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仮想通貨・暗号資産詐欺の告訴状|刑法第246条詐欺罪・第246条の2電子計算機使用詐欺罪・資金決済法第107条・送金履歴の証拠保全と早期対応

約20分で読めます

仮想通貨(暗号資産)を用いた詐欺は、ポンジ・スキーム、ICO・トークンセール詐欺、ロマンス詐欺、偽取引所・偽ウォレット詐欺、ラグプル(運営者による持ち逃げ)、SIMスワッピング等の典型手口があり、刑法第246条詐欺罪・第246条の2電子計算機使用詐欺罪を中心に、資金決済法違反(無登録暗号資産交換業)、金融商品取引法違反、組織的犯罪処罰法のマネー・ローンダリング罪等の複数罪名が並行的に問題となります。本記事では、典型手口、適用罪名、立証ポイント、送金履歴の証拠保全、警察署長宛て告訴状の構成、行政書士の業務範囲を整理します。

本記事の結論:

  • 仮想通貨詐欺は刑法第246条詐欺罪を中心に、偽ウォレット・ハッキング・SIMスワッピング型は刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪、無登録交換業の運営実態がある場合は資金決済法第107条違反等の複数罪名を検討。
  • 立証の鍵はブロックチェーン上の送金履歴・取引所履歴・SNS/LINE・同種被害者陳述書の証拠保全。ブロックチェーン分析は資金フロー追跡には有効だが、加害者の身元特定は別途必要。
  • 銀行振込を伴う被害は振り込め詐欺救済法(正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)の口座凍結要請(弁護士業務)を早期検討。暗号資産送金は同法の直接対象外の場合あり。
  • 当事務所は警察署長宛て告訴状の作成・事実関係整理書面の作成を担当します。

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  • SNS・マッチングアプリで知り合った相手に仮想通貨投資を勧誘され被害に遭った
  • 無登録の暗号資産交換業者・偽取引所で出金できない被害に遭った
  • ICO・トークンセールで購入したトークンが上場せず詐欺と判明
  • ポンジ・スキームに加入後、配当が止まり運営者と連絡不能
  • 偽ウォレットアプリのインストールで暗号資産を盗まれた
  • ラグプル(運営者による持ち逃げ)の被害に遭った

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仮想通貨詐欺は「詐欺罪の立証」と「送金履歴の保全」が最重要

仮想通貨・暗号資産詐欺では、まず刑法第246条詐欺罪の成立を意識し、虚偽の勧誘内容、被害者が錯誤に陥った経緯、暗号資産または金銭を送金した事実、加害者の詐欺の故意を時系列で整理することが重要です。単なる投資失敗ではなく、当初から騙す意図があったことを示すため、LINE・SNS・メール・通話履歴、取引所の送金履歴、ウォレットアドレス、トランザクションID、ブロックチェーンエクスプローラーのURL、ホワイトペーパー、サイト保存、同種被害者の存在を保全します。偽ウォレット・フィッシング・SIMスワッピング型では刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪が成立する場合があります。銀行振込を伴う場合は、振り込め詐欺救済法に基づく早期の口座凍結要請(弁護士業務)が被害回復の鍵となります。

根拠法令(2026年5月時点)

