告発として構成するのが一般的です。

Q:送ってしまった暗号資産は戻ってきますか?

A:銀行振込の被害は振り込め詐欺救済法による口座凍結・分配の可能性がありますが、暗号資産を直接送付した場合は同法の対象外で、回復は容易ではありません。刑事手続と並行した民事上の請求(弁護士の職域)を検討することになります。「必ず取り戻せる」とうたう回収業者は二次被害の危険が高いため、安易に依頼しないでください。

Q:行政書士にはどこまで依頼できますか?

A:被害事実の聴き取り、証拠の整理、警察署長宛ての告訴状・告発状の作成までです。検察庁宛て告訴状の作成は司法書士業務(司法書士法3条1項4号)となります。受理後の捜査への対応、示談交渉、刑事・民事の代理は弁護士の業務のため、行政書士は行いません。当事務所では必要に応じて弁護士と連携し、切れ目のない対応ができる体制を取っています。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士・信託銀行等の専門家にご確認のうえご判断ください。

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