  • 刑法第246条(詐欺罪・10年以下の拘禁刑、2025年6月1日施行の改正で「懲役」から変更)
  • 刑法第246条の2(電子計算機使用詐欺罪・10年以下の拘禁刑):人を介さず電子計算機に虚偽情報等を与えて財産上不法の利益を得る類型
  • 刑法第250条(未遂罪)
  • 資金決済に関する法律第2条第14項(暗号資産の定義)・第2条第15項(暗号資産交換業の定義)・第63条の2(暗号資産交換業の登録)・第63条の3以下(業務規制)・第107条(無登録で暗号資産交換業を行った場合の罰則:3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金又はこれらの併科)
  • 金融商品取引法第29条(金融商品取引業の登録)・第197条の2第10号の4(無登録で金融商品取引業を行った場合の罰則:5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又はこれらの併科)・第200条(無登録表示・勧誘の罰則)
  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法):暗号資産交換業者等の特定事業者に対する取引時確認義務(第4条)・記録保存義務・疑わしい取引の届出義務(第8条)
  • 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織的犯罪処罰法)第10条(犯罪収益等隠匿罪)・第11条(犯罪収益等収受罪):加害者本人のマネー・ローンダリング処罰
  • 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)第1条(出資金の受入れの制限)・第2条(預り金の禁止)・第5条(高金利の処罰)
  • 特定商取引に関する法律(特定商取引法):訪問販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引等の規制
  • 不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法):フィッシング・なりすまし
  • 犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(通称:振り込め詐欺救済法)
  • 刑事訴訟法第230条(告訴権者)・第241条(告訴・告発の方式)・第242条(司法警察員の検察官送付義務)・第250条第2項第4号(詐欺罪の公訴時効7年)・第250条第2項第6号(長期3年以下の拘禁刑等の公訴時効3年)・第253条第1項(時効起算点)
  • 民法第709条・第710条(不法行為に基づく損害賠償請求)・第703条・第704条(不当利得返還請求)
  • 司法書士法第3条第1項第4号(裁判所・検察庁・法務局提出書類の作成)・第6号(認定司法書士の簡裁訴訟代理)
  • 弁護士法第3条(紛争代理)・第72条(非弁行為の禁止)
  • 行政書士法第1条の2第1項(権利義務又は事実証明に関する書類の作成)

1. 仮想通貨詐欺の典型手口

1-1. ポンジ・スキーム

「月利10%保証」「元本保証で年利200%」等の高利回りを謳い、新規加入者から集めた資金を既存加入者への配当に充てる自転車操業型詐欺。集金が止まると即座に運営者が連絡不能となり、ほぼ全額の被害となります。

1-2. ICO・トークンセール詐欺

架空のブロックチェーンプロジェクトのトークンを「将来上場し100倍になる」等と勧誘して購入させ、上場直前に運営者が持ち逃げ、または上場しても価値ゼロのトークンであるケース。ホワイトペーパーが偽造・盗用されていることも多い。

1-3. ロマンス詐欺・国際ロマンス詐欺

SNS・マッチングアプリで知り合った相手(海外在住の医師・実業家・軍人等を装う)が長期間(数か月〜1年以上)の信頼関係構築後、「投資で必ず儲かるから一緒に投資しよう」と仮想通貨投資を勧誘。被害額は数百万円〜数千万円に及ぶことが多い。

1-4. 偽取引所・偽ウォレット詐欺

正規の取引所・ウォレットアプリに酷似したサイト・アプリで利用者にログインさせ、秘密鍵やシードフレーズを入力させて暗号資産を盗む手口。フィッシング詐欺の一形態で、刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪が成立する場合があります。

1-5. ラグプル(Rug Pull)・NFTプロジェクト放棄

DeFi(分散型金融)プロジェクトで、運営者が流動性プールから全資産を引き抜いて持ち逃げする手口。NFTプロジェクトでも、購入後にプロジェクトが放棄されるケースが多発しています。ラグプル・NFTプロジェクト放棄では、単なる価格下落・事業失敗・開発遅延と、当初から資金を持ち逃げする意図があった詐欺とを区別する必要があり、流動性プールからの資金引き抜き、運営者ウォレットへの移転、虚偽のロードマップ、ホワイトペーパー盗用、運営者の身元偽装、SNS・サイト削除、同種被害者の存在等、当初からの欺罔意思を示す事情を整理します。

1-6. SIMスワッピング・ハッキング

SIMカード乗っ取り、または取引所アカウントへの不正アクセスにより暗号資産を盗む手口。被害者の電話番号を乗っ取って二段階認証を突破するケースが典型。最高裁判例でも、不正に入手した秘密鍵を用いて暗号資産を移転させた行為について刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪の成立が認められています。

2. 適用罪名(複数罪名での告訴検討)

仮想通貨詐欺は、手口・実態により以下の複数の罪名が並行的に成立する可能性があります。各罪名の成立要件(業として行ったか、組織的か、特定事業者か等)を個別に確認します。

2-1. 刑法第246条詐欺罪(10年以下の拘禁刑)

欺罔行為(虚偽の運用説明・運営者身分の偽装・架空プロジェクトの説明等)により被害者を錯誤に陥れ、暗号資産または金銭を交付させた場合に成立。仮想通貨詐欺の中核となる罪名です。欺罔行為、錯誤、財産的処分行為、財産移転、因果関係、詐欺の故意の各要素を整理します。

2-2. 刑法第246条の2 電子計算機使用詐欺罪(10年以下の拘禁刑)

偽ウォレットアプリ・フィッシングサイト・ハッキング・SIMスワッピング等により、人を介さずに電子計算機(取引所のシステム・ブロックチェーンネットワーク等)に虚偽の情報・不正な指示を与えて暗号資産を不正移転させた場合は、刑法第246条詐欺罪ではなく刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪が成立します。最高裁判例でも、不正に入手した秘密鍵を用いて暗号資産を移転させた行為について本罪の成立が認められています。偽取引所・偽ウォレット・SIMスワッピング型の被害では本罪名を検討します。

2-3. 資金決済法違反(無登録暗号資産交換業)

資金決済法第63条の2により、暗号資産交換業を行うには金融庁(内閣総理大臣)の登録が必要です。登録なく暗号資産の売買・交換・媒介・取次ぎ・代理・利用者の暗号資産管理等を業として行うと、同法第107条により3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金又はこれらの併科。資金決済法違反は、単に暗号資産詐欺であるというだけで当然に成立するものではなく、運営主体が暗号資産交換業を業として行っていたかが要件です。偽取引所・偽ウォレット・投資プラットフォームの場合は、登録番号の有無、サービス内容、利用者資産の管理実態、国内居住者への勧誘状況を確認します。

2-4. 金融商品取引法違反(無登録金融商品取引業)

金融商品取引法第29条により、金融商品取引業(投資運用業・第二種金融商品取引業等)を行うには登録が必要。無登録で金融商品取引業を行った場合、同法第197条の2第10号の4により5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又はこれらの併科。無登録で金融商品取引業を行う旨の表示・勧誘をすることも同法第200条により1年以下の拘禁刑等の対象となります。暗号資産に関連する投資スキームであっても、集団投資スキーム持分、ファンド、デリバティブ取引、投資助言・代理、投資運用等に該当する場合は、金商法上の登録規制が問題となります。

2-5. 犯罪収益移転防止法・組織的犯罪処罰法

犯罪収益移転防止法は、金融機関・暗号資産交換業者等の特定事業者に対し、取引時確認義務(同法第4条)・確認記録/取引記録の作成保存義務・疑わしい取引の届出義務(同法第8条)を課す法律で、これ自体は加害者本人を直接処罰する罪名ではありません。仮想通貨詐欺では、関係する交換業者・送金経路・KYC情報・疑わしい取引届出の有無が捜査上重要となります。

詐欺の加害者本人が詐取した暗号資産・金銭(犯罪収益)を隠匿・収受した場合は、組織的犯罪処罰法第10条(犯罪収益等隠匿罪)・第11条(犯罪収益等収受罪)のマネー・ローンダリング罪が成立し得ます。これらは加害者・資金洗浄関係者を捜査するための重要罪名です。

2-6. 出資法・特定商取引法違反

出資法第1条違反(出資金の受入れの制限)・第2条違反(預り金の禁止)・第5条違反(年109.5%超の高金利)、特定商取引法違反(連鎖販売取引の不実告知等)等が成立する場合があります。

3. 立証ポイント

3-1. ブロックチェーン分析の活用と限界

暗号資産は取引履歴がブロックチェーン上に公開されているため、Chainalysis・Elliptic・TRM Labs等のブロックチェーン分析ツール・専門業者の調査により、加害者ウォレット→ミキシング→取引所までの資金フローを追跡可能です。捜査機関も近年、ブロックチェーン分析を活用しています。

ただし、オンチェーン分析だけで加害者の氏名・住所まで特定できるとは限りません。最終的な身元特定には、取引所のKYC情報、SNS・通信記録、銀行口座情報、警察捜査、弁護士による照会・裁判手続等が必要になります。ブロックチェーン分析業者の利用可否、費用、報告書の証拠化、警察提出時の説明可能性は事案により異なるため、行政書士が独自に暗号資産追跡を請け負うのではなく、必要に応じて弁護士・専門業者と連携します。

3-2. 取引履歴・SNS・LINEの保全

被害発覚時は加害者がSNSアカウント・サイト・アプリを即座に削除するため、以下の証拠を速やかに保全することが最優先です。

  • 取引所のCSV履歴・PDF出力(自分のアカウントの送受信履歴)
  • ウォレットの取引履歴・トランザクションID
  • 送金日時、送金元・送金先アドレス、数量、当時の円換算額
  • ブロックチェーンエクスプローラー(Etherscan・BscScan等)のURL
  • 加害者とのSNS・LINE・メッセージ履歴(スクリーンショット)
  • 加害者のプロフィール画像・アカウント情報・SNS投稿
  • 勧誘時のサイト・アプリ・ホワイトペーパー(魚拓・PDF保存)
  • 振込記録・暗号資産送金記録
  • 通話履歴・録音

注意:秘密鍵・シードフレーズは、警察・弁護士・行政書士・専門業者を含め、絶対に第三者に提供しないでください。詐欺被害がさらに拡大するリスクがあります。

3-3. 同種被害者陳述書

同じ詐欺で被害に遭った同種被害者の存在は、加害者の組織性・反復継続性・当初からの故意を立証する重要な証拠です。SNS・被害者の会等で他被害者と連絡を取り、陳述書を取得することで構成要件論証が充実します。

ただし、SNS上で他被害者と連絡を取る場合は、個人情報、証拠の真正性、名誉毀損、二次被害に注意が必要です。共同告訴の方針決定、被害者間の利害調整、返金交渉の取りまとめは弁護士業務となる可能性が高いため、行政書士は陳述書様式・証拠目録の整理にとどめます。

3-4. 運用実態不存在の立証

「実際には運用していない」「ホワイトペーパーが盗用」「示された運用実績が架空」等の運用実態不存在を立証することで、当初からの詐欺の故意を推認できます。金融庁の登録状況、警告情報、消費者庁の注意喚起等も重要な証拠です。

仮想通貨詐欺の事実関係整理サポート

ブロックチェーン取引履歴・SNS・LINE・送金記録・同種被害者陳述書等の多岐にわたる証拠の時系列整理から、警察署長宛て告訴状の作成・添付証拠目録の整理まで、行政書士法人Treeが対応します。スタンダード 38,280円(税込)/お急ぎ特急 49,280円(税込)/不受理時対応オプション +33,000円(税込)

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4. 被害回復の初動対応

4-1. 振り込め詐欺救済法に基づく口座凍結要請(弁護士業務)

銀行振込を伴う被害は、振り込め詐欺救済法(正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)に基づき、振込先金融機関への早期の口座凍結要請を行います。被害者本人が警察・銀行に被害申告・情報提供を行うことは可能ですが、被害者の代理人として金融機関・取引所に凍結・返還・開示を求める対応、民事保全、損害賠償請求、示談交渉等を行う場合は弁護士業務となります。

なお、暗号資産での送金被害は振り込め詐欺救済法の直接対象とならない場合があるため、銀行振込を経由した被害部分について本法の活用を検討します。

4-2. 暗号資産取引所への通報

加害者ウォレットアドレスが特定の取引所のアドレスである場合、当該取引所への通報により、当該アドレスの凍結・取引停止・KYC情報の捜査機関への提供が期待できます。

国内暗号資産交換業者には、犯罪収益移転防止法上の取引時確認、記録保存、疑わしい取引の届出等の義務があります。ただし、被害者や行政書士からの私的な照会に対して、当然にKYC情報・取引情報が開示されるわけではありません。取引所のKYC情報や入出金履歴は、警察捜査、弁護士照会、裁判手続等を通じて取得可能性を検討します。

4-3. 国際捜査連携

加害者が海外所在の場合は、FATF(金融活動作業部会)の勧告に基づく国際捜査連携、MLATs(刑事司法共助条約)の活用が期待できます。これは捜査機関の判断によります。

5. 警察への告訴受理を促す実務ポイント

仮想通貨詐欺は警察での受理拒否を受けやすい類型です(「投資失敗」「自己責任」と整理されがち)。以下のポイントで受理を促します。

  • 当初から騙す意図があったことを示す状況証拠の充実(虚偽の運用実態・ホワイトペーパー盗用・他被害者の存在)
  • 暗号資産送金記録の客観的証拠(ブロックチェーン上のトランザクションID)
  • 勧誘時の具体的言動(録音・LINE・SNS)
  • 被害金額の特定(複数回送金を時系列整理)
  • 同種被害者との連携(共同告訴)
  • 金融庁の警告情報・消費生活センターへの相談記録
  • 無登録暗号資産交換業の立証資料(登録番号の不存在)

6. 公訴時効と告訴前の確認事項

公訴時効

  • 刑法第246条詐欺罪・第246条の2電子計算機使用詐欺罪(法定刑10年以下の拘禁刑)の公訴時効は7年(刑事訴訟法第250条第2項第4号)
  • 資金決済法第107条違反(無登録暗号資産交換業、法定刑3年以下の拘禁刑)の公訴時効は3年(刑事訴訟法第250条第2項第6号)
  • 金融商品取引法第197条の2違反(無登録金商業、法定刑5年以下の拘禁刑)の公訴時効は5年(刑事訴訟法第250条第2項第5号)
  • 起算点は「犯罪行為が終わった時」から進行(刑事訴訟法第253条第1項)

仮想通貨詐欺で複数回の送金がある場合、各送金行為が別個の詐欺と評価されるのか、一連の詐欺行為として犯罪行為の終了時をいつと見るのかにより、公訴時効の起算点が変わる可能性があります。各送金日、勧誘日、最後の欺罔行為、最後の送金日、出金不能判明日を時系列で整理し、弁護士・警察に確認します。

告訴前の確認事項

  • 被告訴人の特定情報(氏名・住所・電話番号・SNSアカウント・取引所アカウント・ウォレットアドレス等)
  • 送金履歴の客観的証拠(取引所履歴・ブロックチェーントランザクションID)
  • 勧誘・運用説明の証拠(LINE・メール・録音・サイト・ホワイトペーパー)
  • 同種被害者陳述書
  • 金融庁の登録状況・警告情報
  • 消費生活センター・国民生活センター等への相談記録

7. 業務範囲の整理

行政書士の業務範囲(行政書士法第1条の2第1項:権利義務又は事実証明に関する書類の作成)

  • 警察署長宛て告訴状・告発状の作成
  • 事実関係整理書面の作成(時系列での欺罔行為・錯誤・財産処分行為・財物交付・故意を示す事実の整理)
  • 添付証拠目録の整理
  • 事実証明書類の作成(被害経緯の整理、ブロックチェーン取引履歴・SNS等のテキスト化整理)
  • 他被害者の事実関係整理項目表・確認シートの作成(氏名・連絡先・被害日時・勧誘内容・送金日・送金額・証拠資料等の項目整理)

業務範囲外(連携先専門家)

  • 検察庁に提出する告訴状の作成(司法書士法第3条第1項第4号の業務範囲)。当事務所では、業際リスクの観点から警察署長宛て告訴状の作成に限定して対応
  • 捜査機関(検察官・警察官)への代理対応・示談交渉・代理出廷(弁護士法第3条・第72条、弁護士業務)
  • 被害金返還の交渉代理・取引所/銀行への口座凍結要請の代理・取引所への照会・KYC情報請求(弁護士法第72条、弁護士業務)
  • 共同告訴の方針決定・他被害者との交渉・代理提出(弁護士業務)
  • 不法行為(民法第709条・第710条)・不当利得返還請求(民法第703条・第704条)の民事訴訟代理(弁護士法第3条、弁護士業務。訴額140万円以下の簡裁訴訟代理は認定司法書士・司法書士法第3条第1項第6号も可)
  • ブロックチェーン分析・暗号資産追跡(専門業者、Chainalysis等のフォレンジック業者。費用・調査範囲・報告書の証拠化・個人情報/探偵業法上の問題を確認)
  • 国際捜査連携・MLATs活用(捜査機関・弁護士)
  • 消費生活センター相談(自治体窓口・消費生活相談員)

FAQ|よくあるご質問

Q1. SNSで知り合った海外の相手に仮想通貨投資詐欺に遭いました。告訴できますか?
A. 可能です。加害者の海外所在は捜査の困難要因ですが、刑事訴訟法第230条により被害者は告訴できます。SNS・LINEの保全、送金記録の整理、ブロックチェーン取引履歴の確保、同種被害者の連携を進めながら警察署長宛て告訴状を提出します。並行して取引所・銀行への口座凍結要請(弁護士業務)も検討すべきです。

Q2. 「投資失敗」と「詐欺」の区別はどうしますか?
A. 当初から騙す意図があったか(詐欺の故意)が区別の基準です。立証要素として、(1)運用実態が架空または存在しない、(2)ホワイトペーパー・運用実績が盗用・偽造、(3)他被害者が多数存在する、(4)被害発覚時に運営者が連絡不能・サイト/SNS削除、(5)無登録の暗号資産交換業として営業していた、等の状況証拠を時系列で整理することで「詐欺」と立証できます。

Q3. 仮想通貨の送金履歴はどう確保しますか?
A. ブロックチェーン上の取引履歴は永続的に記録されるため、トランザクションID(TxID)を控えれば後日でも追跡可能です。証拠保全では、スクリーンショットだけでなく、取引所のCSV履歴、PDF出力、トランザクションID、ブロックチェーンエクスプローラーのURL、送金日時、送金元・送金先アドレス、数量、当時の円換算額を保存します。秘密鍵・シードフレーズは、警察・弁護士・行政書士・専門業者を含め、第三者に提供しないでください。

Q4. 仮想通貨詐欺の公訴時効は何年ですか?
A. 刑法第246条詐欺罪・第246条の2電子計算機使用詐欺罪の公訴時効は7年(刑事訴訟法第250条第2項第4号)です。複数回送金がある場合は、各送金行為が別個の詐欺と評価されるのか、一連の詐欺行為として終了時をいつと見るかにより公訴時効の起算点が変わる可能性があるため、時系列を整理して弁護士・警察に確認します。資金決済法第107条違反(無登録暗号資産交換業)の公訴時効は3年と短いため、早期の告訴が望ましいです。

Q5. 被害金は返ってきますか?
A. 仮想通貨詐欺の被害金回収は極めて困難です。理由は、(1)加害者の海外所在・身元偽装、(2)ブロックチェーン上の追跡困難性(ミキシング・複数ウォレット経由)、(3)海外取引所への執行困難、(4)被害発覚時の即時資産分散等です。銀行振込を伴う被害については振り込め詐欺救済法に基づく早期の口座凍結要請(弁護士業務)が一定の回収可能性を残す手段ですが、暗号資産送金は同法の直接対象外の場合があります。口座凍結等の代理対応は弁護士業務として迅速に行います。

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仮想通貨詐欺の告訴状作成サポート

仮想通貨(暗号資産)詐欺(ポンジ・スキーム・ICO/トークンセール詐欺・ロマンス詐欺・偽取引所/偽ウォレット詐欺・ラグプル・SIMスワッピング等)について、警察署長宛て告訴状の作成・事実関係整理書面の作成・添付証拠目録の整理を行政書士法人Treeで対応します。スタンダード 38,280円(税込)/お急ぎ特急 49,280円(税込)/不受理時対応オプション +33,000円(税込)

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まとめ

仮想通貨(暗号資産)詐欺は、ポンジ・スキーム、ICO・トークンセール詐欺、ロマンス詐欺、偽取引所・偽ウォレット詐欺、ラグプル、SIMスワッピング等の典型手口があります。適用罪名は、刑法第246条詐欺罪(10年以下の拘禁刑)を中心に、偽ウォレット・ハッキング・SIMスワッピング型では刑法第246条の2電子計算機使用詐欺罪、無登録交換業の運営実態がある場合は資金決済法第107条違反(3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金)、無登録金商業の場合は金融商品取引法第197条の2第10号の4違反(5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金)、加害者本人のマネー・ローンダリングは組織的犯罪処罰法第10条・第11条等が並行的に成立する可能性があり、複数罪名での告訴を検討します。

立証は、加害者の海外所在・身元偽装・追跡困難性等の課題がありますが、ブロックチェーン分析(Chainalysis・Elliptic・TRM Labs等の専門ツール)、取引所・ウォレットの取引履歴・SNS・LINE等の通信記録の保全、同種被害者の陳述書、運用実態の不存在の立証で受理を促すことが可能です。ただし、オンチェーン分析だけで加害者の氏名・住所まで特定できるとは限らず、最終的な身元特定には取引所のKYC情報・警察捜査・弁護士照会・裁判手続等が必要となります。

被害金回収のためには、被害発覚時の早期対応が極めて重要です。銀行振込を伴う被害は振り込め詐欺救済法(正式名称:犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)に基づく早期の口座凍結要請(弁護士業務)が一定の回収可能性を残す手段ですが、暗号資産送金は同法の直接対象外の場合があるため、暗号資産取引所への通報、国際捜査連携(FATF・MLATs)等を並行的に検討します。いずれも被害発覚から短時間(数時間〜数日)以内の対応が成否を分けます。

公訴時効は刑法第246条詐欺罪・第246条の2電子計算機使用詐欺罪が7年(刑事訴訟法第250条第2項第4号)、資金決済法第107条違反が3年、金商法第197条の2違反が5年で、起算点は犯罪行為が終わった時から進行します(同法第253条第1項)。複数回送金がある場合は、各送金が別個の詐欺か一連の詐欺かにより起算点が変わるため、時系列を整理して個別に確認が必要です。

当事務所では警察署長宛て告訴状の作成・事実関係整理書面の作成・添付証拠目録の整理を行政書士業務範囲(行政書士法第1条の2第1項)で対応します。検察庁宛て告訴状の作成は司法書士法第3条第1項第4号の業務範囲(行政書士業務との競合的業務範囲ですが、当事務所では業際リスクの観点から警察署長宛てに限定)、捜査機関への代理対応・口座凍結要請・被害金返還交渉・民事訴訟代理は弁護士業務(弁護士法第3条・第72条)、ブロックチェーン分析・暗号資産追跡は専門業者の業務範囲となります。仮想通貨詐欺の被害でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

※ 本記事は執筆時点の法令・実務に基づき細心の注意を払って執筆しておりますが、内容の正確性・完全性・最新性を保証するものではなく、誤記・脱漏等があった場合でも当事務所は一切の責任を負いません。法令・実務の取扱いは改正・運用変更により変動します。個別具体的な事案・手続については、必ず行政書士・弁護士・税理士・司法書士等の専門家にご確認のうえご判断ください。

行政書士法人Tree